ポルカ〜剣の王の伝説〜   作:ガラスのハート

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第2話

しばらく騒がしかったがやがて店の中は静寂に包まれた。

 

アベルが店から出てみると、そこには盗賊どころかあの男もいなくなっていた。

 

「きっとあの男は盗賊達とつるんでるのよ!」

 

エリカは肩を怒らした。

 

そんな中、アベルは首を横に降った。

 

「俺にはそんな奴には見えなかったがね」

 

~☆~

夜の街を男が1人歩いていると、突然数人の盗賊達が襲いかかった。

 

男は最初に飛びかかって来た盗賊の腹に鋭い蹴りを打ち込む。すると盗賊はゲロを吐いて地面に四つん這いになった。

 

次に襲いかかってきた盗賊の、振り落とされるサーベルを握る手を、つかんで止める。

 

ミシミシと盗賊の手が悲鳴を上げると、男は盗賊の手首をひねり、放り投げた。

 

男に向って矢がとんでくる。

 

男は頭を横に少し反らして矢を避けた後に、剣を鞘から抜き取った。

 

矢を再び盗賊がつがえるのを男は待つ。

 

盗賊は再び矢を男にむけた。

 

「偶然さっきは外したが、その時こそがお前の勝機だった!もう二度目は無いぞ!」

 

男は自分の足を見つめて話す。

 

「逆だ。俺が鞘から剣を抜くまでがお前達の唯一の勝機だった。もう勝ち目は無い」

 

盗賊は矢を射る。

 

「なめんな!!」

 

男は矢の起動を見ることもなく剣を振るい、矢を払った。

 

盗賊は慌てて矢をつがえて構える。

 

しかし、男は盗賊の目の前にもう迫っていた。

 

男は盗賊の手を掴み背負い投げた。

 

そして、酒場で盗んだ酒を飲みその場を去った。

 

~☆~

 

アベルの酒場にそれはそれはデカイ男が入ってきた。

 

すると周囲の腕っ節自慢の傭兵達が頭を下げた。

 

彼の名前はアルバート、ここら一帯の盗賊達の大将である。

 

その腕っ節はオークと呼ばれていて、ここら周辺の警備隊は彼を恐れて身を隠す程である。

 

アルバートはアベルの目の前に迫って、髭面の顔を近づけた。

 

「娘を借りていくぞ」

 

アベルは首を横に降る。

 

「それだけは首を縦に振ることはできないな」

 

アベルは惚けた顔で頬をかいた。

 

「そうか。命が惜しくないのか豚野郎!」

 

その言葉を聞いた瞬間、アベルは隠し持っているナイフを抜きアルバートの胸に突き刺した。

 

ナイフがへし折れる。

 

アルバートは自分の衣服を引きちぎると、中から分厚い鉄の鎧が姿を表した。

 

「ハハッ!そんな果物ナイフが効くかよ!」

 

アルバートは体重80キロは優に超えるアベルを片手で軽々と持ち上げる。

 

「俺の自慢の腕力にかかればお前なんて!紙切れのように軽いぜ!」

 

アルバートはアベルを数メートル先の机に投げ飛ばした。

 

すると、 正義感の強い傭兵が数人立ち上がった。

 

「好き勝手しやがって!」

 

傭兵が剣を抜き、アルバートに襲いかかった。

 

アルバートは近くにあった椅子を掴み、椅子を振り回して4~5人の傭兵を皆壁に叩きつけた。

 

アルバートは仲間の盗賊を呼ぶとエリカをさらい、そのまま笑いながら酒場を去った。

 

~☆~

 

盗賊達が街中を走り回り、話を触れ回った。

 

話の内容はこうだ。

 

頭を垂れる戦士が日が暮れるまでに広場に来なければ、酒場のガキが死ぬ。

 

話を触れ回っている盗賊の前に、頭を垂れたあの男が現れた。

 

「大変な事になってるな」

 

盗賊はまゆを釣り上げる。

 

「 あぁん?人の目を見て話せよ」

 

次の瞬間、盗賊は強烈なアッパーを食らって顎を砕かれた。

 

「もう伝令はしなくていい。話は聞かせてもらった。休みな」

 

男は鞘から剣を抜き広場に向かった。

 

~☆~

 

広場に男は訪れた。

 

アルバートは大きな声で笑う。

 

「思っていたよりも早く来たな」

 

男は剣を返す。

 

「来たぞ、ガキを離せ」

 

アルバートは巨大なバトルアックスを手に持ち、男の前に立ちふさがった。

 

「地面に向って何言ってんだ?」

 

男は顔を少し上げて男の斧をみる。

 

「質が悪い。そんな玩具で俺に勝つつもりか?」

 

アルバートは斧を振り上げた。

 

「玩具かどうか試してみな!貴様の剣ごとへし折ってやるよ!」

 

男は振り落とされる斧の刃を真っ二つに切り捨てた。

 

アルバートは目を疑った。

 

ばかな!バトルアックスだぞ!?

 

男はアルバートの顔面を力いっぱい拳で殴る。

 

アルバートの鼻が折れて鼻血がでた。

 

しかし、アルバートは男を掴んで持ち上げて数メートル先までぶん投げた。

 

アルバートは鼻血を腕で拭う。

 

「驚きはしたが、剣を使わなきゃそんな攻撃効かないぜ?」

 

男はふらふらと立ち上がる。

 

アルバートは立ち上がった男の目の前に迫って腕を振り落とす。

 

男は片手で受け止めるが、ブロックは通用せず地面に叩きつけられる。

 

アルバートは男の肩を掴み、軽々と持ち上げて腹をぶん殴った。

 

男は吐瀉物を撒き散らす。

 

「大したことはねえな」

 

アルバートは男を地面に叩きつけた。

 

男は白目を向き、ヒクヒクと身体を痙攣させた。

 

アルバートは仲間からサーベルを受け取る。

 

「わりぃが死んでもらうぜ!俺様のメンツが立たないんでな!!」

 

アルバートがサーベルを振り上げた瞬間だった。

 

男はアルバートの脛を切りつけ、そしてバランスを崩した時を狙って、顔に砂が入った袋を投げつけた。

 

アルバートはサーベルを振り落としたが空をきり、地面にあたってサーベルがへし折れる。

 

アルバートはそのまま肩膝をつく。

 

アルバートは鎧ごと断ち切られて、すねに切り傷が入った。

 

さらに目に砂が入って前がかすむ。

 

「きたねえぞ!!」

 

男はアルバートの肩を切りつけて鎧の下の肉に切り傷を覆わせる。

 

「殺し合いに汚いも糞もあるか!1回でも負けたなら死ぬのだから!てかお前盗賊だろ!汚い手を使わないでどうするんだよ!」

 

アルバートは立ち上がり、両手を振りあげた。

 

「うろああああ!!」

 

男は剣を振り落とすアルバートの鎧は断ち切られて胸に斜めの切り傷が入った。

 

アルバートは肩を震わせる。

 

「何故・・・」

 

アルバートは両腕を振り落とした。

 

「何故、殺さん!!」

 

男はアルバートの横に回り込み、足を払い頭に手を乗せて地面にアルバートの勢いを殺さずに叩きつけた。

 

「お前を殺せば奴らのタカが外れてあのガキは殺される、そんな結果だけはゴメンだ」

 

アルバートはのっそりと立ち上がった。

 

これには少し男は驚いた。

 

「どれだけタフなんだ・・・」

 

アルバートは血の混じったタンを地面に吐き捨てた。

 

「おい、野郎ども、ガキを離せ」

 

盗賊達は顔を見合わせる。

 

アルバートは眉間にシワを避せた。

 

「俺の言うことが聞けんのか!?」

 

盗賊達は慌ててガキを離す。

 

アルバートは地面に手をつく。

 

広場の床は石畳になっているのだが、周りの石が盛り上がり、アルバートの手がどんどん地面にめり込んでいく、腕力だけで地面を掘らずに地面の中に手を押し込んでいるのだ。

 

石畳は大いに盛り上がり地面はぼこぼこになった。

 

アルバートは手を引っこ抜いて男を睨みつけた。

 

「よく見りゃ、白刃の王じゃねえか。」

 

アルバートは地面のブロック上の石を持ち上げる。

 

「白刃の王、またの名をスチールポルカ、その身は一振りの鋼だとか…」

 

アルバートはポルカに石を投げつけた。

 

ポルカは体を少し反らして石を避ける。

 

「ガキは離したぞ、見せてみろよ、白刃の王の力を!!」

 

ポルカは剣を下ろした。

 

「お前ほどの男が何で盗賊なんかに・・・」

 

アルバートは石を手に取ってポルカに襲いかかった。

 

「剣を下ろすな!!」

 

ポルカは剣を鞘に戻しつつアルバートの攻撃を少し後ろに下がって避けた。

 

「残念だが、差し違えてやる事は出来ない」

 

ポルカは足を真っ直ぐ天に伸ばして、アルバートの顎を蹴りあげた。

アルバートは構わず腕を横に振り回す、ポルカは姿勢を相手の腰よりも低く保ち腕を避けた。

 

「しかし、白刃の王のその意味をその身を持って教えてやろう」

 

ポルカはアルバートの金的に縦拳を叩き込む、アルバートは流石に一瞬動きが止まる。

 

ポルカは立ち上がりながらアルバートの溝にブローを入れた。

 

ドスッと音をたてて拳がアルバートの腹に突き刺さる。

 

そのままポルカは足を持ち上げてアルバートに踵落としをかける。

 

「この俺が避けるだと!?」

 

アルバートは身体を背けて踵落としを避けた。

 

アルバートの額から顎にかけて縦一線に切り傷が入った。

 

「な、暗器!?」

 

ポルカはフックを放つ。

 

アルバートは一歩引き下がりフックを避けた。

 

アルバートの首に切り傷が入る。

 

アルバートは慌てて首を抑える、傷は浅い。

 

ポルカはアルバートの溝に後ろ蹴りを打ち込んだ。

 

「この身全てが鋼、一振りの刃だ!!」

 

アルバートは白目を向き、両膝をつく。

 

「てめえ、またも手を抜いたな!!」

 

アルバートは白目を向いたまま、再び立ち上がり、ポルカの胸に手を当てた。

 

「やる気がねえんなら、俺には勝てねえぜ!!」

 

アルバートはポルカを突き飛ばした 。

 

ポルカは数メートル吹き飛び、地面を転がった。

 

アルバートは肩膝をつく。

 

「そうか、錆び付いたのか白刃の王は・・・」

 

アルバートは石を拾った。

 

ポルカは鞘から剣を抜いた。

 

アルバートは立ち上がり、ポルカはアルバートに飛びかかる。

 

「殺し合いじゃ、ねえのかよ!!」

 

ポルカは投げつけられた石を剣で受け流す。

 

ポルカの剣から金属で金属を叩いた高音と火花が散った。

 

「ハッカペル!!」

 

ポルカの振り落とした剣はアルバートの頭の上で止まった。

 

「6回だ、これを入れて貴様を6回は殺せてる」

 

アルバートは剣を鞘に収めた。

 

「ガキの目の前では出来れば殺しはしたくない」

 

流石に騒ぎを聞きつけて警備隊がやってきた。

 

ポルカは急いでエリカの手を引き、その場を逃げ出した。

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