白き境界   作:ザラさん

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3話を投稿してからかなり時間が空いた事をお詫びします、ヤコブ君との決着回です。
では、どうぞ。


~区切り Settlement〜

絶望と言うのはきっとこの様な状況なんだと実感させられる。こいつにはきっと普通に足掻いても通用しないのだと本能の様なモノが嫌だと言う程伝わる。

 

そんな事を考えてる暇さえ無いのだと、今度は俺の肉体から血が針の様に皮膚から貫く、腕に食い込んだ剣が抜け、元の形に戻るが激痛で思考が鈍り始める。身体はまともに動けない、と言うより動かしたくない、この血も総て抜かれそうで。

 

「ほらほら、そんな顔しないでよ。見ているとすごく興奮して濡れそうだよ。あ、もう濡れているか。あっ、はははははははははははは!ははははははははははっ!!」

 

この糞餓鬼、よくもまあ、高笑いしながら言いたい事色々ぶちまけやがって。

 

「どうかしたのかい?ああ、分かるよ。余りにも僕の強さに感銘して言葉が出ないのか。初見でかつ劣等主なら仕方ないんだよ。人間と言うのはこう言った状況での思考のパターンは決まっている、媚びる、縋る、逃げるのどれかなんだよ。如何にも勝てない状況で立ち向かうのは勇者とかの御都合主義くらいなもんさ。だからね?君はその類には見えないからね。だから選ばせてあげるよ、逃げたい?助けてと媚びたい?縋りたい?」

 

ニヤリと笑みを浮かべて勝利を確信しながらあいつは他人の血液で出来た剣の刃を顔に向けている。

 

俺は痛みに悶えている。そしてどうしようかと必死になりながら俺の「足りない」頭で無駄な策を巡らせる。

 

それに・・・

 

「くそ・・・あの面、ムカつく」

 

そう思いながら俺はただ考えていた。

 

動き、動作、それと並行して異能が発動する。

 

そして何かに気付いたのか、彼は見下している敵に向けて顔を上げる。

 

「まさか・・・」

 

この状況を、この土壇場のシチュエーションをなんとかする方法を実行する。

 

でなきゃ死ぬ。

 

「楽しかったよ?お兄さん、最後に何か言いたい事ある?それともキスしちゃおうかな?」

 

ヤコブの剣が俺を貫こうと迫る

 

「くたばれ、エロ餓鬼」

 

銃をあいつの顔面に向ける。

 

「馬鹿だねえ~、何度やっても同じだと理解できないのかな?」

 

無論それを防ぐように彼が瞬きをした瞬間に異能が発動、銃身から飛び出した弾丸は方向が逸れてしまう。

 

だが、それでいい。

 

「捕まえたぜ、糞野郎」

 

ヤコブが自分の腹部を見下ろせば、アズラの刃が貫いていた。

 

「あ・・・あ、あああああああああ!?痛い!痛い!!な、なぜどうして・・・」

 

俺の仮説はこうだ、あの異能はあいつが宣言したように『金属、またはそれを含む物体を操作する』力だ、だからこそ俺の剣を曲げたり出来たのだろう、俺の身体中の血を操作出来たのも端的に言えば、血液にあるヘモグロビンと言うタンパク質には鉄分子が含まれるからだ。この異能には金属を含まれる物なら問答無用でどれ程巨大な物、硬い物、柔らかい物、関係なく自由自在。

 

だがこの異能はあくまでこいつが対象に向けてなにかしらアクションをしなければ発動しない、自動的に敵を攻撃したり防御をしたり等の機能は全く無い。

 

故に攻略はあいつから見て意識外の攻撃、つまり予想とは外れた攻撃とかには必ず対応が遅れてしまうという欠点がある。

 

そして同時にこいつの身体はそれ程強くも無い、人間とほぼ変わらないのだ。何故なら、こいつの攻撃や防御は大袈裟だ。つまり出来る事なら傷を負いたくない、負傷による集中が乱れ、隙を作る事を防ぎたかったのだろう。

 

だからこそ、俺は先ず銃撃で相手の意識をそちらに集中させる、それはあくまでもブラフ。相手は負傷を恐れるが故に必ず防御をするだろう。狙うはその直後、その時こそが今の俺に出来る唯一のチャンス。

 

「そんな・・・あぐ、な、何故だ・・・」

 

「教えてやるかよ、馬~鹿ッ!」

 

てめえの弱点はその異能の強さによる慢心、そして自分は強者であると言う自負みたいなのにある。

「ふざ・・けるな、僕は、僕は・・・」

 

こいつの様な輩は何を言っても分からない、それを理解してしまった。

 

だから俺は・・・

 

「じゃあな糞野郎。うおらあああああああああああああ!!」

 

俺は力を振り絞り突き刺した剣をかち上げた、慈悲も何も無い。

 

後に残るのは血飛沫と、断末魔すらあげず煙の様に肉体が消え去る光景だけだった。

 




如何でしょうか?不安いっぱいになりましたが、私の中ではこの感じが気に入っている次第でございます。
次回の投稿も不定期ですが一人でも多くの方に御読み下されば幸いです、そして同様に質問、御意見の程賜れば、次回投稿の糧にさせて頂きますこと、誠に宜しくお願いします。
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