やはり俺が私立グリモワール魔法学園に転校生と一緒に入学するのは間違っている   作:水無月ゲンシュウ

13 / 37
 皆様のおかげで日間ランキングで100位になれました。これからも精進していきます。


第十三話 大規模侵攻開始

 緊急事態宣言が発令され、俺だけの休日が奪われ、(全授業や対抗戦が中止されたため)特急危険区域へのクエストに同行させられて休日が奪われ、(生徒会の新戦力の朱鷺坂チトセの実力を見てこいと我らがボス水無月風子委員長に言われて)生徒会長救出作戦で休日を奪われ(ちなみに朱鷺坂は休暇を貰えたらしい、許さん)そして第七次進攻で発生した魔物の偵察任務である。ちなみに偵察に思う向いた場所は小鯛山で風飛市に向かって南下しているらしい。数は通常の42倍。過去最大級の大規模侵攻だ。

 

 「何があんたさんの魔法なら敵にばれないし適任でしょ。だよ。もっと適任な奴がいるしそいつに全部任せりゃいいだろ」

 

 まったくもって理解できん。

 

 「ねぇ先輩?なんか見えたっスか~?」

 

 なんでこいつとまた組まなくちゃいけないんですかねぇ。一人じゃ心配ですからって言ってくれた時は珍しく優しいなと思った俺の気持ち返せ。明らかに嫌がらせ目的じゃねぇか。俺の身が心配ならもっと防御魔法が得意な方をぜひ護衛につけてほしかった。

 

 「休みてぇ」

 

 「大丈夫っスか……戦争始まる前にそんな精神状態で……」

 

 「大丈夫なわけないだろ、魔物を発見次第帰って休む」

 

 「あれ?確か委員長が先輩の配置場所風紀委員の持ち場の最前線だって会議で言ってた気が……」

 

 「あの野郎…………」

 

 どうやら俺の職場には休暇という概念はないらしい。俺の上司は戦闘で役に立たない俺の扱い方を大変よくわかってらっしゃる。でも俺がいると現場の士気が下がると思うんですが。

 さすがに弾薬が尽きたら補充するために後退させてくれるよね?……………くれるよね?

 ちなみに転校生は二日間も洞窟に閉じ込められておきながら、持ち前の魔力でぴんぴんしてるらしく、すでに本部で待機をしているらしい。周りに女子(護衛)を侍らして。

 あいつの場合戦闘が始まれば馬車馬のごとくこき使われるのだからそれぐらいの対応は当然か。

 また、今回の戦闘には転校してきたばかりの人も駆り出されるそうだ。全く魔法使いってだけで人使いが荒い。いや、魔法使いは人として見られてないのかもな。

 

 「お、国軍が到着したようだな」

 

 国軍。正式名称日本国防軍。日本の防衛の要であり、北海道の魔物の南下を食い止めている。その約50万人の兵士のトップに君臨するのは園芸部の野薔薇一族だ。戦力の大半を東北に置いてあるとはいえ、流石に首都東京に進攻してくる魔物を食い止めるためにそれなりの数は用意してあるようだ。

 

 「じゃ、俺は持ち場に戻るわ」

 

 「了解っス。自分は引き続きここで戦況の報告をするっス」

 

 「……無理するなよ」

 

 風紀委員の同僚である忍者娘に別れを告げる。優秀であり、生き延びて情報を伝えるのが至上とされる忍者である彼女ならおそらく生き延びれるだろう。

 

 「あれぇ?もしかして先輩、自分のこと心配してくれてるんですかぁ?嬉しいっスねぇ」

 

 「…まぁ、最後かもしれないしな、一応」

 

 「……先輩それ本気でいってます?」

 

 服部の口調がきつくなる。無理もないだろう。このタイミングでシャレにならないジョークを飛ばせばだれだってそうなる。それに俺はジョークでいったわけではないし。

 

 「事実だろ。おそらく俺はこの戦いで生き残れない。なぜなら俺は常に最善の結果を得るためなら手段を択ばないからだ。俺は、俺のやり方で戦うだけだ」

 

 

 そうだ。俺はボッチだ。人とのなれ合いを好まず一人で生きることに誇りを感じる一匹狼。戦えないからと言って彼女たちに迷惑はかけない。それが彼女たちへの借りの返し方だ。

 

 

 

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。