やはり俺が私立グリモワール魔法学園に転校生と一緒に入学するのは間違っている   作:水無月ゲンシュウ

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第二十三話 委員長とデート

 私が普段通りに仕事をしていると転校生さんからmore@に連絡がきた。その突拍子もない中身に思わず笑ってしまう。

 

 比企谷君と反省会しようよ!

 

 あの一件以来、彼との関係は冷えきってしまった。今更何をどう取り繕えと言うのだろうか。

 

 無理ですよ。

 

 そう一言返信するとすぐに返信が帰ってきた。

 

 大丈夫だって!自分も協力するからさ、嫌でしょう?彼との疎遠のままっていうのも。

 

 それは否定できないことであった。あの一件に関して、このまま逃げ続けていいのかという思いが私のなかにあったのもまた事実だ。悩んだのちに私は一言こう返す。

 

 いきますよ。

 

 そう送ると、反省会の日時と場所が送られてきた。ぬぐいきれない不安を胸にかかえながら当日までの数日を二人は過ごした。

 

 反省会という名のデート当日、待ち合わせ場所には既に転校生と比企谷がいた。転校生は普段とさして変わった点はないのだが、比企谷の服装は白藤監修のものとなっており比企谷なら決して選ばないであろう服装であった。二人で待っている理由はいたって単純。比企谷が二人きりは無理だと言ったのだ。そんな比企谷を転校生はジト目で見る。

 

「……そんな目で見てもなにもでないぞ」

 

 転校生は貸し一つだといわんばかりの目線であったが気にせず受け流しておく。それからしばらくすると待ち合わせの人物がやってきた。忍者を連れて。

 

 「……服部、なんでお前が?」

 

 声をかけると服部は俺にすり寄りながら耳元で囁く。

 

 「セ~ンパイ、いくら自分の可愛さに見とれたからと言ってデートの相手を無視するのは不味いんじゃないっスか?」

 

デートではない……と反論したいところではあるが今回反省会の相手である水無月を無視していることにはかわりはないので大人しく水無月の方を見る。

 

「…………よう」

 

 久しぶりに見た彼女は心なしか以前最後に姿をみたときよりわずかだがやつれていた。それが雑用がいなくなったことによる肉体的疲労なのか、心的疲労なのか俺には答えを出すことは出来ない、いやその資格が俺にはない。少なくともそのどちらにも俺がかかわっていることは確かなのだから。

 

「…………お久しぶりですね比企谷さん」

 

 久しぶりに見た彼は以前最後に姿をみたときと変わらずどこか落ち着かないような仕草をしていた。普段着ることのないであろう服を着ているのも彼の居心地を悪くしているのだろう。最も彼の負担を一番かけている私が言えることではないですが。

 

 ふと周りを見渡すと転校生と服部の姿が消えていた。大方その辺に隠れて見ているのだろうがここに留まっていても意味がないので目的地に向かうことにする。

 

「…………行くか」

 

 やられた。デバイスには一言「ガンバっ!」とだけ送られていた。

 

「………………そーですね」

 

 沈黙の続く移動、しばらくすると目的地に着いた。店に入り席に着きそれぞれ注文を済ませる。

 

 再びの沈黙。その沈黙を破ったのはウェイターが商品を持ってきてからだ。

 

「わぁ………!」

 

 運ばれてきた商品をみて水無月が声をあげる。この季節が旬という珍しい品種のリンゴを使用したタルトだ。一口くちに運ぶとその顔が綻んだ。

 

「んふふふっ……………」

 

 こちらの 視線に気付いたのかバツが悪そうにした。

 

「いや、うまそーに食うなって」

 

「リンゴはどんな形でも美味しーですからね………比企谷さん風紀委員に戻ってくれませんか?」

 

 たたずまいを直してそう告げる。あれだけのことをした私が言うのもなんだが、彼は風紀委員に必要な存在だ。

 

唐突に告げられ一瞬固まる。あれだけのことをして今更どの面下げて帰れというのだろうか、この人は。

 

「悪いが戻るつもりはない」

 

「この通りです」

 

そういい、委員長は頭を下げた。いったいどんな利益があってこんな社会不適合者をわざわざ取り込もうとしているのだろか。

 

「打算なんかありません。うちがそーしたいからやってるだけです。うちは比企谷さんと一緒に仕事がしたいです」

 

……どう返答すべきだ。この場を確実におさめるためには。その為に俺が採るべき最良の選択肢はなんだ?俺は自分に嘘はつかない。俺がやりたいようにやるし、これまでそうやって生きてきた。これからもそうだ。俺が本当に求めているもの………それは………




俺ガイル三期おめでとうございます。グリモアも今後の展開が楽しみです。
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