サクラ大戦~暁の君へ~   作:アルムブレスト

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今年の夏は忙しくて執筆が遅くなりました!
すいません!


第三幕 歌劇団

六人の女性達に一斉に注目される

「・・・・・・・・・」

一体何から話せばいいのか解らない

 

あやめという女性から聞いた話を話半分、半信半疑で聞いていたせいか、言葉が出ない

笑いからとればいいのか?それとも挨拶から先か?ああ!それよりも早く何か話さなければ・・・

 

「ええと・・・・・・」

 

大神一郎はみるみるうちに頭に血が昇っていく刀をみる。よく見ると、シュウシュウと頭から湯気が出でいる。

 

「・・・刀君?」

「は、はぃ?」

 

案の定、振り返る刀の顔は、茹蛸のように真っ赤になっている。

その様子に花組はマリアを除き、皆笑いを噛み殺している。

 

「緊張せずに、自己紹介をすればいいんだよ」

 

刀はニ、三回瞬きすると、冷静を取り戻す。急いで花組に向き直ると頭を下げる。

 

「挨拶が遅れて、申し訳ありません!は、はじめまして!某は北条刀と申します!僅か一月の間ですが、ご迷惑をかけないよう一生懸命頑張りますので、色々とご指導のほどよろしくお願いします!」

 

帝劇中に響き渡る声。いや、帝劇ののみならず、テラスを通して向かいの道路沿いの通行人は何事かと二階のテラスを見上げる。

あまりの声の大きさにカンナまで圧倒されている。他の隊員は・・・驚いて飛びのき、すみれに至っては椅子ごとひっくり返っている。

あぁ、なんと言うことだろう。自称、帝劇随一の「とっぷすたぁ」であるすみれの醜態が、隊長以下、皆に見られたのだ。

 

「び、びっくりした~」

 

アイリスのそう言った直後、大きな笑い声帝劇に響き渡る。

 

「ぎゃはっはっはっは!すみれの奴なにひっくり返ってんだ!よくやった新隊員!初戦果だ!」

 

「は・・・はぁ」

 

次いで、挨拶が交わされる。

 

「はっはっは!朝から良いもん見せて貰ったぜ。あたいの名は桐島カンナだ。よろしくな」

 

と、自己紹介の後、握手を求められる。首一つ分以上背が高い女性を見上げると、複雑な笑みを浮かべながら刀は握手に応じた

 

次に、金髪の女性が前に進み出た。

 

「私はマリア・タチバナよ。一月の間よろしくね」

 

「はい!こちらこそよろしくお願いします!」

 

「そんなに緊張しなくても大丈夫よ。これから一月の間暮らすんだから、そんなんじゃ持たないわよ?」

 

「ぜ、善処致します。」

 

次に、眼鏡をかけた女性が前に出る。

 

「ウチは李 紅蘭や。よろしゅ~たのんます。・・・ところで刀はん?」

「はい?」

 

紅蘭の眼鏡の奥にある瞳が細くなり、口元に妖しげな笑みが浮ぶ。

ゾッと背筋に悪寒が走る。

 

「さっきの挨拶はねらっとったん?ねらっとったん?狙ったとしたら相当なツワモノやで?今度良かったら一緒にコンビを組んで舞台で出ぇへんか?何、心配せんでもあやめはんならウチが説得したる!な!一緒にやろ?なぁなぁなぁなぁ~!」

 

突然、わけの解らないことをまくし立てながら、絡み付いてくる女性に圧倒される刀。

ちなみに、(あ、いい匂い)と思ったのは余談である。

 

「紅蘭だめだよ、だめ~!」

 

アイリスが一生懸命引き離そうと紅蘭の腕を掴む。

 

「離すんやアイリス!ウチはダイヤの原石を見つけたんや!ここで今逃してたまるかい~!」

 

あにはからんや、紅蘭はさらに力を込めて刀に絡みつく。

 

「ぐぉ!」

 

予想外の腕力に身体がミシミシと音を立てる。この細身の身体で何故こんなに力がでるのだ?

ちなみに、(あ、身体柔らかいな)と思ったのは余談である。

 

「ちぃ兄ちゃんは一月間いるから、その間に説得すればいいでしょ~!!」

 

「!・・・せやな」

 

すると紅蘭はあっさりと刀の戒めを解く。戒めを解かれた刀は大きく息をつく。

 

「も~紅蘭ったら!・・・ちぃ兄ちゃん、大丈夫?」

 

「ああ、ありがとうアイリス・・・ってちぃ兄ちゃんとは?」

 

「お兄ちゃんが二人いたら迷っちゃうから、大神お兄ちゃんはお兄ちゃん。お兄ちゃんはちぃ兄ちゃん。どう?アイリス頭いいでしょ!」

 

えっへん!と言わんばかりに胸をはるアイリス。

 

「ああ、アイリスは頭良いな。」

 

可愛い仕草に思わず頭を撫でる。

 

「えへへ・・・って、子供扱いしないで!アイリスはもうオトナなんだから!」

 

最初は嬉しそうだったのに、突然頬を膨らませて怒るアイリス。刀が初めて女心は難しいと思った瞬間であった

 

「す、スマン」

 

「謝るならわ・た・く・し・からですことよ?新隊員さん?」

 

ゆらりと幽鬼のように立ち上がる女性。露出の多い着物に身を包むその姿に、刀はおもわず眉をしかめた。

 

「うるせぇな蛇女。勝手にひっくり返ったのはオメェじゃねぇか」

 

カンナが立ち上がったすみれに一声を浴びせる。その言葉がグサッとすみれの心に突き刺さる。

 

「な~にが『いつ如何なる時も平常心を保つことが、とっぷすたぁになる条件ですわ!』って言っていた癖にザマァないぜ!」

 

グサグサグサッ!矢継ぎ早に突き刺さるカンナの言葉。だが、そこで黙っているとっぷすたぁではない。

 

大きく深呼吸し瞼を閉じる。

(クールよ、クールになるのよすみれ。私は帝劇一番の・・・トップスタァ。こんなチンケなゴリラ娘の言う事なんて気にすることはないわ!私は・・・私は・・・)

 

カッと眼を見開く。すると・・・

 

「なっ!」

 

先ほどの殺気だった雰囲気は微塵も無い。清楚で可憐な雰囲気を持った淑女へと変貌を遂げていた。

ここまで罵倒されながら逆に冷静さを保つとは、やはり神崎すみれは稀代の女優であった。

 

「紹介するまでもないでしょうけど、私は神崎すみれ。ま、このわたくしに迷惑をかけあいようにしっかりたのみますわよ・・・ぼくじょうさん?」

 

「あの、北条です。」

 

「まぁ、あまり気にしないことですわ」

 

「・・・・・・」

 

「よくねぇよ」

「あら、いたのかしら筋肉ゴリラさん?」

「だぁ~れがゴリラだこの(略)

 

 

大神は一連の騒ぎを見ると安心した。何とか皆と打ち解けているようだ。

 

「さくら!次はさくらの番だよ!自己紹介!」

 

アイリスは手を引っ張って最後の一人を刀の前に出す

最後の一人を目にした瞬間、刀は目を見開く

 

死を覚悟した刹那、目の前に現れた少女

 

「もう、慌てないのアイリス…あ、すみません刀さん

 挨拶が遅れました」

 

さくらは優しく微笑みながら、口を開く

 

「初めまして刀さん、わたし真宮寺さくらって言います。

 一ヶ月間よろしくおねがいしますね」

 

「…………………」

 

「刀さん?」

 

刀はハッと正気を取り戻すと

 

「あ、あのその私のなまえは北条、いえ、これはもう話しましたね」

 

いや、正気はまだ取り戻していない。

それどころか暴走しつつあった

 

「一ヶ月?そう訓練!大丈夫ですよ!余裕ですよ!まかせてください!

 バシッといって、ズバッと決めますから!」

 

「ええと、刀さん?」

 

「はい!歌と踊りには自信がありますので大丈夫ですよ!」

 

「ええ!ちぃ兄ちゃんもアイリス達とお芝居するの?」

 

「なんでやねん!ってははははは!」

 

アイリス、紅蘭まで介入し、テラスが混沌と化す

 

 

「えーと、自己紹介が終わったようだね?次は刀君の霊力を測定しにいくから、ついてきてくれ」

 

混沌さえもスルーするのが大神一郎

主人公補正パネェ

 

 

演習場にて・・・

 

随分と長い階段を下りていくと、随分と広い空間を目の当たりにする。そこで目にしたのは、巨大な鉄の塊。

目の前に存在する物体を見て、刀は確信した。疑う余地はもうない。これは間違いなく・・・

 

「刀君、これが霊子甲冑・・・光武だよ。」

 

圧倒的な存在感。これが、あの化け物達に対抗するために作り上げられた技術の結晶体。

思わず見惚れてしまう。

 

「それでこれから、君にあるテストを受けてもらうらしい」

「テスト?」

「そこから先は私が説明するわ」

 

演習場の奥から軍靴特有の足音がすると、あやめが姿を現す。

 

「あやめ殿?」

「刀君、今から貴方には実戦テストをしてもらうわ」

「なっ!まさかあやめさん、あのテスト機を使うつもりですか?」

 

あやめの無言の肯定に、大神の顔が強張る。

 

「無茶や!あのテスト機は未だに不安定やし、一度起動すれば、破壊する以外に止める術は無いんやで?それに、通常の脇侍よりも戦闘能力は高い!下手をすれば刀はんは・・・」

 

続いて、紅蘭があやめに言うが、あやめの表情は変わらない。

 

「大神君は初めての搭乗で実戦を潜り抜けたわ。それに比べたらリスクははるかに低いわ。それに・・・」

 

「この程度の事で怖気づく位なら、戦力になりゃあしないって事だよ。」

 

「米田司令!」

 

あやめに続いて、米田が姿を現す。

 

「しかし、彼は一般の民間人ですよ?最終試験という名目なら分かりますが、搭乗訓練すらしていない刀君にはリスクが高すぎます!」

 

「だとよ、北条刀。」

 

米田が言葉を向けると、光武を見上げていた刀は米田に顔を向ける。

 

「大神は言っている事は正論だ。これは強制じゃあねぇ。おめぇがこの試験を受けたくないってんならこれ以上無理は言わねぇ。」

 

その言葉に花組以下、大神も大きく安堵の息をつく。だが、当事者である刀自身は米田の言葉を聞き終わると、また光武を見上げる。

 

「大丈夫だよ刀君。訓練期間は一月もある事だし焦る事はない。こんなに大きなリスクを伴う事は」

「乗ります」

 

凛とした声が、大神の言葉を遮った。

 

「受けましょう。その試験。」

 

「ほぉう。」

 

その言葉を待っていたと言わんばかりに米田の顔に笑みが浮ぶ。

それに対して、横に立っているあやめの表情は一層厳しいものになった。

 

「本気なのね、刀君」

 

ゆっくりと頷く刀。

 

「大神君の言うとおり、ゆっくりと搭乗訓練をしてからの試験が良いと私は思うけど?」

「嫌です。いずれ通る試練ならば、なるべく早い方がいい」

「わかったわ。紅蘭、機体の準備と、刀君に操縦方法を教えてあげて。」

「え?ほ、本気かいあやめはん!」

 

「・・・・・・ニ度説明する?」

「わ、わかりました!ほらほら、みんな退いて~!」

 

大慌てで光武へと走り出す紅蘭と、それに続こうと歩む刀。

花組隊員を通り過ぎる中で一瞬、刀とさくらの視線が交差する。

余計な事を考えてはいけない。試練だけに集中しろ!

刀は気合を入れる形で両手で頬を叩くと、機体の準備をしている紅蘭の後を追った。か

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