恋姫バサラ 蜀編 大陸に呼ばれし老鬼と御遣い   作:双龍

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とうとう2万UAを越えました、こんなにもたくさんの方に見ていただけてとても嬉しいですこれからもよろしくお願いいたします、それでは23話をお楽しみ下さい。


23話

華琳たちとの一時的な同盟で黄巾党の本体を叩く事になった一刀たちは黄巾党の本拠地から少し離れた林道で軍議を始めた。

 

「本拠地に居る黄巾党はざっと見積もって二万といったところだな」

「へえ、貴方は隠密だったのね、こちらも斥候に確認させたから兵数はまちがないわね」

 

華琳はかすがの隠密能力を高く評価した。

 

「二万?、やけに少ないな」

「あんたバカなの?、張角率いる本体がいないから私たちは今のうちに本拠地を落とそうとしてるの、そんなこともわからないの?」

 

一刀の言葉に華琳の軍師を勤める荀彧が辛辣な言葉を一刀に浴びせた。

 

「貴様!、ご主人様になんと無礼な言葉を」

「愛紗、いいから話を先に進めよう、荀彧君になら何か策があるんだろ?」

「あるに決まってるでしょ、ねえ隠密ならあの本拠地数ヶ所から同時に火をつける事も出来るでしょう?」

「ああ、簡単な事だ」

「ここに本拠地の見取り図があるわ、この砦数ヶ所から同時に火が出ればまとめる者のいない黄巾党たちは焦って砦から出てくるはず、そこを両軍で突撃すれば被害を最小限にして勝つことが出来るわ」

「劉備軍はこの策で良いの?」

 

華琳が朱里に目を向けると、今まで黙って考えていた朱里は顔をあげて頷いた。

 

「荀彧さんがそうするだろうと思いまして、さっきあの砦に食料を運ぶ荷台隊に扮して酒を多めに運ばせました」

 

朱里もまた、荀彧が火計をすると踏んで火種の酒を部下を黄巾党の荷台隊に扮して運ばせていた。

 

「やるわね貴女、華琳様いかがでしょうか」

 

荀彧は華琳の指示を仰ぐと席から立った。

 

「ならそれでいきましょう、これにて軍議を終える各軍準備が出来たら狼煙を上げろ、かすがは狼煙が上がったら火を着けろ」

 

両軍のメンバーは頷くと戦の準備を始めた。

 

「私の美しき剣よ気を付けていくのですよ」

「は、はい謙信様」

「かすがちゃん、気を付けてね」

「謙信様のお言葉だけで良かったのだ、お前に言われずとも気を付ける」

 

かすがはそう言い残すと謙信たちの前から消えた、両軍は戦の準備が整い両軍共に狼煙をあげかすがに合図を送った。

 

「よし、これで火計の準備はできた、狼煙も・・・上がったな、よし」

 

かすがは火種の全てに火を着けると謙信たちの元へ戻ろうとした。

 

「おやおや火計ですか?、この火を見ると思い出しますね、あの方との一時を、フフフ」

 

かすがが声のした方を振り向くと一人の男が二つの鎌を引きずりながら現れた。

 

「き、貴様は、明智!?」

 

現れたのは本能寺で信長を殺し豊臣軍に殺されたと思われていた、明智光秀だった。

 

「上杉のくの一ですか、クフフフ貴方は運がいい、私はこれを取りに来ただけ」

 

光秀の手を見ると何か書のような物を持っていた。

 

「それでは失礼します」

「お、おい待て明知!!」

 

光秀はそう言い残すと炎の中に消えた、かすがは光秀の事も気になったが、脱出が先と判断し砦から抜け出した。

 

かすがが脱出し一刀たちの元に戻る頃には本拠地の黄巾党は敗走し追撃の兵が出た後だった。

 

「お、かすがちゃん遅かったね~、今じっちゃんと謙信が鈴々連れて追撃に行ったよ」

「ああ、途中で邪魔が入ってな脱出が遅れた」

「邪魔?」

「ああ、お前たちが狼煙を上げたから火をつけたんだ、その時どこからともなく明智が現れた、そして奴は何かの書をあの砦から持ち去った」

 

慶次は自分の世界で信長を殺した後死んだとされた光秀が現れた事に驚きはしたがあの男はただでは死なないとも思ってもいた。

 

(まさか、生きてたとはね、この世界で何かしようとしてるのか?)

 

慶次が考えていると伝令の兵が追撃が終わり義弘たちが戻ってくると慶次たちに伝えた、そしてその日の夜皆が寝静まった頃野営地では戦国のものたちが集まっていた。

 

「明智か、アイツまでこの世界に来てるとはな、いよいよ面白くなってきたぜ」

「政宗様!、ご油断は」

「分かってるって、油断なんかしちゃいねぇ、しかしこのままだと魔王のオッサンまで出てきそうだな」

 

政宗がけらけら笑うと利家が神妙な面持ちでなにかを考えていた。

 

(信長様・・・いや、信長様は死んだんだ某がしっかりしなくてどうする)

 

「犬千代様、いかがなされました?」

「ん?い、いや何でもない」

 

利家の顔を見れば何を考えているかは松にもそして慶次にも分かった。

 

(利・・・無理もねぇ、利にとって魔王さんは)

 

利家は主君である信長の事を尊敬もしていたが逆に怖がってもいた、信長が死んでからは豊臣にも従わずに任されていた加賀の地を豊かにすることそして松や慶次を守ることだけを考えていた。

 

「犬千代様、松めはどこまでも犬千代様に付いていきまする」

 

松はそう言うと利家の手を自分の手で包み込んだ。

 

「松・・・」

 

(信長どん、あん男がまたこの世界に現れればまた、多くのわかもんが犠牲になる、それだけはさせん)

 

(毘沙門天の名に懸けて、この世界で好きにはさせません魔王よ)

 

各々の覚悟を胸に夜は更けていく。

 

 

 

 

 




あの変態まで恋姫の世界にやって来ました、4の皇のPVで光秀が変態の一言で片付けられたのはかなり笑いましたが、それではまた24話でお会いしましょう。

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