白き境界   作:ザラさん

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今回はバトル回となっておりますがこうした対人戦(?)は初めてなので少し緊張しております。では、お楽しみください。


〜鍛冶神 Hephaistos〜

その化け物は数mも吹っ飛ばれながらも、傷一つ無く血の海に着地する。

 

「へえ、僕の攻撃を受け止めるなんてさ、お兄さん、何者?」

 

「うるせえ!なんでてめえに教えなきゃ、ならねぇんだよ!」

 

「僕はヤコブ。人から名前を聞かれたらちゃんと答えないと、常識でしょ。ん?褒めてくれるの、嬉しいなぁ♪ありがとう」

 

その少年は片手に誰かの頭蓋骨を持ちながら、まるで家族に話しかけるかの様に心から喜んでるように見えた

 

そしてその姿を眺めるのが、俺はあまりにも不気味で気分が悪い。

 

はっきり言って、反吐が出る。

 

だからだろうか、我慢がならずに俺は問う。

 

「お前、それは誰の遺骨だ?」

 

「誰だろう?そこらへんに転がってるやつだね」

 

「名前の知らない誰かを殺して、なんでそんな風にいられんだよ!!」

 

「だってこの方が話しやすいし、都合が良いんだもん」

 

ああ・・・こいつは・・・。

 

「そうでしょ?だって生きてる人間は、喚いたり、怒ったり、面倒だしね」

 

本当に・・・。

 

『何か気に入らなかったらすぐ怒鳴る、すぐ喧嘩する、気が付けばどこかで泣く。笑ってれば好いのに。だったらさ、みんな死体にすれば良いじゃん』

 

悲しいし、むかついて堪らない。

 

「黙れ、もう喋んな、声出すんじゃねえ!」

 

「アズラ!」

 

右手に現れるのは刃渡り90cm程で柄には悪魔の顔の様な物が見える剣。

 

「ヴァサーゴ!」

 

左手には牡山羊の頭を象った大口径の拳銃、銃弾を装填する場所が見当たらないから少し心配だが。

 

どうしてこんな事が出来たのか、これがなんなのか、そんな事はどうだって良い。

これ以上、こいつの存在は一秒たりとて許してはならない。

 

「ほらほら、そう言うの。やっぱり、お兄さんもそうなら死体になって仲良くしようよ〜」

 

「うるせぇ!」

 

自身の振り下ろした剣をヤコブは左に持った剣で受け止める。金属が微量に擦れ合う時に生ずる金属音、直ぐに薙ぎ払い、第二の斬撃を見舞おうと迫る。

 

「ぐっ・・・」

 

「おらあ!銃弾でもしゃぶってろ!!」

 

いいぞ、押している、いける!

 

剣撃と銃撃が恐ろしい程に噛合っている、相手はパワーやスピードと言ったステータスは一般人並み、これならいける!

 

そんな俺の考えを悟った様に不気味な笑みを浮かべながら。

 

『仕方ないなぁ』

 

信じられなかった。信じたくなかった。これから起こる事に。

 

「顕現せしめん 個我に宿る、神聖よ。我は神の代行者」

 

「!?」

 

ヤコブから発せられる、魔法の言葉、それを放った時、不可能な事象を引き起こすのだ、そこに如何なる物理法則をも通用しない。

 

「歓喜せよ その體に宿る血潮は正しく強者の証」

 

放つ言葉の一語一語が強く、それがどれ程のものかはっきりと伝わる。

 

「至高の炎を燃やし 勝利を刻み 敗北を踏破するのだと猛き雄々しく叫ぶのだ 骨を勲章に鎧とせよ その真実は装飾により色鮮やかに自らを繁栄する」

 

「鉄を打て 鋼を鍛えよ その鍛錬はあらゆる脅威から身を守り あらゆる脅威を駆逐するだろう」

 

「故に さあ戦人よ 剣を取れ 弓を弾け その武器を我が力にて齎す事を誓おう」

彼にしか持たない異能が顕現する。

 

「来たれ その神(な)はヘファイストス!」

 

ヤコブは指揮者の様に腕を動かすと地面の血の海があいつをまるで壁の様に覆う。銃口から雨の様に放たれた弾丸の猛攻を意図も容易く防いでいく。

 

それだけではない。いや、それだけならまだ良いかもしれない。

 

今度は壁が消えたかと思えば、俺の剣を指さし、指を動かせば、なんと右手にある剣の刃先が自身の腕を刺していたのだ、しかも粘土の様に刀身が曲がっているときた。

 

しかも恐ろしい事にまるで意思を持つかのように奥まで刃は喰い込んでいく。

 

「ぐう、うああああああああああああああああああ!?ひい、いっ、あぐ、あっ、ああああああああああ!!」

 

 

肉や骨を抉りっていく。皮膚も血管も貫かれていきしかも常に刃が激痛を与えて来る上に貴重な利き腕が台無しになるばかりか奥に刃が喰い込んで腕がみたいに動かす事が出来ない。

 

「あははは、良い声で泣いてくれるねえ」

 

じりじりと近づいてくる、それに反応するかのように血の海は踊るかのように波立ていく。

 

「くそ!」

 

なら、ぶん殴れればと言う甘い考えを消し去るかのように俺の肉体から血が針の様に皮膚から貫く、腕に食い込んだ剣が抜けるがもはや言葉にならない叫びをあげる。腕に食い込んだ剣は抜かれるも、身体は先ほどの激痛まともに動けない、と言うより動かしたくない、この血も総て抜かれそうで。

 

「ぐ・・・う、うおああああああああああああああ!!」

 

「僕は金属、またはそれを含む物体を自由に操作出来るのさ。すごいだろう?さあ・・これから第2ラウンドを始めようか、まだ遊び足りないんだからさ」

 

ハワードははこの光景を目に焼き付けていた、血の海に膝を着きながら、この差に、圧倒的な力の差の前に驚愕を隠せなかった、だが同時にその瞳に映る闘志の眼差しは寧ろ燃えていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




如何でしたでしょうか?詠唱も付随することにより、より凶悪さをました、ヤコブ君。
ピンチな主人公、これをどう切り抜けるのか!
てなかんじで今後ともこのスタイルでやろうかと検討していますので、意見、質問、何卒宜しくお願いします。
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