魔王の写し児   作:ドリーム

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魔王っ子は鍛える

壁のヒビの隙間風の寒さを肌で感じて目がさめる。この感覚に慣れ始めた二週間目の朝。

 

起き上がり最近買ったジャージを来て庭のようなところで体を動かす。この週間にも慣れた。

銭湯や買い物をして金を消費したが、幸い金はたくさんある。大人になるまではこのままでも大丈夫なはず…学校って行った方がいいのかな。

というか戸籍がない。家がない。保護者がいない。この状況はどうしたらいいんだろうか…悩む。

 

「まおかちゃーんッ!」

 

…また来た。

 

 

「体動かすなら一緒にやろうよッ!」

「…別にいいけど…暇なのか君」

「へへ、俺はまおかちゃんと運動したくてしてるからいいんだよ」

 

川嶋 良…君。俺と(体が)同い年の(憎たらしい位)イケメン。

どういう訳か、あれからずっと朝はここに来て、一緒に運動しよう!と言って来る。

しかし…

 

「97…98…99…100…」

「58…59…ま、まおかちゃん…は、早くない!?」

 

ぶっちゃけると運動が俺よりできない。いや同年代の子よりはできるんだろうけど、相手が魔王のクローンじゃ比較しちゃ駄目だろうな。

 

…まあ、これも修行ってことで

 

「184…185…186…」

「速スギィッ!?」

 

頑張れ少年。

 

 

 

川嶋視点

 

俺は川嶋 良。なのはに思いを寄せる三次元から来た紳士だ!(変態ではない)

彼女…男口調が妙に似合うなのはそっくりの女の子、王華 まおかちゃんの元で俺はここ最近トレーニングをしている。彼女と一緒に運動すればきっと彼女に追いつけるし、なのはを守れるくらい強くなれるッ!魔力はそれなりにあった。まだまだ成長期だからきっと筋力も魔力も増える!明るい未来目指して全速前進中だ!!

 

それ以外にトレーニングする理由、というかここに来た理由はまおかちゃんのことだ。

彼女…孤児なのかこんな衛生的にも悪い廃ホテルで1人暮らしている。お金はあるらしいけど、戸籍と保護者がいなくてそれなりに苦労するらしい。

彼女は原作を知らないようだった。きっと彼女はイレギュラーな存在なんだろう。俺はそんなまおかちゃんがほっとけず、毎日朝ここに様子を見に来ていた。

 

 

しかし…

 

 

「278…279…280…281…まだまだ!」

 

すごい…素直にそう思った。

いや、確かにこの歳でそんな持久力があることにも驚いたけど、何より…

やる気に満ちたその表情がすごかった。何を考えているのかはわからない。でもこの子は決して悪さはしない…いい子だと思った。

 

これは俺も負けてられないなッ!

 

 

まおか視点

 

なんか…すごいやる気出してるな〜…でもあの汗の量であのペースはちょっとまずいな。え〜と…あった。

 

「川嶋君」

 

「127…128…12きゅ…へ?どうしたの?」

「はい」

 

とりあえずタオル。運動にはこれだよなッ!ゴキュゴキュって感じのポカリを渡す。あ、飲みかけは悪かったかな…

 

「ごめん、飲みかけだけど…いいかな?」

「え?ああ!全然大丈夫ッ!ありがとう!」

 

顔が赤いな〜…うん、頑張ってる証拠だな。いいぞいいぞ。

 

 

 

 

 

 

(まおかちゃん…これって間接キス…)

 

 

 

数時間後

 

 

そういえばもう一つ変わったことがある。お昼くらいだろうか。川嶋君とトレーニングをし始めた次の日に川嶋君にお腹すかせて待っててと言われ、お気に入りのサンドウィッチには手をつけず、だだひたすら腹筋をしていると、

 

「「まおかちゃーん」」

 

2人ぶんの声が下の階から聞こえ、飛び降りてみると

 

「さっきぶり、まおかちゃん」

「こんにちは、まおかちゃん。お昼食べよ?」

 

なんとお昼を作ってくれて来たのだ。川嶋君が基本的に。なのはちゃんも手伝った感じで。流石だなイケメン。ヌッコロ…おっとおっと…危ない危ない。

 

 

そして今日も

 

「うん、こんにちは。なのはちゃん、川嶋君」

 

お昼に2人が来て一緒に弁当を囲んで食べる。

 

うん…うまい。下手すりゃ俺よりうまい…こりゃ主夫力も負けたな前世の俺。

…悔しくはないぞ。本当にないぞ。悔しくは…ない…グスン

 

 

 

なのは視点

 

まおかちゃんとお昼を食べて、帰る途中まおかちゃんに会ってから起きたことを思い出した。

一つ目は、

 

「ただいまッ!」

「…おかえり。なのは」

 

入院中だったお父さんが帰って来たこと。

 

「なのはー!遊ぼうぜッ!」

 

友達が出来たこと。

 

他の人が見れば大したことのないことかもしれないけど私はとても嬉しかった。

 

家族全員での夕食はあったかくて、明るくて、前までちょっぴりあった寂しさは嘘のように無くなってました。

 

でも…

 

「うーん…お風呂気持ちよかった〜…」

 

私に元気をくれた、顔がそっくりで、でも性格は似てなくて、男の子みたいな喋り方をする不思議な女の子、まおかちゃん。

あの子は、家族がいなくて家も無くて寂しくて寒いホテルの中でずっと1人なのかな…

 

今頃、あの暗いところでひとりぼっちなのかな…

 

そう思うと、胸がキュッと締め付けられて、悲しくなって、でも私には、窓から見える星を見ることしかできなかった。

 

「まおかちゃん…」

 

…明日も絶対会いに行こう。

 

 

まおか視点

 

銭湯行った後のコーヒーミルク最高ぉぉぉぉッ!!分かるだろ諸君!このなんともいえない体はポカポカなのに胃はひんやりしてるこの感じ!良いよね〜…

あ、でもこの後寒いな。

…早く廃ホテルまで…ん?なんでこんな時間の商店街に幼女が?(ブーメラン)

 

金髪の美幼女…この町の幼女は将来有望だらけかッ!

…バカなこと考えてないで話しかけるか。見るからにオロオロしてるし。

 

「お嬢ちゃん。こんなところで何してるんだ?」

「ヒャッ!いきなり脅かさないでよ!」

「脅かしたつもりは…謝るかなそんな泣きそうな目で睨まないでくれ」

 

 

 

 

 

「アリサちゃんか。俺はまおか。ここら辺に住んでる一般幼女だよ」

「ここら辺?ここら辺は廃ホテルくらいしかなかったけど…」

「キニシナイキニシナイ。ところでアリサちゃんはこんな時間に何を?」

 

そう訊くと、アリサちゃんは困ったような顔をしてすぐにこちらに話すを返して来た。

 

「そういうあんたは何してんのよ!私と同い年みたいだけど…」

「ん?俺?俺は銭湯だよ」

「せんとう?ってなによ」

 

ああ、まあ知らない子はいるよな

 

「まああれだよ。公共的なでかい風呂だよ」

「公共ってことは…いろんな人が入ってるの!?」

「そうそう。でっかい風呂って良いよね。というか風呂自体いいよな。1日の疲れが取れるみたいで」

「…なんかそれパパも言ってたわ…」

「それは当回しに私がおじさんくさいと?いうね〜」

「あ!そ、そういうわけじゃあ…」

「大丈夫だよ。俺も自分がおじさんくさいって自覚してるから」

 

さて…ずっと話しててもいいけど幼女に夜更かしは天敵だ。この子は疲れやすい子っぽいし、なんか将来ツッコミ担当だと思うし、あとツンデレ。

 

「さて、ちょっと失礼するよ?」

「え?ちょっキャァッ!?」

 

この後はアリサちゃんをお姫様抱っこで、お家まで送りました。

 

予想はしてたけどお金持ちでした。

家でけえよ。育ちの差を感じるね(確信)

 

 

 

 

 

 

 

 

三人称視点

 

次元世界

 

 

ブレイクワールド

 

 

それはもはや星ではなかった。ブレイクワールド全体を覆っていたマ素はついに星の核にまで汚染、ブレイク化させ、ブレイクワールドは球型の形では無く、バラバラな大陸が核を取り囲むように浮遊する半壊した状態になった。

 

そして始まりの施設、研究施設は、ブレイクモンスターが最も徘徊する地となり、

そして…

 

ゆっくり…

 

ゆっくりと…

 

 

 

最もマ素が充満してるであろうその大陸は…

 

 

 

星の核と融合して行った…

 

 

星としての形を失ったブレイクワールド。

 

 

この事態に、あらゆる世界の人間がマ素の恐ろしさを知ることとなった。

 

 

 

 

 

これはまだ、序章に過ぎないというのに…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




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