ビィの提案で魔物が出ないか見回りするはずだった星晶獣たち。
ところが、どうやら喧嘩をしたらしく…
慌ててグランサイファーを飛び出したジータとルリアは、ようやく星晶獣たちのもとへとたどり着こうとしていた。
「いえ~い!ドッキリ成功ね!」
「ぎゃははは、お前もルリアもすげーびっくりした顔してるぜ。こんな顔オイラも見たことねぇよ」
「我々の余興はいかがでしたか」
「ふっふーん!私のおかげね(お尻ふりふり)」
「仕事と余暇の均衡が崩れる時、我は顕現する」
「アホ面してるわん!面白いわん!ふふふ、大成功ね!」
「ごめんよ、団長さん。だますようなことをして…。ラカムにも心配かけちゃったかな」
「――♪」
「姉さん、こんなことしてよかったのー?」
「たまには必要よ」
ジータは改めてにやにやしている星晶獣たちを見渡す。その視界は、すでに歪んでいた。
「ルリア。もうこいつら吸収してしまって。あ、デウス・エクス・マキュラ・マリウスだっけ?なんかあれで抹消してもいいわ」
「管理者権限を譲渡――」
「おいおい、ジータもルリアもそこまで怒ることねーだろ…」
「あるわよ!あほ!ばか!どれだけ心配したと思ってるの…!もう…っぐ。ひっく。…うえ~ん!」
「あー。すみません。人の心は難しいものですね。企画したビィさん、メドゥーサさん、あとはお任せしますよ」
「っておい!無責任すぎるだようよ」
「そうよ!私が間違ってたって言うのかしら?ふんっだ!」
「ごめんね、団長さん。安心して、僕たちは誰も喧嘩していないから…」
「くっそう!ノアのやつ、ちゃっかりイケメンポジション入りやがってよう!」
「あらあら。そんなんだからビィ畜とか呼ばれるんじゃないかしら」
「ぐぬぬ…話は魔物を蹴散らしてからだぜ!」
「――?」
「ほら、ユグドラシルも話をごまかさないでって言ってるわ」
これだけの人数がいるのだから、もういばらの中はどったんばったん大騒ぎだ。
「姉さん、僕たち星晶獣の中だと力も影も薄いね」
「…眠いから寝ようかしら…」
「姉さん、ダメだよぅ!」
本格的に喧嘩が始まりかけた時、ルリアのお腹が盛大に鳴った。
「はわわ!これはその…」
「あら、ちょうどいいわ。ほら、ケルベロスちゃん、ゾーイちゃん、あれを準備してくれないかしら。ユグドラシルも、お手伝いお願いね」
3人(?)は無言でうなずくと、後方へと走り去っていった。
「ごめんなさいね、団長さん。ルリア。本当は私たち、サプライズをしたかっただけなの。ちょっと刺激が強すぎたわね…」
「わ、私だって喜んでほしくて必死に『人間 驚く 方法』で検索してたんだからね!わざとじゃないんだから」
「すまねぇな、まさか泣かせてしまうとは思わなかったぜ…オイラからも謝るぜ…ごめんな」
「…分かってるわよ、みんながサプライズしたかっただけっているのは。最近サプチケ来ないし。ここにいるみんなはサプチケで交換不可な子が多いし。…でも、もっと他にやり方があるじゃない…」
「最初は簡単なものにしようとしていたんだけれど…ビィ君に話してる所をメドゥーサちゃんに聞かれちゃって…」
「あー。それで…」
「なによ!私が悪いみたいじゃない!」
「メドゥ子、違うのよ。私は、メドゥ子がみんなで盛り上げようとしてくれたって、分かってるから…」
「わ、分かってればいいのよ」
「うげぇ、めんどくせーやつ…」
「ビィ畜、なんか言ったかしら」
「んな!何も言ってねぇぜ!」
「おや。そろそろ戻ってくる頃でしょうか」
3人は給仕服姿で戻ってくる。ケルベロスはピザをもって。
「熱いわん!」
「ミトンじゃないわん!」
ゾーイはきれいに並べられた食器類をもって。ユグドラシルは、力を使って木のテーブルと椅子を用意した。
その場に残っていたルシオやモルフェたちが打ち合わせ通りに準備を進める。あっという間に、茨に包まれたパーティー会場へと様変わりした。
「はわわ、おいしそうです!」
「私が作ったんだからおいしいに決まってるわ!」
「た、食べ物で釣ろうだなんて…私はそんなに単純じゃないわよ?」
と威勢を張るも、ジータのお腹は豪快な音を立てた。
「さ、食べましょう。早くしないと冷たくなってしまうわ」
「オイラたち星晶獣もジータとルリアにはほんとに世話になってるからな。改めて礼をしたかったんだぜ。えへへ」
「なんでビィが星晶獣面してるのか分からないけれど、本当にうれしいわ…」
「我々も苦労したのですよ。人間が何を好むか分からないので」
「姉さん、今クライマックスなんだから食べながら寝落ちしないでよ…」
「熱かったわん!許さないわん!」
「あははは、おもしろーい!」
「それにしても、ほんとにおいしいね。ラカムにも食べさせてあげたかったよ。ああそうだ。後で届けてあげよう。ふふふ、喜んでくれるかな」
思い思いに星晶獣と人の子はパーティーを楽しむ。
ジータは思い返していた。これまでの旅を。そして考えていた。これからの旅を。でも、まずは。
「そうね、まずは魔物の見回りをしっかりしてもらって、報酬をいただいた上で星晶獣のみなさんには当分夕飯なしの刑かしらね」
「うげぇ。やめてくれようぅ」
「満腹と空腹の均衡が崩れる可能性が生まれた時、我は顕現する」
茨で外は見えないが、月はすでに弧を描いてゆっくりと沈んでいった。
まだ宴の終わりは遠い。だが、千年を生きる星の獣にとっては刹那に過ぎない。
それでも、ここにいる獣たちは誰もがこの日のことを忘れない。千年を経ても、二千年を経ても。その身が滅びようとも。
風に揺れる木々のさざめきが、とても気持ちの良い夜だった。
いやそんなことより新武器欲しくないですか?ゼウス編成…やりたい。
風は暴君三手…他は何入れればいんでしょうか。
「話は神石をゲットしてからだっ!」