四聖勇者の仮想現実   作:ブリキの玩具

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すごく遅くなりました。すみません。
では本編どうぞ。


7話 葛藤

宿屋に着いた俺は全員から叱責を受けた。

しかし皆疲れていたのか、すぐに眠ってしまった。

そして俺も目を閉じた。

 

 

 

 

なんなんだよ。なんなんだよ!なんだよこのステータス!俺は鉄の城に来てまで盾を使わなきゃいけないのかよ。

この世界なら…こいつらの必要がないと思ったのに。

この世界なら、こいつらの命を懸けてまで戦わせる必要が無いと思ったのに、GAMEOVERになったら死ぬなんて…。

この世界なら、アトラがあんなことをしなくてもいいと思ったのに。これじゃ前と何にも変わってないじゃねえか!

コ―ナ――イヲ――ッタアイツ―――イ!

なんだ…これ…。今の、まるで…。

気がつく俺はメルロマルク城にいた。

そこに、見慣れた顔をした奴が兵士に連れてこられた。

俺はその顔を良く知っていた。しかし、そいつは今の顔とは全然違う顔をしていた。同じ人物で顔が変わるなんてことは有り得ないから顔が違うというのはおかしいが、確かに違う顔なのだ。

その顔は、21年間俺が毎朝見ていた顔で、最近俺が毎朝見続けた顔。

岩谷尚文がいた。

そうか、これは夢なのか。強姦魔だという冤罪を被らされた時でもあり、全てが始まったと言っても過言ではない時だ。こんな胸糞悪い事件でも全ての始まりなんだ。

俺の目の前では今、昔の俺が元康に向かって金が入った袋を投げつけて喚きながら城門から出て行ったところだった。

次の瞬間、鉄の城の世界の破壊エフェクトと共に景色が変わった。

 

暗い、嫌な臭いが少しするな…。

「この三体がお勧めです。ハイ。」

「これが処分品だな。何か問題でもあるのか?」

「いやはや、ホントにお察しがいい。実は―――」

ここは、奴隷商のテントだったのか。

ここで、ラフタリアを買ってから俺の人生はどんどん変わっていったんだ。

この時に、混血のリザードマンや片腕の使えないラビット種を選んでいたらと思うとゾッとする。

ラフタリアだからこそ、乗り越えられた壁は計り知れないくらいある。

今この夢を見ることすらままならない可能性が高い。

ラフタリアが俺を慕ってくれたから助けられたときも、助けることができたことが何回もある。

怯える様に俺を見上げるラフタリアを買ったところで視界が移った。今度は波の時のガラスが割れるような音と同時だった。

 

ここは…どこだ?洞窟、廃坑…?

すると俺の背後から、2首の大型の犬の魔物が出てきた。

「嫌あああああああぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!」

「落ち着け!ラフタリア!どうしたんだ!さっきから!」

なんだ、こんな事あったか?覚えていないが、あの犬…。ラフタリアの村を滅ぼした時の波の魔物に特徴が酷似してるな。だが、ラフタリアの話じゃ3首だったな。

とにかく、あの犬がラフタリアをパニックにさせているんだな。

考え事をしてる間にラフタリアがパニックを抑えて、双頭の犬を脇から刺していた。

「死んじゃだめ!」

「死なないさ、俺が死ぬ時はお前を攻め手から守りきれなかったときだろうな!」

気がつくと双頭の犬が倒れていた。

 

また景色が変わった。またメルロマルクに戻ってきたみたいだ。

「この……卑怯者!」

「……え?」

ラフタリアが元康に平手打ちをしていた。

ここは…あのときか…。

「卑怯な手を使う事も許せませんが、私が何時、助けてくださいなんて頼みましたか!?」

「で、でもラフタリアちゃんはアイツに酷使されていたんだろ?」

「ナオフミ様は何時だって私に出来ない事はさせませんでした! 私自身が怯えて、嫌がった時だけ戦うように呪いを使っただけです!」

「それがダメなんだろ!」

「ナオフミ様は魔物を倒すことができないんです。なら誰かが倒すしかないじゃないですか!」

「君がする必要が無い! アイツにボロボロになるまで使われるぞ!」

「ナオフミ様は今まで一度だって私を魔物の攻撃で怪我を負わせた事はありません! 疲れたら休ませてくれます!」

「い、いや……アイツはそんな思いやりのあるような奴じゃ……」

「……アナタは小汚い、病を患ったボロボロの奴隷に手を差し伸べたりしますか?」

「え?」

「ナオフミ様は私の為に様々な事をしてくださいました。食べたいと思った物を食べさしてくださいました。咳で苦しむ私に身を切る思いで貴重な薬を分け与えてくださいました。アナタにそれができますか?」

「で、できる!」

「なら、アナタの隣に私ではない奴隷がいるはずです!」

「!?」

俺は放心していて聞こえなかったが、この時こいつらこんな話をしてたのか。

 ラフタリアが俺の方へ駆けていった。

「く、来るな!」

ラフタリアが俺を抱きしめる。

「そんなに、信じられませんか。それなら、奴隷紋をもう一度結んでもらいにいきましょう。」

「貴方がどんなに嗤われようと、無実の罪を着せられても、私はナオフミ様を信じ続けます。ですから―――――。」

 また視界が変わる。

 今度は一面真っ暗になる。そこに薄いディスプレイのようなものが浮かび上がり色々な情景が映し出される。

 フィーロが生まれたとき。ドラゴンを倒したとき。グラスと戦ったとき。教皇を倒したとき。リーシアを助けたとき。霊亀を倒したとき。街を作り始めたとき。アトラ達手に入れたとき。3勇者を保護したとき。憤怒の炎に身を焼きながらタクトを殺したとき。ラフタリアと力を合わせてメディアを倒したとき。

 もちろんいいことばかりではなかった。後ろ指を差されながらすごした日々。三勇者に追い掛け回された日。国境すら渡れなかった時。俺に成りすました3勇教が悪事を働いたとき。起きる災をすべて俺のせいにされ続けた日々。都合のいいときだけ3勇者に助けろと命令されて、従う他なかったとき。鳳凰に挑んだとき。そして、アトラが…死んだとき。

 そんな悪いことだらけでも、傍にはいつもラフタリアいてくれた。そんなあいつがいたからこそ、あの糞みたいな世界を守るきになったし、おれ自身もどんな逆境だって乗り越えていけた。そんなラフタリアを守ろうと思ったから俺はここにいる。あの時抱きしめてくれたから、ここに俺はいる。あいつを守れるなら、どんな悪魔や神にだって喜んで力を求めてきた俺がここにいる。なら俺が今求める事はたった一つじゃないか。

 

 

 

 

 

 

  俺は盾の勇者らしく、あいつらを盾で守りきってみせる。

 

 

 

 

 




後半、シュタインズゲートというアニメに感化されたところができちゃいました…。
他のネタを入れるとはいったものの、これは…。
ここまで読んでくださった方、お目汚し失礼しました。
六月中旬くらいからたぶん投稿ペース速めになるかと思います。
ではまた!
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