やはり俺が私立グリモワール魔法学園に転校生と一緒に入学するのは間違っている   作:水無月ゲンシュウ

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第三十話 やはり美人の誘いには裏がある

 「初音様が転校生様とクエストに行かれたのはご存じかと思われますが初音様が当社製の新型兵器を無断で持ち出して実地テストをされております。私は初音様専属のメイドとしてその身を守る義務がございます。しかし初音様の行動を阻害するなどもってのほか。そこで陰ながらサポートをしたいと考えております。比企谷様は隠密系の魔法に長けていらっしゃるとのお噂を聞きましたのでぜひ協力していただきたいのです。あいにく私魔法はあまり得意ではないので」

 

 学園生であるのだから歳は自分とそう違いないことは想像に難くない。しかし彼女が発する落ち着きをはらんだ柔らかな物腰、丁寧な言葉使いから彼女がその歳に見合わない厚みを持つ女性であることも感じられた。そのような彼女に軽はずみな対応をすれば損をするのは自分だということも。手短に伝えたいことだけを伝える。

 

 「手伝うことによって俺に何かメリットでも?親父から美人からの相談には気をつけろと教わってるもんでね」

 

 「御冗談を。……ご協力していただけるのでしたら武器弾薬を社員割引で販売させていただきます」

 

 その提案は非常に魅力的であった。専業主夫としての道を断たれかけている比企谷は現在セカンドプランとしてクエストで得た資金を貯金しニート生活を画策していたのだ。しかし比企谷の戦闘スタイル上銃火器を使用しなければならず魔法使い、ましてや軍属ですらない彼にはそれが支給されることはなかった。つまり自腹なのである。自分の命を預ける以上生半可なものなど購入できずまた最近ではセットアップに凝り始めてしまいこれがさらなる出費へとつながっていた。端的に言えば金欠なのである。

 

 「ま、ただより怖いものはないっていうしな。その条件で引き受けるわ」

 

 「ご協力感謝いたします」

 

 挨拶もそこそこに準備をして現場へと向かう。移動中ふとした疑問が浮かび月宮に尋ねる。

 

 「そういえばいつクエスト受注したんだ?」

 

 「受けておりませんよ。受注すれば初音様に気づかれてしまいます。言っておりませんでしたか?」

 

 さも当然だと言わんばかりに彼女はそう言い切った。聞いてねえよと内心毒づきながらやはり美人のお願いには裏がある。そう強く実感させられた一日であった。魔物討伐に関しては月宮の銃火器の取り扱いのうまさに驚きながらも特に問題なく終了した。しかしそれで何事もなく終わるはずもなくクエストを受けないでの魔物討伐は校則違反に当たるので委員長たちにこっぴどく叱られたのは言うまでもない。

 

 そのしばらくのち転校生が突然姿を消し、突然帰ってきたがそれはまた別のお話。

 

 




 実際ポーチとか銃のパーツは万単位が基本ですし、スコープに関しては10万は簡単に越しますからね。どうなってるんでしょうね学園生の懐事情。
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