fate/Helden und gott   作:HORZON

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かなり時間が空きました、すいません。
今後見切り発車しないようにしよ。


2ndキャスター&M

聖杯戦争に必要なのは強いサーヴァントだ。

 

この言葉は、聖杯戦争の核心をついていると言えるだろう。

マスターとサーヴァントのタッグで多少は過程を変えられるかもしれないが、結果は同じだ。

例えば、近代に誕生した英霊、特に三騎士のクラスの英霊は時代が古くなればなるほど強い。

なぜなら、時代が古ければそれだけ神秘も強い上に、近代ほど生活において楽を出来なかったからだ。現代と同じような生活を送れたのは、一国を治めていた王様くらいだろう。

神秘が強い、と言うことはそれだけ魔術が身近にあったということだ。さらに、魔術が身近にある生活を送っていたのであれば、必然的に魔力、対魔力のランクも高くなる。

そう、時代でサーヴァントのスペックを図る一つの物差しの値が変わるのだ。

キャスターのクラス適性のあるサーヴァントに神代、古代の英霊が多いのもこれで説明が出来るだろう。

例え近代の英霊で、生前に魔術師をしていた者がキャスターのクラスのサーヴァントになったところで、神代の三騎士のサーヴァントには魔力の値ですら勝てない。キャスターは魔力以外の性能は低いからこそキャスターなのだ。

宝具で殴るキャスターもいるが、そのようなキャスターは例外だ。

つまり、サーヴァント召喚で触媒を使うなら、神代、古代の英霊を狙うのが常識だということ。

魔術師だって、聖杯戦争に命をかけている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

近代の英霊を呼び出すのは余程の物好きか、聖杯戦争に参加する気のなかった一般人が偶然呼び出したときだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして今回、近代のキャスターを呼び出したマスターは後者だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「母さん…父さん…答えろよ。

頼むから、答えてくれよぉ」

ドイツの森林に、一つの声が響く。

だが、その森の中は地獄だった。

いや、少なくともこの世界には「地獄」と呼ばれる場所は存在しないのだから、正確には「地獄と言うに相応わしい場所」と言うべきだろう。

そこには、白い金属の塊と炎と大小様々な肉片が至る所に散らかっていた。

生き物の息すらも感じられない、冷たい世界。

そんな時の止まった世界で、一つだけ、動いているものがあった。

アジア人のような顔立ちの、まだ少年と呼ぶに相応わしい人間。

彼の話している言葉は日本語だから、恐らく彼は日本人だろう。

円城 司。それが彼の名だ。

 

まずは、どうして彼がこんな場所にいるのか。それから説明しよう。

 

 

彼と彼の家族は、至って普通の家庭だった。

母は優しく、父は厳しく、彼を育てていた。

彼には家族にも言えない一つの秘密があったが、彼はそんなことをおくびにも出さず、すくすくと育った。

そして彼が16歳になった日、彼はそれまでの夢を一つ、両親に打ち明けた。

それは、ドイツ旅行に行くこと。

彼の家庭はお世話にも裕福とは言えなかったが、両親は彼の夢を叶えることにした。

これまで良い子でいてくれたことへの、小さな恩返しだ。

ドイツまでは飛行機で行くことになった。

 

楽しい旅行になるはずだった。

飛行機が落ちるまでは。

そう、飛行機が墜落したのだ。

この時の司は知る由もなかったが、この事件の犯人はある過激派組織が飛行機にロケット弾を撃ったということになっている。

”なっている”

 

つまり、真実は違うのだ。

司はこれから、それを知ることになる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふむ。まさか生存者がいたとはな」

声が響いた。

司は両親はもう死んだのだと思い、体を休めていたところだった。

だが司はその声に不穏な空気を感じ取り、立ち上がった。

「見るところ魔術の者ではないな」

司はようやく、その声の持ち主を判別した。

肩幅や体格から察するに、恐らく男だ。

だが、それ以上男を観察する事は出来なかった。

 

男の周りの空気が変わった。

 

男から発せられている雰囲気が悠長に観察することを許さない。

「ほう、俺の圧力を受けても腰を抜かさないか。大したものだ」

こいつは…ヤバイ。

俺の力でもなんとかできない。そうはっきりと分かる。

「そう恐れるな。すぐに楽になる」

俺はそんなに、ひどい顔をしていただろうか?

いや、「すぐに楽になる」なんて言葉、本当に言うんだな。

テレビの中だけかと思っていたが、そんな事はもう、どうでもいい。

どうせ俺は、もうすぐ、死ぬのだから。

コツ、コツ、と靴が床を叩く音が聞こえる。

人によってはこの音を”死神の足音”とでも言うんだろうが、意外と恐怖は無かった。

 

ああ、でも。

 

せめてもう少し、生きていたかったな。

 

もっといろんな世界を、見て見たかった。

男の顔が近くにある。

ああ、死ぬんだな。

ここで、俺の人生も終わり。

親が死んだのなら、たとえこの窮地を脱出出来たとしても、その後には普通の人生など歩むことさえできないだろう。

そう、運命を受け入れようとした。

 

だが、そんな事は聖杯が許さなかった。

 

突然司の右手の甲にタトゥーのような文様が浮かび上がったかと思えば、その文様が光り出した。

 

そう、この瞬間、ほぼ同時に二人の英霊が現界した。

一人は、召喚の呪文に答えて現界した、槍兵のサーヴァント。

もう一人は、人間の叫びに応じて召喚されたサーヴァント。

”死にたくない”という潜在意識下の叫びに。

 

ガン、という大きな音が響き、さっきまで俺の近くにあった男の顔が消えた。

「…」

そこにいたのは、黒い軍服を身に纏った男だった。

「サーヴァント、キャスター。召喚に応じた。何故かは知らないが、どうやら私と魔力のパスが繋がっている君が襲われていたので、助けさせてもらった。余計だったかね?」

 

は?何事?

そう、司は思っていた。

それもそうだ。司は魔術回路があり、魔術が使えるだけの一般人。

魔術の事は知っていても、聖杯戦争に関する知識など、全く無いと言っていい。

 

司は今思った疑問をキャスターと名乗った男に問い詰めようとしたが、先程姿が見えなくなっていた男がキャスターと名乗った男に話しかけるのが先だった。

「ぐ…貴様、マスターだったのか。まあいい、マスターであろうと、殺すのみ」

「貴方が何者かは知らないが、マスターに危害を加えようとする意志は確認した。なら、私は貴方を排除するだけだ」

「ふっ。サーヴァントは確かに脅威だが、貴様はキャスターなのだろう。なら、魔術師に勝ち目が無いわけではない」

「貴方は、サーヴァントを侮りすぎだ。確かに私は7つのクラスの中では一番弱いキャスターだが、それでも魔術師よりは強いのだよ」

 

そう言い、キャスターと名乗った男は俺の前に立つ。

まるで、俺を庇うかのように。

司は、すでに呆気にとられていた。

目の前で、理解不能な言葉が交わされている。

普通なら思考停止するだろうが、そんな愚かな事を司はしなかった。

 

どういうことかは全く分からないが、どうやら先ほど俺を殺そうとした男から助けてくれた人が彼だろう。

それに、多分”マスター”とやらは俺のことだ。

詳しい事は、とりあえず男から逃げてからだ。

そうと決まれば、やる事は一つだ。

 

「キャスター!」

「何事かね」

「俺がこいつから力で離れる間、こいつを足止めしていてくれ」

「出来るならそうしたいが、生憎私に単独行動スキルはないのでね。1個小隊ほど置いておこう」

 

キャスターと名乗った男はそう言うと、指を鳴らした。

すると、どこからか、人型の霊体が何体か、近くに出現した。

 

「君は私が運ぶとしよう。奴は彼らに任せておけば大丈夫だ」

 

すると、キャスターは俺の身体を抱き、走り出した。

かなり早い。少なくとも人間じゃないな、コイツは。

そんな事を思っていると、いきなり意識が途絶えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ここは、どこだ?

目の前には木で出来た平面があり、自分が倒れているのも木のベッドのようなところだ。

「ようやく目が覚めたか」

ここがどこか分からない俺に、唯一信頼できる言葉をかけたのは、例のキャスターという男だった。

「キャスター、一体何が起こっているんだ?」

「私を召喚しておきながら、私より聖杯戦争の知識がない?まさか君は、魔術師ではないのか?」

「魔術師?何、それ?」

この問いは当然と言えば当然だ。

司は魔術師ではない。

「はあ、どうやら君は儀式に迷い込んだ一般人のようだ」

「だからそうだって。アンタ達が言っている言葉の半分くらいは分からないぞ」

司の疑問にキャスターは答えず、独り言を続ける。

「君が私の正規のマスターではない、ということは分かった。だが、私と魔力のパスが繋がっている以上、君をマスターと認めざるを得ないな」

「だから、アンタ達が何言ってるか俺には分からないの」

こう司がはっきりと口にしたところで、ようやくキャスターは彼の疑問に答えた。

「君は強力な自己暗示を使えるだろう」

「ああ、そうだが、それがどうした?」

「それが魔術だ」

「は?ちょと待て。魔術、っていうのはよくファンタジーに出てくるアレだよな。実在なんてするわけが…」

「そう言い切れる証拠を、君は持っているのか?」

「いや、ないが…まさか、そんなことが…」

「君はまだ若いから言っておくが、確たる証拠がないなら、物事は否定できないぞ。確たる証拠がないのに他人にも否定させようとする行動は、単なる子供のワガママだ」

「う…分かったよ」

「ならよろしい。話に戻ろう。魔術が使える人間を魔術師、魔術使いと言われる。魔術と魔法は別の物だが、君にそれを言っても混乱するだけだろう。とにかく、その魔術師が私のような英雄を呼び出し、万能の万能機である聖杯の所有権を巡って殺し合う、それが聖杯戦争と呼ばれる儀式だ。聖杯は、何でも願いを叶える。無論、君の両親の命もだ」

「…」

司は一瞬言葉に詰まったが、直ぐに表情を改めた。

「だいたい分かったぞ。それで、アンタは何て名前の英雄なんだ?」

「はあ、君に言い忘れていたことだが、普通、真名は隠すものだぞ」

「でもそれなら、何て呼べばいいんだよ?英雄Aか?」

「そんなわけ無かろう。呼び出される英雄は、逸話などで持っている武器や、特徴が異なる。

剣士の英雄、セイバー

槍兵の英雄、ランサー

弓兵の英雄、アーチャー

騎乗兵の英雄、ライダー

暗殺者の英雄、アサシン

魔術師の英雄、キャスター

狂戦士の英雄、バーサーカー

この7種類に分けられる」

「なるほど。ってことはアンタは魔術師で、キャスターか」

「その通り。で、真名を隠す理由は、弱点を晒すことになるからだ」

「?真名がバレると何故弱点を晒すことになるんだ?」

顔に疑問符が大量に張り付いているように見える司に、キャスターはため息をついた。

「考えてみたまえ。例えば、ある英雄がいたとする。その英雄の名前を英雄Mとしよう。その英雄Mは、鏡が原因で死んだ。さて、もう分かるだろう」

「英雄Mは鏡が原因で死んだから、鏡を使えば殺せる?」

「よく出来ました。その通りだ。まあ、ここまで理解すれば、真名を隠す必要も無いだろう」

キャスターはそう言うと、来ている軍服の襟を直し、声のトーンを一段階低くした。

「サーヴァント、キャスター、真名はアドルフ・ヒトラー。聖杯を取りに行くぞ、マスター」

 

 

 

 

 

こうして、近代、戦争で世界にその名を知らしめた指揮官と、ただ一つの望みを持つマスターの、聖杯戦争が始まる。




はい、かなり長文?になっちゃいました。
いやー、8割書ききった所でテストとか…最悪だなあ。

さて、キャスターの真名はアドルフ・ヒトラーです!
うん、言わなくても分かる。

ドイツだと最強だね!


さて、スペックを。







[クラス]キャスター
[真名]アドルフ・ヒトラー
[属性]秩序・悪
[ステータス]筋力 D 敏捷 E
耐久 E 魔力 B+
幸運 B 宝具 A
[クラス別スキル]
陣地作成 D
道具作成 C
[固有スキル]
戦闘実行 A
カリスマ B
コレクター A
独裁者 A+
心眼(偽)C
憑依体質 A
(ここから先のスキルは憑依体質によって使用可能になっている)
論述 A+
千里眼A++


オリジナルスキル解説

独裁者…リーダーを通り越して、一種の偶像になり、信奉者がいたことで初めて付与されるスキル。
まあつまり、カリスマの強化版。

憑依体質…霊や幻霊など、人では無い者に憑依され、知識を得た者のみが付与されるスキル。逸話から、より多くのスキルが付与される。
スキルが多いってこと。
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