ISを動かした幼馴染に巻き込まれる話   作:帝国過激団

10 / 13
ちょっと修正入れました。 後々の物語で矛盾が生じてしまいますので。


#9

 SHRの後、1-1はIS基礎理論学の授業を終わらせて休み時間に入っている。

 そして、教室内には異様な雰囲気が流れている。

 ちなみにだが、IS学園ではコマ限界まで授業をするために、入学式当日から普通に授業があった。 学校の案内はもう1日じゃ終わらないので地図を見ろとのことだ。

 そして、廊下には先輩方、当然女子が溢れかえっている。

 一夏と俺がISを動かした、というニュースは世界的に報道され、世界中のIS学園関係者… どころか、大体の国の言葉や文字を理解できる人物が知っていることだろう。

 

 そして俺はその雰囲気に耐えられなくなり、休み時間が始まって3分頃に席を立って一夏のところへ行く。

 

「よう、調子は?」

 

「良さそうに見えるか?」

 

 見るからにグデーンとした一夏が問い返してくる。

 

「ああ、最高に見えるよ。 コング少佐の最期ぐらいには元気に見える。」

 

「最高級のテンションだな。」

 

 信じられるか? あれ恐怖で叫んでんじゃなくて、喜びのあまり帽子振り回して叫んでるんだぜ?

 …と、分かりにくいネタを披露してみても緊張はほぼ薄れない。

 

「…ちょっといいか?」

 

 突然話しかけられる。

 女子の『あなた話しかけなさいよ。』と『ちょっとまさか抜け駆けする気じゃないでしょうね?』的な牽制の中、勝ち抜いた猛者がいたとは。

 そう思いながら振り向くと、昔の記憶に残る人物がいた。

 

「…箒?」

 

「箒ちゃんか。」

 

 篠ノ之箒、俺と一夏の共通の幼馴染であり、一夏が昔通っていた剣道道場の子だ。 ちなみに一夏にホの字。

 不機嫌そうな面と目つきをしているがそれは生まれつきだそうだ。

 俺が言えたことじゃないが。

 昔とある事情で引っ越したのだが、面影が残っていたのでわかった。

 

「久しぶりだな、鉄平。 … 一夏を借りてもいいか?」

 

「おう、連れてけ連れてけ。」

 

 一夏の背を押して箒ちゃんの方に行かせる。

 ちなみに俺が箒ちゃん、と読んでいるのは幼少時代の名残だ。

 変えろと言われたら変えることにしよう。

 

「廊下でいいか?」

 

「早くしろ。」

 

「お、おう。」

 

 箒ちゃんに促されて、その後をついていく一夏。

 スタスタと箒ちゃんが歩いて行くと、そこに集まっていた女子がざあっと道を開ける。

 春休み中の俺みたいだな、モーセ、っていう表現はもう使ったか。

 

「…あいつら、俺を敵地に残して行きやがった…」

 

 今更気づく、一夏達の方に流れていった先輩方もいるが、クラスの女子と結構な数の先輩方が遠巻きからこちらを見ている。

 取り敢えず机に戻るか…

 

 俺が机に戻ろうとすると、その周りにいた女子がサアッと散る。

 …いや、わかるよ? 別に物珍しさってのはわかるんだ。

 流石にその反応は傷つくからやめてくれ。

 

 そう口に出すかどうかを迷っていると、2時間目の開始を告げる予鈴が鳴った。

 周りの女子と、先輩方がワラワラと教室、または自分の机に帰って行った。

 ただその中で、一夏だけが席に着かない。

 

「とっとと席に着け、織斑。」

 

「…ご指導ありがとうございます、織斑先生。」

 

 ◇

 

「ーーであるからして、ISの基本的な運用は国家の認証が必要であり、枠内を逸脱したIS運用をした場合は、刑法によって罰せられーー」

 

 教卓に出て、板書を書きながら教科書を読み上げるのは山田先生だ。

 なかなかにわかりやすい授業だと思う。

 因みにここはIS学園に入学できた生徒ならば余裕で分かるところだ。

 板書は基本丸写し、先生の細かな発言までメモを取って後に整理用ノートに要点をまとめながら書き写す。

 なのでこのノートの字は自分で分かる最低限の物でいい。

 それにISの勉強は前々からしてある、問題はない。

 

 さて、問題はーー

 

「織斑くんはなにかわからないところがありますか?」

 

「あ、えっと…」

 

 明らかに挙動不審な一夏に気づき、山田先生が笑顔で声をかける。

 

「わからないところがあったら訊いてくださいね。 なにせ私は先生ですから。」

 

 そう言って、胸を張る山田先生。

 しかし山田先生、そいつをナメちゃいかん。

 

 一夏は暫くあたふたとした後、何かを決意したかのように前をむく。

 

「先生!」

 

「はい、織斑くん!」

 

「殆ど全部わかりません…」

 

 ーーやっぱりあの馬鹿(一夏)か!!

 

「え……、ぜ、全部、ですか…?」

 

 先生の顔が引きつる。

 多分あいつ、入学前に渡された参考書読んでないだろ。

 

「え、えっと… 織斑くんいがいでは今の段階でわからないって人はどれくらいいますか?」

 

 シン、と静まり返る教室。

 次に一夏が声を上げた。

 

「え!? 鉄平は大丈夫なのか!?」

 

「…当たり前だ。 俺の進路は元からIS関係だったし、不本意と言えど入学が決まれば勉強もするに決まってんだろうが。 こちとら私立校の特待受かっといてここ(IS学園)にぶち込まれたんだぞ? 全力で教科書とノートに八つ当たりしたわ。」

 

 因みに、一応IS学園の入試問題も受けた。

 点数は合格ギリギリのラインだったそうだ。

 ま、まあ、設計者とパイロットじゃ科目が結構違うからね? それに俺は高校から本格的に始めようと思ってたからね?(震え声)

 

「…織斑、入学前の参考書は読んだか?」

 

 教室の端で腕を組んで授業を見張っていた織斑先生が一夏に問う。

 

「古い電話帳と間違えて捨てました。」

 

 パアンッ!

 出席簿の音が響く。

 なんていうかもう… いっそ清々しいを通り越して更に一周回って清々しいわ。

 

「必読と書いてあっただろうが、馬鹿者。」

 

 何をどうやったら参考書を古い電話帳と間違えるのか…

 いや、確かに馬鹿みたいに厚かったがそれなりにきちんと解説してるいい参考書だったのに…

 

「後で再発行してやるから一週間以内に覚えろ。 いいな? 浅間も手伝ってやれ。」

 

「い、いや、あの分厚さを一週間はちょっと…」

 

「何を言っている、浅間はお前のせいで時間を潰されるのだぞ?」

 

「え? 俺が教えるの確定なんですか? 拒否権は?」

 

 織斑先生がこちらを見据える。

 その瞳には、その鋭い瞳には、果てしなく強い意志で『ない』と刻まれている。

 一夏の野郎… なんか奢らせる…

 

「あると思うか?」

 

ja(ヤー)…」

 

 軍隊だ、これはもう軍隊だ。

 というわけで、ドイツ語で返事をしてみた。

 織斑先生はひとつ頷き、口を開く。

 

「ISはその機動性、攻撃力、制圧力と過去の兵器を遥かに凌ぐ。 そう言った『兵器』を深く知らずに使えば必ず事故が起きる。 そうしないための基礎知識と訓練だ。 理解ができなくても覚えろ、そして守れ。 規則とはそういうものだ。」

 

 やはりここは軍隊で間違いないようだ。

 

 ◇

 

「ちょっと、よろしくて?」

 

「へ?」

 

「あ?」

 

 2時間目の休み時間、一夏に取り敢えずのISの知識を教えていた時に1人の女子が話しかけてきた。

 青い瞳に綺麗な金髪、肌の色も見ると白人か。

 金髪には僅かにロールがかかっていて、それが高貴な雰囲気を漂わせる。

 そして… 恐らくだが、こいつは女尊男卑的思考の持ち主だろう。

 

「ひっ…訊いてます? お返事は?」

 

「あ、ああ。 訊いてるけど… どういう用件だ?」

 

 おい待てお前今俺の顔見てたじろいだだろ。

 一応傷つくんだよ。

 

「まあ! なんですの、そのお返事。 私に話しかけられるだけでも光栄なのですから、それ相応の態度というものがあるんではないかしら? そ、それに貴方もなんですの? あの野蛮なお返事は。」

 

 しょうがないだろ、癖なんだよ。

 しかし… ここまで自信があるってことは、代表候補生かただの馬鹿か、その二択だろう。

 

「悪いな、俺、君が誰か知らないし。」

 

 取り敢えず俺は空気になっておこう。 いらないことして敵視されるよりかは頭のいい作戦だ。

 

「わたくしを知らない? このセシリア・オルコットを? イギリスの代表候補生にして、入試主席のこのわたくしを!?」

 

 正直知らない。 イギリスのISについては知ってるが代表候補生についてはそこまで有名ではない。

 そんでもって自己紹介の時にはこいつのとこに行く前に終わったし、入試の順位なんて張り出されない。

 しかし、主席は素直に凄いな。

 

「…なあ鉄平、代表候補生ってなんだ? そんなに偉いものなのか?」

 

 呆けた顔してこっちに質問を投げてくる一夏。

 こいつは…

 

「字面から想像できんだろうが、国家代表の候補生… 説明したらそのままになっちまうな… まあ、そんなところだ。」

 

「あ、貴方の方はそれなりの知識を持っていらっしゃるようですわね! しかし… 極東の島国というのはここまで未開の地なのかしら。 常識ですわよ、常識。 テレビがないのかしら…」

 

 常識を強調して、大げさな手の振りで話すオルコットさん。

 いや、まあ確かに普通知ってることだが…

 ってか俺に話しかけるたびに吃るのやめてくれます?

 

「悪いな、オルコットさん。 こいつ、頭はそこまで悪くないが昔から日常生活において決定的に何かが欠けてるんだ。」

 

「それは酷くないか!?」

 

「酷くねえよ、何度お前のせいでいらない喧嘩に巻き込まれたか…」

 

 馬鹿で愚直で、それでも正義感は人一倍とくる。

 それに昔からつるんでる俺もこいつに協力して、さらには後始末までやる羽目になって、親がいない俺を叱るために呼び出されたちーさんに拳骨をくらったりするのだ。

 こいつは俺の二倍近く拳骨を頂いているが。

 

「まあ、代表候補生自体はそこまで有名にはならないな。 国が自慢したいのはあくまで技術力で、パイロットについてはある程度の功績を立てないと国が大々的に宣伝することはねえな。 だがまあ、入試主席ってとこも見るとなかなかに優秀だと思うぞ。」

 

「へえ、そうなのか。」

 

 詳しく調べあげれば代表候補生のトップぐらいはわかるが、そこまで重視されるものではない。

 

「貴方は見る目があるようですわね。 そう、わたくしはエリートなのですわ!」

 

 ビシッと、一夏に対して人差し指を向ける。

 

「本来ならわたくしのような選ばれた人間とは、クラスを同じにすることだけでも奇跡… 幸運なのよ、その現実をもう少し理解していただける?」

 

「そうか、それはラッキーだ。」

 

 何でもないように答える一夏、おいおい… それは下手すりゃ煽りに取られるぞ?

 

「…馬鹿にしていますの?」

 

 ほらやっぱり、頼むから今回は俺を巻き込まないでくれ。

 

「大体、あなたISについて何も知らないくせに、よくこの学園に入れましたわね。 世界でたった2人のISを操縦できる男の1人と聞いていましたから、少しくらい知的さを感じさせるかと思っていましたけど、期待はずれですわね。」

 

「俺に何かを期待されても困るんだが…」

 

「ふん? まあでも? わたくしは優秀ですから、あなたのような人間にも優しくしてあげますわよ。」

 

 成る程、代表候補生は先ず、優しさについての教育を受けるのか。

『高飛車に、傲慢に、女尊男卑的に相手に接するのが優しさです』ってところか?

 

「ISのことでわからないことがあれば、まあ… 泣いて頼まれたら教えて差し上げてもよくってよ。 なにせわたくし、入試で唯一教官を倒したエリート中のエリートですから。」

 

 唯一、をものすごく強調して言う。

 因みに俺は入試の戦闘試験を受けていないのでわからない、ずっと織斑先生とアリーナで殴り合ってたんだよ仕方ないだろ。

 

「入試って、あれか? ISを動かして戦うってやつ?」

 

「それ以外に入試などありませんわ。」

 

「あれ? 俺も倒したぞ、教官。」

 

「は……?」

 

 鳩が豆鉄砲食らったような顔をするオルコットさん。

 まあ、その勝ちの内容も『相手が勝手に壁に突っ込んで機能停止』らしいが…

 

「わ、わたくしだけと聞きましたが?」

 

「女子ではってオチじゃないのか?」

 

「…そ、そう! あなたはどうですの!?」

 

 今度は俺に指を向けてくるオルコットさん。

 

「俺は先ずISの戦闘の入試を受けてねえな。 多分今持ってる専用機なら勝てるが… 初期化(フォーマット)最適化(フィッティング)も済んでない訓練機となると… わかんねえな。」

 

 言い切ったタイミングでチャイムが鳴る。

 

「ふ、ふふ。 まあ当たり前ですわね! また後で来ますわ! 逃げないことね、よくって!?」

 

 逃げると言ってもどこに逃げるのか、その疑問に答えてくれる人物はいるのだろうか?

 黙って席に着くとしよう。

 この授業は織斑先生の担当のようだ。 喋っていたら出席簿が降ってくる。

 

「それではこの時間は実践で使用する各種装備の特性について説明する。」

 

 教室の端を見ると、山田先生までノートを用意している。

 よっぽど重要な授業なのだろう、心して受けねば。

 

「ああ、その前に再来週行われるクラス対抗戦に出る代表者を決めないといけないな。」

 

 思い出したかのように織斑先生が言う。

 そういや試合中も言ってたな、まあその文字のままにとれば問題ない。

 

「クラス対抗戦とはそのままの意味だ。 対抗戦だけでなく、生徒会の開く会議や委員会への出席… まあ、クラス長だな。 ちなみにクラス対抗戦は入学時点での各クラスの実力推移を測るものだ。 今の時点で大した差はないが、競争は向上心を生む。 一度決めると一年間変更は出来ないのでそのつもりで。」

 

 織斑先生の言葉の後に、ちなみに委員会長の役職を持つ生徒はクラス代表者にはなれない、と付け加える。

 正直クラス代表者にはなりたくないな…

 教室が騒めきだし、1人の女子が挙手をする。

 

「はいっ。 織斑くんを推薦します。」

 

 勝った! あいつが最前列に対して俺は最後列の端、顔も明らかにあいつの方が良い。

 この状況で俺が選ばれる訳がない。

 

「私もそれが良いと思います!」

 

「じゃあ私は浅間くんを推薦します。」

 

 …幻聴ですか?

 

「はい、織斑先生。 俺への推薦を放棄します。」

 

「却下だ。 推薦の放棄は出来ん。 さて、他にはいないのか? 自薦他薦は問わないぞ?」

 

 要求をすぐさま却下され、話の流れを次に持っていく。

 あ、これちーさんが人に文句を言わせない時につかうやつや。

 

「お、俺!?」

 

 ガタッ、と立ち上がる一夏… え? 今更?

 

「織斑。 席につけ、邪魔だ。 さて、他にはいないのか? いないなら織斑と浅間への投票で代表を決定するぞ。」

 

 そうだ、まだ希望はある。

 一夏に過半数の票が行けば!

 

「ちょっ、ちょっと待った! 俺はそんなのやらなーー」

 

「自薦他薦は問わないと言った。 先程も言ったが他薦されたものに拒否権などない。 選ばれた以上は覚悟をしろ。」

 

 その覚悟は犠牲の心の方だと思うんですが、俺は暗闇の中に進むべき道を切り開く覚悟をしたいんですが。

 

「い、いやでもーー」

 

 諦めない一夏の声を、甲高い声が遮る。

 

「待ってください! 納得がいきませんわ!」

 

 オルコットさんか… やる気があるのだから彼女に任せて良いのでは無いだろうか?

 

「そのような選出は認められません! 大体、男がクラス代表だなんていい恥さらしですわ! わたくしに、このセシリア・オルコットにそのような屈辱を一年間味わえとおっしゃるのですか?」

 

 …前言撤回、あいつにやらせちゃだめだ。 人を仕切らせちゃいけないタイプの子だったわ。

 

「実力から行けばわたくしがクラス代表になるのは必然。 それを、物珍しいからという理由で極東の猿にされては困ります! わたくしはこの島国までISの修練に来ているのであって、サーカスをする気は毛頭ございませんわ!」

 

 おうオルコットさん、俺らの目の前にいる教師を見て見てくれ、あれは表情にはあまり出していないがちょっと腹が立ってるときの表情だ。

 

「いいですか!? クラス代表は実力トップがなるべき、そしてそれはわたくしですわ!」

 

 まあ確かに代表候補生である彼女がこのクラスではズバ抜けて強いのはわかっている。

 しかし、さっきの織斑先生の話を聞いていなかったのか? これになるべきは実力者よりも人望があるやつだと思うが…

 

「大体、文化としても後進的な国で暮らさなくてはいけないこと自体、わたくしにとっては耐え難い苦痛でーーー」

 

「イギリスだって大したお国自慢ないだろ。 世界一まずい料理で何年覇者だよ。」

 

 さすがにキレたのか、ギリギリ聞こえるレベルの声で一夏が言った。

 よし、良いぞ!

 

「なっ……!? あっ、あっ、あなたねえ! わたくしの祖国を侮辱しますの!?」

 

 そしてさらに切れるオルコットさん。

 あれ、これ喧嘩に発展しないよな? さすがにあの間に入って止めたくないんだけど…

 

「決闘ですわ!」

 

「おう、いいぜ。 四の五のいうよりわかりやすい。」

 

 俺はここで空気になっておけばとりあえず救われるだろう… クラス代表については2人で頑張ってくれ。

 

「言っておきますけど、わざと負けたりしたらわたくしの小間使い… いえ、奴隷にしますわよ。」

 

「侮るなよ。 真剣勝負で手を抜くほど腐っちゃいない。」

 

「ですが、まぁ… 何にせよちょうどいいですわ。 ハンデでもつけてあげましょうか? そちらの腑抜けさんもいることですし。」

 

 そして、俺を指し示すオルコットさん…

 畜生! ここで巻き込まれた!

 

「何か言ったらどうですの? それともわたくしが怖くて何も言えなーーー」

 

 -チッ-

 

 …やばいやばいやばいやばいやってしまった!

 正直俺も結構怒ってた、それのせいでつい舌打ちをしちまった!

 

「…じゃあ言わせてもらうがよ、腐れジョンブル女郎。 お前、何を思って国辱なんぞした?」

 

「な!? 誰が腐れジョンブーーー」

 

「質問に答えろよ。」

 

「くっ… わたくしは正しいことを言っただけですわ!」

 

「正しいこと… 正しいことねぇ… じゃあ聞くがよ、ISを開発した人物は誰で、どこの国の人物だ? ブリュンヒルデと呼ばれる最強のISパイロットはどこの誰だ?」

 

「……………」

 

 沈黙か。

 

「両方日本人、お前の言うところの極東の猿。 ならよ、極東の猿なんぞに先を越されたジョンブルの皆さんはどんだけ間抜けなんだろうな?」

 

「あ、あなたもわたくしの祖国を侮辱しますの!?」

 

「ん? すまないな、君の態度を見るに、イギリスの由緒正しき挨拶とは相手の国を侮辱することだと思ってな。 何てったって『イギリス代表候補生』殿のすることだ、間違いはなかろう? 違うのか? だったらよくお前が代表候補生になれたな… 選考員がおかしいのか? どうやらイギリス料理を食い過ぎると舌だけでなく脳みそまでイカレちまうようだ。」

 

「結構ですわ! あなたも、捻り潰してさしあげますわ!」

 

 もう… いいや、受けちまおう。

 

「上等だジョンブル。 知らねえのか? 喧嘩ってのはふっかけた方が負け何だぜ?」

 

「ふっ、来週までその余裕が続けばいいですわね! 首を洗って待ってらっしゃい!」

 

「そんならお前も、存分に覚悟するといい。」

 

「さて、話はまとまったな。 それでは勝負は一週間後の月曜。 放課後、第三アリーナで行う。 浅間と織斑とオルコットはそれぞれ用意をしておくように。 それでは授業を始める。」

 

 少しの沈黙を打ち破って、ちーさんが手を鳴らして話を締める。

 さて、今は授業に集中するか…

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。