朝日が差し込む神田明神。そこで俺たちは基礎体力を作る為、階段ダッシュに勤しんでいた。
ことり、海未のペアが走り、次は俺と穂乃果のペアの番だ。
朝と夕方、ダンスと歌とは別に、基礎体力をつける練習をしてるとか。かなりの真剣さが伝わってくる。それに、毎日練習してるだけあって、結構早い。俺も気合いを入れてスタート!
ちなみに、俺はラフな恰好で、穂乃果たちは練習着だ。
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「ぜぇ……ぜぇ……はあ……疲れた」
穂乃果と俺は、階段を上がった所で膝を突ける。
「……お、俺も……疲れた。……てか、結構早いな、お前……」
俺は両膝に手を当て、荒い息を吐く。まあ結果なのだが、数秒遅れで俺の負けである。まあ、ハンデ有りだけどね。
『えへへ~』って笑うな、穂乃果嬢。惚れちゃうだろ。……いや、冗談だけどさ。
俺たちはスポーツドリンクを飲み、
「では、もう1セット行きますよ」
「うっす」
「「はぁい!」」
海未にそう言われてから返事をし、階段を降りようとした時に後方から声がかけられた。
「君たち――」
振り返りそちら見る。てか、巫女さん?つーか、胸でk……、
「痛っつ!」
俺が声を上げた原因は、穂乃果に右爪先を踏まれたからである。靴越しとはいえ、かなり痛い……。つか、ジト目止めてくれ。
「……穂乃果嬢。ど、どうしたのかな?」
「……翔ちゃん、如何わしい視線を先輩に向けないの」
「な、何の事かな?……はい、すいません。俺が悪かったです」
巫女さんは苦笑して、俺を見た。
「まあまあ高坂さん。年頃の男の子なんやし仕方あらへんよ。でもまあ、程々にな」
まあそういう事なので、俺は『すいませんでした』と頭を下げた。てか、穂乃果さん。うんうん、て何故頷くの?先輩って事は、音乃木坂の生徒?
「君には挨拶がまだやったな。――音乃木坂学園副会長、東條希や」
「今日、音乃木坂学園に編入予定の後藤翔太です。よろしくお願いします。てか、何で巫女服なんですか?」
東條先輩の話によると、ここの神社で早朝から手伝いをしてるらしい。それを聞いた穂乃果たちも納得した表情だ。
「それに、神社は色んな気が集まるスピリチュアルな場所やからね」
「ス、スピリチュアルですか……」
呆然と呟く俺。
「ここの階段使わせてもらってるんやから、お参りしとき」
「まあそうすっね」
「そうだね!よし、お参りして行こうよ!」
穂乃果たちの背後を追いかけるように歩き出そうとした時、東條先輩に呼び止められる。
「ウチな、後藤君には期待しとるんや」
「は、はあ。期待ですか」
「そうや。後藤君はこれから光を照らす太陽になる。カードがそう告げてるんや」
「……俺が太陽ですか。何て言うか、考えられないかと」
『翔ちゃん、早くー!』って叫ぶな穂乃果さんや。俺は一礼してから、参拝へ向かった。
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俺たちはお賽銭を入れ、手を合わせた。
「「「初ライブが上手くいきますように!」」」
「彼女が出き……ぐはっ!」
う、海未さん。背中に張り手は痛いです。穂乃果はジト目で、ことりは苦笑だし。
「……翔太は、真面目にお参りしてください」
「す、すいません」
気を取り直して、
「――――穂乃果たちが、笑って踊れますように。3人の願いが叶いますように」
え?何。何で静かになってんの。『ありがとう』って言って抱きつかないで穂乃果さん。俺の精神衛生上宜しくないからね!理性がガリガリ削られてくからね。俺、犯罪者になっちゃうから止めようね……。てか、海未とことりは温かい視線を送るなっ!つーか、助けてくれよ!
「が、学校行かないとな。俺、編入諸々があるし」
「あ、そうだね」
「おいこら。演技だったのかい」
「ふーん、翔ちゃんは本気にしちゃったのかな?」
「そ、そなわけねぇし。穂乃果の勘違いだし」
心臓の鼓動がハンパないんだけどね。
学園に行く途中に聞いたのだが、西木野真姫さんには既に声をかけ、撃沈してたらしい。まあでも、一度で諦める奴じゃないよね、穂乃果たちって。
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制服に着替えた俺は、現在理事長室に居る。てか、机の椅子に座ってる理事長がことりの母親だったとは驚きだ。
「お久しぶりね、翔太君。編入の連絡があった時はビックリしたわ」
「いやまあ、前の学園では色々ありましたからね」
殺傷沙汰とかね。つーか、前の学園潰れてないよね?大丈夫だよね?
「男子って何人位いるんです?」
「そうね。5人だった気がするわ。元は、女子高だった影響かもしれないわね。……翔太君は、音乃木坂学園の現状を知ってるのよね?」
「廃校の事ですよね。まあ何とかなると思いますよ。てか、あいつらが動いてるの知ってますか?」
「え、ええ。耳にしてるわ。廃校阻止の為、ことりたちが動いてくれてるって」
どうやら、理事長の耳にもスクールアイドル結成の話は届いてるらしい。
「そうですか。あいつらは、義務とか廃校云々の前に、楽しそうに活動してるんでやらせてあげて下さい。……俺が言える立場ではないのは重々承知してますが」
「そのつもりよ。ところで翔太君は、そのサポートを?」
「手伝える範囲で手伝おうかと考えてますね」
「そう、わかったわ。あの子たちをよろしくね」
「ええ、分かりました」
俺は理事長室を後にし、1階の職員室へ向かった。それから、担任教師と編入するクラスへ向かう。2年生クラスが2クラスしかないのは驚きだ。予想はしてたけど。
クラスの廊下に立っていた俺は、担任先生の声によって前の扉を開け教室に入り、壇上に上がり黒板にチョークで名前を書いた。動物園のパンダになった気分だな、これ。生徒の目線が凄い。
「えー、今日から音乃木坂学園に編入する、後藤翔太です。よろしくお願いします」
壇上で頭を下げる俺。
「よし、後藤は清水の隣の席だな。男子どうし仲良くしろよー」
3年生の男子は4人。2年生の男子は1人。確かに5人だが、2年のクラスに5人じゃないのかい!という心の声は胸に仕舞っておこう。
とにかく、指定された席へ着席する。HRを終えるチャイムが鳴り響き、休みに突入した。
「オレの名前は清水竜也。よろしくな」
「あ、ああ。よろしくな。さっき聞いたと思うが、後藤翔太だ」
「てか、翔太。高坂たちが微笑んでたけど、知り合いか?」
「まあな。幼馴染ってやつだ」
俺がそう言うと、竜也はニヤリと笑う。
「お、別れた女との再会的な感じか?いやー、考え深いね」
「ば、お前。何でそうなる。小さい時遊んでただけだから。……まあいいや。竜也とは仲良くやってけそうな気がする。弄られるのは覚悟の上でだけどな」
それから授業を受け、昼休みとなった。俺は竜也に『行く所がある』と断りを入れ、穂乃果たちと――生徒会室へ向かった。目的は、講堂の申請書届の受理だ。
相手は、硬ぶつ生徒会長絢瀬絵里だ。……はあ、胃が痛くなってきた。胃薬飲もうかな……。
オリキャラの竜也君は、これから重要?な役割を担う感じになります。
ま、親友的な感じになるって事ですね。(ネタばれ)
ちなみに、竜也君は1年時後半からの編入生ですね。
……まあ、前の学園のはアレのアレで、アレですね。
ではでは、感想お願いします!!