ラブライブ!~奇跡を紡ぐ物語~   作:舞翼

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更新です。


第14話 μ’sと笑顔

「スクールアイドル?」

 

「にこ先輩が?」

 

 放課後の中庭、そこでμ’sメンバーはにこ先輩の過去を東條先輩から聞いていた。

 その話に、誰もが耳を傾けている。

 

「1年生の頃やったかなあ。同じ学年の子と結成してたんよ」

 

 “してた”という事は、解散したという事だ。

 もし解散してないなら、俺たちが部室に訪れた時『私たちとμ’sでどっちが真のアイドルに相応しいか勝負よ!』って言ってるはずだ。いやまあ、たぶんだけど。

 

「……てことは、にこ先輩以外のメンバーが辞めていったんですか?」

 

「そうや、アイドルとしての目標が高すぎたんやろうね」

 

 ……てかおかしくないか?アイドルとしての目標が高かったから辞める?……俺の偏見だったらアレだが、どんな部活も、高みを目指して活動してんじゃないのか?……何それ、イミワカンナイ。って感じだわ。

 

「着いていけないって1人辞め、2人辞めて――」

 

 俺たちμ’sは静かに東條先輩の話を最後まで聞き、そして東條先輩は、『ほな、頑張ってな』と言って生徒会室に戻って行った。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

「私たちもすぐに解散するって思ってるんでしょうね。さっき部室で言ってたように」

 

 赤髪をクルクルと人差し指で回しながら、真姫が呟く。

 凛は納得いかない感じで、頬を膨らませる。

 

「でも、凛たちはアイドルを辞める気はないにゃ!」

 

「そうだけど。にこ先輩が私たちの言葉を素直に受け入れてくれるのとは、別問題でしょ」

 

「うぅ……。難しい問題だね……」

 

 花陽は、頭を抱えている。

 そんな時、穂乃果が、

 

「でもさ、にこ先輩はスクールアイドルに興味……ううん、μ’sに興味を持ってくれてたんだよね?」

 

 穂乃果の言う通りだと思う。これを違う視点から見ると、μ’sを見ていてくれたという事でもあるのだ。って、さっき俺が部室で言ったけ?まあ気にしないでおこう。

 

「先程の話を聞く限り、そうだと思います」

 

「んー、それは分かったけど、今後どうする?」

 

 考え込む、海未とことり。つーか、穂乃果がかなり唸ってるし。まあ、こいつが考えてる事は、幼馴染たちはすぐに解ったと思うけど。

 

「……穂乃果。アレを考えてるのか……」

 

「もち。何でわかったのさ」

 

 俺はまあ、この案に賛成である。

 だが、俺と穂乃果たちだけでは実行する事は不可能だ。これには、メンバーの力が必要になる。

 

「んで、翔太。オレたちにも教えてくれよ」

 

「ん、ああ。いいぞ」

 

 俺はメンバーに、その計画の内容を説明した。それを聞いたメンバーは『結構強引だね』って思ってたに違いない。いやまあ、多少はそうなのかもしれんが。

 

「どうだ?手伝ってくれるか?」

 

「それしかない気もするけど……あんたたちって、結構無茶苦茶ね」

 

「でも、凛は賛成だにゃ!」

 

「わ、私も賛成です!」

 

 このように賛成意見をもらい、明日の放課後作戦を決行する事になった。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

 ~放課後~

 

 現在俺は、アイドル研究部の扉の横の壁に体を預けていた。

 そして、俺が待っていた人物が到着した。

 

「あ、あんた!?」

 

「どうもです。にこ先輩」

 

 俺は笑みを浮かべる。

 

「……昨日みたいな、合併の話ではないようね」

 

「そうです。にこ先輩には、是非来て頂きたい場所がありまして」

 

「……それは何処よ?」

 

「それは着いてからのお楽しみですよ。んで、どうします?」

 

「……あんた、挑発的なものいいね。いいわ。着いていってあげようじゃない」

 

 俺は、『こっちです』と言ってから、移動を始める。目的の場所は、μ’sがいつも練習に使っている屋上だ。

 そして、にこ先輩を連れて屋上の扉を開いた。――そこには、竜也に指摘を受けながら、一心不乱に練習してるμ’sメンバーが映る。――――そして、皆笑顔だ。

 

「……実は、東條先輩からにこ先輩の過去を聞いたんです」

 

「……もう、過去の事よ。気にしてないわ」

 

 にこ先輩は、顔を俯ける。

 

「本当に後悔はないんですか?にこ先輩は大のアイドル好きだと思ってます。やはり、過去の経験が足を引っ張ってるように――――」

 

「……煩いわね!そうよ!その通りよ!私はあの時の事を引きずっているわ!あの日が鮮明に思い出せるくらいね!私はこんなに辛い思いをしているのに、あんたらはいつも楽しそうに活動して、毎日アイドルの事、曲に合わせたダンスの振り付け、最後の反省点まで話し合っちゃって!わ、私だってそんな事したかったわよ!……そう、私が欲しかった場所がμ’sにはあった!…………私はあんたたちに嫉妬してたのよ!だからこそ興味があった!……あんたちが羨ましかったのよ!」

 

 にこ先輩は叫ぶように、自身の気持ちを漏洩していった。

 

「あ……い、今のは違うわ……。私の気持ちじゃない……」

 

 いやいや、マジ叫びだったから誤魔化しは無理ですよ、にこ先輩。

 

「誤魔化さなくて大丈夫です。今から彼女たちの覚悟を見てやってください」

 

 てか、第一段階クリアって所だな。

 ここからは、穂乃果たちのターンである。

 

「にこ先輩。私たちのダンスを見てください!――――竜君。曲をお願い!」

 

 披露するダンスは、次回のライブで歌う曲でもある。もちろん、作曲は真姫で作詞は海未。でもまあ、俺もちょっとだけ作詞を齧らせてもらったけど。

 それから、竜也がノートパソコンに入れたCDから曲を流し、それに呼応するようにダンスを舞う穂乃果たち。にこ先輩は、真剣な眼差しでそれを見ていた。

 ――――そして、曲が終わり、穂乃果たちが動きを止める。

 

「どうでしたか?私たちのダンス?」

 

 にこ先輩は、重い口を開いた。だが、その顔は晴れやかだった。

 

「…………何よ。あんたらそのダンスは、できてるのは基礎くらいじゃない。この先やっていけるのか怪しいわね。……――――でも、あの時の言葉が真実と証明する事もできてたわよ」

 

 何とか、にこ先輩の胸に響いてくれたそうだ。

 

「という事は、にこ先輩から見て改善点は多々あると?」

 

「そりゃそうよ!私だったらあの時の場面ではね――――いえ、ごめんなさい。メンバーでない私が助言するのは間違えね」

 

「はい?何言ってんですか。俺が此処ににこ先輩を連れて来たのは、にこ先輩に見てもらう為でもあり、助言をもらう為でもあるんですよ」

 

「え?それってどういう事?」

 

「いやいや、そのままの意味ですよ」

 

 俺は穂乃果たちに向き直る。そして、言葉の続きを促す。

 

「私たちμ’sは、まだまだ足りない部分が多々あります!――――にこ先輩、μ’sに加入して色々とご指導をお願いします!」

 

 それから他のメンバーも『お願いします!』と頭を下げた。これを見て、にこ先輩は目を丸くする。

 

「…………どうして、そこまで、私を誘おうとするのかしら」

 

「それは、にこ先輩と輝きたいからです!きっとμ’sは、にこ先輩が加入してくれれば、もっと輝く事ができると思うからです!」

 

「……私は、μ’sに酷い事をしたわ」

 

「酷い事なんて、欠片も思っていません!」

 

「……昨日、勧誘を断ったわ」

 

「それなら、今日この瞬間誘ったので問題ありません!」

 

「……解散しろとも言ってたわ」

 

「μ’sは解散しません!――にこ先輩、一緒に輝きましょう!」

 

 メンバー全員が頭を上げ、右手を差し出す。にこ先輩は、目許に涙を溜めていて、我慢するのがかなり辛そうでもある。

 にこ先輩は『ありがとう』と呟いてから、穂乃果の手を取った。

 にこ先輩は、穂乃果から手を放し、

 

「でも、今のあんたらじゃ全然ダメ!いい、アイドルっていうのは、お客さんを笑顔にさせる仕事なの。それをよーく自覚しなさい!いいわね!」

 

「「「「「「はい!」」」」」」

 

「それじゃあ、行くわよ。私の後に続きなさい!――にっこにっこにー」

 

「「「「「「にっこにっこにー」」」」」」

 

 穂乃果たちは、にこ先輩の後に続いた。もちろん、ポーズもだ。

 

「全然ダメ!もう一回よ!にっこにっにー」

 

「「「「「「にっこにっこにー」」」」」」

 

「ほら、部員なんだから、あんたたちもやりなさい!」

 

「「え?マジッすか?」」

 

 いや、俺たちにまで来るとは、予想外だわ……。

 だが、にこ先輩の笑みを見ると、『まあいいか』と思えるのだった。

 

「早くしなさい!」

 

 一時期はどうなると思ったが、にこ先輩は無事μ’sに加入した。てか、μ’sって9人の女神なんだよね?後2人は誰や? まあ今は考えなくていいか。それから俺たちは、にこ先輩と一緒に『にっこににー』をやった。

 そんなμ’sメンバーを、綺麗な夕焼けが照らしていた。




にこもμ'sに加入しましたね。さて、後2人です(#^.^#)

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