義弘は村を出ると馬を走らせた。
「しかしこの来鬼は村人達が言ったようにかなりの駿馬じゃな」
義弘が来鬼の走りを試していると前方に村人が言っていた山が見えてきた。
「ここが村人が言っとった賊の根城じゃな、すまんがここで待っとってくれんね」
義弘は来鬼を手近な木につないだ。
「さてこの洞窟の中から声がしよる奴等はこの中じゃなさて、まずは他に出口がないか探してみるかの」
義弘は中に入る前に他に出口がないか探した。
「ここだけのようじゃなじゃあ入るとすっかね」
義弘が洞窟の中に入ると奥から声が聞こえてきた。
「全く、さっきのじじいは何だったんだ?スゲー気迫だったぞ」
「でもお頭あの村を諦めるのは惜しいですぜ」
「誰が諦めるっつったあのジジイは旅の者だ、あいつがいなくなった後村の奴らを皆殺しにして金目の物を頂けばいいのよ」
賊たちはそう言うと高笑いをした。
「いつの世もこういうやつらの考えは変わらんな」
義弘は青嵐を強く握りしめ一歩一歩と賊たちの方に歩いて行った。
「ん?てめえはさっきのジジイこんなところまで追いかけてきたのか、だがさっきとは状況が違うぜ爺さん」
賊の頭は最初は驚いていたがすぐに笑いながら手を挙げた、すると100人近くの賊が義弘の前に現れた。
「どうだジジイこれでもさっきみたいな気迫が出せるか?あんたもこんなとこまで来なければまだ長生きできたのにな」
「わかっとらんの」
「あ?」
「おまはんらは何もわかっとらんといったのよ、おまはんらはただの餓鬼よ地獄の門の前で死体を貪るだけの餓鬼」
「わけわかんねぇこと言いやがって野郎どもさっさとこのジジイ殺してあの村に行くぞ」
賊の頭がそういうと全員が武器を構えた。
「今からおまはんらには鬼を見せてやる」
義弘は示現の構えをするとさっきとは比べ物にならないほどの殺気を賊たちに向かって放った。
「ぐ、かは⁉」
野盗たちはあまりの恐怖に呼吸ができなくなった。
「どうしたね?息もできんぐらいに恐ろしいとか、じゃがなおまはんらが襲った村の者たちはもっと怖い思いをしたんじゃ、餓鬼ども少しおいたがすぎたの、鬼の一刀しかとみんしゃい」
義弘は高く上げた青嵐を一気に振り下ろし、地面を割った、すると賊たちは全員剣の風圧だけで地面や壁にたたきつけられた。
「安心せい剣圧で吹き飛ばしただけじゃ」
義弘は振り下ろした青嵐を地面に突き刺し自家製の焼酎の入ったどぶろくを一気に飲んだ。
賊の頭が意識を失う前に見たのは紛れもない鬼の姿だった