FAIRY TAIL ~バカと超高校級と妖精のIF~   作:カオスキマイラ

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クロスオーバー作品は初めてなので至らぬところや良いところがありましたら、積極的に感想をくださると幸いです。

更新は不定期になりかねないことはご了承ください。


妖精の尻尾
出会い


 序章

『妖精の尻尾』

 

 

 

 

 

フィオーレ王国………人口1700万の永世中立国である。

 

そこは……魔法の世界。

 

魔法は普通に売り買いされ、人々の生活に根付いていた。そしてその魔法を駆使して生業とする者たちがいる。人々は彼らの事を¨魔導士(まどうし)¨と呼んだ。

 

魔導士たちは様々なギルドに所属し、依頼に応じて仕事をする。そのギルド、国内に多数。

 

そしてとある街に、とある魔導士ギルドがある。かつて………いや、後々に至るまで数々の伝説を残したギルド。

 

その名をFAIRY TAIL。

 

 

 

 

ここは魔法界の秩序を保つためにルールを取り決めている機関である(ひょう)()(いん)

 

そこの中にある会議場で一人の女性が水晶玉を割っては元に戻して遊んでいた。

 

「ウルティアよ。会議中に遊ぶのは止めなさい」

「あらっごめんなさい。だってヒマなんですもの……ね?ジークレイン様」

 

女性は(ひょう)()(いん)に注意されるが全く気にせず近くにいる青年に問いかけた。

 

「おーーーーーヒマだねぇ。誰か問題でも起こしてくんねーかな」

 

「つ…………慎みたまえ!!」

 

「何でこんな若造どもが評議員になれたんじゃ‼」

 

「魔力が高ェからさじじい」

 

「「ぬぅ~~~~~‼」」

 

ウルティアと呼ばれた女性に声を掛けられた男、ジークレインの爆弾発言に一部の評議員が反発して会議場に緊張感が走った。

 

コンッ!!

 

これを見かねたのか議長が重い口を開いた。

 

「これ………双方黙らぬか。魔法界は常に問題が山積みなのじゃ。中でも早めに手を打ちたい問題は………妖精の(フェアリー)尻尾(テイル)のバカ共じゃ。」

 

 

 第一話

『出会い』

 

 

 

 

 

 

 

フィオーレ王国・ハルジオンの街

 

 

「あ、あの……お客様…………だ、大丈夫ですか?」

 

港町ハルジオンの駅に停車している列車の中で、駅員がおろおろしていた。その理由は……

 

「はあ、はあ、はあ………」

 

桜色の髪に白いマフラーをしている少年≪ナツ≫が目を回しているからである。

 

「あい、いつもの事なので」

 

「ほらほらナツ行こうぜっ!」

 

「うぷっ……揺らすのは止めろ……アキヒサ……」

 

目を回しているナツの代わりに答えたのは喋る青い猫≪ハッピー≫。そしてナツの体を揺らしているのは茶色の髪の少年≪明久(アキヒサ)≫である。

 

「無理!もう二度と列車には乗らん……うぷっ」

 

「ナツ、それ列車に乗るたびに言ってるよね?」

 

「情報が確かならこの町に火竜(サラマンダー)がいるはずだよ」

 

「ナツいくよ」

 

「ちょ……ちょっと……休ませて……」

 

ナツはそういうが、列車は待ってくれないのでハッピーとアキヒサはさっさと列車を降りた。

 

ナツは窓に寄りかかって休んでいたが……次の瞬間。

 

バタンッ

 

「「あっ」」

 

「!」

 

ガタンゴトン

 

「出発しちゃった。」

 

「さっさと降りればいいのにね。」

 

「た~す~け~て~」

 

走り去っていく列車からはナツの叫び声が木霊した。

 

 

 

 

 

 

 

同時刻 ハルジオンの魔法屋

 

「えーっ!?この街って魔法屋一件しかないの?」

 

店内では金髪の少女≪ルーシィ≫が叫んだ。すると店主は申し訳なさそうにしながらルーシィに話し出した。

 

「ええ……もともと魔法より漁業が盛んな街ですからね。街の者も魔法が使えるのは一割もいませんのでこの店もほぼ旅の魔導士専門店ですわ」

 

「あーあ………無駄足だったかしらねぇ」

 

「まあまあそういわずに見てってくださいな新商品だって揃ってますよ。」

 

店主は手をこすりながら箱を取り出した。

 

「女の子に人気なのはこの色替(カラーズ)の魔法かなその日の気分にあわせて………服の色をチェンジ~ってね」

 

「持ってるし………あたしは(ゲート)の鍵の強力なやつを探しているの」

 

(ゲート)か、珍しいね」

 

ルーシィは鍵を探して店内を見ていると……

 

「あ♡白い子犬(ホワイトドギー)!」

 

探していた鍵を見つけたらしく声を上げた。

 

「そんなの全然強力じゃないよ」

 

「いーのいーの♡探してたんだぁーいくら?」

 

「2万(ジュエル)

 

値段を聞いて彼女は一瞬固まった。

 

「お・い・く・ら・か・し・ら?」

 

「だから2万(ジュエル)

 

「本当はおいくらかしら?ステキなおじさま♡」

 

ルーシィは値切りをしてくれない店主に色仕掛けを試みた。

 

しかし結果はというと……

 

「ちえっ1000(ジュエル)しかまけてくれなかったーあたしの色気は1000(ジュエル)かーーーーー‼」

 

失敗したらしく彼女は近くの看板に八つ当たりをした。

 

「安い……ムカつく……そこんとこリアルなのが尚更………」

 

ぶつぶつ文句を言いながらハルジオンの街を歩いているとキャーキャーという黄色い声が聞こえた。

 

「何かしら?」

 

彼女は声の方向に目を向けると人だかりが見えた。

 

「有名な魔導士様が来てるんですって!」

 

火竜(サラマンダー)さまよ!」

 

疑問に思う彼女のそばを二人の女の子が通り過ぎていき、ルーシィは彼女らの言った火竜(サラマンダー)という単語に反応した。

 

火竜(サラマンダー)!?あ……あの店じゃ買えない火の魔法を操るっていう……この街にいるの⁉」

 

そんな火竜(サラマンダー)と呼ばれる人物がいる場所から黄色い歓声が聞こえてきた。

 

「へぇーーーーすごい人気ねぇ……かっこいいのかしら」

 

 

 

 

 

一方ナツ達一行は

 

「ったくよう。列車には二回乗っちまうし」

 

「ナツ乗り物に弱いもんね」

 

「ハラは減ったし………」

 

「僕たちお金ないもんね」

 

よたよた歩くナツの呟きにハッピーとアキヒサは応答した。

 

「なあハッピー、アキヒサ。火竜(サラマンダー)ってのはイグニールのことだよなぁ」

 

「うん。火の竜なんてイグニールしか思い当たらないよね」

 

「だよな」

 

「確かに……でも竜っておおきくな………」

 

珍しくアキヒサが感じた違和感を言おうとしたそのとき………

 

『きゃー!火竜(サラマンダー)様ー‼』

 

遠くからそんな歓声が聞こえてきた。

 

「ホラ‼うわさをすればなんたらって‼」

 

「あい‼」

 

「ちょ……ちょっと待ってよ二人とも‼」

 

さっさと人混みのところに向かったナツとハッピーをアキヒサは慌てて追いかけた。

 

 

 

そのころ噂の火竜(サラマンダー)のところに向かったルーシィはというと………

 

(な………な………な………なに?このドキドキは⁉)

 

火竜(サラマンダー)を見た彼女はドキドキして虜にされかけていた。

 

「ははっまいったなこれじゃ歩けないよ」

 

微笑みながらつぶやく彼はルーシィたちに視線を向けてきた。

 

(はうぅ‼‼有名な魔導士だから?こんなにドキドキするの⁉)

 

その視線で胸がキュンとなりルーシィは目がハートになった。

 

「イグニール‼イグニール‼」

 

火竜(サラマンダー)の虜になったルーシィは彼に近づこうとする。

 

(これってもしかしてあたし………)

 

が………その瞬間ナツが人混みをかき分けて中心に来ると叫んだ。

 

「イグニール‼」

 

彼が叫ぶとほぼ同時にルーシィは我に返った。

 

一方中心に来たナツはしばらく男を見ると………

 

「誰だオマエ」

 

「‼」

 

ナツの言葉に一瞬動揺した火竜(サラマンダー)だったが、

 

火竜(サラマンダー)と言えばわかるかね?」

 

すぐに気を取り直して顔をキリッとさせて言い放つが……

 

「はぁ~~~」

 

「はやっ」

 

ナツとハッピーは無視してさっさと遠くを歩いていた。

 

「ちょっとアンタ失礼じゃない?」

 

「そうよ‼火竜(サラマンダー)様はすっごい魔導士なのよ」

 

「あやまりなさいよ」

 

「お?お?なんだオマエら」

 

ズルズルとナツのマフラーを引っ張って引きずり戻してきた。

 

「まあまあその辺にしておきたまえ、彼とて悪気があった訳じゃないんだからね」

 

「やさし~♡」

 

「あ~ん」

 

火竜(サラマンダー)の言葉に女の子たちはメロメロだった。

 

正気に戻ったルーシィを除けばだが………

 

すると火竜(サラマンダー)は色紙を取り出してペンで何かを描いた。

 

「僕のサインだ友達に自慢するといい」

 

「キャー」

 

「いいな」

 

彼はサインを描いてナツの前に差し出した。周りの女の子たちは羨ましがったが、ナツは………

 

「いらん」

 

と即答した。

 

「なんなのよアンタ‼」

 

「どっか行きなさい‼」

 

「うごっ」

 

女の子たちにぼこぼこにされた。

 

「人違いだったね。」

 

近くにいたハッピーはナツにそういった。

 

ひとまずナツが吹っ飛ばされたので火竜(サラマンダー)は話し出した。

 

「さてボク。この先の港に用があるのでこれで……」

 

「「「えぇーっもう行っちゃうの⁉」」」

 

「レッド・カーペット!」

 

そういうと火竜(サラマンダー)は炎のカーペットを作り出してそれに乗った。

 

魔法の実演に女の子たちはさらに歓声を上げた。

 

「夜は船でパーティーをやるよ!みんな参加してね。」

 

「「「はーい」」」

 

「「「もちろんですぅ」」」

 

そういって港の方に去っていった。彼が去っていく様子を女の子たちは甘い声で見送っていた。

 

「……何だあいつは?」

 

「ほんといけすかないわよね」

 

ナツのもとにルーシィがやってきた。

 

「さっきはありがとうね」

 

「あん?」

 

ルーシィに突然俺を言われて二人は首をかしげた。そこに

 

「おーいナツ!ハッピー!」

 

明久が遅れてやってきた。

 

「おっ!遅かったなアキヒサ!」

 

「お前らがさっさと行ったからだろうが!……それでこの人は?」

 

アキヒサはナツ達に文句を言うと近くにいたルーシィに目を向けた。

 

「あたしはルーシィ。さっきこの二人に助けてもらったの」

 

「そうなのか。ボクはアキヒサ」

 

「俺はナツだ…それでこっちが相棒のハッピーだ」

 

「あいさ」

 

「よろしくねナツ、ハッピー、アキヒサ。それでちょっとお礼したいからご飯でも食べに行かない?」

 

「「メシ!」」

 

ルーシィの言葉にナツとアキヒサはすぐに反応した。

 

「あははは。お腹空いているみたいだね。それじゃあレストランに行こうか。」

 

四人は近くのレストランへと向かった。

 

 

 

 

「ガツガツ、ズズッ、ゴキュゴキュ」

 

「ムシャムシャ、バリボリバリボリ、ゴックン」

 

「あんふぁ、いいひほがぶぁ」

 

「ご……ごひほうひゃまでふぅ」

 

「うんうん」

 

二人ともよほどお腹が減っていたのか出されていく料理を次々と平らげていった。その横でハッピーは魚を頭から食べていた。そんな三人を若干引き気味ながらルーシィは見ていた。

 

「あはは………ナツとハッピーとアキヒサだっけ?わかったからゆっくり食べなってなんか飛んできているから………てかお色気代1000(ジュエル)パーだわこれ………」

 

ナツ達の食いっぷりに圧倒されながらもルーシィは先程の男に関して話し出した。

 

「あの火竜(サラマンダー)って男、魅了(チャーム)って魔法を使ってたの。その魔法は人々の心を術者に引き付ける魔法なのよ。何年か前に発売が禁止されているんだけど………」

 

「魔法で女の子の気を引こうとするなんて……そんなの僕だってやりたいよ!」

 

「ねぇアキヒサ。やってもいいけどあの人に言っちゃうよ」

 

「すみません。前言撤回します」

 

ルーシィの魔法の説明を受けてアキヒサはモテモテになりたいため使いたいといったが、ハッピーがあの人に言うといったとたんあっさりと発言を撤回した。

 

「と……とにかくあんな魔法で気を引こうだなんてやらしいやつよね」

 

「すみませんでした」

 

「まぁいいわ……とりあえずあたしはアンタ達が飛び込んできたおかげで魅了(チャーム)が解けたって訳」

 

「なぶぼご」

 

「こー見えて一応魔導士なんだーあたし」

 

「ぼぼぉ」

 

「ぼれはずぼいね」

 

「あい」

 

ルーシィの言葉に三人は飲み食いしながら応答した。

 

「まだギルドには入ってないんだけどね。あ、ギルドってのはね……魔導士たちが集まる組合で、魔導士たちに仕事や情報を提供してくれる場所なの。魔導士ってギルドで働かないと一人前って言えないものなのよ」

 

「ふが……」

 

「でもね‼でもね‼」

 

魔導士ギルドの話をするうちに熱が入ったのか、ルーシィは興奮気味になってきた。

 

「ギルドっていうのは世界中にいっぱいあって、やっぱ人気のあるギルドはそれなりに入るのがキビしいらしいのね。アタシの入りたいトコはね、もうスッゴイ魔導士がたくさん集まるところで、ああ………どーしよ‼入りたいけどキビしいんだろーなあ……」

 

「いあ………」

 

「ひょうでもひゃいけど……」

 

「あーゴメンねぇ魔導士の世界の話なんてわかんないよねー!でも絶対そこのギルドに入るんだぁ。あそこなら大きい仕事たくさんもらえそうだもん」

 

「ほ………ほォか……てん」

 

「よくしゃべるね」

 

「が………頑張ってね……」

 

自分の話に熱中するルーシィに三人は若干引いていた。

 

「そういえばあんたたちは誰か探していたみたいだけど………」

 

「あいイグニール」

 

火竜(サラマンダー)がこの街に来るって聞いたから来てみたんだけど別人だったな」

 

火竜(サラマンダー)って見た目って見た目じゃなかったんだね」

 

「てっきりイグニールだと思ったのにな」

 

「やっぱり無駄足だったね」

 

「見た目が火の竜…………ってどうなのよ、人間として……」

 

「ん?人間じゃねぇよ」

 

「ナツのいうイグニールは本物の竜だよ」

 

それを聞いたルーシィはガタッ音を立ててのけ反った。……なぜなら魔法の世界ではドラゴンは滅多に見ることのできないとても珍しい生き物だからだ。

 

「そんなの街の中にいるハズないでしょー‼」

 

「「(ピクッ)」」

 

「オイイ‼今気づいたって顔すんな‼」

 

「なんか怪しいと思っただよな。」

 

アキヒサの呟きは誰も聞いていなかった。

 

 

「あたしはそろそろいくけど……ゆっくり食べなよね」

 

そういってルーシィはお金を置いた。するとナツ達はぐもっと涙を流し……

 

「ごちそう様でしたっ‼‼」

 

「でした‼‼」

 

「この御恩は忘れません‼‼」

 

「ません‼‼」

 

その場で土下座をした。

 

「止めてぇっ!恥ずかしいから。い……いいのよ……あたしも助けてもらったし……おあいこでしょ?ね?」

 

「あまり助けたつもりがないトコがなんとも………」

 

「あい……はがゆいです……」

 

「僕なんか何もしていないのにね……」

 

「そうだ‼これやるよ」

 

そういってナツは懐から火竜(サラマンダー)から貰ったサインを差し出す。だが、ルーシィは「いらんわっ‼‼」といってサインを叩き落した。




次回で実質的なプロローグが終わりです。
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