偽装の笑顔〜Dual Personality〜   作:さとそん

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お待たせしましたー!さとそんです!
なかなか執筆時間がとれなくて遅くなってしまいました……。

それでは早速ですが本編どうぞお願いします!


バンド

 

 

 

「──ということがあったんだよ……」

「は、はぁ……」

 

ここは羽沢珈琲店。商店街の一角にあり、俺の行きつけの喫茶店である。

そしていま僕の向かいに座って愚痴を聞いている少女の名は羽沢つぐみ。ここ羽沢珈琲店の看板娘である。

 

「で、その奥沢さん?はどうしたの?」

 

「んー、弦巻こころに拉致られてるのを黒スーツの人に抱えあげられながら見てたよ?けどそれからは分からないな〜」

 

先程までの話を説明すると、バイト中に弦巻こころに発見されたため逃げたところ黒スーツの男達と弦巻こころに捕まって、俺は黒スーツに連れられ商店街の外へ。奥沢さんは弦巻こころに連れられ行方不明、とまぁこんな感じだ。

 

大事件である。これ絶対裁判起こせば勝てるよね?めんどくさいから起こさんけど。

 

一応その後バイトのオーナーさんに事情を説明すると今日は帰っていいと言われたため素直に応じて帰りに羽沢珈琲店に寄っている、といった感じで今に至る。

 

ついでにつぐちゃんとの関係も説明しておくとしよう。

 

──飲み友。以上。

 

というのはまぁ冗談で(あながち冗談ではないのだが)僕が中学校の頃に初めてここの喫茶店に寄った時に出会った数少ない友人の1人である。

 

本名は羽沢つぐみ。先述した通り、ここ羽沢珈琲店の看板娘である。

普段は羽丘女子学園に通っており、幼馴染み4人と「Afterglow」というバンドを組みキーボードを担当している。

とても健気な女の子でこの娘を見ているとなぜか少し元気が出てくる、そんな子だ。

だから……まぁ、つぐちゃんと過ごす時間は結構落ち着くのだ。

 

 

「……っと、もうこんな時間か。そろそろ帰るよ、これ代金ね」

気がつくと話し込んでいて──まぁほとんどが僕の愚痴なんだけど──すっかり辺りには夕焼け空が広がっていた。

 

「あっ、そうだね!私もそろそろ勉強しなくちゃ……、それじゃあ気をつけて帰ってねっ。」

代金を手渡し帰ろうとするとつぐちゃんが手を振って見送ってくれた。ほんっとにいい娘だよな〜……。

 

ところで本当に奥沢さんは大丈夫なんだろうか……?

 

 

 

───その頃

 

「待て待て、私はバンドのメンバーなんかじゃないっ!」

 

「じゃあクマ枠で採用っ!」

 

「いや、クマ枠ってなにっ!?おい、待て!弦巻こころーっ!……はぁ、行っちゃった。え、これどうすればいいの?」

 

 

 

 

 

 

~翌日~

 

「おはよ〜」

「よっす〜」

 

朝の教室に挨拶が飛び交う。かくいう俺もそんな挨拶をしている1人である。リア充(笑)を演じているからな。

 

よく話す人達に一声かけてから自分の席に向かうとその途中でグッタリとしている奥沢さんを発見した。

 

「おはよう奥沢さん、昨日あの後大丈夫だった?」

「あ、おはよ。うーん、大丈夫といえば大丈夫なんだろうけど大丈夫じゃない……かな」

 

「……というと?」

 

「まぁ簡単に言うと……バンドメンバーになりました。強制的に」

 

ま じ で か。

 

「というか奥沢さん、楽器できるの?」

「いや、それが私じゃなくてミッシェルがメンバーになったんだよ」

 

……はい?

 

「いや、ミッシェルって奥沢さんでしょ?」

 

そりゃそうだ。ミッシェルは所詮着ぐるみで中には人が入ってる。

そんなものは子供でも知ってるような常識であろう。

 

ただ知らなかった人のために教えておく。

 

──セントくんって中に人が入ってるんだぜ?

 

他にもうちっちー、チーバ君などその他もろもろ全ての着ぐるみにおいて中に人が入っている。

 

だから風とかで首から上が飛ばされて子供には見せてはいけないグロ映像がTwit〇erとかで流れるんだよな……。

南無阿弥陀仏。

 

「そうなんだけど、こころが「ミッシェルはミッシェルよ!」とか言い出して私の話を聞かなくてね……ははっ。まぁとりあえず後でバンドの件も断りに行くよ……」

 

そう言って奥沢さんは乾いた笑い声をあげる。うわ〜、僕が言うのもなんだけど相当病んでるな……。

 

「バイトの方はどうしたの?」

 

「あぁ、それは辞めることにしたよ。あのままじゃやっていけないだろうしね……」

 

うん……、なんというかその〜、仰る通りで。確かにあの状況のままバイトをやる勇気は僕にもないや。

 

それにしても弦巻こころ、なかなかの人生クラッシャーっぷりを見せるな……。僕の高校生活を明るく楽しいもの(笑)にした挙句、奥沢さんのバイトまで台無しにしたのな。

 

 

「あ!祥哉!ここにいたのねっ!」

 

「あ、人生クラっ……弦巻さん!なんか用事でもあったの?」

危ない危ない、口が滑るところだったよ。

 

「……半分滑ってたけどね」

奥沢さん、勝手に心を読まないで。

 

「私ね、バンドを始めることにしたのっ!だからそのお手伝いをしてくれないかしら?」

 

なるほど、その件だったか。

さっき奥沢さんが話していたことと同じか確認するために奥沢さんへアイコンタクトを送るとあちらも頷いている。

どうやらこのことだったらしい。

 

それにしてもバンドの手伝いかぁ……。

そうだなぁ〜

 

 

 

「めんどくさいから無理っ✩」

 

 

 

うん、断ろう。

 

 




これからの話ですが、夏にかけてまた忙しくなってくるのでなかなか執筆時間がとれず遅くなるかと思います。
それでもゆっくりお待ちいただけると嬉しいです!
よろしくお願いします!

それでは
大天使さん、S_nobleさん高評価ありがとうございます!
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