やはり俺が私立グリモワール魔法学園に転校生と一緒に入学するのは間違っている   作:水無月ゲンシュウ

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第十一話 魔法使い忍者はどことなくいろはすに似ている。

現在、俺は委員長の立場を最大限に利用した命令でクエストに向かっている転校生の監視と言うクエストですらない、つまり時間外労働かつただ働きを強いられている。なんせこの学園ではクエストをすればお金がもらえるしな。何でも魔物が町に再度現れたらしい。例によって転校生はクエストに出て馬車馬のごとくこき使われているので、その戦闘の記録をするのと同時に魔物の出現状況を確認する。俺は隠密という名のボッチ特有の目立たなさを利用されているというわけだ。しかも護衛には忍者であり魔法使いでもある偵察から暗殺までなんでもござれの服部梓が付いてくるおまけつきである。正直、俺必要なくね?と思うところもあるのだが悲しきかな、いつの世も上の立場の人間の言葉は絶対なのである。

 

 「せ~んぱいっ!疲れてませんか?けっこー自分飛ばしてるんですけど」

 

 正直こいつは苦手だ。正確にいえば人類全員が苦手なのだがなんかこう、ものすごい既視感があるというかなんというか……後輩という立場といい、あざとかわいいとことか、声とか……

 

 「まるで、いろはすみたいだな……」

 

 「およ?誰っスかそのいろはすってのは」

 

 「ん?あぁ……口に出てたか………前の学校にお前と雰囲気の似たあざとかわいい後輩がいてな、ちょっと思い出してイラっとしてただけだ」

 

 「えぇ~先輩、自分のことかわいいっておもってくれたんスか~?嬉しいっすねぇ~。でもこーんなかわいい女の子と一緒にクエストに来てるっていうのに他の女の子のこと考えるのはどうかと思うっス」

 

 「……ふざけてないで仕事に戻るぞ」

 

 だからそういうことを軽々しく口にするなよ、勘違いして告白して振られちゃうだろ……振られるのね俺。そうこう話しているうちに町全体が見渡せる木の上に到着したので双眼鏡を取り出していると、服部のほうは単眼鏡を取り出していた。持ち運びやすさを重視したのだろう。本来なら俺もそうすべきなのだろうが、今のところ戦闘力皆無な俺にしてみれば敵に見つかれば即撤退なので素早く敵を見つけることのほうが重要なのだ。それに今回は偵察任務だし、全体を見ての分析もしておいたほうがいいしな。いい加減な報告書を提出して仕事増やされたくないしな……仕事を増やさないために仕事をまじめにやる……俺も立派な社畜になったもんだなぁ(白目)

 

 「さてと魔物の動きはと……特に変な行動をしてるやつはいないみたいだな。おいお前はどう思う?」

 

 「え~名前で呼んでくださいよ~梓って」

 

 「えーと同行者が仕事をしていないっと」

 

 「わーっ!ごめんなさいっス!冗談ですって~冗談、魔物は成長が早いかなぁーってとこ以外問題はないっス」

 

 流石委員長の威光。ふざけている人間には効果抜群のようだ。俺は長いものには巻かれないが使えるものは使う人間なのである。

 

 「比企谷先輩は他校の女子のことを考えて鼻を伸ばしていたっと……」

 

 「おい」

 

 鼻なんて伸ばしてねぇよ……なんでうちの委員会は事実を捻じ曲げる人が多いんだ?不正を取り締まる委員会なのに不正が横行しているんですが。あれですか、悪を滅ぼすためならどんな手を使っても許されるっていう。

 

 「ところで比企谷先輩って先輩と同じで魔法があまりうまくないんですよね?」

 

 「ん?あぁ、アイツほどじゃないけどな。俺の火魔法はお湯を沸かすのにちょうどいいし、水魔法は手を洗うのにちょうどいいし、風魔法は髪を乾かすのにちょうどいいぞ。ほかにもちょうどいいのがあるが……聞くか?」

 

 「いや……いいっス」

 

 そう、あれから俺は地道に魔法の特訓をしたのだ。どうしてもあきらめきれなかったのだ。柄にもなく本気で。だって厨二心くすぐられるじゃん魔法って。その結果判明したことは俺はこれ以上魔法が上達しないことが分かった。転校生のように最初から全くと言っていいほど使えないならあきらめたかもしれない。だが、なまじ上達してしまったがゆえに諦めきれずにもいた。それがコンコルドの誤りだとしても。そうして俺はついに編み出したのだ。日常生活魔法をっ!将来専業主夫になる俺に実にピッタリな魔法であると我ながら思っている。

 

 この男、完全に努力する方向が斜め下であった。と、若干気が緩むところもあったが比企谷の偵察兵としての初任務は忍者目線から見てもなかなかのものであり、それゆえにこれから仕事が回ってくることにも彼は気づいていなかった。護衛は審査員も兼ねていたのだ。そのことを全く気付かせない服部は流石プロ、と言えるが今回に関しては比企谷が僅かにだが緊張していて他のことに気が回らなかったのも要因の一つであった。




比企谷は努力の結果日常生活魔法(比企谷命名)を使えるようになりました。
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