「―――――――ヒ、ハ……」
アスラは嗤った。実に下らない
修羅に生きた男は自我認める"技の極み"にすら至れず。我が儘を貫いた先が下らぬ烈火に焼かれる悪餓鬼の最後。
肉体に焼かれていない箇所など存在しない。水脹れと炭化した皮膚、爛れ変色した人の形をした何か。彼を知るものが見ればあり得ない悲惨な有り様。両足と左腕は溶岩の触手に絡めとられ完全に炭素化し生命活動を維持する弱々しい微弱な呼吸運動でさえパラパラと崩れていく。
我天上天下唯我独尊成り。魑魅魍魎が闊歩するデタラメな世界で、指輪やアクセサリーアイテムによる強化も、剣や小手などのグローブ系の攻撃力向上素早さ向上反射などのアイテム補助を一切身に付けず、拳のみで世界有数の実力者となった魔拳。
ぷれいやー、竜王、超越者、かのもの達と並び立って尚
強さに興味が無い訳ではない。強い方がいいに決まっている。女も金も権力もこの世界では暴力で手に入ってしまう。圧倒的力を前に、跪き両手を重ね祈りを乞う弱者。王も女王も戦士も賢者も天災の暴力に膝を折り首を垂れてしまう。殺したい時に殺し、やりたい時にやれる王者。
神の如き天変地異を引き起こすぷれいやー。
世界を調律する管理者竜王。
上限最高レベルの超越者達。
糞食らえだカスども、等しく我が高みの糧となれ。死に晒せ、神様気取りのクソッタレが。貴様らが求める欲では俺の渇きは潤わない。
強者の義務だの矜持だのうるせぇ黙ってろ。
存在の格の違いで無力化してアイテムやスキルや魔法で楽して勝って退屈だろ?
それらも含めて己の力とほざくな。まずは、五体極めてから出直せや――――――それこそが、拳の極み。
同格に並んだ今だからこそ星を行使することなく奴等と戦うことができる。此れから始まる。一人のこらず餌として喰らってやる。
そんな決意など嘲笑うつまらない現実。
敵の殺戮領域に踏み込んでしまった大馬鹿者は、見事盛大な相討ちをかました。
人の知覚を掻い潜った隠匿、隠蔽、気配遮断の熟練度はこの領域においてのみ、潜伏箇所を把握するナザリックの者であったとしても対策を練らなければ必ず溶岩の川に引きずり込まれる。故に、殺し合いは一撃で終わりを迎える。
超巨大奈落スライムの触手に絡めとられ引きずり込まれた時点で、互いの初撃が両者の命運を分けた。
アスラの星――――――色即絶空空即絶色、撃滅するは血縁鎖。
人間の究極。努力の延長であり、修練を積めば誰にでもできる先を体現した星辰は、指先が一瞬触れただけで文字通り防御不可能の一撃必殺が対象を内部から破壊する。
溶岩の温度は摂氏1200度。灼熱物質の超巨大奈落スライム種、通称紅蓮。
守護領域である
何時も通りの狩りの手法は、千載一遇のチャンスを棒にふるい自ら触れてしまった敗者の核を、衝撃操作が弾き飛ばした。
(――――――糞がァッ……)
此れにて決着。刹那の邂逅は此れにて幕引き。ああ本当に嗤える。
目指すべき影すら踏まずしてどうする。内から焼く痛みすら男にとってどうでもいい。握る拳さえあれば、それだけでいいのだ。
継続的に炎ダメージを与えるフィールドエフェクトが死に体に追い討ちをかける。
意識させ不鮮明なぼやけた視界がにメイドのような犬が映り込む。
「安心してください。子供は必ず助けます……わん」
奇妙な運命が、此処でクロスする。
「この語尾は癖ですね。八層は危険、早く六層へ行かないと」
回復魔法を行使しながら担がれたアスラは笑う。
(クソッタレが……なるようになれや)
巡り合う運命は、地上を目指し第六層へ。
そして――――――眠っていた泥が第五層から堕ちてくる。
「ふぁ~~……ン、んんぅー……」
深く沈む微睡む眠気のせいか、頭から爪先まで気怠く目蓋が重い。
このまま闇と一体化するかのような暗がりの中、ゆっくりと闇底に囚われていた冷え切った身体に
灼けるような痛みと、感じたことのない感情の爆発。両腕の肘から先から流れ込んでくる
世界級アイテム――――――強欲と無欲。
白と黒の
なんて……僕にピッタリなアイテム名だろうと思った。
創造主ぶくぶく茶釜様は"常にオドオドした態度をしている
保護欲をくすぐる瞳の奥は、ナザリックの誰よりも設定に反して濁っている。セッティングテキストはそう定められたNPCの人格を形成する思考と性格そのものであり生き方だ。
だからこそ、マーレ・ベロ・フィオーレはNPCの中で異質。ぶくぶく茶釜の可愛い理想の弟は邪悪な天使だった。"演技であれ"と設定されたわけではない。姉のアウラと比べればカルマ値:-100中立~悪が嘘のようだ。
だがある意味、ナザリックの仲間以外中立で悪であるマーレは異質なだけで模範的な下僕。
故に――――――神の縛りから解放された邪悪な
「ンー……そろそろかな?いこっかみんな、一緒に……殺そうね」
マーレを包んでいた雪が小手を中心に溶けていく。世界級アイテム『強欲と無欲』の効果は、装備者が手に入れるはずの経験値を強欲が吸収・ストックし必要に応じて無欲がストックした経験値を経験値を消費する様々なことに使用することが可能になる。型にはまれば一人で複数人のプレイヤーを完封可能なアイテム。
それだけの経験値保存アイテム。
そもそも自身の格を上昇させる経験値とは何だ?
倒した相手の何が流れ込んでくるんだ?
だからマーレはある仮説を実行した。仲間思いで空気の読める心優しいマーレは、復活することも叶わない仲間達の
仲間を想う天使の『無欲』が、システムに取り込まれる前の
本来思い付いても実行など不可能な事象。レベル上限が決められた世界に抗う神の反逆者。
言わばこれはチートツール。ルールの裏側。運営にバンされても文句など言えない諸行。プレイヤー基準の常識で考えればレベル100以上は運営が用意したワールドエネミーなどの化け物くらいしか実装されてない。
アインズは、マーレと同じ経験をしたにも関わらず技術の向上はあり得るがレベルに関してはその限りではないと決めつけている。これは凝り固まったプレイヤーの性。
だって、マーレは見て体験したのだ――――――
実例が存在した。なら、試す理由はそれで事足りる。
これこそが、アインズとマーレとの認識の違い。
プレイヤーにとってレベルアップの経験値は倒した際の数値でしかなく。マーレは倒した敵の力そのものである魂が、殺害者の魂を補強すると考えた。
誰もが知るよしもないが正確なレベルアップの理屈は、他者の力で自らの魂の外郭を補強する事で行われる。
ならば、邪竜が成功させた魂と魂を1つにする行いは、互いが消滅する危険性が圧倒的に高いのだ。それを、リミッターなどとうに壊れているマーレは、躊躇もなく限界突破を果たした。
その結果、四十一回死の縁をさ迷うだけで成し遂げたのだ。
今のマーレは新しい自分を認識している最中。もう五分ほどすれば、完全に馴染むであろう。
だが、そんな肉体など置き去りにして精神は先行する。早く、速く、はやく殺さないと、皆と一緒に――――――愛する
ドロドロに濁った瞳が、遥か階層を見据える。
第八層の強大な衝突し合う気配の影響で九層と十層は探れない。
「虫が下に迷い混んでる……
第六層に向け"頼りない大自然の使者"は落ちていく。殺すために、皆のために、男のために――――――堕ちていく。
「ナーベラル、ユリ、恐怖公、オールオーレ、紅蓮、デミウルゴス、シャルティア、セバス――――――」
戦争で散っていった大勢のナザリックの仲間達。名前などない仲間達。一緒に遊んだ第六層のペット達。そして――――――
「………………お姉ちゃん」
マーレ・ベロ・フィオーレの魂が暴れだす。
数百何千とぐちゃぐちゃに混ぜ困れたマーレの魂はそれでも
自分の手で、第五層と第六層に穴を開けたマーレは家を汚す何だかよくわからない汚物を、泥の双眸に映した。
第九階層『ロイヤルスイート』。白亜の城を彷彿とさせる荘厳と絢爛さを兼ね備えた世界。見上げるような高い天井にはシャンデリアが一定間隔で吊りさげられている。広い通路の磨き上げられた裕香は大理石のように天井からの光を反射して輝いている。
現世に実現した桃源郷。地獄を踏破した英雄のみがたどり着ける黄金卿――――――だったもの。
「セバス様……私に勇気を」
きらびやかな幻想は消えて無くなる。
多くを亡くした。多くを奪われた。多くを失った。数多の痛みを背負い彼女は、自分なりの光へ進み続ける。
第八層へと繋がる門まで距離二十メートル。素人なスニーキングでここまでたどり着いた。逃げようとしている今のツアレが見付かればナザリックの者に殺される危険性がある。最後の曲がり角で顔を覗かせ、門まで誰もいないことを確認する。
ツアレに迷いはない。絶対に生き延びる。全力で走れば二秒もかからない。駆け出そうと足に力を入れた。
「……ストップ」
背筋が凍りついた。背後から響く無機質で平坦な声。後頭部に押し付けられた尖ったソレは、ツアレの生殺与奪を握っている。
「何故人間がここにいる?敵の捕虜ならメイド服の囚人はセンスがいいと評価しよう。だが、私もあまり時間がないのだよ……死にたくなければ質問に答えろ」
外からの人間なのか?返答次第では命はない。ここぞとばかりに必死に考える脳は、ある違和感に気付いた。この少女の声は聞いたことがある。そう――――――
「シズ……さん?」
「あれ、ばれた」
振り向くと、人差し指を銃の形で突き付けていた戦闘メイドのシズ・デルタがウエーイブイブイと無表情ながら妙にテンション高めにそこにいた。
「ハローマイネーミズシーゼットニイチニハチ・デルター。シズちゃんって読んでねハート」
「え、えぇっと……ツアレ・チャンです」
こんな人だった?そんな疑問を飲み込み細かく観察する。武器を所持している点以外は何時ものシズさん。緊急時だからそこに違和感はない。
「ツアレ・チャン?……………おーおめでとうございます。ペコリ。我らが天然ジゴロを遂にその手に納めたとはすごーいすごーい」
「えっと、ありがとうございます」
緊張やら緊迫やら張り詰めていた気が少し抜けて、くすりと笑う。
「……よかった。セバス様は最後まで幸せに死んでいったんだ。メイド達の亡骸を確認したけどツアレはみんなに守られたんだ」
「――――――はい。あの方達こそ、本物の英雄です」
最初っから超人の英雄など私は認めない。弱さも知らないくせに何を救えるというの。
一人で自己完結し誰の手助けもなく成長する一逸人。
人は自己の経験則でしか生きられない。なら、私は――――――
「シズさん……一緒に地上へ逃げませんか?「いいよー」勿論ナザリックの………………え?」
――――――ん?
「ん、え?あのー……え?」
「ツアレ混乱してる。逃げるんでしょ?いいよ、私もツアレ大好き。それに、よく皆が聞かせてくれた……どれだけツアレのことを気にかけてるか」
"シズちゃんこの話は絶対に内緒ですからね!!"
"戦闘メイドに何て口の聞き方を……"
"えーシズちゃんはシズちゃんだもーん"
"まぁー落ち着け。同じメイド同士なんだから"
"……パフェうまぃ"
自動人形のシズには、触覚がない。痛覚も疲労もない。だからかな――――――この暖かい感情だけは大切にしたい。
「ツアレの周りはとっても暖かい。ツアレがナザリックを離れて遠くで暮らすなら私もついてく」
「……私はこの場所に、返しきれない恩をいただきました。そんな居場所を捨てる私を……まだ、仲間と呼んでくださるのですか?」
「当たり前、マブとも。ブイブイ」
心の何処かで引っ掛かっていた罪悪感が、紐解かれていく。私はまた、大切な仲間に助けられてばかり。いつか、例えお婆ちゃんになっても、この光に報いる恩返しをしたい。
だから――――――
「可愛い可愛い妹が反旗とは、悲しいわ」
嫉妬に色塗られた憎悪の底無し沼。
「でも、妹を溶かして食べるってどんな感じなのかしら?初体験ですわ」
好奇心で獲物を飲み下す怪物。
「今思い出すと……質の面で一番美味しかったのは貴女の胎児だったわ」
嗜虐心が極限まで口角をつり上げた笑みを浮かべ。少女たちを飲み込まんとソリュシャン・イプシロンが潜んでいた直上の天井から襲い掛かった。
3話続けて風呂敷を広げる作業。
まとめないと(使命感
fgo:最初の半年はどれだけ課金しようが星四すら手元にはなかった。fgo初めてのお正月星五確定ガチャは玉藻。今では高難易度攻略に欠かせない鯖ですが、初期の頃は火力が全て。※火力鯖がいない
何より当時は孔明の宝具すら殆どミス表示の時代。嬉しかったけど、最初の一年は辛かった(涙
そんな時、星四鯖配布のお知らせは運営神かよと洗脳されてました(おめめぐるぐる
そこで初めて手に入れた火力件好きな鯖として選んだのがヘラクレス。
皆さんの初めてゲッチュした星五、星四鯖はなんでしたか?
ちなみに、ピックアップの度に必ず全鯖ゲッチュしていた友達を、心のそこから妬んでました(ニッコリ