俺がグレアムおじさんに引き取られてはや2年たちます。
「ほらほらまだまだ行くよっ!!」
「ちょっ、アリアもう無理!!」
今年で6歳になるレザード・ウィンストン現在修行中DETH。
内容はいたって簡単でアリアが放つ誘導弾を延延と避け続けるだけ。
ロッテ?
今頃クロノで遊んでるかクロノをフルボッコにしてるよどうせ
《レド前方から来ます》
ラミアからの指示を聞きながらも前方から向かってくる誘導弾を上半身を捻る事で避け
《続いて左から》
「あいよっ!!」
左から来るのは一歩後退して避け
《後方から来ますよ》
「ホイッと」
後ろから来るのを右に飛んで避ける。
この訓練、地獄のような辛さだが効率はすこぶる良い。
ラミアとのコンビネーションと状況判断、体力強化と一石三鳥である。
魔法を使用せず最小限の動きで避け続けること間もなく30分。
最初は誘導弾の数も少なくスピードもゆっくりだったが時間経過に比例して数は増え、スピードも増加。
後半は殆ど無酸素運動に近い。
俺のライフが限りなく0になろうとした時
―ジリリリリイリリリッ!!―
漸く終了のアラームが鳴り響いた。
第3話 修行と勉強それとネタ作り
「つ、疲れた」
その場に座り込んで大きく息を吐く。
「お疲れ、レド」
そう言ってタオルとドリンクを手渡してくるリーゼアリア。
俺のお師匠様その一である。
「あんがとアリア」
タオルで汗を拭きつつドリンクに口をつける。
よく冷えたドリンクがのどを潤おしてく。
「それにしてもクロノもだけどレドも筋が良いわね」
「んあ?」
「今やってる訓練。日に日に誘導弾の数とスピード増えてるのに気づいてる?」
「そうなのラミア?」
《はい、最初の頃に比べて被弾率がかなり落ちています》
胸元の青い宝石が点滅しながら答える。
「ほんと筋が良いよレドは資質も悪くないし、いっそのこと本気で武装隊とか目指してみる?」
「う~ん、とりあえずはデバイスマスター資格取るのが最優先かな?平行してトレーニングは続けるけど」
うん、とりあえずはこれが最優先。
その後のことを考えるのは後だ。
ちなみに俺の魔力資質だが上の下らしく最終的にはAAA位までは行くのではないかと言う話だ。
ミッド式の魔法には適性が低いため近代ベルカ式が俺の魔法スタイルとなる。
「それならデバイスマスイターの勉強一本に絞ったほうが効率はよくないかな?」
「それもそうなんだけど。ラミアとかヴァイサーガ折角なら使いこなせるようになりたいし。俺は自身のデバイスすら使いこなせずに何がデバイスマイスターかって考えてるし?」
デバイスマイスターとは名の通りデバイスを習得するものだが俺の目指すものは強いて言ううならデバイス【マスター】つまりはデバイスを習得、極めるものである。
デバイスを作るだけでは極めたとは言えず作り出したデバイスを使いこなしてこそ極めたといえる。
それが俺の目指す【デバイスマスター】である。
そのためには日々の鍛錬と勉強が大事なのだよ。
「欲張りね」
「そうだよ、俺は欲張りなの。やりたい事が一杯あるから大変だ」
苦笑いのアリアに苦笑いで返す。
「そう、それじゃ君のやりたいことのためにお姉さんが一肌脱いで上げる」
「よろしくお願いします」
「さぁ、次は私との模擬戦行くよ?」
「しゃあっお願いします。いくぞラミア!!バリアジャケット展開と同時にヴァイサーガスタンバイ」
《了解しました。バリアジャケット展開、ヴァイサーガスタンバイ》
ラミアの返事と同時に光が俺を包み込む。
俺のバリアジャケット…つまりは騎士甲冑は
エリが起ててある黒のインナーに、タイトな赤いラインが入った黒のズボン。
ジャケットは赤のジャケットで裾は短めで袖や裾に黒のライン。両腕とも長袖。
黒と赤の穴あきグローブ
そして足首まである赤い腰布に黒い編み上げのブーツ。
ラミアはそのままで変化無し。青いペンダント。
イメージとしてはどこぞの背徳の炎と弓兵を足して2で割った感じ。
騎士甲冑の展開が終わると目前に鞘に収められた片刃の剣が現れる。
それを鞘ごと掴んで腰に装着。
これが俺の戦闘体制だ。
ちなみにこのバリアジャケット、何種類か色のパターンがある。
今展開してるのが《赤と黒》のver2Pで他には《青と白》がver1P等など。
後、使用するデバイスによってBJは変更予定。
「相変わらず格好だけは一人前ね。その身長だと衣装負けするわよ?」
「ふん、後数年もすれば衣装に負けないくらいのイケメンになってるからいいんだよ」
そうだよ、あと10年もすれば衣装が似合う良い男になってるはずなんだ…
自意識過剰?
知らんわ、両親共に美形だから俺も美形になるの…なるったらなるの!!
「はいはい、ルールはいつも通り。時間制限30分以内に私に一撃入れるか、最後まで立ってるかよ?」
「一撃どころか倒してやる」
「カートリッジシステムの使用は禁止、OK?」
「了解」
カートリッジシステムの使用は絶賛禁止中だ。
今だ第一次成長期すら終えていない俺の体と安定化していないリンカーコアに掛かる負担が大き過ぎるためラミアとの会議の結果、15歳まで封印することとなった。
「それでは、はじめ!!」
アリアの合図と共にヴァイサーガを構えて俺は飛び出した…
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
「…知ってる天井だ。」
気がつけば、俺がいるのはグレアム亭の自室
つい先ほどまでアリアと模擬戦してたんだが何故に俺はベットでお休み中?why?
《目が覚めましたかレド?》
声の先にはサイドテーブルに置かれた我が相棒ことラミア
「なんで俺、ベットで寝てたのさ?アリアとの模擬戦は?」
《覚えてないのですか?アリアさんとの模擬戦は開始30秒でレドのTKO負けでしたよ?》
早っ
開始30秒とか一瞬じゃないかよ
確か、開始と同時にアリアの正面まで移動して“フラッシュ”による目潰し、“ソニックムーブ”で背後に回り込んでヴァイサーガで斬りかかろうとしたところで……あれ?
そこから先の記憶がポッカリありませんよ?
「もしかしてカウンター喰らってそのまま撃沈した?」
《はい、その通りです。アリアさん曰く予想外の攻撃でしたので思わず本気で攻撃してしまったとのことです》
「“フラッシュ”見せるのは初めてだったからなぁ、とはいえアリアに本気を出させたんなら十分使えるね」
“フラッシュ”とはその名の通り閃光を発するオリジナル魔法
因みに発案は俺、術式作成はラミアだ。
魔力スフィアを形成しそのまま炸裂させるといういたって単純な術式だが発動も早く、魔力消費量も低いので使い勝手は上々
難点は攻撃力が皆無であるため目くらまし程度にしか使えないことだがそもそも攻撃用の魔法として開発してないので問題はない
《はい、初見ならばほぼ確実に通用すると思われます。近接戦闘ならば非常に有効であるかと…》
「そういえば今日の修行は?」
《本日はこれで終了とのことです》
それは僥倖これで残りはデバイスマイスター資格の勉強とネタ作…じゃなくてデバイスの原案を考えられる。
「よし、それじゃこのままマイスター資格の勉強に入るか」
《了解しました。私はスリープモードに入りますので何かあればお呼びください》
そう言うとラミアは数回点滅した後静かになった
「さてと、始めますかね」
ベットから降り机に向かうとマイスター資格用の教材を開く
目標は2年以内のA級マイスター資格の取得だ。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
さて、なんだかんだで勉強も終え夕食を食しその後のネタづ…原案作り中です。
「やっぱり遠距離攻撃用のデバイスは必要だよなぁ…」
ネタ…じゃなくて原案ノートを広げつつ呟く。
《しかしレドの魔力適正では砲撃魔法習得は難しいですよ?》
ラミアの言うとおり俺の砲撃魔法の適性は限りなく低い、というより砲撃、射撃等の遠距離魔法の適性が低い。
近接>>移動>防御>>補助>>誘導制御型射撃>>>直射型射撃>>>>越えられない壁>>>>砲撃
というバリバリな近接タイプの魔導師である。
「となると、射撃魔法特化のデバイスかぁ…「レド、S2Uの整備を頼めるか?」ノックぐらいしようねクロノ」
ノックもせずにクロノが部屋に入ってくる。
一緒の家に住んでいるわけではないがリンディさんの仕事関係のため週に1回ほどのペースでクロノはグレアム亭にて泊っていく。
リンディさんも今は一時的に後方勤務へと回っているが仕事量が多いらしく稀にクロノはうちに預けられるというわけだ。
「別にいいけど、俺じゃなくて専門の人に頼んだ方がいいんじゃないの?」
クロノからデバイス【S2U】を受け取る
以前にS2Uを参考代わりに見せてもらって自己流でなんちゃって整備したらその後からこうやってちょくちょく頼まれるようになったわけだが…
いいのかなぁ俺まだマイスター資格取ってないんだけど
「レドの腕は信頼できるってアリアが言ってたから大丈夫だ!!」
「さよけ…」
そうやり取りをしながらS2Uを待機状態のままチェックする。
「ラミア、スキャン開始」
《了解》
ラミアのコアが数回点滅しS2Uのスキャンを開始する
これには10分ほど時間がかかるのでその間にクロノと雑談に入る
ふむ、どうせならこいつにアドバイスでも聞いてみるか子供の方が頭は柔らかいからな
「なぁ、なぁクロノ」
「何だレド?」
「遠くの敵を攻撃する武器って何かあるか?」
「ブレイズキャノンで攻撃する!!」
ノーシンキングで答えてくれた。
「それだと魔法だろ?俺が言ってるの剣とか槍とかの武器だ」
こいつ今の知力で執務官になれんかね?お兄さんは心配ですよ?
「剣や、槍を投げる!!」
数秒考えての回答
「よし、よし、もう少し考えてから答えろ。それだと投げた後に自分の武器が無くなるだろうが…まだ敵がいたらどうするのさ?」
「別の剣で戦う!!」
「……OK,OK。俺の訊き方が悪かった。自分の持ってる武器を投げないで相手に攻撃するにはどんな武器を使えばいい?」
これは俺の訊き方が悪いんだ…クロノがちょっぴり弱いわけではない
でも、この方法は在りだ魔力で作成した剣を分投げての攻撃は使えるし爆発とかするようにすれば遠距離でもある程度対応できるな。
「じゃあ弓だ!!」
しばらくうんうん唸っていたが名案が浮かんだとばかりに胸を張って答えてくれた。
「なるほど弓か……!?…ナイス案だクロノ。それ採用ね」
ちょうどいい原案があるじゃないか…近接をヴァイサーガにするなら遠距離はこいつしかない!
「よっしゃ、決まりだ!!」
手にペンを持ちスラスラとノートへと書き込んでいく
どうせならラミア繋がりであれも作ろう…オリジナル性には欠けるがこいつらなら使い方も把握できるしバランスも良い
「はっはぁー!!最高にハイってやつだぁ!!」
夜のグレアム亭に俺の奇声が響いた。
若干クロノが引いている気がするが知らん俺の溢れだすパッションは止まらないぜ!!
当然この後気持ちよく睡眠中だったアリアに怒られたのは言うまでもない。
夜9時に睡眠とかどんだけとか思ったら拳骨されました。
《レド、S2Uの解析終了しました》
アリアにプレゼントされたたんこぶに涙を浮かべていると電子音とともにラミアが解析の終了を教えてくれた
「サンキュ、こっちに回して」
《了解》
目の前に空間モニターが立ち上がりS2Uのデータが映し出される
「ん~特に大きな損傷はなさそうだな…これくらいなら自己修復モードで何とかなるなぁ…ただ、ところどころ魔力滓があるから一度近いうちにちゃんとしたオーバーホールやった方がいいかもな」
「じゃ、オーバーホールもやってくれ!!」
「いやいや、無理だから」
今の俺に出来るのは整備の真似事だけ、ましてや専用の機材すらないのにオーバーホールなんぞできません。
しかもS2Uはクライドさんの形見、やってみて失敗して壊しました何ぞシャレにならんわ。
「じゃあ、レドがデバイスマイスターになったら僕の専属マイスターになってくれ!!」
何とも気が早いことで…
「はん、執務官になってからスカウトしに来い。そしたらお前のデバイスの面倒見てやるよ」
そう言いながらS2Uをクロノに手渡す
「よし、約束だぞ!!僕が執務官になったら君には僕の補佐官をやってもらうからな!!」
俺がらS2Uを受け取りクロノは息巻いて部屋から出ていく
あるれぇ?なんでデバイスの整備やるって答えたのにあいつの補佐官やることになってんだ?
「まぁ、いいか。」
どうせ冗談だろうと思っていたがこのとき訂正しなかったことが後々俺を厄介なことに巻き込んで行くのはこの時の俺は知る由もなかった