――神代小蒔「秋雨」
「雨ですねぇ」
「雨……京太郎様、傘はお持ちですか?」
「はい、予報を見ていたのでバッチリ持っています。小蒔さんは?」
「霞ちゃんから念を押されていたので、ちゃんと持っていますよ。でも……」
ザァァァァァアッ
「すごい雨ですねぇ」
「秋は長雨っていうのは知っていますが、これではまるで夕立みたいですね」
「夕立というよりも、ここまで来ると台風のような気がします。それにしても……」
ザァァァァァアッ
「困りましたね」
「はい、困りました。ここまで雨が強いとカミナリも鳴りそうですしね」
「カ、カミナリ……ですか……?」
「あー、そういえば小蒔さんはカミナリが苦手でしたっけ?」
「い、いえ、いつまでも子供のように怯えるわけにはいきません。そうです、カミナリなんてちょっと大きな音と光でびっくりするだけなんです。そう怖がるほどのことは――」
ピシャアァァァッ!
「ひゃぁっ!?」ビクッ
「あー本格的に鳴り始めましたね。さすがに傘で帰るよりも迎えが必要かな?」
「そ、そうですね。家の人に迎えを頼みましょう」ビクビク
「……大丈夫ですか、小蒔さん」
ドーンッ!
「ひぐぅっ! ……うぅぅ……うぇ……」ウルウル
「ちょっ、小蒔さん泣かないでください! だ、大丈夫ですよカミナリくらい! 俺が付いてますから!」
「わ、分かってます。分かってますけどぉ……」ヒクッ
ピカッ! ――ゴロゴロゴロォッ!
「きょ、京太郎様ぁ……!」ダキッ
「おお、よしよし、大丈夫ですよ」ナデナデ
「は、離れないでくださいよぉ」ヒシッ
このあと(迎えが来るまで)めちゃくちゃ宥めた。
カンッ
――龍門渕高校「ハロウィン」
「トリックオアトリート、なのだ! いたずらしてほしくなかったら、お菓子を寄こせー!」ガオー
「はい、衣姉さん。俺の手作りクッキー」
「オー、これなのだこれなのだ。ふむ、お菓子をもらったからいたずらは勘弁してやろう」フンスッ
「ところで、衣姉さんはなんの衣装ですか?」
「む、よくぞ聞いてくれた! これは猫娘らしいぞ!」ニャー
「ああ、だから猫耳フードかぶってるんですね。よく似合ってますよ」ニコッ
「うむ、ハギヨシの手作りだから当然だな!」
「トリックオアトリート、ですわ!」バンッ
「あ、透華お嬢様。衣装はトランプの女王ですね」
「おー、トーカも着替え終わったのか!」
「ええ、せっかくのハロウィン、目立たずに終わる私ではないですわ! ということで、京太郎。お菓子をくれなければ、いたずらしてしまいますわ!」
「ふむふむ、それはどんないたずらなのでしょうか?」
「えっ?」
「なるほど、トーカのいたずらには衣も興味があるぞ!」
「えっ?」
「では、透華お嬢様、存分にいたずらをどうぞ!」ドーンッ
「えっ!? えっ、えーっと、では失礼して……」チュッ
「……中々に情熱的ないたずらですね」ビックリ
「う、うるさいですわよ! ふ、普通はいたずらが嫌でお菓子をくれるのに……変ないじわるをするからですわ! 大人しくお受けなさい!」カオマッカ
「ムー、トーカだけずるいのだ! 衣もキョータローにチューするー!」
「はいはい、これでどうですか、衣姉さん」カガミー
「うむ、これならば……」ホッペニチュッ
「唇じゃなくてよかったんですか?」
「く、唇はその……二人っきりのときがいいというか……あーもう、人前だと恥ずかしいのだっ!」
「そういえば、京太郎。私、お菓子をもらっていませんわよ?」
「あ、はいどうぞ。それと、衣装かわいいですよ」
「ふ、ふん、当然ですわ!」カァーッ
「おいおい、お前ら行くのはえーよ」ヴァンパイア
「できればボクたちも待っていてほしかったなー」ミイラオンナ
「二人とも早い」マジョ
「……とりあえず、三人とも衣装似合ってますよ。ええ、似合ってるんです。ただし、一さん? いくらなんでも露出が激しすぎじゃないですか!? それ、ミイラ女じゃなくて大事な部分に包帯巻いただけでしょうが!」
「あっ、執事モードが終了して
「さすがに寒い」
「い、いや、たまたまだから! 狙ったわけじゃねぇから!」
「うーん、そんなに激しい衣装でもないような気がするんだけどなー?」
「ていうか、そんな衣装で寒くないんですか?」
「それは安心なさい。冷暖房完備のお屋敷では、この時期に裸で過ごしても問題なしですわ!」
「いやいや、裸で過ごすこと自体がアウトだということに気づいて!」
「……でも、ボクら結構裸になること多いよね? どっかの変態執事さんのせいで……」ジトッ
「ああ、そうだな。そのくせ、アフターケアもばっちりなせいでついつい癖になりつつあるんだよなー」ジトッ
「そういえば、さっきも二人から熱いキスをもらっていた」ジトッ
「うっ」ダラダラ
「って見ていたんですの!?」カオマッカ
「うぅ、見られていたのだ……」ホホソメ
「今更恥ずかしがることでもないと思うけど。どうせ、このあとはみんなで……でしょ? 変態執事さん?」
「……ええと、皆さんがよろしければ……」
「じゃ、決まりだな。せーのっ!」
「「「「「トリックオアトリート!」」」」」
このあとめちゃくちゃした。
カンッ
――原村和「お昼寝」
「こんちはーっと。ん? 誰だ?」
「……スー……スー……」ベッドノウエー
「へー、和が部室のベッドを利用するなんて珍しいな。よっと」
「……ンッ……んぅ……」
「ったく、ちゃんとかけなきゃ風邪引くぞ」サーッ
「……うみゅ……スー……」
「さてと、教本でも読むかな」ペラッ
「……スー……スー……キョタロ……クン……」
「…………」ペラッ
「……ス……キィ……」
「……ああ、俺も好きだぞ」ペラッ
「……本当ですか?」
「って、なんだ狸寝入りかよ」
「はい、それよりもさっき言ったことは本当ですか?」
「んー? 本当に寝ぼけてて何か聞き間違いでもしたんじゃねーの?」
「うぅ……京太郎くんはいじわるです……」
「ははっ、悔しかった狸寝入りなんて手を使わずにやってみるんだな!」ポンポン
「ムー」プクー
「ありゃ、狸寝入りの次はふて寝か?」
「ふんっ、京太郎くんなんて知りません。私、今から少し寝ます」
「はいはい」ヤレヤレ
「…………」スー
「…………」パラッ
「もー! どうして寝るって言ったのに手を出してこないんですか!?」
「いやいや、和、冷静になって考えてみるんだ。ここで手を出したら終わりだと」
「もう、かっこつけのくせにどうしてこういうときにヘタレるんですか、バカですか!」
「だーかーらー、そういうんじゃなくて、ほら、向こうを見ろ」
「向こうって言ったって、そっちは扉があるだけで――――」
「ジー」サキ
「ジー」ユーキ
「ジー」マコ
「ジー」ヒサ
「あっ、私たちのことは気にしなくていいよー」ニヤニヤ
「そうだじぇ、存分にいちゃいちゃしてもいいじぇ?」ニヤニヤ
「あっ、ただしベッドはあまり汚しちゃいかんよ?」ニヤニヤ
「換気も忘れないでね?」ニヤニヤ
「…………ハッ、公認!」
「違う、和。それは違う」
このあとめちゃくちゃ普通に部活した。
カンッ
――宮永咲・宮永照「お風呂」
「いい湯だなぁ」カポーン
「京ちゃん」
「あー、本当にいい湯だなぁ」
「京ちゃん、無視はいけないと思う」
「……なぜいるんですか、照さん」
「ここは私の実家、私がいるのは必然」
「俺が言いたいのは、なんで俺の入浴中に入って来てるかってことですよ!? いや、確かにお邪魔した身でお風呂を借りるのは申し訳ないですけど、さすがにこれは予想外ですよ!?」
「大丈夫、いずれ京ちゃんが婿に入る家だと思えばいい」
「……色々とツッコミどころの多い発言ですが、とりあえず、仮に婿に入ったとしても照さんと入浴する理由にはならないでしょう?」
「…………ポッ」
「おい待て、あんた今どんな妄想と理由を走らせた」
「京ちゃんはお風呂でだって激しい」
「オーケー、何を言っても無駄だってことが分かりました」ペチッ
「アウッ、京ちゃん痛い」
「痛くして当然です。だいたい、こんなところを咲にでも見つかったら――」
「あー、お姉ちゃんズルい! 入るタイミングは一緒にって言ったのに!」
「なんでお前も入ってくるかなぁ!?」
「ムッ、京ちゃん。お姉ちゃんと入るのはいいのに、私はダメなの?」
「いや、ベストなのはどちらも風呂から出ていくことなんですが……」
「「断る」」
「いや、でもどうするんだよ? 二人で入るのもギリギリなのに三人はさすがに無理だぞ?」
「無問題。私と咲が京ちゃんをサンドイッチすればいい」
「ああ!」ポンッ
「ああ! じゃねぇよ!? 俺の理性が持たんわ!」
「理性が?」キュピーン
「持たない?」キュポーン
「あ、ミスった。んじゃ、そういうことで俺はそろそろ上がるから……おい待てやめろ手を離せそしてくっつくなつつましやかながらちゃんと柔らかいおもちを俺に押し付けてくるなちょまて照さん顔近い近い咲はそこ触るな握るのはもっとダメだから――――あ」
このあとめちゃくちゃしてのぼせるところだった。
カンッ