やはり俺が私立グリモワール魔法学園に転校生と一緒に入学するのは間違っている 作:水無月ゲンシュウ
第二次裏世界捜索によってもたらされた情報。それにより得ることがかなった情報にはなかなか衝撃的な事実が記されていた。次の侵攻である第八次侵攻が第七次侵攻から約一年後の九月二十七日に起こるということ。その戦いで人類は壊滅的な打撃を受けるということ。そしてその大きな要因が人類側の不和であること。そしてその戦いで多くの学園生が戦死すること。私立グリモワール魔法学園が崩壊するということ。
その事実を知った一部の生徒が頭を悩ましている間、転校生の奴がまた霧の嵐に飲み込まれ、そして帰ってきた。飛ばされた先は第八次侵攻の直前。そこでいかに人類が劣勢に立たされているのかを改めて思い知らされたそうだ。そのような状況下ではあるが時の流れは止まるようなことはない。末期のガンでこの世を去った前学園長の愛娘である犬川寧々が新たな学園長として就任することとなった。流石犬川の爺さんの娘なだけあり、様々な業界の重鎮とのコネクションはばっちりであり幼いながら学園長という重責に耐えうる人材であることは予想できた。しかし、ちびっ子にそのような仕事を任せなくてはならないほど学園は危ういということである。幼かろうと実の娘にしか学園を任せられないほど、よその人員を選べない程度には。
夏にはハワイへと向かって現地のPMCと共同訓練を行うことが決定しているのだがそんなことよりも重要な任務が存在していた。裏世界で発見された資料に残っていた魔物による襲撃によって被害を被った施設の一つである、汐浜ファンタジーランドの警備クエストである。本来クエストは魔物が発生してから受注されるのが基本であるのだが、今回はヴィアンネの使徒であるシャルロット・ディオールの権限で無理やり警備クエストという形で少数を送り込むのに成功した。そして裏世界の資料通りに魔物が発生し、追加の人材も派遣されることになった。その中には銃火器を使用するため、結果的に建物への損害を軽減できるとの判断で比企谷の姿も存在していた。
比企ヶ谷生まれてこの方所謂テーマパークと呼ばれる施設への入場経験が皆無に等しいが故にふわふわしたアトラクション名を覚えるのに四苦八苦していた。
「えーと、俺の割り当てはナンタラのナンタラハウスだったよな」
「比企谷っ!ハートのお家だ!モタモタするな!帰るのが遅くなるだろ!?」
そう無線で連絡してくるのは楯野望。霧過敏症という霧が存在する場所にいるだけで体調が悪くなる引きこもりまっしぐらな病気を患っており、実際彼女は授業をほとんど欠席している。しかしながら成績は優秀なようでこれまで不登校には目をつぶられていたが、いよいよ出席必須な単位、つまりクエスト関係が危なくなってきたので今回駆り出されたらしい。日頃はネットゲームをして一日を過ごすというのだから実にうらやまけしからん。
さて今回出現している魔物だが発生直後であるためか弱い(通常より)。そのためか汐ファン内の着ぐるみに寄生し成長までの時間を稼ごうとしている。霧の魔物の特性として成長するまでは身をひそめることが確認されている。そのためか俺の持つ小火器でも十分に霧を払うことが可能だ。特に問題もなく魔物を討伐しているとハートのお家から人影のようなものが通り過ぎた。反射的に銃を構えるが明確に人であったため構えを解いた。無線で一名行方不明者がいたがおそらく彼女であろう。声をかけようとしたがどうやら混乱しているようで周りの確認もせず走り去ってしまった。慌てて追いかけると、案の定魔物に拘束された上に盾にされていた。その先にはすでに間方式を構築させおえた朝比奈がいた。このままでは直撃するかと思われたが、直前で軌道をそらし大事には至らなかった。
裏世界で得た情報により被害は最小限に抑えられた。そして裏世界がこの先の現実であるということに。