ポルカ〜剣の王の伝説〜   作:ガラスのハート

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第3話

その後ポルカは逃走途中に倒れて、助けに来たアベルにつかまり、踊る子羊亭に匿われた。

 

ポルカは虚ろな目で床に伏せた、アベルは涙するばかりだった。

 

「こんなになってまで、娘を助けてもらい盗賊から守ってもらって申し訳ない」

 

エリカは相変わらず眉間にシワを寄せていた。

 

「私の目の前だからって、こいつが手を抜いて戦うからよ!!」

 

アベルはエリカが叱る。

 

「それが恩人に対する態度か!」

 

エリカは大声を上げた。

 

「恩人どころか疫病神よ!!」

 

アベルが肩を震わせるとポルカはくすっと笑った。

 

「疫病神か、言えてる・・・」

 

アベルは慌ててポルカを抑える。

 

「あんたはじゅうしょうなんだ、肋が折れている、変に動いて内蔵に刺さりでもしたら大変だ」

 

ポルカはアベルを押し避けて立ち上がる。

 

「肋の一本二本でギャアギャアと喚くな」

 

ポルカは出口で立ちどまり、少しふりかえる。

 

「世話になった」

 

アベルがポルカを指さした。

 

「そんな体でどこに行こうと言うのだ!」

 

ポルカはクスクスと笑った。

 

「どっかさ」

 

~☆~

 

ポルカは街の外に向かう。

 

すると、エリカが追いかけてきた。

 

「まって、街を出るつもり? 」

 

ポルカは足を止めてエリカに振り返る。

 

「見れば分かるだろ、疫病神はただ去るのみだ」

 

エリカは眉間にシワを寄せた。

 

「相変わらず腹立つね、喋ったと思えば皮肉しか言えないの!?」

 

ポルカは地面に座り込んだ。

 

「何で俺を呼び止める、俺を見る度に眉間にシワを寄せるくせに」

 

エリカは顔をそらす。

 

「あたしのせいで街を出ていったなら、後味が悪いじゃない」

 

ポルカは立ち上がってエリカに背を向けた。

 

「安心しな、此処には探し物が無かった、それだけの事だ」

 

エリカがため息をついた。

 

「探し物・・・」

 

ポルカは今一度だけ、エリカに笑顔を向ける。

 

「カーリナと言う可愛らしい花だ」

 

エリカは道ばたに咲く、エリカの花に目をやった。

 

「花なら、咲いてるけど?」

 

その瞬間、大きな怒声が響き渡る。

 

「小娘、邪魔だ!!」

 

アルバートがエリカめがけて巨大な大剣を振り落とした。

 

ポルカはエリカを突き飛ばして、変わりに大剣を受けた。

 

剣がポルカの肩にくいこみ骨を切り裂いた。

 

それでも運が良くて肩は切断されずにすみ、深いが五体を失う程の致命傷は避けた。

 

ポルカは鞘から剣を抜き、鞘を地面に捨てた。

 

いつの間に酒場から盗んでいた酒を傷口にドバドバと引っ掛ける 。

 

ポルカは酒便を地面に投げつけてたたき割って、地面を睨みつけた。

 

「エリカ、これ以上は無理だ、責めてもの耳を塞ぎ目を瞑っていてくれ」

 

ポルカの肩と唇が震えている。

 

「アルバート、このクズ野郎め!」

 

アルバートは手招きする。

 

「やっと、やる気になったようだな、白刃の王!」

 

アルバートは大剣を振り落とす、ポルカはそれを剣で受けとめて踏ん張った。

 

ポルカは俯いまま、大剣をグイグイと押し返す。

 

「ダマスカス銅の大剣か、ちゃんと精霊の宿るような剣も持っているじゃないか!」

 

アルバートはポルカを一気に押し返して振り払う、ポルカはたたらを踏みながら後ろにさがる。

 

「久しぶりなんだよ、俺を本気にさせる相手にでくわしたのは!!」

 

ポルカは再びアルバートに斬りかかる。

 

ポルカは剣を縦一線に振り落とす。

 

アルバートはそれを腕で受け止めた、剣は腕にくいこむと全く動かなかくなった。

 

ポルカは剣を引き抜こうと力を込めるが剣はびくともしない。

 

アルバートはポルカの顔面を殴って吹っ飛ばした。

 

ポルカは壁の近くの地面に倒れる。

 

アルバートは追い打ちで大剣を振り落とす。

 

ポルカは地面を転がって剣を避ける、大剣は壁にあたるが壁を引き裂き地面に到達した。

 

ポルカはアルバートの足を切りつける。

 

アルバートは片足を上げて剣を避けてポルカを蹴っ飛ばした。

 

「なんだ、期待はずれか、この程度なら国も滅ぶわな!!」

 

ポルカは口から流れる血を袖でぬぐい頭を上げてアルバートを睨みつけた。

 

アルバートはポルカをにらみ返す。

 

「ちゃんと目は見えるのか、どちらにせよ、お前やお前の国の軟弱な兵士では俺には勝てん!!」

 

ポルカは剣を上段に構えた。

 

「貴様、俺だけならともかく我が祖国をもバカにするか!!」

 

アルバートは笑い飛ばした。

 

「その祖国は今は何処にある!?」

 

ポルカは大きく一歩を踏み出した。

 

アルバートは大剣を力任せに横に振った。

 

「この、一振りで人を7人馬を2頭まとめて切り捨てたのがオークの所以よ!!」

 

ポルカは大剣を剣で受け流した。

 

火花を散らし、アルバートは大剣を振り切る無防備になった。

 

「ハッカペル!!」

 

しかし、アルバートは大剣の勢いを全て腕力で殺して大剣でブロックする。

 

ポルカの剣の起動は蛇のように動き、アルバートのブロックを避けて、首に剣が触れた。

 

アルバートの真横にはいつの間にかポルカがいて、首にはその白刃がピタリとひっついていた。

 

ポルカは鬼の様な形相でアルバートを睨んでいたが斬るのは躊躇った。

 

「この剣は王女の眠る、祖国の為に・・・」

 

ポルカは剣を下ろした。

 

「殺しをするための剣では無い、護る為の剣だ」

 

ポルカは目線をエリカに向ける。

 

エリカは目を開き、こちらを震えながら見つめていた。

 

「だから、耳を塞ぎ目を閉じろと言ったのだ」

 

ポルカは鞘を取りに向かう。

 

アルバートは大剣を背負った。

 

「牙の抜けた狼とやりあってもつまらん、きょうがそがれた」

 

アルバートはポルカが鞘をとる前にその場をさってしまった。

 

雪がふりはじめる。

 

気がつけば日はくれて青色の月がのぞき込んでいた。

 

エリカはポルカに声をかけようとする。

 

ポルカはその前に黙って街を出ていってしまった。

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