恋姫バサラ 蜀編 大陸に呼ばれし老鬼と御遣い   作:双龍

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皆さんお久しぶりです双龍でございます、この頃はからだの調子が悪く長らく停滞させてしまいました、しかし少しずつではありますが体調が戻ってきたのでゆっくりではありますが更新していきたいと思います、それでは57話をお楽しみ下さい。


57話

光に包まれ眩しさで目を閉じた義弘が目を開けるとそこは自分が居た薩摩の地だった。

 

「ここは薩摩か、夢じゃった言うんか・・・」

「夢ではありません」

「!?」

 

義弘が声のした後ろを振り向くとそこには、自分を異世界に送ったであろう少女が立っていた。

 

「島津さんこの前はご挨拶もせず失礼いたしました、私の名は管輅と申します」

「管輅・・・確か愛紗どんたちの世界においたちが来ることを予言したと言う」

「そうです、私はあの世界で左慈が暗躍していると聞き貴方たちを送ることを決めました、ちなみこの世界はあなた方が旅立った時から私の力を使い時間を止めておりました」

「何とそげな事が出来るとわ、おまはんは何者ね?」

「私は世界の管理者です、そして貴殿方が出会った左慈も」

「世界の管理者?」

「世界の管理者とは、貴方の世界そして貴方が行った世界や他の全ての世界を管理者している者たちのことです」

「一刀どんの世界もね?」

「はい」

「一刀どんと左慈の関係は?」

「左慈は以前彼に負けたのです、負けたと言っても別の世界の彼ですが」

「別の世界?」

「ええ、世界はこの世界だけではなく他にも星の数ほどの世界があります、例えば北郷一刀が魏の曹操に拾われたり、呉の孫策に拾われたりする世界もあります、左慈は北郷一刀が関羽に拾われた世界で彼に負けたのです、それで左慈は彼を恨んでいるようです」

「難しい話じゃな、でおまはんがおいの前に現れたのはどげん理由ね」

 

義弘が話の本題を聞くと管輅は義弘に深々と頭を下げた。

 

「お願いがあります、貴殿方にもう一度あの世界に戻っていただきたいのです」

「そもそもおいたちをあそこに送った訳はなんね?」

「左慈が自分の管理する世界でもないこの世界に現れ、信長の遺体を探しているのを私は突き止めました、そしてその信長を使い北郷一刀を殺そうと企んだ、そこで信長が復活したときのことも考え貴殿方を選んだ次第です」

「なるほど、それで戻って欲しいとはいかなる訳ね」

「はい、貴殿方がいなくなり左慈と魔王は猛威を振るっています、それだけではありません呉と魏の一部の武将たちを操り手駒としています」

「何と!?そげな事になっとるとね」

「今は蜀と呉と魏の残存勢力が集まり抵抗していますがそれもいつまでも持ちません、お願いですどうかあの世界を救ってください」

 

管輅は涙をこぼしながら義弘に懇願した、すると義弘は管輅の肩に優しく手を置いた。

 

「管輅どん顔を上げんしゃい、おいも魔王をあのままにしたことを悔いとる、おいに出来ることなら力になりもす」

「ありがとうございます、でしたら申し訳ありませんが一月後関ヶ原の地にお出でください、他の方々にもそこに集まっていただくようにお願いしますので」

「分かりもした」

 

管輅はそう言い残すと義弘の前から姿を消した、義弘はすぐさま城に帰り旅支度を整え次の朝城を出発した。

 

義弘が薩摩を出て一月後、義弘が無事に関ヶ原に着くとそこには伊達から政宗と小十郎、上杉からは謙信 かすが 慶次、武田からは信玄 幸村 佐助、前田からは利家 まつ、徳川からは家康 忠勝、豊臣からは三成 左近、浅井からは長政、長宗我部からは元親、総勢16人が集まっておりそこには管輅の姿も見えた。

 

「皆揃ったようだの?(宗茂どんや官兵衛どんがおらんな)」

 

皆が集まったのを確認すると管輅が話を始めるため皆の中心に立った。

 

「集まって下さった皆様には大変感謝しております、お気づきの方もいらっしゃるでしょうが向こうの世界ではいたのにこの世界に戻って来られてない、最上義光 北条氏政 風魔小太郎 お市 雜賀孫一 鶴姫 小早川秀秋 立花宗茂 黒田官兵衛、以下の方々はまだあの世界に残っておられます、あの貴殿方を戻したあの術式はとても強力なため範囲的にしか効果を発揮しませんでした、なのでその範囲外におられた方々は残されたのです」

「全軍集めなかったのが効をそうしたようじゃな」

 

管輅の話を聞いていた信玄がひっそりと義弘に耳打ちをした、義弘はこくりと頷くと管輅の話にまた耳を傾けた。

 

「ここに集まっていただいた方々は向こうの世界に行くことを了承していただきました、そして皆さんの懸念しているこの世界はまた私の力で時を止めさせていただきますのでご安心ください、向こうでは貴殿方がいなくなってから三ヶ月の時が経っています、そして貴殿方を送る場所は泰山という山の頂上です赤壁からは離れておりそこには私の仲間がいますので頼りにして下さい、それでは皆さん私を囲むように手を繋いでください」

「少し待ってもらおう」

 

管輅の言うとおり皆が手をつかもうとしたその時上から声が聞こえ、次の瞬間管輅の隣に一人の男が空から降りてきた、その人物こそ戦国の世の帝である足利義輝だった。

 

「管輅とやら、その異世界とやら予も連れていってもらおう」

「これは意外な男が現れたな」

「間に合ったみたいだな、実は俺が声をかけたんだ」

 

そう足利義輝に声をかけたのは彼の友でもある慶次だった、慶次は激戦を予想し実力もある友の義輝に頼み込んだのである、義輝も友からの頼みと二つ返事で了承したのであった。

 

「管輅どん、こん男は腕が立つ連れていって損はなか男ね、他の者も異論はなかね?」

 

すると他のメンバーも義輝の実力は充分に知っていたので全員が首を縦に振り了承した。

 

「分かりました、それでは義輝公よろしくお願いいたします」

「うむ」

「それでは皆さん先程言ったように輪になってください」

 

義弘たちは義輝も加えた17人で管輅を囲んで手を繋いだ、すると地面が急に光だした。

 

「また貴殿方に辛い役目を任せてしまいホントに申し訳ありません」

「そう気にすることはなか管輅どん、おいたちもあの世界には拾ってくれた恩がある、そん世界を魔王の好きにはさせん」

 

義弘の言葉に他のメンバー全員が頷いた、そして次の瞬間まばゆい光が全員を包んだ、すると瞬く間にその光が消えると関ヶ原には官路一人が残っていた。

 

「戦国の皆さんあの世界の存続は貴殿方と彼の少年にかかっています、どうか平和を導いてください」

 

管輅は空を見上げながらそう呟くと自身もその場から姿を消した。




あまり戻った後の話を長引かせたくなかったのでこの一話に収めました、次回からは恋姫の世界に戻ります、それではまた58話でお会いしましょう、感想、評価お待ちしています。

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