所々日本語がおかしい部分やよくわからない物語や設定がありますが追々修正していきます
其壱「夜が降りてくる ~ Empty road」
「全く、自分の尻ぬぐいもできないなんてとんだ弟子だよ」
羽のようなマントを靡かせて飛ぶ魅魔。その視線の先にいる少女、全身紫の装いをした金髪少女だ。
太い木の枝の先端に水晶が付いている杖を持って浮遊している少女の名は「霧雨魔理沙」
魔界に依存している魔法使い、魅魔の弟子的存在で、その能力も魅魔に偏っている。
「そうかしら?一度は魔界最強になったのだから少しは認めてくれてもいいのに」
「最強なら後ろのあいつらをなんとかしてくれよ魔理沙」
そう言って振り向くと背後には大量の使い魔達が迫っていた。コウモリや幽霊等、様々なモンスター共が寄り添って追いかけてきている。
「もちろん無視するに決まっているわ。あんなの相手にするぐらいならアリスに新しい魔法聞いた方がいいわよ」
「まだ魔法覚えるつもりなのかい・・・」
「当り前よ!何事にも好奇心を持って探求しないと」
「なら一つ提案だ、今からどっちが多く敵を倒せるか競争するっていうのはどうだい?それなら自分がどれだけ強いか、どこが弱いか分かるだろう?」
「乗ったわ。我ながらチョロイわね私」
魔理沙は飛行速度を下げ、反転して拡散レーザーを大量に発射し始めた。速度は魅魔に劣るがモブを倒すのは魔理沙の得意分野だった。
逆に魅魔の場合、一点集中系攻撃のため、雑魚を態々倒している暇がない。だが性能面では魔理沙以上である。
「キリがない戦いっていうのは好きよ。”リトルデビル”」
背中から生々しい翼が生え、光の粒が無数に発生し始めた。ある程度の大きさになったところでそれはレーザーとなって敵軍へ照射された。
「ほとんど真似した技ばかりなのに使い方だけは一人前なんだから。ほんと器用よね」
「誉め言葉として受け取って置くわ」
「なら私も負けてらんないねぇ。”ネクロハート”」
魔理沙と同じように翼を広げ、纏わせた光弾を次々に発射する。まるで流星群のように光が落ちてくる。
魔界の夜は長く、その間に起こる戦闘は星空の瞬きだった。
事の発端は魔理沙が魔界一の魔法使いになったことだった。
「魔法を極めし者は魔女となり、夜を支配する。その際、汝には神の称号が与えられる」
という事だった。魔理沙はアリスのグリモワールから人間には習得できない魔法を無理やり習得し、魔界の隅っこで日々研究に勤しんでいる魔術法学会に問い合わせた。
見事、魔理沙は魔女に認められ「メイガス」の称号を得たのだが、魔界外からのアクセスが多数あることが発覚。侵略行為と見なされ、即刻称号剥奪をしようとしたが魔理沙がそれを拒否。
最終的には呪いをかけられ、次の満月までに魔界を出ないと堕天してしまうという事まで発展してしまった。
「いやほんと魔界って怖いねぇ」
「笑い事じゃないよ魔理沙。修業が足りないってあれだけ言ってきたけど違うね、性格の問題だったわね」
「最初は観光のつもりで神になりに来たんだけどなぁ」
「それだけ聞いてると厄介な奴にしか見えないよ。全く連中も大変だね」
「ってことで尻拭いよろしく魅魔様。大丈夫!向こうで元気に天使やるからさ!時々土産も持ってくるから」
「魔理沙、あんたアホだね。魔理沙に味方してる私ももう魔界にはいられないよ。全くいっそ成仏したいよ」
「あーわかるよ魅魔様」
「あんたなんかに幽霊の気持ち分かってもらっちゃ困るよ」
魅魔の緑の瞳が出口を捉えた。魔界の裏出口は洞窟になっており、何のバリケードもなく簡単に出入りできる。だが向こうからは入りにくい場所になっている。
「じゃあここまでだね、魅魔様はこれからどこ行くの?」
「さてね。元々私は博麗に取り巻く存在だ、無難に神社に住もうかね」
「なるほど、私はどうしようかな。いっそ外の世界に行くのもいいね」
「外の世界?・・・というと現世のことかい。また面倒なところに行きたいんだね」
「好奇心さ、冒険に間違いはない!」
追いかけてくる敵も徐々に力尽きていき、全力を出さなくても軽く逃げられるようになっていた。
奴らは魔界を出て行けと言ったが本心は堕天させたいのだ。ヒトに組する者も含めて魔界から追放し、幻想郷でもつらい思いをして生きるように、という一周回って馬鹿になったような思考回路だ。
「じゃあ行くよ魅魔様」
「ああ、またどこかで会おう」
お互いの笑顔が最後の土産となった。
魔理沙と魅魔は幻想郷へ出ると魔界へのゲートを破壊し、二度と入れないようにした。
「私も靈夢のとこにでも行こうかな。でもその前に」
魔導書の片隅で見つけた誰かのメモ。それは幻想郷の結界を超えるためのメモであった。魔界の人間は態々超えようとは思わないだろう。何せ彼らは魔界にいること自体に誇りを持っているため、外は汚い世界だと決めつけ誰も出てこようとはしないし、出そうともしない。過保護っぷりもいいところだが。
なら誰がこのメモを書いたのだろう。そればかりの謎が残る。
「考えててもしょうがない。外に出てみれば分かるかな」
「やっぱり気になる?」
何処からか女の声が聞こえた。
その声と同時に魔理沙の肩に一匹のコウモリが乗りかかってきた。平均より少し大きめのコウモリで、顔に赤い星のマークがついてある。
「誰よあなた、というかこれは使い魔?」
「あら意外と冷静なのね。あと使い魔ではないわ。訳合って姿を変えているの」
「そうなのね、でそんな悪魔さんが私に何の用?」
「悪魔っていきなり決めつけるの?」
「使い魔でもなんでもいいけど魔界を出るってことは相当力がある者でないといけないもの。それにコウモリなんて分かりやすいわよ」
「あら盲点だったわ。悪魔にはそういうこと分かりづらいのよ」
魔導書の上に乗ったコウモリは自らページをめくり、あるページを魔理沙に見させた。
「ここ、結界の破り方についてのページよ」
「これぐらいなら普通にできるわよ?」
「ええ、でも普通じゃない使い方をするの」
魔界でいう結界の破り方は二種類ある。
一つは高火力で結界を破壊するやり方だ。この方法は能力の属性にも比例するが一般的な結界ならば一番有効で妥当な手段だ。
もう一つは結界に結界を同調させるやり方。このやり方はかなり高度な技になるが城壁などに使われている結界に有効な手段だ。破壊するのではなく、一部を自分の結界と同調させ、無効化することによりそこだけに穴が開いた状態になるのだ。この場合の結界は同属性でなければならない。
「で、普通じゃないやり方って?」
「後者の方の応用よ。結界の同調は結界に自らの能力を流し込むことで可能とされる技よ。よく結界を繋ぎ合わせる時にも使われるわ」
「それは分かるけど、それをあの博麗大結界に仕掛けるの?無茶ってレベルじゃないわよ?」
博麗大結界。それは幻想郷を覆いつくすほどの規模でありながらどんな妖怪も手を焼く程の強力な結界だ。それを破れる者ならいくらでもいるが長時間の末ようやく一部が崩れる程度である。例えるならば岩盤をトンカチで壊すような事だ。
「それにあの結界は霊力、相性も良くはないわ」
「でも悪くも無い。ならまだ勝ち目はあるわ」
次のページを開いたコウモリはある項目を小さな足で指示した。
「
「これで結界を吸いつくすの」
元々は気力使いに対して有効な手段であった。気力は妖力の発展型で、己の気を高めることで発動される。そして気力使いには格闘家が多いのだ。一度戦闘に発展すると逃げることが困難になるため、相手の間合いに入った状況下で上手く発動すると起死回生が見込めるのが属力吸収だった。
一応誰かの属力を輸送する時にも使えるが、それは緊急時のみである。
「そんな無茶苦茶な・・・」
「無茶苦茶だから成功するかもしれないじゃない?理屈は分からなくても成功したらこっちの勝ちよ」
「実証してないのね・・・」
「だからそこまでは力を抑えてこの姿のまま。悪魔と言え私もそれなりに強いのよ?」
「はいはい負けました。まさかこの私が押し負けるなんて・・・」
魔導書を閉じてため息をつく魔理沙。コウモリは再び魔理沙の肩に乗り、少し翼を羽ばたかせた。
「安心したら眠くなったわ。今日の宿を探しなさい」
「何よその言い方、コウモリのくせに」
「そういえば名前聞いてなかったわね」
「人の話も聞いてないですよお姉さん」
「私はエリス。額に星ついてるし分かりやすいでしょ?」
「確かに。私は霧雨魔理沙。ついこの間使徒になったけど魔界を追い出されて堕天されるところだった」
「結構大罪犯してるじゃない・・・」
暗くなった森を浮遊し、満月の下寝床を探して彷徨った。
月明かりだけが頼りの幻想郷の夜。その暗さはまるで夜が降りてきたようだった。
旧作魔理沙の口調って難しいですね。ついでにエリスも原作じゃ喋ってないのでどんな口調なのかイメージで書きました。
敢えて飛ぶシーンでは何で飛んでいるかは言及しませんでしたが旧魔理沙って箒で飛んでいるんですかね?小さい杖だけのイメージがあるんですよね。そうなると結構シュール