やはり俺が私立グリモワール魔法学園に転校生と一緒に入学するのは間違っている   作:水無月ゲンシュウ

37 / 37
第三十七話 傭兵というものはある意味青春を謳歌しているのかもしれない

 来る第八次侵攻に向けての学園全体の戦力増強を掲げて行われた今回のハワイへの旅行。一部の連絡事項を確認していなかった可哀想な人にとっては寝耳に水な今回の合同軍事演習は前半組と後半組に分かれての参加となる。理由はおそらくだが一度に大量の学園生を移動、宿泊させる分を確保できないという点。そしてこちらが本命であると思うが学園生といえど魔法使い。日本国内の十分の一にあたる貴重な戦力をみすみす海外で遊ばせる余裕はどこの国にも存在しないというのが本音であろう。

 

 前半組に振り分けられている比企谷にとっては初の外国でもあるハワイであるのだが

 

 「なんなんだあの筋肉ゴリラどもは、本当に非魔法使いなのか?」

 

現地の傭兵たちのおかげでバカンス気分には到底ならないようである。ハワイ到着して早々挨拶もそこそこにして早速訓練が始まった。訓練といってもいわゆる普通の人間に対しての訓練であるため、ひたすらトレーニング、食事、トレーニングの繰り返しである。魔法使いである比企谷ですらしんどいと感じるようなトレーニングを楽々とこなしている姿を見れば愚痴の一つもこぼれるものだ。中には傭兵に口説かれないことを嘆いているものもあるが。その上頭脳労働担当の連中はホテルでシュミレーションによる訓練をしていると聞く。比企谷としてもそちらに参加して涼みたいだろう。

 しかし世界とは残酷なものである。こちらが訓練後でヘトヘトであろうが魔物は待ってくれることはない。デバイスに緊急連絡が入り海からの魔物襲来を伝える。現場指揮官には精鋭部隊のメアリーが当てられている。

 

 「いいなテメェら、アタイら魔法使いは強ぇ!それこそPMCの連中の比じゃねぇ!それをこの戦いで自覚しろ!」

 

普段は楽観的な事を口に出さない彼女の口から発せられる強気な発言は一部の生徒のやる気を引き出す。俺達に与えられたクエストは住民の避難の支援。6つの班に分かれてそれぞれが持ち場を担当する。いつもなら偵察やらなんやらで最前線に放り出される所だが今回魔物は海から来る関係上偵察もクソもない。結果的に普段組まない転校生の護衛という役回りをやることになった。

 順当に霧を払っていたが松島が特訓の成果を見せようとしてウィリアムズに止められていた。なんでも初めてやる事を実践でやろうとするなとするなという事だ。実際松島は瀕死の状態の魔物を倒すことも出来なかった。そのような状態で元気な魔物と対峙していたら少ない確率で死んでいただろう。自分自身の立ち位置を実感させつつ生き残らせる。新兵教育としては十分であるが東雲に鍛えられ成長を感じていた矢先の松島にとっては少し堪えたようだ。

 

 結果的に今回の戦闘においてPMCに死者が六名出たぐらいが大きな損失であった。ハワイ側からの好意により一日宿泊期間が伸びた結果、軍人達と腕相撲させられたのは別の話。

 

 九月二七日、裏世界での第八次侵攻がおきた日。グリモアは万が一に備えて全生徒が制服着用の上待機を命じられていた。風紀委員も侵攻が確認されると同時に職務を放棄するがそれまでは風紀委員としての業務をこなさなくてはならない。長い一日の始まりだ。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(任意:500文字まで)
※評価値0,10は一言の入力が必須です。参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。