やさグレた奴と友達になった
「おはよう、月くん」
「あ?おう王華、おはよ」
最近友達ができた。名前は黒崎 月。月と書いてらいとと読むらしい。どこの新世界の神だ。って最初は思った。
ただ名前だけでこいつ目は死んでるし、髪はボサボサ、しかも常にヘッドフォン常備…なぜ先生は注意しないんだろうと思ったが先生はもう諦めてるらしい。こいつは校長の息子で、変なところで権力を使いヘッドフォン常備を許可されている。
「そのヘッドフォンでいつも何聞いてんの?」と聞くと、
「聞いてるというより周りの雑音を聞かないようにするため」と答えられた。
首を傾げながら、結局理解することはなく、一ヶ月経ってしまった。まあそこまでに気にすることでもないけど。
「王華…王華!」
「うぇ!?な、何?」
「授業…始まるぞ。早く準備した方がいいんじゃないのか?」
「あ!ほんとだ。ありがと」
「…」
やばいやばい。早く準備しよう。
月視点
俺の名前は黒崎 月。月と書いてらいとと読む。一応言っとくが決して新世界の神になるつもりはない。
いきなりで悪いが、俺は転生者だ。前世で、病死してそのまま神を自称する女に特典という物を渡されて、この何かのアニメの世界に来た。けど俺はアニメはあまり見ていなくてここがなんという世界かは以前まで知らなかった。
まず俺は神に教えられた俺以外の2人の転生者を探した。
1人目は同じ学校だったからすぐ見つかった。
名前は川嶋 良。顔がそれなりに整っていて、すごい主人公オーラ漂う奴だった。ここがどんな世界で、何がこれから起きるのか親切に教えてくれた。結構好印象だ。
なんでも原作とやらの主人公の女の子が好きらしい。是非とも頑張ってもらいたい。まあ、その女の子…高町なのはは全くその想いに気づいてなかったが…
2人目は一ヶ月前、三年の初めに転生して来た奴だ。
名前は坂霧 竜巻。こちらは川嶋よりも明確なイケメンだった。しかし性格はかなり…なんというか…変態だった。
ヒロインは全部俺の物をというジャイアニズムを最も歪んだ方向にむけていると思われる。
正直そこまでに関わりたくない。
というか俺の体質上、こういう奴と関わってると頭がおかしくなる。
神が俺に与えた特典、その一つは『読心術』だ
無条件に相手の心の声が丸聞こえで、坂霧の真っ黒い欲望もダダ漏れである。
そのせいで、この『読心術サポーター』のヘッドフォンを学校でもつけられるように校長である親父に頼んでいる。
正直他人の心が読めるのは、かなり辛い。罪悪感と失望感に押しつぶされそうでどうにかなってしまう。
もう学校も休みたい。せっかくの第二の人生も神が適当に与えたこの特典のせいで台無しだ…
そう思った矢先、
唯一、俺が
それが…
「王華…まおか…」
「ん?フルネームで呼んだ?」
「え!?いや!なんでもない!!」
王華 まおか…この高町そっくりの女子だ。
最初の自己紹介の時から違和感があった。よく転校して来た奴や、テスト前に不安がってる奴の心の声は、いつもより遥かに大きな声で聞こえる。
しかしこいつの場合、
『王華まおかです。よろしくお願いします』
(…)
何も聞こえなかった。
最初は耳を疑った。どんな心の声も拾えると自負していたこの耳が、1人の声を聞き取れないなんて…っていう感じに。
そこから席替えで隣になってからはますますわからなくなった。普通にいい奴なんだ。周りの奴と違わない。普通の女子なんだ。
でも聞こえない。
この王華 まおかという奴の声だけは全くもって聞こえなかった。
転生者か?と考えたが、転生者は俺を含めて三人。もう全員出て来ている。
じゃあこいつは、俺の耳にとってイレギュラーな存在なのか…
こいつとなら…
こいつとなら…
こいつとなら…本当の友達になれるかもしれない。
「月くん。月くん!」
「へ?な、なんだ王華?」
「次科学だよ。理科室行こう!」
「あ、ああ」
正直に言おう…ズタボロな俺は…希望にも感じたこの女に…
惚れたのかもしれん…
(なんか出番が少ない感じがする…ん?出番ってなんだ?)
少年…それは見た目は可愛らしい少女だ。
でもな…
中身はおっさんなんや…
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