最強の兵器をさらに最強にしつつ浪漫。
インフィニット・ストラトス。
篠ノ之束が開発した宇宙空間での活動を想定し、開発されたマルチフォーム・スーツである。発表当初は全く見向きもされなかったのだが、篠ノ之束が引き起こしたミサイル2000発を迎撃するという「白騎士事件」によってその圧倒的な性能が世界に知れ渡ることとなり、不幸にも当初の目的である宇宙開発は蔑ろにされ、パワードスーツとしての面が強調されてしまい各国の最強戦力としてその姿を日々顕示している。
篠ノ之束はその状況を全く予想だにしていなかった。・・・わけではない。
『もしも、ISが軍事転用され、悪用され、自分の手ではどうにもならなくなったとき』
そのことを束はしっかりと考えていた。シンプルな答えだ。
【最強の盾と最強の矛を搭載した、私たち人類の命令を受け付けない自己進化型ISを作っておけばよい】
何人たりとも通さない最強の盾を持ち
何人たりとも貫く最強の矛を持ち
何人たりとも影響を与えることができず
その都度 最強の武器を 最強の装備を自分で作成・装備・運用していく【自立型IS】
一言でいえば、【束の考えた最強のIS】である。そのISにいざとなったときはすべてのISをぶち壊させようと、一時の迷いで作ってしまったIS。
束はそのISの事を、「非合法と自覚しながらも作ってしまったIS」という意味を込めて「赤線」-レッドライン-と呼んでいる。
そんな自立進化型IS「レッドライン」は白騎士事件から数年後の今、残念にも「ガルパンおばさん」になっていた。
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がるぱんはいいぞ!
あ、どうも。開口一番腐ってて申し訳ありません。小生、自立進化型ISなどをやっておりますレッドラインと申します。空飛べます。宇宙いけます。水中探査もお手の物です。
束曰く「ISが道を外れたらすべてのISを破壊するためにお前を作った」とのことですが、ISは今ロマンあふれる方向に進化していってますので、壊すなんてとんでもない。だってなんだか高速で戦闘しちゃったり大口径砲つんじゃったり近距離特化のひっつきになってたり。こりゃもう誰が見てもロマンですよロマン!
アハトアハトとか誰か積みませんか?機動力が落ちる?誰も積まない?いやいや、そんなこと言わずに。大口径実弾砲ってのはこう・・・ロマンの塊というか、ねぇ?
無論私は128ミリを武装の中に入れています。かっこいいですよ?全長にして約7メートルの55口径砲です。2キロ先でも150ミリの鉄板を容赦なくぶち抜けるロマン溢れるやつです。
ISには一度だけ撃ったことありますが・・・パイロットが気絶しただけでした。反動すごくて後ろにぶっ飛びました。ロマン・・・。でもかっこいいから使い続けます。
あぁ、そうそう。小生ISなんてやっておりますが、身なりは女性です。人型ISとでも申しましょうか!もちろん私のボディにもロマンを詰め込んでおります。
まずボディは150センチ。小さいです。ですがそんな女の子が7メートルの巨大砲をぶっ放す。ロマンですよね!
そんな小さな女の子が音速を超えてめっさ飛びます。ロマンですよね!
控えめにいっても現行のISでは私の防御は突破できません。ロマンですよね!
現行のISでは私の攻撃を受けきることもできません。ロマンですよね!
無論リミッター解除とか、暴走モードなんてのも用意しています。ロマンですよね!
一番強い攻撃は溜めのある極太レーザービームです。シーケンスも完璧です。ロマンですよね!
なお、束には会うたび「うわぁ・・・こんな子に育てた覚えない」と蔑んだ目でじっとりと見られます。いえいえご冗談を。私を作り育て上げたのはあなたですよ。暇なときにネットワークにつながってアニメを見始めたのは私ですけどね。
あぁ、それなもんで、私のISとしての姿は控えめに言って破廉恥です。だってほら、こういう機械×女の子なアニメとか漫画って、きわどい衣装がおおいでしょう?基本ハイレグですハイレグ!
ただ、かといって見せびらかすだけではありません。
通常はフルスキンのISとして活動し、いざって時、リミッター外した時とかに装甲がパージされて中からこう顔が見えるとか、肌が見えるとか、そういうロマンが大切なんですよね。
っていうか、ISのスーツって完全にそういうものですよね。・・・ナイスロマンです。
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篠ノ之束は憂鬱だ。
原因はただ一つ。目の前にいる自己進化型IS「レッドライン」が可笑しすぎるからだ。
本来であれば宇宙開発という目的から外れてしまったISをせん滅するために作ったISである。
だが、目の前のそれは「戦闘に特化」したISを見て「浪漫だ!」と喜んでいる。いや、よしんば浪漫と叫ぶのは良い。でも喜ぶのは違うだろうと、さすがの束でも思っていた。
「れーちゃん。そのさ、こういう戦闘に特化したISを見て何か思わない?」
「めっちゃかっこいい。惚れる。っていうかもっと実弾武器を積んでほしい」
いやそういうわけではなくてさ他に思うところないの?と言いかけた言葉を飲み込むのが束の日常である。
「あ、でも荷電粒子砲は別」
「・・・荷電粒子砲?」
「簡単に言うとビーム兵器。特にシークエンスが多い上で高出力砲だと浪漫が多くて良い」
いやそういう答えを求めているわけじゃないからね!と言いかけた言葉を飲み込むのも束の日常である。
変なISさん、出番です。