ISを動かした幼馴染に巻き込まれる話   作:帝国過激団

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#3

 俺がISを動かしてしまった翌日。

 昨日と同じでネットサーフィンの後、身だしなみを整え家の外に出た俺は、大量のマスコミに囲まれていた。

 

「あっ! 出てきたぞ!!」

「カメラ回せカメラ!」

「浅間さん! 今のお気持ちは!?」

 

 お気持ち? 最悪に決まってんだろハゲ。

 そう言う前に扉をバタンと閉め、リビングに戻り学校に電話をかける。

 

『はい、もしもし。』

 

「すんません。 3-1の浅間ですが泉谷先生はいらっしゃいますか?」

 

『わかった。 すぐ変わるから待ってろ。』

 

 すぐに電話に応答があり、出たのは体育教諭の沢宮先生だった。

 担任である泉谷先生を出して欲しいと言ったら、ちょうど職員室にいたようですぐに変わってくれた。

 

『おう、変わったぞ浅間。 んで、どうしたんだ?』

 

「助けてください、家の外に大量のマスコミが居て出られません。」

 

『ちょっと待ってろ… うわっ。』

 

 しばしの沈黙の後、泉谷先生が声を上げる。

 何を見ているのだろうか?

 

『テレビつけてみろ、ニュースなら何でも構わん。』

 

 そう言われて、テレビをつけてみると…

 

「ふぁ!? 俺の家ですやん! え? 何あいつら傍迷惑なことしてくれてんの!?」

 

 映っているのは俺の家と、大量のマスコミであった。

 うん、問題を起こした政治家の気分。

 

『全国のお茶の間に生放送されているらしい… ひとまず警察を呼んで追っ払って貰え。 特例ってことで遅刻にはカウントしない。』

 

「ありがとうございます!」

 

 先生に礼を言い、電話を切る。

 つぎに110と電話機に打ち込み、警察に電話を掛ける。

 

『はい、こちら横浜警察。 事故ですか? 事件ですか?』

 

「事件です! 家が大量のマスコミに囲まれてるんです! 助けてください、住所は---」

 

 ♧♣︎♧

 

 住所を伝えると、程なくして二台のパトカーがやってきて、中から出てきた男性の警官がマスコミを散らした。

 本当マジありがとうございます。

 

「大変だったね。 学校まで送ろうか?」

 

 遠慮しようかと思ったが、マスコミがまだそこら中に溜まっている可能性がある。

 確かに、このまま1人で行ってはまた捕まるだろう。

 

「よ、良ければお願いします。」

 

「うん、じゃあ乗って。」

 

 若い警察官の人は笑顔で、パトカーのドアを開けてくれた。

 うん、なんかこう… パトカーの後部座席に乗るのって複雑だね。

 前に職業体験で乗ったことはあるけどさ。

 数分ほどパトカーに乗っていたら、俺の通っている学校の前に着いた。

 降りようとするとドアが開かなかったが、若い警察官の人が外から開けてくれた。

 

「災難だったねぇ。 きみ、2人目の男性IS操縦者の子でしょ?

 

「あ、はい。 そうです。」

 

「ふふ、じゃあ頑張って、女尊男卑をちょっとでも弱めてくれ。 じゃあ。」

 

 敬礼をする警察官の人に感謝の言葉とともに深く礼をして、回れ右して校門をくぐる。

 やばい、もう遅刻だ。

 出来るだけ急いで階段を上り、教室の扉を開ける。

 

「おはよう… ございます…」

 

 教室では、1時間目の学活が始まっていて、球技大会のチーム分けなどを話し合っていた。

 泉谷先生から話は聞いていたようで、俺に同情するような目を向けている奴が多い。

 

「よ、鉄平。 大変だったな。」

 

 相応が俺の肩に手を置いて言う。

 

「ああ、本当もう大変だ。 日本のマスコミは腐ってやがる! そして警察官万歳!」

 

 ☆♣︎☆

 

 受験後の授業である、レクや校内清掃や卒業式練習を終えた俺は、軽い鞄を背負って、一夏と談笑しながら校門に向けて歩いていた。

 

「ん? あの車はちーさんのじゃねえか?」

 

 校門の前の道路に、昨日も乗ったちーさんの車があった。

 その運転席の窓からはちーさんが顔を覗かせている。

 

「来たか鉄平、一夏。 ちょっと来い。」

 

 ちーさんに呼ばれて、一夏と共に車のそばに行く。

 

「鉄平、お前しばらくはうちで暮らせ。」

 

「へ?」

 

 素っ頓狂な声を上げた後、考える。

 ああ、なるほど。 一夏は特に問題なく登校できたって言ってたな。

 つまり、ブリュンヒルデたるちーさんのそばにいればマスコミも迂闊に手を出せないわけか。

 

「その通りだ。 さあ乗れ。」

 

 考えたことを伝えると、肯定と共に急かされた。

 一夏と共に車に乗り込む。

 

「ああ、一度、お前の家の前で止めるから荷物はその時に持っていく。」

 

「あ、はい。 わかりました。」

 

 ♤♣︎♤

 

「あー、必要なのは洋服と… 貯金箱と… パソコンと…」

 

 家の中にある生活必需品たちを思い浮かべて、回収していく。

 特にパソコンは大切、これがなきゃ死ぬ。

 そんな時に、押入れの戸を開けるちーさんが見えた。

 

「ちょっとちーさん何してるんですか!? ストップ、ストーップ!! 男子中学生の押入れはマジでやばいから!!」

 

「ほう、何がやばいというのだ? もしやいかがわしい本でも隠し持っているのか?」

 

 ニヤリと笑いながら問い掛けてくるちーさん。

 俺にちーさんを止めることなどできず、ついには奥の段ボールが見つかってしまった。

 

「ちょ、一夏! 早くこの人止めろ!」

 

「あははー、ちょっとそれは無理だな。」

 

 苦笑いをする一夏に助けを求めるが、応じてくれない。

 クソ! この世に神はいないのか!?

 

「ほう、こう言う趣味だったか…」

 

「ストーーーップ!!!」

 

 最終的に、いけない御本をちーさんに掘り起こされて、引越しの作業が進むのはかなり後になった…

 

 ♣︎♧♣︎

 

「うう… ひどいですよちーさん…」

 

 引越しの作業を終え、俺は今織斑家にいる。

 ここからしばらく、具体的には卒業式まではここで暮らすそうだ。

 織斑家よりも安全という理由で、卒業式が終わったらIS学園の寮に他の生徒よりも早く入れるらしい。

 

「昔から千冬姉はああいう人だから…」

 

「そうだったな、傍若無人で冷却非道。 それこそが織斑千ふ…」

 

 ここまで言ったところで、背後に凄まじい気配を感じた。

 ち、千冬さん。 IS学園に帰った筈じゃ!?

 

「残念だったなぁ… トリックだよ…」

 

 元ネタよりはるかに絶望的な台詞だ。

 ちょ、止めて。 背後に般若らしきものが見えるから。

 スタンドにでも目覚めたの? つまりそれが見える俺もスタンド使い?

 なるほど、スタンド使い同士は惹かれ合う運命に---

 

 -パァン!-

 

 ちーさんの見事な張手が俺の頭部に決まる。

 そんじょそこらの芸人よりもはるかにいい音が鳴り響く。

 そして…

 

「いってぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」

 

 滅茶苦茶痛い。 そうだ、この人IS着てなくても世界一級だった。

 

 ♢♦︎♢

 

 早いもので、既に俺たち三年生は卒業式を迎えていた。

 在校生の作る花道を歩き、式の行われた体育館を出る。

 

 ザワザワと騒々しい他の生徒たちの中、この騒がしさも終わりかと思うと若干の寂しさを感じる。

 

「お前らはIS学園行きだろ? いいなぁ、ハーレム。」

 

 相応がそう呟くと、周りも騒ぎ出す。

 やっぱりもうこんな五月蝿いのはいらねぇ!!

 

「変われるもんなら変わりてえよ、俺、今日からIS学園行きだぜ?」

 

「じゃあ変わってくれよ!」

 

「無茶言うなハゲ。」

 

「ハゲてねーし!」

 

 馬鹿どもに別れを告げて、一夏と共に帰る。

 さて、今日から俺はIS学園の寮で暮らすわけだ。

 全くもって面倒臭い…

 

「それにしても… IS学園か…」

 

「ああ、本当に行きたくねえ。 なんで俺たちを女子校にぶち込むんだ…」

 

 ただ一つだけ、IS学園に行くに当たって楽しみなこともあるんだがな…

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