恋姫バサラ 蜀編 大陸に呼ばれし老鬼と御遣い   作:双龍

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いやー花粉症が酷くて困ってますよ、それでは42話をお楽しみ下さい。


42話

家康と黄忠は互いに対峙したまま膠着していた。

 

(徳川家康何ていう人、構えに全く隙がないわ)

(黄忠殿は弓の神曲張に匹敵すると謳われた弓の名手、迂闊には動けない、だが)

 

家康は膠着を破り黄忠に向かって走り出した、だが黄忠は家康の足を見て次に家康が足を踏む場所に矢を放った。

 

「うわっとと」

 

家康は間一髪のところで矢を避けた、だが体勢を崩し転んでしまったがすぐに体を起こした。

 

「流石は黄忠殿すさまじい弓の腕前だ」

「・・・・貴方本気で戦ってはいませんね?」

「ワシは元から戦いはそんなに好きじゃないし、それに貴女が悲しい目をしておられるから」

「私の目?」

「そう貴女は何か迷っているそんな目だ」

 

黄忠は少し驚いたような顔をするとフッと家康に向かって笑った。

 

「貴方は面白いかたです、ね!!」

 

黄忠はそう言うと家康に向かって突撃した、家康もそれに対抗すべく拳を構え、黄忠と家康は弓と拳でつばぜり合いをした、すると黄忠の方から家康につばぜり合いながら話かけてきた。

 

「家康さん貴方は悪い方には見えません、なのでお話ししますが私の娘が人質に捕られています」

「な、なんと娘さんが!?」

「ええ、娘を拐った男の名は後藤又兵衛という男です」

「ま、又兵衛!?(そういえば島津殿が又兵衛と会ったと仰っていたな)」

「知っておられるのですか?」

「昔同じ軍で働いていました、そうですか又兵衛が」

「ええ、要求は貴方たちと戦えということでした、劉備殿はこの益州にも噂が届いており、情に厚く民の事を考えるお方だと、本当ならその理想に手を貸したいと思っていた矢先に後藤が現れ娘を・・・」

「娘さんは何処に居られるのですか?」

「多分町の中だと思いますが」

「なら大丈夫、今ワシの仲間が町の方に潜入しているんです」

「な、何故潜入などを?」

「ワシのところの軍師が黄忠殿が一騎討ちを仕掛けたことに疑問をもちまして、その答は町の中にあるとふんで二人の潜入に長けた者を送り込んだのです、それにその二人は又兵衛よりも強い、そろそろ離れるとしましょう多分敵はワシ等の戦いを見ている、なるべく時間を稼ぎながら戦おう」

 

黄忠と家康は互いに頷いた、すると家康が黄忠の弓を叩いて少し飛ばして距離を空けた、時は少し遡り小太郎とかすがは女の子を守りながら又兵衛と戦おうとしていた。

 

「お姉さん・・・」

「大丈夫だ必ずお前を母の元に帰してやる」

「お母さんのところに?」

「ああ」

「分かった璃々もう泣かない」

「いい子だ、そこの影に隠れていろ」

 

璃々という女の子は涙を拭くと物影に隠れた。

 

「お前らさぁ何そのガキ匿ってんだぁ?」

「うるさい後藤!、貴様は貴様だけは生かしてはおかない」

「無理だねぇお前みたいな弱い奴じゃあ俺様には勝てないねぇ~」

 

するとかすがの前に小太郎が腕を組ながら立った。

 

「貴様何を」

「こいつの代わりをするってのかぁ~?、まあこんなカスよりか伝説と謳われたあんたの方が殺りがいがあるだろうなぁ~」

「何だと!!」

 

かすがは挑発に乗ろうとしたが小太郎が無言でそれを邪魔した、そして小太郎は手で璃々の隠れている物影を指差した。

 

「ここは任せろと言うのか?」

 

小太郎はかすがの問いに黙って首を縦に振った。

 

「分かった、ぬかるなよ」

 

かすがはそう言い残すと璃々が隠れているところまで下がった、そして小太郎は武器の対刀衝を構え又兵衛と相対した。

 

「退けよ~伝説の忍、お前はお呼びじゃないんだよ!!」

 

又兵衛は執行刃を軸にして回転し土煙を起こして姿を隠した、だが小太郎は動じることなく構えを崩すことはなかった、すると土煙の中から又兵衛の声が聞こえた。

 

「まあこんなことで動揺なんかしないよなぁ~、だがこれならどうだー!!」

 

土煙が晴れると小太郎の周りを鉄でできた檻が囲んでいて、すると檻の柱の上に又兵衛が立っていた。

 

「どうだしのび~、これが逆上遊下の牢獄だぁ~」

 

又兵衛は自分も檻の中に入り小太郎に向かって執行刃で横凪ぎを当てようとした、すると小太郎は執行刃が当たるすれすれにジャンプで躱し上から又兵衛の背中を両足で踏みつけた。

 

「ぐぎゃ!?、てめぇ~」

 

踏みつけられた又兵衛は小太郎を跳ね除けようとした、だが突然小太郎の重みがなくなり又兵衛は起き上がって周りを見渡したが小太郎が見当たらなかった。

 

「クソ、あの野郎何処に・・・」

 

又兵衛が言い終わる前に又兵衛の周りには手裏剣が飛び交っていた。

 

「あ、やべ、ぎゃああああ」

 

小太郎は自分の体を無数の手裏剣に変えて又兵衛を斬り刻んだ、そして檻が壊れ血まみれになって倒れた又兵衛を背に対刀を回転させて鞘に戻し腕を組んだ小太郎が立っていた、誰もが小太郎が勝ったと思ったそのとき又兵衛が目を真っ赤にしてゆらゆらと立ち上がった。

 

「ケケケ、ケケケケケケケケケ殺す殺す殺す殺す、ぶち殺す!!」

 

又兵衛は執行刃を背を向けた小太郎に向かって投げた、すると小太郎は執行刃を躱して又兵衛に攻撃しようとしたその時又兵衛はニヤリと笑っていた。

 

「お前も上杉と同じ間違えをし~た~な~」

 

小太郎が攻撃をやめて後ろを見た、すると執行刃が璃々に向かって飛んでいた、そう最初から又兵衛は小太郎に当てる気など無く小太郎が躱すのを待っていたのだ、だが小太郎は執行刃を追いかけることはしなかった。

 

「これであのガキとくノ一もお~わ~り~だ~、!?」

 

執行刃が璃々に向かって飛んだがその刃は璃々に当たること無く空中で止まった。

 

「後藤、バカな奴だなお前は私の得意分野は糸だ、私と璃々の周りには見えない糸を張り巡らせてある」

「クソー!!」

 

あれだけバカにしていたかすがに自分の武器をとられて地団駄を踏んでいる又兵衛を見て、かすがはフッと笑った。

 

「それと後藤私に気をとられている場合じゃないと思うぞ」

「あん?」

 

又兵衛が前を向くと小太郎が対刀を構えて突進してきた、武器もなく体もボロボロな又兵衛にそれを躱すすべは無かった。

 

「ぎゃああああ」

 

小太郎は又兵衛の体を一閃して斬り裂いた、すると又兵衛の体はいつのまにか無くなっていた。

 

「なっ!?後藤何処だ、何処に消えた!!」

 

かすがと小太郎が気配を探すが又兵衛は何処にもいなかった、そしてかすがと小太郎は璃々を連れてその場を後にした、その頃家康と黄忠の戦いも限界にきていた、するといきなり城門の開く音が聞こえ、一番後ろの兵士が後ろを振り向くと腕を組む小太郎とかすがに手をひかれて歩いてくる璃々の姿が見えた。

 

「り、璃々様!?ご無事でしたか」

「うん、このお姉さんとお兄さんに助けてもらったの」

「そうでしたか、璃々様をお救いいただきありがとうございます」

「そんなことはいいから、早くこの子を母の元へ」

「は、はい璃々様こちらです」

 

かすがは早くこの戦いを終わらせようと兵士に璃々を預けた、すると兵士は璃々を抱き抱えて黄忠の元に向かった、戦場の中央では黄忠と家康の戦いが行われていた。

 

(くっ、このままでは)

(まだか、ワシも黄忠殿もそろそろ限界だ)

「お母さーん!!」

「「!?」」

 

一番前まで兵士が璃々を連れていくと戦場全体に聞こえるぐらいの大きな声で璃々が黄忠を呼び二人の手が止まった、そして黄忠が後ろを見ると璃々が元気よく手を振っていた、それを見て黄忠は涙を浮かべながら璃々の元に走って行き膝をついて璃々を力の限り抱きしめた。

 

「璃々璃々、良かったお母さんもう会えないかと・・・」

「痛いよお母さん」

「ごめんね、でもほんとに良かったわ」

 

黄忠が抱きしめた手を緩めると家康が歩いてきた。

 

「黄忠殿良かったな、娘さんが戻ってきて」

「はい、家康さんたちにはなんとお礼を言ったらいいか」

「礼はいらないさ、それよりこの戦いを終らせよう」

「そう、ですわね」

 

家康が膝をついている黄忠に手を伸ばすと黄忠もその手をつかんで立った、ここに二つの戦いの幕が閉じた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




次回は皆さんお待ちかねのあの人が戦場に立ちます、呉編は来週には投稿できると思うのでお待ち下さい、それではまた43話でお会いしましょう、感想、評価お待ちしています。
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