東方賭博奇譚   作:シフォンケーキ

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やっぱ他で色んな事やってると半年はあっという間に経っちゃうねぇ。
これ以上のつまらない言い訳は抜きで本編をどうぞ。


19話・可愛い女の子とのデートの予定が確定した。

 フランと別れ、次に高橋はレミリアの部屋に訪れた。

「レミリア、いるか?」

 扉をノックして確認するが、中からの返事は無かった。

「いねぇのか?勝手に入る訳にもいかんしどうするか」

 流石にこのまま帰る訳にもいかない為、早々に途方に暮れる高橋。

「最悪咲夜でも見つけて聞くとするか」

 と考えていると廊下から都合良くレミリアが現れた。

「人の部屋の前で何をしているのかしら?」

「おう、レミリア。お前にちょっと用があってな。今いいか?」

「まあ入りなさいな。部屋の前で立ち話も無いでしょう」

 促され高橋はレミリアの部屋へと入った。

「それで?態々話って何かしら?」

 部屋の中の椅子に座るや否やレミリアが聞いた。

「ちょっとした頼みだよ。五日後、朝から一日フランを借りたい」

「人の妹を物扱いしないでもらえるかしら?理由は?」

「お前の素敵な妹さんとデートしたいから」

「揶揄ってるの?」

「これが本気なんだよ」

「はぁ。つまりはフランを外に出す許可を出せって言いたいのでしょう?素直にそう言えないのかしら?」

「これでも素直に言ってんだぜ?フランとデートしたいってのは事実だしな」

「ふーん。そんなにフランが良いんだ」

「自分が選ばれなかったからって拗ねるなよ。俺はお前の事も好きなんだぜ?」

「姉妹を相手に浮気だなんて大した根性ね」

「愛が届かねぇなぁ」

 不貞腐れた様子のレミリアに高橋が言うが簡単にあしらわれてしまった。

「もし仮に許可を出したとして」

 レミリアが言う。

「あの子が何か問題を起こしたら勿論貴方が責任を取ってくれるのよね?フランの彼氏さん?」

「お姉様公認とは嬉しいねぇ。ああ、その場合は連れ出した挙句に何も出来なかった俺の責任だ」

「大した自信ね」

「俺はフランが問題を起こさないって信じてるだけさ」

「あの子の何を見てそう思えるの?」

「フランは根は良い子だからな。それに根拠もある」

「根拠?」

「初めてフランと勝負した時に暴れないように言ってある。ここではギャンブルの結果は絶対なんだろ?」

「はぁ。上手くあの子を丸め込んだものね」

「フランが聞き分けのいい子だったってだけの話だろ」

 軽く笑って答える高橋。

「だったらまぁ大丈夫でしょう。良いわ、フランとのデートを許可してあげる」

「話のわかる上に優しいお姉様で良かったよ」

「あら、レディを見る目は有る様ね。そこに『とても美しい』と言う言葉があれば尚良かったのだけれど」

「才色兼備という言葉はレミリア様の為にある言葉です」

「正直なんだから。良いわ。改めてフランを連れて行くのを許してあげる」

 そんなやりとりをしていくうちにレミリアの機嫌が良くなったのか、遂にレミリアからの許可が正式におりた。

「話のわかる素敵で美しいお嬢様で良かったよ」

「その代わり、何か有れば貴方が全て責任を負うのよ?」

「わかってるよ。愛しい彼女の問題は俺の問題だ」

 そう言って高橋は席を立った。

「もう帰るの?」

「ああ。その前にフランへの報告とパチュリーさんに会ってくるけどな」

「パチェに?何故?」

 何も知らないレミリアが聞く。

「さっきパチュリーさんと勝負したんだ。その結果俺が勝ったから約束を守ってもらおうと思ってな。それと様子を見に行くって感じかな」

「パチェがギャンブルするなんてね。何で勝負したの?」

「俺の提案で100メートル走一本勝負」

「・・・よくやる気になったわね、パチェ」

 流石のレミリアも呆れ顔だった。

「そんなわけで一日中魔法のお勉強に付き合ってもらえる事になったんだよ」

「あら、貴方魔法が使えるの?」

「使うだけならな。これからの練習でどれだけ幅を増やせるかは知らんが」

「まあ精々頑張りなさいな。その方が私も面白いから」

「期待に添えるよう頑張るさ。それじゃあまた来るよ」

 そう言って高橋はレミリアの部屋を後にした。

 

 

──────────────────

 

 

「あ、見つけた!愛乃さん!」

 図書館に向かう途中、小悪魔に呼び止められた高橋。

「あれ?小悪魔?どうかしたか?」

「先程パチュリー様が目覚められまして、愛乃さんを呼んで来るように言われたんです」

「そうか。パチュリーさんの様子はどうだ?元気そうか?」

「ええ。起きたらいつも通りでしたよ」

 それなら良かったと一安心する高橋。これでもし彼女に何かあれば高橋としても寝覚めが悪い。

「それで?何で態々俺を呼んでるんだ?」

「そこまでは」

「まぁ行きゃわかるか」

 そして高橋はそれ以上考えるのをやめ、小悪魔と共にパチュリーの元へと向かった。

「それより、今後はパチュリー様相手に体力勝負はやめてくださいね」

「ご主人様が心配か?」

「当然です!」

「可愛い女の子からの頼みじゃ断れねぇな。わかったよ。今後は体力勝負は仕掛けねぇ」

「お願いしますね?」

 再度念を押された高橋。仕方がないとはいえ、そこまで信用はされてないようだ(全く信用されていないわけでも無いようだが)。

 そんな雑談を交わしながら進んでいると、遂に図書館へと辿り着いた。

「パチュリー様、愛乃さんを連れてきました」

「ありがとう。それじゃあ愛乃、さっきの続きを始めるわよ」

「それより動いて平気なんですか?」

「馬鹿にしないで。あれ位大した事無いわ」

 であれば倒れないでもらいたい。

「さっきの続きって言うと、魔法の扱い方ですよね」

「ええ。さっきは貴方に魔力がある事が分かったから後は扱い方だけ」

「・・・扱い方」

 高橋は再度繰り返す。これから本格的に魔法について学べると言う現実に胸が高鳴っていた。

「慣れれば簡単な物は細かく意識しなくても出来る様になるとは思うけど、まずは基礎からね。小悪魔、あれを持ってきて」

「はい」

 パチュリーが言うと小悪魔はその場を離れた。そしてすぐにある物を持って戻ってきた。

「バケツと水?」

 小悪魔が持って来たのは水がいっぱいに入れられたバケツと空のバケツだった。

「当面の目標はこのバケツの水を空のバケツに移す事。勿論自分の魔力を使ってね」

「つまりさっきみたいに紙を使わずにって事ですよね?」

「ええ。本来は魔法を使うなら魔法に関する術式を覚えないといけないわ。慣れてくれば簡単な物は無意識に出来るでしょうけど」

「如何にも魔法の勉強って感じがしてきたな」

「浮かれるより先に、魔法の術式について覚えなさい」

「それを覚えるのってどれくらい大変なんですか?」

「内容にもよるけど、新しい言語を学ぶ程度、とでも思ってなさい」

「言語を覚えてそれで更に計算式を組み立てろって話ですか?」

 高橋はパチュリーが曖昧にした部分を聞いた。

「組み立てるのは高度なレベルの魔法を使う際だけよ。今の貴方には必要無いから覚えなくて良いわ」

 成程、まだ何も知らない高橋が手を出した所で確かに身に付かないだろう。

「納得したなら続けるわよ。先ずはこの本を貸してあげるから順に覚えなさい」

 そう言ってパチュリーが手近にあった一冊の本を高橋に差し出した。

「これは?」

「それは魔法の基礎が詰め込まれた本よ。その本の通りに勉強すれば基本的な魔法の事は理解出来るわ」

「読んでも理解出来なければ?」

「その時は諦めなさい」

「うわー、キツイ一言」

 そんな事を言いながらも高橋は本のページを捲っていった。当たり前だが、基本的な事すら知らない今の高橋には全く理解出来ない。

「つまりは言語を覚えて更にこの本の内容も覚えなきゃいけないと。覚える事だらけだな」

「退屈凌ぎにはいいでしょう?」

 皮肉めいた声でパチュリーが言う。

「まぁ、勉強ってのは別に嫌いじゃないので構いませんがね」

「あらそう。なら早速お勉強の時間よ」

 少しむすっとした顔でパチュリーが言ってきた。こんな顔もするのかと高橋は内心で驚いていた。

 

 

 それから数時間後。

「あー、疲れたぁ」

 パチュリー先生の講義の元、無事に魔法の術式の基礎を覚えた高橋が言った。

「貴方、覚えるのが早いのね。ひどいと数日掛けても覚えられないって人もいるのに」

「これでも一応記憶力には自信があるのでね」

 とは言え、右も左も分からない事を頭に叩き込んだ為、高橋もかなり疲弊していた。

「でもこれで最低限、魔法を覚えるのに必要な知識は覚えられたって事でいいんですよね?」

「ええ。これで術式を覚えて実践して身につけば、貴方もそれなりに魔法が使えるわよ」

 それを覚えるのが大変なのだが、と思う高橋だった。

「まあ色々出来る事が増えたら自分なりに色々試してるみる事ね」

「その前に言われた課題が出来る様になってからですけどね」

「そうね。なら勉強の成果を見せてもらおうかしら。さっき教えた通りにやってみて」

 言われると同時に高橋は床に並べられたバケツの前に立ち、頭の中に覚えた術式を思い描く。

「 ─── ッ」

 そしてバケツに向かって手の翳し、更に意識を集中させる。その数秒後、バケツの中の半分程の水が塊となって浮き上がった。そしてそのままゆっくりと隣のバケツへと向かっていく。空のバケツの中へとゆっくり運び、無事にゴールを決めた。

「・・・ふぅ」

 一度息を吐く高橋。

(一度で出来るのはバケツの半分程度の水か。あと移動速度も遅い。実用的になるまでは先が長いな)

 結果を振り返り、自分なりに判断する。こればかりは練習を繰り返していくしか無いだろう。

「初めてにしては及第点ね。今の扱う感覚を忘れずに毎日繰り返しなさい。次第にもっと出来る様になる筈よ」

 一連の動きを見ていたパチュリーが言う。一先ずは赤点判定されなかった事に安堵するべきかと思う高橋だった。

「あと、練習するのは自由だけど一度に無理して魔力を使い過ぎると魔力が尽きて疲労で動けなくなるわよ」

(まぁ、今の貴方の魔力ならそうそうならないでしょうけれど)

 後半の部分は伝えずに内心に留めたパチュリー。もし仮に最後まで言えば確実に無理をしてでも練習をするだろう。教えている立場からすればそんな馬鹿な理由で倒れられるのは勘弁願いたい。

「言われなくても無理はしませんよ。たった一回で軽く疲れが溜まっていく感覚がしてますから」

 慣れない事をした所為か、全身に軽い疲労感が出ていた。

「取り敢えず感覚は掴めたかしら?目標としてはさっきも言ったけどバケツの水全部を一度に運べる様になる事ね」

「手厳しいですねぇ」

「それで?結構時間も経ったけどこの辺でお開きかしら?」

「まさか。折角一日中魔法について教えてもらえるのにこれだけじゃ物足りないですよ」

 先程の勝負で勝った為、無条件で魔法の修行が出来る。それを無駄にしてなるものか。

「夜通しやるつもり?」

「今夜は寝かせませんよ?」

「馬鹿なのかしら?」

 軽く流される高橋。

「流石に二十四時間丸々付き合ってもらう気はありませんよ。無理にやっても効率が悪いだけですから」

 何事もやる時は一定のペースで続けるのが大事なのだ。しかし、基礎知識を頭に入れるのは大事なので勉強して損はない。

「と言っても今の貴方がやれる事も多くないでしょう。すぐに魔力量を増やしたり出来るわけでもないし」

 魔力量が少なければ魔法の練習も出来る幅が決まってしまう。

「魔力量を増やしていくにはどうしたらいいんですか?」

「毎日魔力が尽きるまで魔法を使いなさい。そしてゆっくり休めば日に日に総量は増えていくわよ」

 まるで筋トレだ。と内心で思う高橋だった。

「ならさっき水を運んだのが上手くいかなかったのも魔力量が少ないからですか?もっと魔力があったら安定させられるとか」

「考えとしては間違ってないけど貴方の場合は単に慣れていないから、つまり経験不足ね。その内徐々に安定してくるでしょうから安心しなさい」

「なら、コツコツやっていきますよ。コツコツと」

 そう言って高橋は再度水を操るトレーニングに挑んだ。

 

 

 そして時は経ち、夜を迎えようとしている紅魔館で遂に高橋の魔力が尽きた。

「・・・疲れた」

「数時間ずっとやれば当然よ」

 図書館の床に倒れ込む高橋を見てパチュリーが言う。

(まぁ、一度も休まずに数時間続けられるだけでも充分なのだけれどね)

 心の中で思ったが、それは決して口に出さなかった。

「それで、もうすぐ夜なのだけれどまだ続けるのかしら?」

「魔力が尽きた上にこれだけ疲れてると何を聞いても頭に入りませんよ」

 これ以上何かを続けても集中出来る気がしない。

「流石にこれ以上は迷惑でしょうからもう帰ります」

「待ちなさい」

 言って高橋は図書館を後にしようとした時、パチュリーに呼び止められた。

「どうかしましたか?」

「貴方に次のステップを教えてあげようと思ってね」

「でも俺、まだ言われた課題完璧に出来てませんよ?」

「今日一日の結果を見てたらそう遠くない内にクリアするでしょうから、今のうちに教えておくのよ。嫌ならいいけど」

「ぜひお願いします」

 願ってもない展開だ。

「次は水を立体的に操れる様になりなさい」

「立体的に?」

「ええ。ただ操るだけなら基本的に円形になるけど、そこに操作を組み込むと四角や星形なんて物も出来るのよ」

「面白そうですね」

「・・・意外ね」

「何がです?」

「大抵の人は『そんなの覚えて何になるのか?』って聞くのよ」

 素直に興味を持つ高橋のリアクションはどうやら珍しいらしい。

「出来る事の幅が広がるのは良い事なのでは?」

 知らない事、出来ない事が少ない方が良いのは当然だ。

「それもそうね。やり方は単純。自分の作りたい形をイメージするだけ。と言ってもそもそもの水の操作が完璧に出来ていなければまともに形を作るのは無理でしょうけどね」

「つまり今の俺には無理だと」

「簡単に言えばそうね」

 パチュリーが少し笑って言った。

「・・・パチュリーさんの予想だと俺が出来る様になるのはいつだと思いますか?」

「今日と同じ程度の練習を毎日やったとしたら三、四日くらいかしらね」

 思っていたより早い予想に正直高橋は驚いた。

「わかりました。次に来た時には立体的に操れる様にしておきますよ」

「えらく自信があるのね」

「魔法の練習は楽しいので。楽しいと思えている時の人間の精神は最強なんですよ」

「ふふっ。面白い事言うじゃない」

 パチュリーが小さく笑い、つられて高橋も小さく笑う。

「それじゃあ、今度こそ帰ります。次もどうにか魔理沙から本を取り返してからね」

「ええ。期待しているわ」

 お互いに言い合って、高橋が図書館から去って行った。

「パチュリー様、楽しそうですね」

「人に何かを教えるのが新鮮なだけよ」

(それを楽しんでるって言うと思うんですけどねぇ)

 パチュリーの顔を見てそう思う小悪魔だった。

 

 

 図書館から出た高橋はそのままフランの部屋へと来ていた。レミリアからの許可が出た事をフランに伝える為だ。

「フラン、今いいか?」

『はーい。良いよー』

 ノックした後、中からそう聞こえた為、高橋は扉を開けた。

「ヨシノ、どうだった?」

 部屋に入るや否やフランが聞いた。

「安心しろ。素敵なお姉さんがデートを認めてくれたよ」

「やったー!」

「その代わり、はしゃぎ過ぎて暴れ回ったりするなよ?」

「勿論!」

 本当に大丈夫か心配ではあるが、何とかなるだろう。

「それじゃ、五日後の朝に迎えに来るから楽しみに待ってろよ」

「うん」

「そんじゃ、名残惜しいが帰るよ」

「もう帰っちゃうの?」

「ああ、霊夢が俺の帰りを待ってるからな」

「浮気?」

 高橋の発言にフランが訝しげな目で見てきた。

「馬鹿。霊夢に夜には帰るって言っただけだよ。どんな相手でも女との約束は俺は守る派なんでね」

「うわーん。浮気された〜」

「破局なら五日後のデートも取り消しだな」

「ヨシノは浮気なんてしないってフランは信じてるから」

 素敵な掌返しだ。だが可愛いので許そう。

「気をつけて帰ってね」

「おう。また五日後な」

 そう言って高橋はフランの部屋を後にした。

 

 

──────────────────

 

 

「ただいまー」

 博麗神社に戻った高橋が中に入りながら言う。

「あらお帰り。遅かったわね」

「寂しかったか?」

「馬鹿なの?」

 お茶を飲みながら言ってくる霊夢。

「それで何か収穫はあったの?」

「まぁそれなりにな。五日後は朝から忙しいよ」

「あー、例のギャンブル大会ね」

「ああ。あとその日はフランとデートだ」

「また彼女変えたの?」

「俺にとっては美少女全員が彼女だよ」

「都合が良いわね。その内誰かに刺されるんじゃないの?」

 物騒な事を言う巫女さんだ。

「もしそうなったらそれは満足させてやれなかった俺のせいだ。だったら刺されても仕方ないだろ」

「精々夜道には気をつける事ね」

「他の子ばかり見てるせいで霊夢が刺しにくるのか?」

「本当にやってあげましょうか?」

「こっわ」

 流石に刺されたくはないので今後の行動には注意しよう。

「あー、あと少しだけだが魔法が使えるようになった」

「魔法?」

「ああ。紅魔館でパチュリーさんに教わってな。簡単に言えばこんな事が出来る」

 言って高橋は霊夢が手にしていた湯呑みに手を翳した。するとゆっくりと湯呑みの中のお茶が宙に浮きはじめた。

「今の所はまだこれくらいしか出来ないけどな」

 言い終わると同時に浮いていたお茶が湯呑みの中に戻っていった。

「パチュリーが教えてたにしては地味ね」

「まぁ基礎からだからな。いきなり大技なんて教えてもらえないさ」

「そんなものかしら?はいお茶」

「そんなもんさ。ありがとう。俺がいない間にまた何かあったか?」

「何も。参拝客が来ないところまでいつも通りよ」

「悲しい事言うなよ」

 反応に困る事この上ない発言だ。後でまた賽銭箱に入れておこう。

「あんたもさっさとお風呂入って寝なさいよ」

「飯ある?」

「もう食べ終わっちゃったわよ」

「くそ、晩飯には間に合わすつもりだったが失敗した」

「自分で勝手に作って食べなさい。私はもう寝るから」

「霊夢ちゃんの手料理が食べたいなー」

「気色悪い事言うんじゃないわよ。もしかしてあんた料理出来ないの?」

「出来るわい」

 実は自炊はそこそこ好きな高橋だった。

「なら明日何か作ってみなさいよ。美味しかったら認めてあげる」

「あ、結局晩飯は作ってくれないのね」

「・・・はぁ。作ってあげるからその間にお風呂入ってきなさい」

「なんだかんだで優しい霊夢ちゃんが大好き」

「本当、馬鹿じゃないの?」

 呆れ顔のまま台所へ歩いていく霊夢を見つつ、高橋は風呂へと向かうのだった。

 

 

 翌日、朝から高橋は悩んでいた。

「さて、一体何を作れば霊夢が満足するのか」

 幸い作るのは夕飯のみなのでまだ時間はあるが何を作るかが全く決まっていなかった。和、洋、中。どれを作るべきか。

「そもそもこの家にまともに食材がねぇな」

 となれば先ずは食材調達から始めよう。途中で何を作るか考えればいいだろう。

「霊夢、ちょっと食材買いに出掛けてくる。晩飯楽しみにしとけよ」

「ならついでに瑛琳の所で胃薬貰ってきてね」

 どうやらカケラも期待されていないらしい。これはやはり霊夢に美味いと言わせなければ気が済まない。

 そのやる気を胸に高橋は人里へと食糧調達に向かうのだった。




こっちの更新もしない。もう片方の作品も更新しない。この馬鹿作者は一体何やってんだよ。
そもそも今回ギャンブルしてねぇや。
いやぁ、流石にサボりすぎだなぁ(毎回言ってる気がするけど)。
まあのんびりと書いていきますんで良ければ次も読んでやってください。

誤字脱字、ご意見ご感想等有ればコメントお願いします。
ではまた次回。

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