神罰の地上代行者 作:朱い月
注意!この話は旧版です。
新しく書き足して改稿した次の話(新版)からこの小説を読んでください
旧版
「──優先する。小麦粉を上位に。人体を下位に」
緑色の修道服を着た背の低い男が小麦粉のギロチンを拘束されている背からコウモリの翼が生えている異形の男に振るう。
「アガッ…!ガアッぁぁぁぁぁァァッ!!」
異形の男を一度で殺しきれなかったことに修道服の男──左方のテッラは少しばかり驚きながら思う。
ああ、調整が足りなかったか、と。
「まあ、調整を間違えたのは仕方ありませんねー。最近"光の処刑"を使っていなかったですしねー」
「お、オレはッ誇り高き貴族ムルムル家の跡取りなんだぞッ!おまえっこんなことしてタダで済むと─」
男の言葉を遮るように再びギロチンが振るわれる。その後、ズシャッという音とともに男の体はずり落ちた。
「ああ、うるさいですねー化け物が。貴族だか何だか知りませんが、貴方方化け物は存在する価値すらないのですよー。それなのに調整に使用されたのだから主に感謝して死になさいよー、まったくですねー」
「ヒイッ…」
隅で震えている小さな異形の少女はその惨状についに悲鳴をあげた。あげてしまった。
「んぅー?そういえばまだ一人いましたねー。もう術式の調整も終了したのですが。折角だから念には念をってことでですねー、貴方でも試しましょうねー」
「や、やめてぇ…許して。許してよぉ!なんでもするから!!」
鼻水と涙と恐怖でぐしょぐしょな顔で許しを乞う悪魔の少女に流石に同情をしたのか、テッラはかがんで少女の頭を撫でた。
「仕方ないですねー許してあげましょう。私は心優しいですからねー」
「えっ許してくれるの…?殺さないでくれるの…?」
「ええ。もちろんですねー流石に少女を痛ぶる趣味はないのですよー、私だって」
少女は助かるんだ!良かった…と、安堵の表情を浮かべた。
しかし、現実は非情だ。そう甘くはない。
「なわけないのですよーこのクソ化け物が」
「えっ…!?」
テッラはギロチンを少女に振り下ろした。
ズシャアッという音がしたとすると助かると思っていた少女は絶望の表情すら浮かべることもできずに死んだ。
「んー?失敗しましたねー。何かの本で恐怖という物には鮮度が云々と最高の恐怖と絶望を見るための方法が書いてあったので化け物の最高の恐怖と絶望の表情を見たかったので実践してみたのですが。物の見事に失敗してしまいました。とりあえず、術式の調整も終わったことですし次の機会に試すとして、そろそろ大聖堂に戻りますかねー」
全く、化け物共の処理と"光の処刑"の調整が同時にできるなんてなんて素晴らしい世の中だ、とテッラは上機嫌で大聖堂に帰っていった。
左方のテッラ
○ローマ正教の中心組織"神の右席"のメンバー。
○物事の優先順位を変更する術式"光の処刑"を使用する。(要するに小麦粉で悪魔の体を切り裂けたのは小麦粉の優先順位が人体より上に設定されていたから)
○出典『とある魔術の禁書目録』より
恐怖という物には鮮度が云々と書いてある本
○ジル・ド・レェの名言(?)をプレラーティちゃんが遊びで本として出版したもの
○出典『Fate/zero』より