四聖勇者の仮想現実   作:ブリキの玩具

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今回は、四聖のうちの一人の感情について書かせて頂きます。
一番書きやすかった人を書きました。


8話 あのせかいにおいてきたもの

目が覚めた俺はラフタリア達と一緒に話し合い、次の目的を決めた。

2つ離れた町に行く。

これが俺たちの目標だった。

なぜ1つ離れた町ではなく、2つ離れた町なのかというと、1つ離れた町に行ってもきっと同じ考えのアバターが多く、狩場が少ないだろう。という結論に至ったからだ。

 

城門から出た俺たちは2つ離れた町に向かい始めた。

道中で、ここらでよく【Boar】に遭遇したので、戦いを始めた。

「はぁッ!」

アトラと練が斬りかかり、ボアの体力を半分ほど削る。

しかし、ボアの反撃に元々減っていた体力を削られて、黄色のゲージになる。

おいおい、あと一撃倉ったら結構不味いんじゃないか、あれ!

「チッ!」

俺は無意識にアトラ達の方に駆け出していた。しかし、

「止めですぞ!」

そこに元康が入り、槍で脳天を突き刺した。俺が行かなくても良かったみたいだ。

無事戦闘が終わったと思った時、後方からドッ、ドッと地面を力強く蹴りながら走る音が聞こえた。

俺の方を見てない?あいつが狙ってるのは…!

ボアの視線の先を見て、俺は焦りを覚えた。

「いやー、あの世界と勝手が違うから困る。うまく体が動かん。」

「そうですね。」

そいつの視線の先には先程の戦闘で消耗した練とアトラがいたからだ。しかもあいつら、剣を鞘にしまってやがる。

あいつらは話しているので気づくのには、少し時間がかかるだろう。そしたら迎撃が間に合わず、最低死ぬことも____!

俺はまた走り出していた。

しかし、俺の左側を灰色のなにかが飛んで行った。

後ろを見るとボアは【スタン】していた。

そのスタンしたボアめがけて、いくつものものが飛んで行った。

今度はしっかりと物の正体を確認した。そして、飛ばしている人物もだ。

飛んで行った物体は石、小型のナイフのようだった。

そしてそれを飛ばしているのは、ここから50m、ボアから60m離れたところにいる樹だった。

ボアは小型のナイフや石により倒された。

俺は樹のところまで走った。

 

「おい。さっきのはなんだ。」

「ああ、鮭さん。あれは投擲道具ですよ。」

投擲道具…か。リーシアが使っていたような物か。

「尚文さんは気付いてるかも知れませんが、実は僕、向こうの世界の自分に嫉妬したりしてるんです…。」

それはそうだろう。自分は愛してることを示せないのに、向こうは愛してることを示してるんだ。しかもそれで相手は満足だ。そうなれば嫉妬もするだろう。

「単にリーシアさんのことに限ったことじゃないんですよ。」

「リーシア以外にも理由があるのか。」

「はい。…この世界には弓がありません。射抜く楽しみがないんです。あの世界はすばしっこく動き回る小さな生物から、巨大な聖霊がいました。」

「動き回る生き物を射抜くのがとても楽しかったんです。どう動くか予測できない生物の行動を予測して、射抜く。これ以上の楽しみはありませんでした。巨大な聖霊を射抜くことも、勿論楽しかったです。」

「でも、この世界では動く光の集まりを射抜くだけです。射抜くわけでもありませんね。決まった動きをする映像を狙う。これ程楽なことはありませんよ。」

「楽なことは楽しいことじゃないんですよ。楽なだけなら作業ゲーをやります。でも、あの世界で生物を射抜いていたことが忘れられないんです。過去の娯楽に連綿としがみついて、愚か者ですよね。」

「昔の僕なら、『過去の栄光にすがって守るべきものを蔑ろにするなんて許せません!』とか言うんでしょうね。」

いつの間にか周りに皆が集まって来ていた。

そして、樹がふぅ、と一息吐いてから「ごめんなさい。先を目指しましょう。」と言った。

それに対し、俺はなにも言わなかった。言えなかった、の方が正しいか。

樹が望んだ物は俺は全部持っている。

あの世界の【栄光】も、俺を想ってくれる人も、俺が想う人も。

何も言えなかった俺は、黙って皆と歩き出した。




というわけで、樹さんのお話でした。
最初の方は尚文に盾で庇わせて、周りがどうしてまたそれを使ってんだ!的なこと言わせたかったんですが、流石に早すぎると思いまして、急遽、樹さんのお話に変えさせて頂きました。
なので文章がチグハグな気がします。もう少し構成練ってからやったほうがいい気がしてきましたが、ただでさえ遅筆なのにさらに遅くしてどうすんだ、と思うのでちょっと様子見です。
次の話ではいきなり次の町についてることにします。
それじゃ、さよならー。
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