渓流は今日も平和です   作:シャーペンの芯

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青電主マジで強い。
四天王最弱と呼ばれていたあのライゼクスさんはもういないんや………


第2話 対峙

前回のあらすじ

大型モンスターの咆哮が聞こえた。

 

どうやって遭遇せずに探索できるだろう?

 

考えているうちに鉢合わせ(白目)

 

 

 

さて、頭の中で色々と考えているうちに陸の女王様が私のいるエリアに降り立ってしまいました。

これは本当にヤバい、どうにかしてこのエリアから脱出しないと………、幸い、相手はまだ私に気づいていないし、な、なるべく音を立てないようにゆっくり、ゆっくりと………、

 

 

 

私が一歩足を後ろは動かしたところで、リオレイアはこちらを振り向かずに大きく翼を広げた後、私と同じように一歩後ろに下がった。

 

あ、あれ、どうしたんだろう?も、もしかしてエリア移dーーー

 

 

 

 

「ゴガアアアァオオオオォォォォォォォォォッ!!!」

 

 

 

 

「くぁwせdrftgyふじこlp!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

気がつけば私の視界は薄い青色に包まれていて、身体中に感じる冷たさと少し不気味な浮遊感が私を現実へと引き戻した。

 

あ、ありのまま、今起こったことを話すぜ!リオレイアの咆哮を聞いた後、私はいつの間にか水の中に居たんだ。

何を言っているのか分からないが(以下略

 

え、えっと、お、落ち着け私。

取り敢えず状況を確認しなくては………、

 

 

 

ゆっくりと顔を出して、辺りを見渡す。

まず見えたものは先程いたエリアを象徴する成長したススキのような植物、そして、先程このエリアに降り立ち、どでかい咆哮をかましたリオレイアの姿があった。

どうやら私が正気を失っている間に見つかった訳ではないのか、警戒はしているものの、こちらに攻撃を仕掛けてくる様子は見られない。

 

どうして私は水の中にいるのだろう?

リオレイアの咆哮に吹き飛ばしの効果はない。

更に辺りを見回してみると、先程私がいた場所に少しだけ泡が残っていた。

そこだけではない、私が先程いた場所から今いるこの水辺の辺りまで一直線上に所々泡が残っている。

 

ふむ、なんとなくわかってきた。

順を追って説明するとですね、

 

 

まず、リオレイアが馬鹿でかい咆哮。

 

それを聞いた私はあまりの驚きに言葉にならない叫びをあげて錯乱。

 

その後、正気を失いながらも、泡を生成して超スピードで滑走し、近場の湖へとダイブ。

 

そして現在に至る、と…………。

 

 

 

 

 

今臆病とかチキンとか言った人達は後で屋上ね。

 

 

 

いや、だって思ってた以上に怖いんだもん!

ゲームと現実は違うってよく言うけどさ、今さっきのはそんなレベルじゃなかったし!

しかも私昨日まで弱肉強食とか全く関係ない世界で生きてきたから急にあんなでかい怪物が目の前に現れて馬鹿でかい声で吠えたらそりゃびっくりするに決まってるじゃん!!

 

しかも今さっきの私の叫び声、とても女の子の出す物じゃなかったかがするし。

っていうか人間の言葉をしゃべっていたような………、いや、気のせいだよね。

 

 

 

とにかく、これからどうしよう………。

幸運な事にこちらの存在は気づいていない。

このままエリア移動するのを待って………って、あれ?

 

 

 

目の前のリオレイアに違和感を感じた私は、バレないようにゆっくり移動する。

前の世界では泳ぐことのできなかった私だったけど、流石は海竜種、割と簡単に泳ぐことができた。

まあ、それは別にいいとして、リオレイアの顔が見える位置まで移動した私は目を凝らして観察してみる。

よく見ると、口から炎を漏らし、翼爪は砕け、背中の鱗は欠けており、手負いの状態である事がわかった。

 

なるほど、私の予想通り誰かと敵対してたんだ。

だからあんなに気が立ってるのか。

 

 

 

 

でも、リオレイアは手強いモンスターで有名。

並大抵のハンターでは太刀打ちできないとされてるから、あそこまでの手負いとなると、相手はメチャクチャに強いモンスターか一流のハンターのどっちかって事だよね?

 

どっちにしても嫌だなあ、絶対に相手にしたくない。

でもどっちか一つっていうならまだハンターの方がマシかな?

モンスターなら勝ったモンスターがこの渓流を新たに支配するから私としてはビクビク怯えて暮らさないといけない事になるんだけど、ハンターならこの渓流を荒らすモンスターを狩猟してくれるし、ゲームでは目的を達成したらたらさっさと退散してくれるから私として殆どは安全な環境でゆっくりと過ごせるんじゃないかな?

一番に警戒すべきとは言っても私は余計なことさえしなければ狩猟対象とはならないしね。

……………多分。

 

 

 

あ、誰かこっちに来る。

 

 

 

「リオレイア、見つけました!」

 

 

 

現れたのはモンスターから作られた装備を身にまとった二人の人間と二足歩行の猫が二匹。

よかった、ハンターだ。

ん?あの太刀を担いでる人の装備、あれってもしかして黒炎王一式?

そうだよね、普通のレウス装備にあんなマントみたいなのついてないし。

結構地雷臭がする装備だけど初めからリオレイアを狩猟対象としているみたいだし、もし彼らがあいつを狩猟してくれるなら私も安全に暮らすことが出来るはず!

頑張れ、ハンターさん!応援するよ!私モンスターだけど!

 

 

 

とは言ってもバレるわけにはいかないので私は水面から少し顔を出した状態で陸の女王に挑むハンターとオトモを応援する。

もしかしたら何か盗める技があるかなって、ほら某ヤクザなあのゲームでも天啓っていうのがあるでしょ?あんな感じ。

 

 

 

「よし、俺が先に仕掛ける、弱っているからと言って油断はするなよ!」

 

「はいっ!」

 

「「はいニャ!」」

 

 

 

あ、始まった。

太刀を背負った人がリオレイアに向かって真っ直ぐに突っ込んでいく。

でもあの感じ、何の考えもなしに突っ込んでいるわけではない気がする。

まあ、勘なんだけどね。

 

自分との距離を詰めるハンターに対して、リオレイアは自慢のブレスを放った。

灼熱の火球は凄まじいスピードで迫っていく。

彼もまた、速度を落とさずに真っ直ぐに突き進む。

このままではあのハンターは火球の餌食となってしまう。

 

ぶつかる、そう思った瞬間、彼は身を翻すようにして迫り来る火球を回避した。

その様はとても優雅で、華麗で、思わず見惚れてしまうような美しさがあった。

 

そして、火球が地面につくよりも先に、彼は動き出す。

 

 

「フッ!」

 

 

先ほどよりも速く走り、陸の女王の足元まで迫ると、背負った太刀で鋭い斬撃を見舞う。

これまで受けていたダメージが響いたのか、強靱な脚が支えていた巨体が少しだけ揺らめく。

 

 

「せあぁぁぁぁっ!!」

 

 

その好機を逃すまいと、更に斬撃を叩き込んだ。

すると、耐えきれなくなったのか、リオレイアは地面へと倒れ込んでしまう。

 

 

これを機にハンター達は一気に攻勢に出る。

剣士は無数の斬撃を浴びせ、ガンナーは大量の弾丸を放ち、オトモはブーメランや笛吹きでハンター達の援護をする。

 

 

リオレイアが態勢を立て直す頃には既にボロボロで、まさに風前の灯火といった状態だった。

でも、どれだけ追い詰められても、その双眸から光は失われてはいない。

 

 

最後の力を振り絞り、リオレイアは渾身の突進を繰り出した。

狙いは太刀を背負ったハンター。

彼も、肉薄する緑色の巨体を迎撃すべく太刀を構えた。

 

そして、対峙する二つの影が交じり合う…………

 

 

 

 

 

かのように思われた。

 

 

 

「グァオオォォォッ!?」

 

 

 

勢いよく走り出したリオレイアだったが徐々に速度を落としていき、最終的には石像のように動かなくなってしまった。

 

 

そう、リオレイアはその体に一定以上の麻痺毒を溜め込んだ事により、麻痺状態に陥ってしまったのだ。

 

 

こんな芸当ができるのはこの中で一人だけ。

 

 

 

「今ですユウタさん!」

 

 

 

やっぱりガンナーだった。

麻痺以外に、毒、睡眠といった状態異常を付与する弾丸は基本、装弾数が少ない上に、リロードも遅く、反動も多いため、隙を晒しやすい。

おそらくリオレイアが態勢を崩している隙に撃ち込んでおいたのだろう。

 

 

関係ないけどあの人ってユウタっていうんだ………。

黒炎王ゆうた…………いや、なんでもない。

 

 

 

「「やっちゃうニャーーー!!」」

 

 

 

オトモとガンナーの声援を受け、太刀を背負ったハンター、ユウタさんは力を込めると一気に力を解放するかのように刀を抜き、バックステップの後に、前方へ一気に切り抜け、動けない陸の女王に向けて二つの斬撃を放つ。

 

 

その後、ゆっくりと納刀する間に斬りつけた部分が更に斬りつけられていく。

 

 

今あのハンターが放ったのは太刀専用の狩技、『桜花気刃斬』。

どういう原理がわからないけど斬りつけた部分に時間差で追撃が入るというものだ。

でもその威力は非常に高い。

私も太刀を使ってた頃はよくこの技を装備してたっけ。

 

 

そして納刀が終わった頃にはリオレイアはゆっくりと地面へと倒れこみ、やがて動かなくなった。

 

 

討伐完了。

ハンター側の勝利である。

 

 

うん、改めて思ったけどやっぱり化け物だね、ハンターって。

ガンナーとオトモも無事狩猟できて喜んでるし、あ、オトモの一匹がユウタさんの胸元に飛びついて涙を浮かべた顔を擦り付けてる。

 

 

よく表情がわかるなって?

いや、タマミツネだからかな?今の私ってやけに目が良いんだよね。

しかも結構大声で泣いてるからすぐにわかったよ。

 

 

でも彼も嫌がらずにちゃんと宥めてる。

良いご主人だね。うんうん、なんとも微笑ましいといいますか、羨ましいーーーっ!?

 

 

私は咄嗟に水面へと顔を沈める。

 

 

あ、危なかった………、

 

 

今さっきユウタさんっていうハンターがこっちを見た気がした。

 

せっかく脅威がいなくなり、少しの間安全に暮らすことができるというのにここで見つかってしまえば意味がない。

 

流石はハンター、気配には敏感なんだね………。

 

 

 

しばらくした後、大体一分ほど数えた頃にもう一度顔を出してみると、既にハンター達は背を向けて歩き出していた。

 

 

 

フゥ、なんとかバレずに済んだ。

とにかくこれで今日は安全に過ごすことが出来るはず。

心の奥底でガッツポーズをした私だったのだが…………、

 

 

 

グウゥゥゥゥ〜…………、

 

 

 

あ、ご飯どうしよ。

 

 

早速新しい壁ににぶち当たりました。

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