ラブライブ!~奇跡を紡ぐ物語~   作:舞翼

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更新です。


第5話 申請と出会い

「昼休みにどうしたのかしら?」

 

 今現在俺たちは、生徒会室に訪れ、生徒会長の前の机の上に講堂使用許可申請書を置いている。てか、絢瀬。硬い、硬すぎる……。あの時の、ポンコツ感はどうしたのよ?

 

「部活動に関係なく、生徒は自由に講堂を使用できると生徒手帳に書いてありましたので。講堂の使用許可を取りに来ました」

 

 お、おお。初知りです、海未さん。強行突破的な感じだと思ってたからなぁ俺。てか、生徒手帳には手をつけてなかったしなぁ。つーか、絢瀬の視線が痛い。『友人なのに、何故そっちに居るのかしら?』と言いたい表情である。ちなみに、使用許可を取る日は、新入生歓迎会の日の放課後である。

 

「何をするつもり?」

 

「それは……」

 

 海未はそうやって言い淀むが、

 

「ライブだ。スクールアイドルのライブだよ。こいつらがスクールアイドルを結成した事は耳にしてるはずだろ?」

 

 最初に、絢瀬本人から聞いたんだけどね。部活動としては活動できてないけど、個人では活動を始めてるし、曲以外は何とかなるしね。

 でもまあ、リミットまで2週間弱。それまでに何とかしないとマズイ。……てか、絢瀬さん、睨まんといて。俺の心臓に悪いからね。

 

「私が見る限り、何も準備されてないと思うのだけど」

 

「……何とかなるしな。……確証はないけど」

 

「……そう。確証がないなら許可できないわ」

 

 俺は溜息を吐く。てか、穂乃果たちは目を丸くしてる。まあ、先輩なのに敬語を使ってないしなぁ。てか、学校では拙かった感じ?もう遅いけどさ。

 

「……ったく、絢瀬は硬いんだよ」

 

「……何がかしら?」

 

 学園でこんなに硬いとは。まあでも、負けじと見返すけど。あれだ、視線の先で火花が散ってる感じだ。

 そんな中、生徒会室は静寂が包む。んじゃまあ、本人たちに確認を取るか。

 

「……穂乃果、海未、ことり。講堂でライブをやる気はあるか?」

 

「もちろん!その為に練習してるんだから!」

 

「そうですね。そろそろ歌詞も作り終わる頃ですし。まあでも、その後に手直し等もありますが」

 

「衣装ならバッチリだよ」

 

「――と、本人たちは言ってます」

 

 おしゃ、これでこちらが有利だぜ。……と、思ってた俺でした。

 

「……新入生歓迎会は遊びではないのよ」

 

「いや、知ってるから。そこを何とか――」

 

 あ、ああ……。胃が痛くなってきた。ダレカタスケテ~!

 

「4人は、講堂の使用許可を取りに来たんやろ?部活でもないのに、生徒会が内容までとやかく言う権利はないはずやん?」

 

「そ、それは……」

 

 ナイススピリチュアルパワーです、東條先輩。絢瀬に効果抜群である。流石は副会長っていった所か。

 

「3人がスクールアイドルをやるのは分かったけど、後藤君は何するつもりなん?」

 

「まあサポートですね。雑用、頑張りますって感じで」

 

「頼りになりそうなお手伝いさんやね。それじゃ、許可はしたからもう帰ってもええよ」

 

 か、軽っ!東條先輩軽いです!いや、助かりましたけど。

 

「んじゃ、穂乃果たちは先に行っててくれ」

 

「あ、うん。わかった。行こっか、ことりちゃん。海未ちゃん」

 

「ええ、わかりました」

 

「うん、わかった」

 

 穂乃果たちは一礼してから、生徒会室を後にした。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

 

「……それで、何で後藤君は残っているのかしら?」

 

「いや、何となく」

 

 口をぽかんと開ける生徒会長。それを見て、東條先輩は笑ってるし。

 

「あれだ。絢瀬、お前外では柔らかい表情ができるのに、学園では硬すぎだ。何でそこまで気張ってるんだ?」

 

「それはね、生徒会が学園を存続させる義務があるのだから。それに、あんな思い付きでスクールアイドルを結成しても、ダンスや歌は上手くいかない。学園のマイナスに繋がるだけだわ」

 

 確かに、絢瀬の言いたい事は尤もだが――、

 

「そうかも知れん。だけどな、動かないと何も始まらないぞ。まああれだ。俺たちも動くから、絢瀬は絢瀬なりに動けばいいと俺は思うぞ」

 

「……でも、それでも、スクールアイドルは認める訳にはいかない……」

 

 ここまで否定するという事は、絢瀬にもそれなりの理由があるんだと思うけど。でもまあ――、

 

「ったく、本当硬いなぁ。まあいいや、俺は戻るな」

 

 そう言って生徒会室を後にしようとするが、俺は絢瀬に振り返る。

 

「先に言っとくが、俺、絢瀬の味方でもあるからな。てか、友人を止める気はないからね」

 

 失礼しました。と言い、俺は生徒会室を後にした。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

「後藤君は、ホンマに面白い子やね」

 

 希は、口許に右手を当てクスクス笑った。

 

「それに、エリチ。後藤君と友人やったんやね」

 

「え、ええ。後藤君が編入する前に会って、友人になったのよ。……後藤君は、何が言いたかったのかしら。私の味方でもあるって、どういう事?」

 

「そのままの意味やと思うんやけどなぁ」

 

 絵里は、それが解れば苦労しないわよ。と言って溜息を吐いていた。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

 ~放課後~

 

 昼休みに色々と思考錯誤をしたが、グループ名が決まる事がなかったので、俺たちは最終手段を取る事にした。――そう、リクエスト箱である。いや、朝から設置したてんだけどね。

 

「あったよぉー!1枚!」

 

 穂乃果は、リクエスト箱に入った紙を開く。

 後方で覗き込んでる、俺、海未、ことりは息を呑む。――そこにはμ'sと書かれていた。

 

「……ユーズ」

 

「いや、ミューズじゃね。……ああ、石鹸の事ね」

 

 俺と穂乃果がそう呟くと、海未が呆れたように言う。

 

「翔太、石鹸ではありません。後、穂乃果。これはユーズじゃありませんよ。これはおそらく、翔太の言う通りμ’sです。神話に出てくる女神から付けたのだと思います」

 

 へー、女神ねぇ。てか、ギリシャ神話の9人の女神ねぇ。てか、9人?何でなん?

「良いと思う!私は好きだな!」

 

 ことりがそう言った。まあグループ名にしては良いと思う。

 いや、だって、俺たちが考えるとしょうもないと思うアイディアしか出ないと思うし。

 

「……μ’s。……うん!今日から私たちは、μ’sだ!」

 

 穂乃果の一声で、決まった。海未とことりも異論はないようだし、グループ名はμ’sに決定しました。そういう事なので、神田明神で練習という事になったのだが、

 

「悪い。今日はお休みでいいかな」

 

「えー、翔ちゃん来ないの?」

 

 おい、不満たらたらな声を出すな、穂乃果さん。

 

「クラスの清水竜也っているだろ。今日はそいつと親睦を深める為に出かける事になったんだよ」

 

「私は良いと思うけど。何て言ったって、学年での唯一の男の子だしね」

 

「そうですね。今日の所は見逃してあげましょう」

 

 ナイス、ことりと海未の援護射撃。

 穂乃果さん、膨れっ面は止してくれ。心が痛いぞ。

 

「まあ機嫌直せ。今度できる範囲で何かいう事聞いてやるから」

 

 あ、やべ。これ、失言じゃね。

 穂乃果の機嫌が直った所で、昇降口で待たせてる竜也の元へ向かった。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

 現在、俺と竜也は秋葉原の歩道を歩いている。

 まあ、竜也の希望もあって秋葉原になったのだが。それにしても――、

 

「だから良いよな。スクールアイドル」

 

 お分かりの通り、竜也はアイドルオタクだったという事だ。竜也は、A-RISEのファンらしい。

 

「で、翔太は興味がないのか?スクールアイドルに?」

 

「まあ、1グループなら」

 

 何を言おう、先程結成されたμ’sの事である。てか、目を輝かせるな竜也さんや。つーか、何処だ何処だ?って詰めよるな。

 

「音乃木坂で結成されたμ’sってグループ。今は弱小だと思うけど、あれは頂点を目指す事ができるグループだと思うぞ」

 

 つっても、俺の思い込みかも知れんけど。でもまあ、そうなって欲しい。

 竜也は感嘆な声を上げる。

 

「音乃木にスクールアイドルがあったとは初知りだ」

 

「まあな。前々から結成はされてたけど、グループ名は今日決まった所だし。てか、穂乃果たちが教室でその辺りの事騒いでなかったか?」

 

「あー、たぶん。オレ、その日休んでたと思う。風邪引いちゃってな」

 

「成程なぁ。……てか、竜也。気付いてるか?」

 

「ああ、やっぱり居るもんなんだな。ナンパって」

 

 そう、ナンパである。ナンパしてる男は大人3人だ。如何にもチャラそうな奴である。対してナンパされている女の子は2人、若葉色の髪の毛と、オレンジ色の髪の毛をしているのが特徴の女の子だ。つーか、音乃木坂の制服じゃん。リボンの色からして、1年生だ。

 

「んじゃ、手筈通り頼むわ」

 

「了解だ。翔太も気をつけてな」

 

 そういう事なので、俺はナンパ場所まで歩み寄る。女の子の肩を無断で触るな、ナンパ野郎。……お前も穂乃果の肩を無断で触ったじゃんってか。ほっとけ。

 

「お、こんな所に居たのか。てか、探したぞ」

 

 俺の言葉に合わせろ。とアイコンタクト。

 

「そ、そうだにゃ。まったく、先輩は遅いんだにゃ」

 

「いやー、悪い悪い。秋葉原って迷いやすいんだな」

 

 てか、引いてくれる感じじゃないな。竜也、出番だ。とメールで送る。

 

「警察さん、こっちでナンパです。大勢の男が女の子を――」

 

「……逃げるぞ、サツに捕まるとか洒落にならねぇからな」「ったく、もう少しだったのによ」「豚箱は御免だぜ」

 

 そう言いながら、ナンパ野郎たちは去って行った。

 竜也はこちらに歩み寄る。

 

「はあ、マジで疲れた」

 

「いやいや、後輩が話を合わせてくれただけだろうが」

 

 竜也は呆れ顔だ。

 

「いやまあ、そうだけど」

 

「まあいいや。翔太、これからメイド喫茶行こうぜ。伝説のメイド、ミナリンスキーに会いに行こうぜ」

 

「は?伝説のメイド?」

 

「おう、そうだ。滅多に見られないんだぜ。オレは、今日は出勤と見たね」

 

 コイツ、ストーカーなの?いや、無いと思うけどさ。

 

「あ、あの……警察は?」

 

 若葉色の髪の子が、おずおずと話しかけてくる。

 

「ただのハッタリだけど。まあ上手くいってよかったよ」

 

「ま、オレが最初に思いついただけどな」

 

 得意げな顔をするな、竜也さんや。

 

「つーわけで、俺たちは行くな。コイツがメイド喫茶煩いから」

 

「んな!翔太も乗り気なんだろ!?」

 

「はいはい。んじゃな、今度から気をつけろよ」

 

 踵を返そうとした時、若葉色の髪の子が再び口を開く。

 

「あ、あの!名前を聞いて宜しいでしょうか!?」

 

「ん、ああ。音乃木坂2年の後藤翔太だ」

 

「同じく2年の清水竜也」

 

「音乃木坂1年の小泉花陽です!」

 

「かよちんと同じく、1年の星空凛にゃ!」

 

 まあ自己紹介?済んだ所で、

 

「またな、小泉、星空」

 

「またね。小泉さん、星空さん」

 

 そう言って、俺たちは歩き出した。

 そしてこの時、運命の歯車は回り始めていた。




μ’sでの石鹸ネタは鉄板だよね(笑)

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