ラブライブ!~奇跡を紡ぐ物語~   作:舞翼

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連投ですね(笑)


第8話 START:DASH!!

 今私は、神田明神へ足を向けていた。それは知り合った先輩が、『どれだけ穂乃果たちが本気なのか、確認すればいいよ。いつも早朝、神田明神で朝練をしてるから』という言葉を去り際に貰ったからだ。

 

「(……ちょ、ちょっとだけだから!……それに気になるのよね。あの歌詞を込める想いが……)」

 

 私が、神田明神の階段の壁に隠れるようにしていたら、何やら楽しそうな声が聞こえてくる。

 

『まだ上半身の筋トレと、体幹トレーニングも残ってるんだけど?……筋肉のつき方のバランスが悪いのも良くないしな。ダンスの時、体の各部位の動きにズレが出る。……だからまあ、海未の考えた階段ダッシュだけでは足りないな。ほら、やるぞやるぞ。最大限のサポートはするから』

 

『こんな事言ってるけど、コイツ、休み時間や昼休みを使って、練習方法や柔軟に関わる本を熱心に読んでるんだぜ。穂乃果さんたちにバレなようにな。いや、授業中も偶にだな』

 

『――ッ!?て、テメェ、竜也!何バラしてるんだよ!』

 

『へぇ、翔ちゃんがそんな事やってたなんて』

 

『だから時々、声をかけても反応がなかったんですね』

 

『翔太君、一度決めた事は最後まで頑張るよね』

 

『だろ。流石、μ’sを支える大黒柱』

 

『~~~~ッ!?いいから練習するぞ!ほら、散った散った!』

 

『了解だ、大黒柱さん』

 

『『『はぁい。大黒柱さん』』』

 

『……お、お前ら……つ、潰す……』

 

 このような感じで、とても楽しそうに活動をしていた。そう、――義務感などは関係なく。やりたくてやってるのだ。

 また、友達と話す。という事は、何故あんなに楽しそうなのか。そう考えていたからか、私は背後の影に気付く事ができなかった。

 

「きゃあああぁぁぁっ!」

 

 そう。胸を揉まれたのだ。

 

「まだ、発展途上っていった所やなぁ」

 

「い、いきなり何なのよ!」

 

 巫女さんは、階段の上を見上げ、

 

「そんなに気になるんなら、皆の所へ行ってみればいいと思うんやけど」

 

「……ただ見に来ただけだし。ここで構わないわよ」

 

「そうなん?でも彼ら、楽しそうに活動してるやろ」

 

「……え、ええ、そうね。話には聞いてたけど意外だったわ」

 

 すると、又しても上から声が聞こえる。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

『翔ちゃんの悪代官!海未ちゃんの練習よりキツイよ!』

 

『皆頑張ってるんだから、最後までやりなさい!ほら、ここのステップがずれてるからな。ここは、右左右って感じだ』

 

『もうっ、鬼教官!』

 

『何とでも言え!』

 

『翔ちゃんのおたんこなす!』

 

『おま、アホ乃果!』

 

『アホじゃないもんっ!』

 

『うるせぇ!数学はいつも赤点って聞いてるからな!』

 

『なっ!?だ、誰から聞いたの?』

 

『企業秘密です~』

 

『……むぅ』

 

『翔太も、穂乃果さんも練習だぞ』

 

『そうです。真面目にやってください』

 

『でも、いつもこんな感じだよね』

 

 そう言って、笑いに包まれている。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

 私の眼差しは、階段の頂上に向けられていた。

 

「混ざってみたいんやろ?」

 

「そ、そんわけないじゃないっ!」

 

 私は逃げるように学園に足を向けた。

 この時、巫女の人が何かを呟いた気がしたが、風によって掻き消されてしまった。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

 神田明神での朝練を終え、学校へ向かっている途中、星空と小泉に出会った。

 

「お、星空と小泉じゃん、おはよう!」

 

 俺がそう言うと、2人は振り向く。

 

「おはようございます!ええと、後藤先輩でいいですかにゃ?」

 

「清水先輩もおはようございます!」

 

「おう、おはよう!」

 

 竜也も、小泉から挨拶をもらった。

 んで、7人で登校する事になった。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

「穂乃果たちスクールアイドルを始めたの」

 

「へぇ、アイドルですか。……アイドルウゥゥゥゥゥゥ!」

 

 お、おう。穂乃果のアイドル発言にかなりの反応を見せたな、小泉の奴。もしかして、アイドルに興味あるのか?

 

「先輩方……頑張ってくださいね、アイドル!」

 

「つーか、小泉と星空もスクールアイドルをやってみればいいんじゃないか?似合いそうだし」

 

「ふええぇぇええええ!?む、無理ですよ私には!声も小さいし、鈍臭いし……」

 

「り、凛にも無理ですよ!ほら、凛髪も短いし、────女の子っぽくないので。……あ、かよちん!飼育委員の仕事しなきゃ!ほら早く早く!」

 

「え?あ、凛ちゃん待ってぇ~」

 

 そう言って2人はその場から走り去っていった。

 

「……行ってしまいましたね」

 

「ことりは、2人は似合うと思うんだけどなぁ」

 

「穂乃果も同感だよ」

 

「いや、でも、星空さんと小泉さんはその意思が無いようだったし、無理に勧誘するのも良くないと思うけど」

 

 だけどまあ、2人がライブを見に来てくれたら、何かが変わる予感がする。俺の勘だけど。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

 明日ライブという事なので、作成したチラシを学園で配る事になった。まあそういう事なので、俺たちはチラシを配る為に動き出した。

 

「明日ライブをやりまーす。よかったら見に来てください」

 

「お、後藤君発見」

 

「……えーと、すまん。誰だっけ?」

 

 俺がそう言うと、女子3人組はずっこける。いや、何。お笑芸人みたいだったぞ。

 

「はあ、クラスの人の名前くらい覚えときなさいよ。私は、中村ヒデコ」

 

「私は、中沢フミコ」

 

「私は、坂本ミカだよ」

 

 ふむ。ヒフミトリオと覚えよう。覚えやすいし。

 

「んで、どうしたんだ?」

 

「えーと、明日ライブやるんでしょ?」

 

 話しによると、ライブの準備。照明とか、放送とか。その他諸々を手伝ってくれるらしい。何とも、心強い味方である。

 

「じゃあ、当日頼んでいいか?」

 

「ええ、任せなさい。学園の廃校阻止したいのは貴方たちだけじゃないんだから」

 

「……そうか。頼りにしてるよ」

 

 じゃあ、頑張ってねー。と言い、ヒフミトリオは学園を後にした。

 それから数分後。俺はチラシは、最後の1枚となった。

 

「あ、あの、1枚貰ってもいいですか」

 

 声の主は、小泉だった。

 

「ライブ、来てくれるのか」

 

「は、はい!絶対行きます!」

 

「頼んだ」

 

 小泉は、俺からチラシを受け取り小走りで学園を後にした。その先には、星空の姿もある。とまあ、これでチラシ配り終了である。

 だか、壁際に隠れ、屈んでいる海未の手には、結構なチラシがあった。おそらく、恥ずかしいから隠れてしまっているのだろう。

 俺は壁際に歩み寄り、

 

「――さて、海未。頑張ってチラシを配ろうか」

 

「む、無理です」

 

「……お前の覚悟はそんなものだったのか?――――それだったら、ライブは穂乃果とことりだけの方がいいかもな」

 

 海未は、唇を噛み、拳を握り締めている。

 ――海未、一歩を踏み出せ。その為になら、俺は嫌われ役になってもいい。

 海未は立ち上がり、口を開く。

 

「……わ、私だって、穂乃果とことりとステージに立ちたいです!」

 

「そうか。海未、周りを見てみ」

 

 海未は周りを見渡した。

 

「海未ちゃん、手伝うよ」

 

「私も手伝うよ」

 

「オレも手伝う。仲間だしな」

 

「うし、俺も手伝うぞ」

 

「……み、皆。ありがとうございます。私、頑張ります」

 

 つーか、俺が一番多いのは気のせいか?まあいいけどさ。

 その後も、神田明神で最終確認をし、明日のライブに備える事になった。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

『以上で、新入生歓迎会を終わります』

 

 新入生歓迎会は滞りなく進み、無事終了した。そして、放課後。ライブが行われる30分前、俺は絢瀬にメールで呼び出された。なので、照明や放送諸々はヒフミトリオと竜也に任せて、俺は中庭に足を運んだ。『頑張れ、今までの練習の成果を出せよ』っていう伝言も頼んだが。

 

「……今日、貴方たちの全てが決まるわ」

 

「……ああ、分かってる。それを聞かせる為に呼び出したのか?」

 

「……それもあるわ。でも、彼女たちは現実(最悪)を知る必要があるから。そこで後藤君の顔を見ると、甘えてしまうと思ったから」

 

「……俺が居て勇気が出せるかもしれないのに、それをさせないとか、厳しいんだな。でも、現実(最悪)が起きないかもしれないぞ」

 

 俺と絢瀬の間には、重苦しい空気が漂う。

 

「……いえ、必ず起きるわ」

 

「……そうか。なら確認しに行くか」

 

 俺と絢瀬は、講堂に向かって歩き出した。胸の高鳴りを押さえながら。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

 ――――俺と絢瀬が講堂の後方のドアを開け、周りを見渡すと、俺は愕然とした。

 そう、開演5分前だというのに、観客は竜也しかいないのだ。満員まではいかなくても、少数は集まると思ったのだ。

 

「……嘘……だろ……」

 

 ――――これが現実、スクールアイドルで学園の廃校阻止なんか無理だ。諦めろ。と世間から言われてるような気がした。

 

「……後藤君、これが現実よ……」

 

 俺は講堂の真ん中に移動しようとするが――、

 

「……何処に行くのかしら。行かせないわよ」

 

 ――――生徒会に任せなさい。貴方たちの役目じゃないんだから。と絢瀬は俺に言いたいように聞こえる。

 俺はすぐに講堂内部に入りたい衝動に駆られるが、それは絢瀬が許してくれない。

 何か無いのか、この場の悲劇を止める方法は、……何かあるはず、何かあるはずなんだ。俺は思考を回し続ける――、

 

「大丈夫や、後藤君。彼女たちは挫折せえへんよ。彼女たちを近くから見てたやろ。それに、あの場には清水君がいる。だから、ここで見守ろうか」

 

 親瀬と俺が後方を振り返ると、東條先輩が居た。

 

「……東條先輩」

 

「の、希!?」

 

「エリチ、あの子たちの夢は軽いものじゃないんよ」

 

 なので、俺と先輩たちは、事の成り行きを見守る事になった。

 そして、開演時間になり、幕が上がる。

 ――――穂乃果たちは講堂を見渡してどのような顔をしただろうか?唖然、絶望、それとも全てに背を向けたくなった?おそらく、全ての感情が入り混じっているのだろう。

 

「……そりゃ、そうだ!現実は、そんなに甘くない!」

 

 泣きそうな声で穂乃果がそう言う。おそらく、ショックなのは、2人も同じだろう。

 

「穂乃果……」

 

「穂乃果ちゃん……」

 

 そんな時、講堂の真ん中にいた竜也が口を開く。

 

「……3人の努力は無駄なんかじゃない。それに、観客ならここにいる!きっと翔太も何処かで見てるはず。お前たちの全力を見せてくれ!────だから、そんな泣きそうな顔するなよ!」

 

「(そうだ。お前たちの想いはどんなものにも負けない。だから、立ち上がってくれ!)」

 

 その時、講堂の真ん中の扉、希望の扉が開かれた――。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

「あ、あれ……ライブは、ま、間に合ったの……?」

 

「……か、かよちん~。早いにゃ。って、誰もいないにゃ!」

 

「……も、もう時間のはずでしょ」

 

 星空、小泉、西木野さんだ。おそらく、走って来たのだろう。かなり息が乱れている。てか、西木野さんと星空が居るとは意外だ。まあ、小泉に連行されたのかもしれんが。

 1年生組は、ステージに立つ穂乃果たちと、講堂内部を見渡した。

 

「あれ、お客さんは私たちだけなの?」

 

「お、凛たちの貸し切りにゃ」

 

「まったく、この2人は……。先輩方、ライブ見に来ました。あと、その曲をダメにしたら承知しませんよ。ある先輩が、私に頭を下げてまで頼んだんですからね。1年の私に頭を下げるなんて、本当変わった先輩でしたよ」

 

 西木野さんの言葉に、穂乃果たちは息を呑む。

 

「じゃ、じゃあ、あんなに渋ってた西木野さんが作曲してくれたのは……あいつが説得して、なのか?」

 

「……翔ちゃん、私たちの為に。――――やろう!全力で!もう躊躇わない、ここまで練習してきたんだもん!」

 

 穂乃果の瞳に覚悟が宿る。それは呼応して、海未とことりに伝染していく。

 

「穂乃果ちゃん……。うん、そうだね。今日の為に頑張って来たんだよね」

 

「私もです。やりましょう、穂乃果、ことり」

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

「皆さんこんにちは、音ノ木坂学院スクールアイドルのμ'sです!本日はお集まりいただき本当にありがとうございます!――――今日から私たちは、夢に向かって全力で駈け出します!聞いてください」

 

 そしてライブが始まる。曲名は、

 

 

 

 

 

 

 ──START:DASH!!

 

 

 

 

 

 

 始まった。穂乃果たちの第一歩が。

 彼女たちの歌声で、ダンスで、表情で、観客を夢の世界に連れて行ってくれる。観客は少ないが、穂乃果たちには、今は些細な事でしかない。

 客観的に見ても、ダンスは所々ずれてるし、動きもぎこちない。だが、彼女たちは笑う。そしてそれは、周りを笑顔に変える事ができる。彼女たちの想いがひしひしと伝わってくる。そう、客席は穂乃果たちに魅了されていた。

 だが、絢瀬絵里だけは、何とも言えない表情をしていたが。何が彼女を、ここまでさせているのだろうか?

 曲が終わり、講堂内部は拍手に包まれる。その拍手には、様々な想いがあった思う。まあ、俺の勘違いだったらアレだけど。

 そして、後方から歩き出す、俺と絢瀬、東條先輩。

 

「生徒、会長……」

 

「ええ、そうよ。……これからどうするつもり?」

 

 何が、とは聞かない。

 だが、穂乃果は自信もってこう答える。

 

「続けます!」

 

「何故?これ以上やっても意味がないと思うのだけど」

 

 絢瀬はそういうが、この程度の言葉では穂乃果は止まらない事を俺は知ってる。

 

「やりたいからです!」

 

 そう言い切った。

 

「私たちは、もっと歌いたい!踊りたいんです!こんな気持ち初めてなんです!やってよかったと本気で思ってるんです!」

 

 講堂に、穂乃果の声が響く。

 

「このまま見向きもされないかもしれない。応援だってしてもらえないかもしれない。でも、一生懸命頑張って、この想いを届けたい!いつか、いつか必ず、ここを満員にしてみせます!」

 

 俺はニヤリと笑った。

 

「そういう事だ、絢瀬。本人たちはやる気だぞ」

 

「……勝手にしなさい!」

 

 そう言って、絢瀬は講堂を後にした。てか、何となくわかったような気がする。絢瀬は、本当のダンス、挫折を知ってるから、穂乃果たちの行動を否定するのかもな。いやまあ、多分だけどね。てか、部の設立には6人必要なんだよね。あと1人かぁ。どうすっか?

 

「後藤君、後は頼んだよ」

 

「了解しました、東條先輩。あ、あの、絢瀬は――」

 

「エリチの事は、もう少しウチに任せて。でも、もしかしたら、後藤君の力が必要になるかも知れへんな」

 

「その時は任せてください。音乃木で初めての友人ですからね。それと、俺はずっとあいつの味方でもありますから、伝えといてください。一回言った言葉でもあるんですけどね」

 

「ふふ、りょうかいや」

 

 そう言って、東條先輩は講堂を後にした。つーか、ドット疲れたんだが……。

 

「活動続行の祝勝会に行こうぜ!……もちろん、竜也の奢りな」

 

 竜也は、俺の隣まで歩み寄る。

 

「ちょ、待て!オレは奢るって一言も言ってないからな。それに、5人分の金とか。てか、翔太も少し出してくれよ!」

 

「いやいや、お前が全部出せよ。今月は怪しんだよ!」

 

 俺と竜也はそう言ってるが――、

 

「竜也君。翔太君。――――おねがぁい!」

 

 ことりのお願い攻撃である。

 

「よしゃ!何処に行く?オレ、奢っちゃうぜ」

 

「おう、俺も出しちゃうぞ。何処に行く、ことりたちが決めてくれ」

 

 変わり身が早い、俺たちである。

 

「……男って」

 

「……単純ですね」

 

 ……穂乃果さん海未さん。女子も例外じゃないんだからね。こうして、μ’sのライブは成功し、祝勝会に行く事になったのだった。

 それを見つめる、小泉、星空、西木野さんの、何処か羨ましそうな視線を浴びながら。てか、黒髪ツインテールの子を見たんだが、気のせいか?




区切りが解らなくて長くなっちゃいました(-_-;)
次回から気をつけます……。ちなみに、部設立の人数は改変してます。

では、感想よろしくです!!
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