学園黙示録〜転生者はプロの傭兵   作:i-pod男

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今回は圭吾が重火器でちょい暴れます。今回も短めです、すいません。


計画変更

かなりの間眠っていたらしく、俺が目を覚ました頃には既に夜になっていた。静香はまだ寝ている。そりゃそうか。まあ出来る事つったら、静香を守って<奴ら>を可能な限りぶっ殺す事位しかないからなあ・・・・・・

 

起き上がると、俺は着替えてロッカーを開けた。そして絶句した。入れた覚えが無い物が入ってるんだから、そりゃそうだろ。しかも開けた瞬間中身が雪崩の様に零れ落ちてきたし。それに、厳重に鍵をかけていた筈なのに物が入っている。荒らされた形跡も、鍵を壊した痕跡も無いのに。とりあえず整理して行くと、入っていた物は回転式グレネードランチャー、通称ダネルMGL、更にはマグプル・インダストリーズが作ったサブマシンガンFMG9だった。残りは全て四十ミリグレネード弾頭やマガジン、そして弾薬だった。

 

「まあ、広域殲滅は楽になるな。」

 

とりあえず弾は籠めておいて使える様にしておこう。

 

「・・・・ってどうするつもりだ?」

 

「決まってんだろ!あれを放って置けるか!」

 

「うるせーぞ。何の騒ぎだ。」

 

ベランダ付近で言い争ってる。この声は・・・・コータ、と孝、後は冴子か。お、コータは見張りか。感心感心。流石は軍オタ、踏査もしっかりやってやがる。って冴子は何つーカッコしてんだ、AV女優じゃあるまいし、裸エプロンて。まあ、罰ゲームで一度は誰かさんにやらせた事はあるからな。

 

「滝沢さんも何か言って下さいよ!この状況見て何とも思わないんですか?!」

 

「おい、俺が朝に言った事、もう忘れたのか?」

 

俺は孝を顰めっ面で見る。まあ、助けたいと言うのは分からなくもないが・・・・

 

「俺達は地球上の生存者全員を救う事なんて出来やしない。助けたいと思うのは悪くないさ、それが普通だ。だが、まずは俺達が生き残らなきゃならない。」

 

「けど」

 

「お前、自分が殺される一歩手前で、他人の心配なんか出来るのか?」

 

尚も食い下がる孝にシースに収まったままのナイフを向けて聞いた。

 

「それに、銃声は響くし、灯りや俺達の姿も人を寄せ付ける。いざとなれば俺が対処するが、所詮俺も一人の人間、全員を相手には出来ねえ。早いとここの世界に馴れろ。秩序なんて物は既に消えた。コータ、俺達がいる、ここは何だ?」

 

「和平交渉も、降伏も無い、戦場です。」

 

「その通りだ。孝、お前はどうか知らないが、俺は和平交渉や降伏は嫌いなんだ。負けを認めるなんて男がする事じゃねえからな。さてと、俺は自分の武器の準備をしますかねー。冴子、服はもう乾いてるからいい加減着替えて来い。」

 

「分かりました。」

 

「ああ、ところで、他の奴らはまだ寝てるか?」

 

「今の所は。」

 

「そうか。分かった。あいつらの分の服も出しといてくれ。」

 

「滝沢さんは兎も角、毒島先輩は違う考えだと思ってました。」

 

未だにグダグダ言う孝。

 

「誤解はしないでくれ。私とて気分が良い物では無い。だが、滝沢さんが言った様に世界は変わってしまったのだ。最早男らしくあれば生き残れる様な時では無い。」

 

俺はロッカーからモスバーグのショットガンを取り出してシェルをチューブマガジンに押し込み、薬室に一発送り込んだ。もう一発をチューブに入れると、ストック、銃身、そしてスリングベルトに設けたシェルホルダーにもシェルをセットした。後はポーチに入れられるだけ入れて、セーフティーを掛ける。これでこっちの準備は良しと。

 

他の銃も同じ様に準備し、予備弾もすぐ取り出せる所に持てるだけ持った。リボルバーとローダーは左腰、ナイフ二本は左足、シグとマガジンは右腿、シェルポーチは右腰、マシンピストルは左脇、そしてショットガン。残った武器はまあ、車にでも積み込もう。頭の上にサングラスを乗っけると、静香を起こしに行った。いつも通りのやり方でな。

 

そんな時、束の間の日常を一気に打ち破る音がした。その音とは、銃声。ベランダからの一発の銃声だった。あの阿呆共が。

 


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