桃香が麗羽たちを仲間にしていた頃南では孫策たちが袁術を倒し一つの勢力として名を挙げていた、そして麗羽たちを倒した華琳たちは北の国々をたいらげていた、そんなある日北の国境からボロボロになった兵士が桃香たちの元に現れた。
「ど、どうしたんですか!?」
「りゅ、劉備様ご報告申し上げます北方の国境に突如大軍団が現れ、関所を突破し、我が国に雪崩れ込んできております!」
「大軍団て何処の!?」
「桃香どん北方には今勢力は一つだけじゃ」
「あの子、曹操が動いたんだな」
「流石は覇王の名を持つ者、北方だけではたりませんか」
「謙信殿、そんな悠長な」
愛紗が謙信に言うと続いて軍師たちが言葉を続けた。
「曹操さんは覇王として大陸を統一して己の理想、天下統一を成すためでしょう」
「あの人が再び本腰を入れて動き出せば、大陸はまた再び戦乱の渦に巻き込まれるでしょう」
「朱里や雛里の言うとおりだ、それに覇王のところには独眼竜や槍の又左たちもいるしな、小生なら戦うなんて馬鹿なことはしないで逃げるね」
官兵衛の発言に愛紗は怒りに満ちた声をあげた。
「官兵衛殿、なら貴殿は戦わずして逃げろと申すのか」
「此方の軍神は馬鹿なのか?」
「何!!」
「おいお前さん」
「は、はい」
「敵の兵力はどのくらいだ?」
「およそ、ご、50万くらいです」
兵士の言葉に愛紗たちは驚きを隠せなかった。
「ご、50万!?」
「はい、地平線を埋め尽くすほどの人の波が、あっという間に関所を覆い尽くし、瞬く間に関所を破壊しました」
「分かったか軍神、対して此方の軍の規模は三万、義勇兵を募れば五万ぐらいにはなるだろうが、それも焼け石に水ってやつだ」
「愛紗、官兵衛殿の言うことは正しい」
「星・・・」
愛紗も兵力を聞いたときから分かっていた、兵法の基本は敵よりも多くの兵を準備する事だからである、だが愛紗は勇気を振り絞って言った。
「しかし、我が国の住民を守るため曹操軍を止めなくては・・・」
「確かに愛紗の言うことにも一理ある、でもまともにぶつかっても勝ち目はない、何か策を考えないと」
一刀がそう言うと全員がこの戦況をひっくり返せる策を考えていた、すると官兵衛はゆっくりと桃香たちの方に歩いてきた。
「おい桃香」
「は、はい」
「小生に策がある」
官兵衛の言葉にこの場にいる全員が驚いた。
「官兵衛さん策とはいったい何ですか」
「それはな一刀、小生が最初に言ったとおり逃げるのさ」
「な!?、貴殿はまだそんなことを」
「まあ待ちましょう愛紗殿暗の君にも考えがあっての事でしょう」
「軍神どんの言うとおりじゃ、待ちんしゃい愛紗どん」
「この戦いは誰が見ても勝てんなら逃げるしかないだろう」
「なら民たちは誰が守るのだ!!」
「曹操さ」
「!?」
「曹操軍の軍律は厳しいと有名だ、無益な殺生や略奪などといったことはないだろう、ただ兵がいては戦いになる兵たちさえ引き上げさせておけば戦にはならんはずだ、さあどうする桃香」
官兵衛が言うと今まで黙っていた桃香が口を開いた。
「逃げましょう」
「桃香様!?」
「私は勝ち目の無い戦いに住民の人たちを巻き込みたくないの、戦って勝てるなら私は私たちのやり方が正しいと信じて戦うこともできる、でも今回は違うでしょう?」
「これだけ先手先手を打たれていたら、五分の戦い持っていくことも出来ませんからね」
「それらを含めての逃げる作戦か・・・」
一刀がそう言って考えると、愛紗が手を震わせて悔しがりながら言った。
「でもそれでいいんでしょうか?折角この国を発展させてきたのに・・・」
「気持ちはわかるけど、俺たちがこの国に居ることの方がこの国の人たちには迷惑になる可能性が出てきたんだ、だったら再起を図るために逃げるっていう官兵衛さんの策は良い策だと思うよ」
「再起を図るための退場ですか」
「そういうこと」
「でも北には曹操、南には孫策が居て再起を図る場所なんてあるのかなぁ?」
鈴々の言葉にみんなが黙ると朱里が沈黙を破った。
「南西に向かったらどうでしょう」
「南西・・・荊州とかの方?」
「荊州の更に西に行くと蜀と言われる地方がありそこは劉焉さんという方が治めていましたが先頃継承問題がこじれて内戦が起きる兆候があります」
「その隙をついて入蜀するのがよろしいかと」
「でも気が進まないなぁ・・・」
「桃香どん内戦が起こればより多くの血が流れる雛里どんの考えなら流れる血は少ないじゃろう」
「それに太守の劉璋さんも評判が良くありません」
「例えば?」
「税が高く、人々の暮らしが困窮しているのにも関わらず貴族は豪勢な暮らしにうつつを抜かしているのだとか」
「なら攻めることに些かの躊躇も必要ありませんね」
謙信の言葉に攻めることを躊躇していた桃香が攻めることを決意して頷いた、そして一刀は兵を引き上げさせる伝令を出し関所等に備蓄してある食糧や資金などを住民に分け与えるように命令した、その姿を見て戦国から来たものたちは一刀の成長にを喜んでいた。
「なあなあ官兵衛」
「何だ鈴々」
「何で民に施すのだ?」
「関所に備蓄してあるものは攻め込まれて落とされた時に相手の物になっちまうが、住民に配っておけば覇王に徴収されないからだ」
「成る程~」
鈴々は納得するとニコッと笑った、桃香と朱里は城下の長老に事情を説明しに行き、かすがと小太郎は伝令に走り、ほかの将は自分の兵をまとめに向かった。
今回は話の導入で後1話挟んで戦闘すると思います、それではまた37話でお会いしましょう、感想、評価お待ちしています。