翌日の朝。
俺は目覚ましの音によって目を覚ました。布団を剥ぎ、ベットから開き上がる。
『今度遊びに来てくださいね』って言っていた亜里沙ちゃんの破壊力がヤバすぎる。あれは、もはや天使、いや女神だね。
なんつーか、絢瀬は警戒してたけど。てか、手を出す訳ないじゃん。俺、犯罪者として捕まりたくないし。
「さて、今日は『穂むら』に顔を出しに行きますか」
まあそういう事なので、タンスからVネックのTシャツに黒いジーンズを取り出し着替える。てか、まだ四月なのに今日の天気は暑すぎでしょ。まあ今日だけかもしれんが。
玄関で靴に履き替えてから、外に出てからドアを閉め、二階の階段を降りて行く。
まあそんな訳で、俺は歩道を歩いている。俺のアパートから『穂むら』まで約20分。遠いのか近いのか分からん時間である。つか、ここの饅頭は旨かった記憶がある。つーか、新作とかあんのかな?
とにかく、『穂むら』のドアをガラガラと開ける。
そこには、饅頭を食べようとしていた女性が映る。この女性は高坂秋穂さん。穂乃果の母親である。
「あ、ごめんなさいね。新作の味見をと思って」
「いえ、気にしてないので」
つーか、マジマジと見ないで。
一応、身長が若干伸びたしなぁ。……まだ165㎝だからチビの部類に入ってるけどね。
「誰かと思えば、翔太君じゃない。久しぶりね」
「お久しぶりです。秋穂さんも変わらず美人さんで」
「お世辞が上手いんだから!」
詰め寄って背中を叩かないで!結構痛いんだから。まあいいけど。
「饅頭買いにきました。10個程お願いします」
てか、饅頭をプラス5個サービスとか秋穂さん太っ腹です。
下の騒ぎに感ずいた人物が店の奥の階段を下りてくる。短めの茶髪に、少し赤みがかかってる少女。穂乃果の妹――高坂雪穂である。
「……翔兄ィなの?」
「おう、久しぶり雪穂。元気にしてたか?悪かったな、いきなり引っ越しちゃって」
いや、なぜプルプル震えてるのかな?雪穂さん。
「……翔兄ィィィィイイイイィィィィッ!会いたかったよ!」
俺の胸にダイブ?するな、アホ。女の子なんだから恥じらいを持ちなさい。つーか、刺された傷口か開くからね。一応、縫ってあるんだからね。
「あー、はいはい。俺も会いたかったですよ」
ぽんぽんと頭に撫でる俺。つーか、女の子特有の物が当たってるからね。いや、何。高坂家の女子はこういうの気にしないの?
「……翔兄ィ、久しぶりの再会なのに淡白すぎだよ」
「い、いやー、そんな事ないと思うけど。つーか、離れてくれ。アレがアレでアレだからな」
「へ……?あわわわわわ。ごめんなさい!」
早ッ!飛び引くの早いわ。まあ色んな意味で特役だったけど。……変態じゃないからね。
「別にいいけど。いや、よくないけど。……まあ特役だったし」
わなわな震えないで、雪穂さん。つーか、その右手に握られたスリッパは何処から持ってきたのでしょうか?
「……翔兄ィの変態ッ!」
「ふべら!」
雪穂が投げたスリッパが顔面直撃である。……結構痛い。まあ俺の自業自得なんだけどね。それで、雪穂は走り去って行った。
てか、秋穂さんも微笑んでないで止めてくれればよかったのに……。
「あなたたち、ホントに仲が良いわね」
「いやまあ、ガキの頃からよく遊んでましたし」
「そうね。穂乃果も翔太君と遊んでいる時、とても楽しそうだったのを覚えてるわ」
「まあ俺の都合上、引越しちゃったんですけどね。つーか、あいつは居ますかね?」
あいつとは、穂乃果の事である。
「ええ、2階の自室に居ると思うけど。あ、勝手に上がっていいわよ。家族見たいなものだし」
……フリーダムだな、穂乃果の母よ。まあいいや。一言断りを入れてから、俺は2階に上がり穂乃果の部屋へ向かった。
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「うーす。穂乃果、約束通り来たぞ」
『あ、今開けるね』
ガチャリとドアが開き、足を踏み入れ中を見渡すとあの頃からほぼ変わってない景色が広がる。てか、誰か居ると思ってたら、ことりと海未じゃん。二人とも口を開けて固まってるし。
「よ、ことり。海未。久しぶり」
「翔太。今まで何処に居たんですか?」
「翔太君、怪我大丈夫なの?」
「大丈夫らしいよ。穂乃果、いつもお見舞いに行ってたしね。ねっ、翔ちゃん」
おい、いっぺんに話すな。俺、聖徳太子じゃないからね。歴史上の人物じゃないからね。
まあそういう事なので、俺は空いている場所に座りました。
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「そういえば、翔ちゃん。さっき雪穂の声が響いたんだけど」
穂乃果が俺にそう言ってくる。てか、2階まで響いてたんかい。
「雪穂にダイブを食らった。で、スリッパ攻撃を受けたな」
「……まあ、うん。それは御愁傷様」
「穂乃果さん。聞いといて淡白な反応すぎませんかねぇ」
「……うーん、じゃあ穂乃果が再現してあげよっか?」
いや、止めてくれ。色んな意味で俺がヤバいからね。
「お前、中身は未だしも、外面は女の子なんだからな」
「むぅー、どういう意味さ」
「いや、中身はまだまだガキって事だよ」
「そ、そういう翔ちゃんもガキだよ」
「おい、女の子がガキって言葉を使うな。アホ乃果」
「あ、アホって言ったね。翔ちゃんのおたんこなす」
「おま、おたんこなすとは言うようになったな!あの小さかったガキんちょがな!」
「な!?それはどういう意味かな……」
ヤダ。穂乃果の背後から黒いオーラが。
「い、いや。それはアレがアレだから、アレだったんだよ。……えー、俺の負けです。ごめんなさい……」
「うん、よろしい」
てか、何。この低レベルな言い争いは。
ことりは苦笑し、海未は溜息を吐いてるし。
「……やはり、いつまで経っても穂乃果と翔太は変わりませんね」
「小さい時からこんな感じだったしね」
おい、酷い言われようだな。まあいいけど。
で、話はスクールアイドルについての事になった。
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「なるほどねぇ。A-RISEを見てスクールアイドルを思いついたと」
スクールアイドル結成で廃校阻止しか聞いてなかったので、事の発端となった事までは分からなかったのである。
「そそ。スクールアイドルってキラキラ輝いてるんだよ!」
「で、ことりと海未を巻き込んだんだな」
「そんな事はないよ。ね、ことりちゃん。海未ちゃん」
穂乃果は二人の反応を確認するが、
「いえ、私は巻き込まれたと判断します」
「あはは、私もかなぁ」
「といってますが、穂乃果さん。いや、知ってたけどさ。てか、活動するにしても曲と歌詞はどんすんだ?グループ名は?ライブでの講堂の使用許可は?」
「「「…………」」」
「おいマジか!つーか、中学の時、海未はポエム書いてるって耳にしたし、歌詞はいけるんじゃないか?衣装はことりが何とかしてくれるだろうしな。グループ名はリクエスト箱と俺たちで考えるしかないな。……講堂の使用許可は、まあ何とかなるはず」
つっても、学園での絢瀬、メチャクチャ硬そうだしなぁ。つーか、曲はどうすんの?
「……帰ります」
てか、海未さん、何で立ち上がって帰ろうとしてる?
そして発動する、ことりの「おねがぁい!」攻撃。まあ抗えるはずがないわな。てか、衣装の下書きができてるとか驚きだ。
「翔ちゃん翔ちゃん、曲には当てがあったよ」
「当てがあんのか?」
「うん!1年生の子でね、綺麗な歌で、ピアノを弾く子がいるの。……確か、西木野真姫ちゃんだったかな」
「はぁあ!西木野だと!」
マジかよ、西木野病院の娘さんじゃん。音楽に興味があるって聞いてたけど……。こんな偶然があるとはなぁ……。
「え、翔ちゃん知ってるの?」
「あ、ああ。俺が入院してた所の娘さんだ」
「……こんな偶然があるんですね」
「……世間って狭いって聞くけど、本当なんだ」
「これって、この子をスクールアイドルに誘えって天からの声だよ!」
まあそんな事があり、今日の作戦会議?が終了したのだった。
さて、明日初練習頑張りますか。てか、俺もやるのかい。まあいいけどさ。
もしかしたら、時系列がバラバラになるかも。
感想よろしく!
追記。
穂乃果は、病院の場所しか知らなかったですね。