ポルカ〜剣の王の伝説〜 作:ガラスのハート
その後、ポルカは周りに抑えられて、傷の手当をした。
そうでもしないと黙って、1人で何処かに行ってしまうからだ。
イワンに逃げられた事がよっぽどショックだったのか、魂の抜け殻見たいになっていた為に捕まえるのは容易だった。
アベルが井川の背中を押した。
「分かるか、あいつがお前の探していた男だよ」
井川が生唾を飲む。
「あれが剣神?」
井川はいてもたってもいられなくなりポルカに話しかけてしまった。
「失礼する、拙者は井川斬鉄才と申すもの怪我が治ったら拙者と手合わせ出来ぬか?」
「是非、剣神とうたわれるお主と勝負がしたいのだ」
井川は興奮しているのか早口でそうポルカに話しかけた。
ポルカは首を横に降る。
「無理だ・・・」
井川は頬を痙攣させた。
「何故、理由を申してもらわなければ納得出来ぬ!」
ポルカは井川の刀を見つめる。
「見たことも無い武器だが良いものを持っている、それなら精霊も宿っているだろう」
井川は刀を褒められて少し照れた。
ポルカは再び首を横に降る。
「だが、お前とは戦えない」
ポルカは自分の剣を井川に見せた、剣はよく見ると鏡の様に研ぎ澄まされていて、井川の顔を写した。
井川は目を丸くした。
「先端が厚く、根元が細い、よくもそんな物が振れた物だ」
ポルカは剣を鞘に収める。
「この剣は王女の為のもの、私闘の為には使えない」
井川は肩を落とした。
「それは残念だ、群青の剣が見えると思ったに・・・」
アベルが机を指で叩いた。
「オーガのヘビィハンマー、雷獣のエクスキューションアクス、イワンのホワイトアウトどれも彼らを代表する技だ」
「白刃の王の群青の剣、語るものなし見れば死ぬからだ」
ポルカは両手を組んで溜息をついた。
「さっきから剣神だとか見たら死ぬとか俺はそんな大した人物じゃ無い、白刃の王も勝手に周りが騒いでいるだけで実際は女ひとり守れないクズだよ」
井川はポルカの肩に手を当てる。
「貴方の姫君は今はどうなさっているのだ?」
何も知らないというのは怖いことだ、そして空気が読めないということも恐ろしい事だ。
「ポルカは明らかにテンションが下がった声で体から捻り出すように答えた」
「今は奪われた国の廃城に永遠と眠っている」
初めて井川は状況を知ったが今度は井川が大声で泣き出した。
「それは申し訳ない事を聞いた、拙者、深く胸に響いたでござる!!」
ポルカは再びため息をついた。
「お前はきっと悪い奴じゃないないのだろうけども、一緒にいると疲れる」
井川は涙を袖で拭くとアベルの元によった。
「すまぬがもう一人だけ、情報を教えてくれぬか!?」
アベルは首を縦に降った。
「まだ、探し人がいるのかい?」
井川は首を縦に降った。
「オークと呼ばれる剣士が・・・」
アベルは頭を抱えた。
「この街の周辺にいるよ、彼奴だけは思い出したくもない」
井川は顔をしかめた。
「また、拙者失言を申したか?」
ポルカは思わず笑いをこぼした。
~☆~
エリカは機嫌が悪かった。
エリカは済ました態度のポルカが嫌いだ。
ポルカの事には感謝はして入るが、独りに成ろうとする態度がどうも気に食わない。
部屋の奥でいじけてるとポルカの方からこっちに来た。
エリカはポルカを睨みつける。
「あら英雄さん、私に何か用?」
ポルカは周りをキョロキョロと見渡して人がいない事を確認した。
「いや、あいつら勝手に騒ぎ出したから隙を見て抜け出してきた、もうそろそろ出かけようと思って。」
エリカはつっけんどんな態度をとる。
「あっそう」
ポルカは首をかしげていた。
「その前に一つだけ、その髪型は貴族に憧れているのか?」
エリカは肩を震わした。
「そうよ、一般人が憧れて悪い?」
ポルカは首を横に降る。
「いや、よく似合っている、とても素敵だと思う」
ポルカは祈る様に手を組んだ。
「精霊の加護があらん事を・・・」
~☆~
ポルカは裏口から抜け出して、村の外に向かう。
すると、アルバートが大剣を構えて待っていた。
「ブラックスノーの連中を見てピンと来たぜ、やはりこの村に来ていたんだな。」
ポルカは足を止めた。
「邪魔だ、相手はしないぞ」
アルバートは大剣を片手で持ち、剣先をポルカに向けた。
「お前の馬の在処を知っている、俺を倒したらおしえてやるよ」
アルバートは手紙を懐から出した。
「俺を殺せば、在処が分かるってことだ」
ポルカは剣を抜いた。
「分かった、そこまでの覚悟なら相手してやろう」
ポルカはアルバートに切りかかる。
アルバートは大剣を縦一線に振り落とした。
ポルカは大剣を剣で受け流し、アルバートの懐に入った。
「ハッカペル!!」
ポルカの叫びは空気を震わしそこらじゅうに響き渡った。
アルバートは背中に悪寒が走り、血の気が冷めた。
斬られる、間違いなく胴のこのラインを切り離される。
アルバートは斬られる予感が走る。
確かに感じる感触、切り裂かれる臓腑、切り離される背骨。
アルバートは肩膝をついた、まだ、白刃の王は剣を振ってはいなかった。
ポルカはアルバートの懐から手紙を抜き取り中身を確認すると手紙を破り捨てて、その場を立ち去った。
~☆~
途中、雨が降った。
冷たい雨はポルカの身体を冷やした。
冷たい雨に打たれながらもポルカは沿岸沿いの道を歩いていた。
もう日もくれそうだ、如何に白刃の王と言えど体力に限界が近づいていた。
村の明かりが見える、そこには小さな漁村があった。
ポルカは小さな漁村に立ちよった。
1人の初老の男性がポルカに近寄った。
「これはこれは旅人とは珍しい 、何も無い所ですがゆっくりとしていってください」
ポルカは周りを見渡す。
「この村には女と子供が見当たらないな 」
初老の男性は笑い飛ばした。
「この時間帯はもう、子供は寝に入ってますよ、女は子供を寝かしつけるために家にいます」
ポルカは雨の中、旅人を待っているこの爺さんにも違和感を覚えたが体力の限界が近づいていた為に言葉に甘えた。
なんといってもサウナがあると言う事にポルカは喜びを感じていた。
サウナの中では祖国を感じ取れる。
例えそれが罠だとしても。
サウナの扉にかんぬきで鍵が掛けられた、ポルカはサウナの中に腰掛け一つで閉じ込められる。
一応、剣は持ち込んでいたから敵襲には備えていた。
ポルカはサウナの中で横になる。
可能な限り長い時間そうしていた。
ポルカは閉じ込められていたが何時でも出れるからこその余裕だ。
15分ほどするとポルカは立ち上がり、かんぬきのかかった扉を蹴破った。
かんぬきはへし折れ、扉が外れる。
ポルカは直ぐに外れた扉を直し、祈りを捧げた。
良き、サウナでした、精霊の加護に感謝を・・・。
雨はすっかりやんでいた。
ポルカは沢山の男達に囲まれる。
男達はカットラスをポルカに向けて身構えている。
ポルカは手のひらで額の汗を脱ぐった。
「海賊よ、やめとけ犬死にするだけだ」
強靭な男達が道をあける、1人の女がポルカに近寄った。
「あんたがスチールポルカか、今は放浪者だろ」
女は顔をポルカに近づけた。
「どうだい、アタイの仲間にならないかい、悪いようにはしないよ」
ポルカは首を横に降った。
「我が祖国に叶うものは無い、放浪者になっても構わない」
女は後ろに下がっていった。
「そうか、残念だ」
女は振り返りピストルの引き金を引いた。
火花が散る、ポルカは弾丸を真っ二つに切り捨て横に受け流した。
一斉に周囲の男達がポルカを取り押さえた。
ポルカは数人にまとわりつかれても真っ直ぐと歩き出す。
女はカットラスを手に取った。
「お前たちどきな、そいつはお前らが数人かかってもたおせやしない!」
次の瞬間、男達は引いた。
ポルカは女の前まで歩きカットラスが胸に当たるまで進んで止まった。
「俺の服は何処だ?」
女はカットラスを振ろうとしたがカットラスはいつの間にかポルカに人差し指と親指でつままれていて微動だにしない。
慌ててピストルを懐から抜くとポルカに銃口を握られてサッと取り上げられてしまった。
ポルカは手のひらの中でピストルをクルクルと回してグリップに親指があたり、重心に他の指が当たるように持ってそのまま握りつぶした。
ガラクタと化したピストルを手のひらから落とすように捨てる。
「名前は?」
女はカットラスに両手を添えて力任せに引っ張る。
「アルビダだ!!」
ポルカはカットラスを離した、アルビダは尻餅をつく。
ポルカは肩膝をついて、アルビダの尻餅をついたカーリナの視線に合わした。
「良い名だな、でも俺は海の上よりも森の中の方が好きだ、空ならもっと好きだ」
ポルカは立ち上がりその場を去ろうとする。
「待な!!」
ポルカは足を止めた、アルビダは呆れた顔で空を見上げた。
「その格好でどこに行こうというのだい、お前達奴の服を持ってこい」
ポルカが服を着替えている間に海賊のクルーの1人がアルビダに話しかけた。
「良いのですか」
アルビダはクルーの頭に拳骨をいれた。
「命がいくつあっても足りないよ、私はともかくお前達まで無駄死にはさせたくないからね」
ポルカが服を着替え終わるとアルビダはポルカに一つ提案する。
どうせ何だから一晩ここで寝ていきな、安心しな寝首をかいたりはしないから。
ポルカは何だか胸騒ぎがした。
「分かった・・・」
~☆~
ポルカの評判は悪かった。
常にうつむいていて口数は限りなく少ない。
しかし、お酒の飲みっぷりだけは好評でアルコール度数の高い酒を顔色一つ変えずに水の様に飲む姿は感心を集めた。
皆がべろべろに酔っ払って寝ているとブラックスノーの軍隊にそのキャンプ場を見つかった。
ブラックスノーの軍隊達はそろそろと海賊達に近寄っていく。
「ハッカペル!!」
怒声が鳴り響き、周りの海賊を起こしてブラックスノーの行軍を止めた。
ポルカかが単身でブラックスノーの軍隊に斬り込んでいく。
「感があたった、良かった」
ポルカはブラックスノーの兵士の1人をバッサリと切り捨てた。
「ポルカなら、ここにいるぞ!!」
ポルカはできるだけ海賊達に被害を出さまいとブラックスノーの兵士達を霧殺しながら遠く遠くに走っていく。
ブラックスノーの兵士のサーベルがポルカを傷つけ用とマスケットの弾丸がポルカを貫抜こうとポルカは走りながら剣を振るった。
沢山の銃声が響いた。
沢山のブラックスノーの兵士が倒れて海賊達がカットラスを片手に突っ込んできた。
アルビダがカットラスをかざすと海賊達は力と勇気が漲った。
死を恐れない海の戦士達は命懸けでブラックスノーの兵士達を薙ぎ払う。
ポルカは眉間にシワを寄せた。
ポルカも周りのブラックスノーの兵士達をできるだけ多く切り捨てる、防御は捨てた数にこだわった。
戦いは数分間に渡って続いた、ブラックスノーの兵士達が全滅した頃には海賊達の数も半分に減っていた。
ポルカは全身に生傷をたくさん作り、アルビダの胸ぐらを掴んだ。
「何故、逃げなかった!!」
アルビダはポルカの手を強く握る。
「苦しいじゃないか、離しな」
ポルカは乱暴に手を離した。
アルビダは周りを眺めた。
「お前は一緒にサウナに入った者は友達だろ?」
ポルカは息を荒くしながら軽くうなづいた。
アルビダは額の誰かの血が混じった汗を袖でぬぐった。
「あたい達も共に酒を酌み交わした奴は友達だ、第一あたい達のために戦っている男を独りにしておくなんて一生の恥だからな」
ポルカは俯いた。
アルビダは生き残った仲間にめいをくだす。
「今から出来るだけ大きいサウナを作ろう、そして飲みなおそう」
そして、前のサウナを少しばかり大きなサウナを作り直してアルビダと海賊とポルカはサウナに入って水を飲んだ。
外では入りきれなかった海賊達が順番を待っていた。
サウナのなかだとポルカは別人のように明るかった。
その一時だけ、ポルカは自分が白刃の王である事を忘れた。
オマケ
アホポルカ②
ポルカの目の前にアルビダが顔を近づけた。
あたいの仲間にならないか?
ポルカは首を横に降った。
「お前今年で28来るだろ、賞味期限ぎれに要はねえよBBA」
アルビダはポルカをアンカーに縛り付けて海に沈めて鮫の餌にした。
めでたしめでたし