ダンまちにアクシズ教を!【更新停止】 作:アクシズ
沢山の誤字脱字報告頂きました。申し訳ない気持ちになりつつも、有難いです。
報告頂いた箇所の修正終わりました。ありがとうございます。2017/4/07/17:40
俺の名はオッタル『美の女神』フレイヤ様にかしづく者。今日もフレイヤ様は美しい。
「ねぇオッタル────面白い子を見つけたわ」
それは喜ばしい!今回選ばれた幸運なる者はさて、どのような者であろうか。
どれと見てみると少女が三人のようだ。
「ふふっ信じられる?あの子の
ボーン!バーン!・・・・・・だと?
その普段は見せることない、まるで少女のように楽しそうに笑うフレイヤ様───俺はその可憐さにやられ、腰が砕けそうになるのを必死に抑えることしかできない。
「連れてきて頂戴。穏便にね。それとあの蒼髪の子もちょっとおかしな存在みたい。
俺はとろけそうになる顔を必死に抑え、絞り出すようにただ一言。
「フレイヤ様のお心のままに」 そう伝え早速、少女達の調査に乗り出す。
♢
調査を開始する。監視対象は三名。これより気付いた事など些細なことでもメモに残すとする。
まずは蒼髪の少女。ヒューマンではないのだろうが、そうだと仮定すると15からいって20歳。青色を中心とした軽装に身を包んでいて、直接見て驚くのがあの『羽衣』だ。明らかに動きがおかしい、魔道具の類と想定。体の動かし方から見るに、格闘技術は未熟。あの装備でダンジョンに赴くというのだから、魔術師の類と想定。直接見た感想で言えば、危険度は低いが、人の子ではないとの言葉から警戒はすべきだ。
次に『魂が爆発』しているという少女。そのような話は初めて聞いたが、フレイヤ様がおっしゃることは絶対だ!彼女を爆発少女と呼ぶことにする。小人族というには少々大きい身長から、おそらくヒューマンであろう10歳前後に見える。身のこなしは素人とは違うようだが、多少嗜みがある程度で、脅威度は低い。ただし黒いマントに黒のとんがり帽子と明らかに魔術師の恰好をしている。ただの黒く染めた、ぬの装備に見える上、杖の類を装備していない。フレイヤ様が見初めた『魂』だ何か隠し玉があると想定。
最後のアマゾネスらしき。これまた10歳程の少女。あの戦闘部族にはしては珍しいことに、鍛錬の様子が感じられない。完全に一般人の少女に見える。フレイヤ様から何も言われなかったことを考えると、おそらくただの少女なのだろう。危険度を一番低く設定。
「こういうむしゃくしゃする時はパチンコ行くわよ!」「アクアが勝ってくることなど一度もありませんが、よくもまぁ続きますねー」「なんかあの玉が転がってるの眺めてるの好きなのよ。可愛いじゃない?」「ぱーるもやるー!」「まぁ普段アクアが負けてる分もわたしが取り返してあげましょう!」
あの蒼髪の少女はアクアというらしい。パチンコとは通常、店側がどうやっても儲けるようになっている。それを眺めるのが好きという理由で時間と金を浪費するとは・・・【フレイヤ・ファミリア】に加入することになったら鍛え直す必要があるかもな。
監視対象達は南のメインストリート繁華街を進み。貴族が利用するような高級酒場や
そのパチンコ屋はメインから少々横道にそれたところにあった。これまた慣れた様子で店内に入る少女達。それを追って店内へ入ると店員が近寄ってくる。
「アクア様!ようこそいらっしゃいましたぁ!本日は~~~」
「いらっしゃいませオッタル様。当店へいら『すまんが案内等不要。いない者としてふるまってくれ』はっ・・かしこまりました。ごゆっくりどうぞ」
あの様子だと名前を覚えられる程の常連のようだ。その後三人は並んでパチンコ台に座り、黙々とゲームを始めた。するとすぐに爆発少女の台に何やら演出が起きる。
「ちょっとかずみん!あんたってばもう出しちゃったの!?相変わらず凄いわねその『幸運』っぷり・・・」「ふっわたしにかかればパチンコ台など、ただの貢ぎマシーンとなるのです!」「かずねーすごーい!」
爆発少女はカズミンというのか。あまり聞きなれない名前だな。どこか遠方の出なのかもしれない。そしてアクア曰く『幸運』であると。運がいいとは上方修正だ。ダンジョン内にて運の要素は馬鹿に出来ないであろう。そしてカズネーとは姉という意味か?だとすると彼女達は義理の姉妹かもな。
その後もカズミンの台は当たり続けて、玉を放出し続けている。そしてその隣のアクアは尽きた玉を、カズミンからもらい流れるように消費していく。アマゾネスの少女は可もなく不可もなしといったところか。
そして更に大当たりを続けるカズミンが珍しいのか、周りに人だかりが出始める。
「おいおいすげぇなお嬢ちゃん!こんなに出続けてるのなんて初めて見たぜ! 」などと周りの者達が称賛する。するとそれに気分を良くしたのかアクアが「なんたって私の娘だからね!ほらっ!見てるだけ何てつまらないでしょ、これあげるからあんた達も打ちなさい!」「おおっ!気前いいな!」
そう言うと、カズミンが放出し続ける玉を周りの見物人達へと配り始める。どうもこのアクアという少女は、その場のノリで生きているように思える。そして娘か・・・見た目の年齢差を考えると、ますます人でない可能性が増えた。『神』の中では数少ないが神威を完璧に隠せる存在もいるという。ただしこのオラリオで普通に生活する中で、そのようなことをするとは思えん。だがそれ以外であり得るのか?フレイヤ様が見通せないモノなど・・・
そうして余りにも当て続けるカズミンを怪しんだ店員に対し、アクアが暴言を吐き、周囲の客を味方に付け「わたしなんて今まで一度も大当たりしてないわ!そっちこそインチキしてんじゃないでしょうね!」「「「俺も出ねえぞぉ!」」」と責め立てる。そのような一幕がありつつも、十分に遊び満足したのかホクホク顔で、外へ出る三人。アクアにはパチンコに勝とうが負けようが、実のところどうでもいいのかもしれない。それかあれだけ周りに配りつつも、常に玉を出し続けるという幸運のカズミンのおかげか。
「ぱーるお腹すいた!」「そうね!少し早いけどご飯にしましょ」「それならあそこにしませんか、美味しいと評判の『豊饒の女主人』というお店が西通りにあるみたいです」「かずみんに任せるわよ」「ぱーるはどこでもいい!」
アマゾネス改めパールか、あの少女は今のところ何も気になるものを見せない。
どうやらメインストリートではなく、裏道を進んで西へ進むようだ。やはり通り慣れた道なのであろう。
「むむっアクア、どうやらわたしの出番のようです。ちょっと行ってくるのでフォローは任せましたよ」「まっかせなさい!録画もバッチリしとくからね!」「かずねーがんば!」「はい行ってきますね」
どこへ行こうというのか、いきなりカズミンは周りを確認すると、頭をにすっぽりと被るタイプの黒い仮面(※3)を取り出した。どこからあのような物を取り出した気になるが、その仮面を被ると建物に登りだした。器用なものだ。監視対象が別れたが、突然の奇行を始めたカズミンを追うとする。
そして行き着く先はというと、二人の男が小人族か小さな少女(フード付きマントを着こんでおり詳細はわからない)に対し、殴る蹴るの暴行を加えていた。何と醜い者達か・・・精々レベル2といった男二人が寄ってたかって、レベル1の少女(おそらくサポーターであろう)に何やら喚いている。
そして奴等の頭上にある建物屋上から黒い仮面を被ったカズミンが───
「我が名はアクシズ仮面!正義の味方にして、見通す紅魔族である!」
派手な煙幕(どうやって出した?)と共に名乗りを上げる。アクシズ仮面?紅魔族?色々突っ込み処があるが今は観察だ。
「んだテメェは!」「すっこんでろ!」
「いたいけな少女を初めから騙そうと近づき、逆に騙された哀れな冒険者よ、敢えて言おう。自業自得であると!」
「チッこいつの仲間か!?」「んな所から出てきやがって、そこで黙ってみてろ、今からテメェの仲間のクソガあぁ!?・・・何しやがった」
何だ今のは。カズミンの被る仮面の左目がある部位が、スライドして開いたと思えば、そこから光が一直線に飛び出し、倒れた少女に手をかけようとした男の目の前を通りすぎ、地面に穴を開けた。(※1)
「教える義理はないな、知っているか?クソガキをぶっ殺す!などとホザク悪は裁かれるのだよ───【パラライズ】ッ!」
「何だ!何しやがった!?体が動かねぇ!」「もう黙りなさい【スリープ】」(※2)
先程までの柔らかい空気が消え、その言葉にも重圧がかかる。とても10歳程の少女が出した声とは思えん。
そして超短文詠唱を二つも!一つは体が動かなくなる?そしてその後眠ったように目を瞑りながら、立ち続ける男達を見るに、気絶か眠りなどの異常状態を引き起こす魔法とみえる。どの程度の強制力が働くかはわからぬが、効果が及ぶ相手ならかなり優秀な魔法のようだ。
「大丈夫でしたか?」「いえ・・・気にしないで下さい。ありがとうございます」
「随分酷いことするわね、こいつら、今治してあげる【ヒール】」
カズミンを追って少し前から、たどり着いていたアクアが、これも超短文詠唱か。ヒールと唱えると、みるみるうちに少女のケガが治っている。
「とても気持ちいいです。すみませんありがとうございます助かりました冒険者様」
「違いますよ、冒険者ではなくアクアは水の女神様です。そしてわたしは正義の味方アクシズ仮面!さっこれをどうぞ」
「・・・入信書・・・ですか?」「ええ今あなたのケガを、一瞬で治した偉大なる女神アクアを褒めて甘やかす為の宗教団体。アクシズ教団への入信書です。説明書も添えてありますので、気が向いたら是非仲間になって下さい。怪我も治ったでしょうし、気を付けてお帰りを。我々はまだやることがあるのです」
早口で言い放つアクシズ仮面に、タジタジの少女は
「はっはい。これで失礼させてもらいます・・・ありがとうございました」
少女が足早に立ち去ると、またどこからか、カズミンが看板を取り出し、それにアクアが何やら記入しだす。
「かっこよかったアクシズ仮面!」「まだです。アクシズ仮面の活躍はまだこれからですから、ちゃんと見ておくのですよ、ぱーる」「うんわかった!」
そうしてアクアが何やら記入した看板と、二人の男を引きずって西のメインストリートへと向かうアクシズ仮面。あの仮面や名前を偽る意味が分らないが、何故だろう。俺の中の何かが熱く燃えだすような感覚を感じている。
引きずられた男達をメインストリートのど真ん中に捨て去ると、そこに看板を突き刺したアクシズ仮面。そこには
『ポク達ようじょに暴行を加えた悪い子デース!反省してまちゅごめんなちゃい。沢山罵声を浴びせてから捕まえてね。悪いポク達をタイジしたのは、正義の味方アクシズ仮面デス』
と書いてあった・・・・・・酷い、いやあの者どもはこうされても仕方のない程のクズだったのだが・・・酷い。
そのような痴態を晒す男達の周囲に人が集まってくる。
「おいおいこいつはなんの騒ぎだ?ってプッ!なんだこいつら!」「さいてー」これでもかというほど罵声を浴びせ始める住民達。その多くは冒険者ではない一般人のようだ。そのまま騒ぎは収まることなく続いていたが、ふと観察対象であるカズミンいやアクシズ仮面を見失ってしまった。
突然世界が暗くなる
何が起きたかわからない。だが見つけた。アクシズ仮面がまた高所から人々を見下ろしている。
そしてアクシズ仮面の頭上にのみ光が差す。この現象は何だというのか。
「フハァ~~~~~ハッハッハァ!」
誰?いきなり現れた素敵な仮面の方は一体誰なの!? なーなーあそこー建物の上になんかカッコイイのいる!
なにやら聞き覚えのある声がするが、今は捨て置こう。
「人々よ!我を恐れ、求めるがいい、我が名はアクシズ仮面!《アクシズ教団》からおくられた正義の味方!」
突如として現れた、アクシズ仮面という存在に周囲はざわつく。しっみんな静かに!あの素晴らしいと評判の《アクシズ教団》からきた正義の味方の声が聞こえないわ!
「我々《アクシズ教団》は武器を持たない全ての者の味方である。たとえそれがロリコン、ショタコンであろうと、熟した異性しか愛せなかろうと、同性愛者でもだ!」
・・・・・・ざわざわ
「ここにいる男達は『
そうだそうだ!悪には罰を!正義の鉄槌を!うおぉぉぉぉぉぉ!!!何やらまた聞き覚えがある声が先導していたような気がするが、それが気にならない程、周りの者達も熱していく。ここに今いるのは殆どが一般人。ガラの悪い冒険者に対して、悪感情があろうとも、面と向かって文句がいい辛い立場だ。日頃からの鬱憤が溜まっているのかもしれん。
「───だが、戦いそれ自体を否定はしない」
ふたたび沈黙───アクシズ仮面には扇動者としての才能があるのかもしれない。その身振り手振りによって民衆の注意を一心に集める。(※4)
「しかし、強い者が弱い者を一方的にしばく事は断じて許さない!しばいていいのは、しばかれる覚悟のある奴だけだ!」
「我は力ある者が力無き者を襲う時再び現れるだろう。たとえ、その敵がどれだけ大きな力を持っているとしても!」
「正義の味方・・・」「ショタコンの味方・・・」偶々この場面を見かけた二人の
「力あるものよ、我を恐れよ!力無き者よ、我を求めよ!世界は我々アクシズ教団が裁く!!」
うおおおおおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!! アクシズ!!!アクシズ!!!アクシズ!!!アクシズ!!!
───この少女は確かに、面白いものを持っているようだ・・・・・・
一方その頃フレイヤ様
「なんなのあの子、やめて!これ以上笑わせないで、ヒィ~正義の味方!ドヤっ!とかっもう!」
「しばいていいのは、しばかれる覚悟のある奴だけだ!・・・・・・・プゥ~~~~~~くっ・・・ふぅ~・・・・・・・・あの子は危険だわ」
アレン「フレイヤ様がこんなにお腹を押さえて笑う姿、初めてだ!!!美しい・・・笑い転げるフレイヤ様も美し過ぎる!」
原作では会話するシーン少ないので、武人っぽいのと主神様バンザーイなイメージなオッタルさん。何だか淡々の観察するだけな男になってしまいましたが、次話も続きます。
(※1)飛び出した光線 その正体は【かずみん式破壊光線】当たったものを破壊する。大悪魔バニルから教わったスキル。
(※2)スリープ 相手を眠らせる。眠った相手はなかなか起きない。中級魔法
(※3)黒い仮面 某黒の騎士団のリーダーの仮面っぽい。かずみんが手細工で作ったので、ちょっと不格好な感じ。左目がある部分だけスライド式になっていて、ワンタッチで開閉する。ビームは別にどこからでも出せるが、ただの演出で眼帯から出した。
かずみんの演説 はいすみません。これも某黒の騎士団のリーダーイメージしてます。
最初はガネーシャの仮面に刺激され、何故か正義の味方アクシズ仮面が誕生しました。
かずみんノリノリです。仮面の中では紅眼が爛々でしょう。
(※4)扇動者としての才能 一応王族なのであるのかもしれない。