Metal Gear Fate/ Grand Order   作:daaaper

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プロローグ

 

 

 

 

 

時が過ぎれば時代は変わる

 

 

時代が変われば…………一体何が変わるだろうか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

戦争は変わった

 

世界は何もかもが情報化され、戦争経済という名の世界を回すための歯車に成り果てた。

 

理不尽を取り除くための発展途上国で起きる武装蜂起はいつの間にか先進国へ資本を捧げる“商品”となった

 

 

“商品”は管理されなければ単なるモノでしかない

 

“商品”を構成する物は人間で管理するのも人間だ

 

“商品”を売り利益を上げるにはコストパフォーマンスが重要なのは誰でも思いつく

 

それがたとえ命を貨幣として、賭け金として運用されるビジネスだとしても

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そう、戦争はビジネスとなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ロマンスという物語

 

・ある者達は王に忠誠を誓い、そして王と共に国が破滅していく

・ある者は人として生まれ、神に試練を与えられ勝手に失望されながらも、全ての困難を弾き貫き通した

・またある者は強く、優しく、そして忠義に厚く、その所為で忠誠を誓った者から疎まれ、殺された

 

それらの物語に登場する人物たちの騎士道や武勇伝・英雄譚に由来する精神的価値

 

彼らは熱狂的な恋と行為を魅せ、魅せられ、誰もが綺麗で、人々に美しいと語り継がれた物語を構成する

 

中には神という名の理不尽や、人の醜いモノが湧き出しいつの間にか憎悪にまみれた物語もある

 

だがそのどれもが例外なく戦場に立ち、そして読んだ人々の心を動かし感動させた

 

そして彼らは人々に英雄と称えれ、それぞれの物語の主人公となった

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし戦争は変わった

 

 

 

 

 

 

 

戦場には既に主人公という人々の心を動かし感動させる存在のしようは無く、英雄はいつか殺人者と成る時代

 

戦争は人々の心を満たすのではなく、資本主義社会を回す歯車の一部であり“商品”の一種

 

 

 

 

“戦場”は“市場”へと変わった

 

 

 

 

何もかもが情報化された社会

 

物語は文字に起こされ、本という形にパッケージされ書斎や図書館に並び管理される。

 

書斎を管理する人間は物語が読みたくなったら自身の記憶を元に書斎から本を取り出し物語を知る。

 

図書館なら、まず自動検索機の前に立ち読みたい本の名前を検索する

 

すると検索機は電子化された情報を管理しているサーバーにアクセスし何処に本があるかを利用者に示す

 

後は示された情報を元に本を探し出すだけで物語を知ることが出来る

 

読みたい本が無いとなれば検索機は立っている人間に本の予約を促す

 

その全てが高度に、複雑に繋がりあった電子による情報網でやり取りされ、借りた人物・借りられた本の名前を結びつけ誰が喜ぶかわからないビックデータとして管理される。

図書館でなくとも今はお金と電子による情報網に繋がりさえすれば本は手に入る。

 

この本を買った人物はこれも買う、あれも買う、ついでにこれが気になっている。

企業は勝手に蓄積されていくデータを元に誰かは知らない人間にこれ見よがしに商品を見せる。

そして嬉々として人々は両手を広げ広告に賛同する……片手はマウスかスマホを握ってるだろうが

 

 

 

 

 

 

その情報の流れとやり取りの対象が命に代わっただけだ

 

 

 

 

 

 

何もかもが情報化された社会

 

人々は名簿に起こされナノマシーンでパッケージングされ軍や民間軍事会社に搬入され管理される

 

軍を管理する人間は戦いたくなったら、又は戦う必要があれば命令を元に“軍人”を要望通り現地へ出荷する

 

だがこの方法はあまりにも高く付き、ほとんど採用される事は無くなった

 

代わりに軍人でも民間人でも無い

 

 

 

民間の軍事会社でパッケージングされた社員という“商品”が世界各地で生産され出荷され始めた

 

 

 

まず、民間軍事会社(PMC)はクライアントから仕事を受注する

 

するとPMCはナノマシーンによって管理された“商品”から、受注した仕事を分析し最適な“商品”を出荷する

 

 

 

「ええ、アフガニスタンですね、それならアフリカ系とヨーロッパ人はどうでしょう?

特にアフリカ系なら彼らに何の絡みもありませんから気にすることなく殺せますよ。

しかしそれだけでは不安でしょうからアパッチにLAVを3台ほど付けましょうか、それともハボックの方が好みですか?」

 

 

 

そんな具合に。

 

 

 

実際は莫大な過去のデータを管理しているサーバーから敵戦力と用意すべき戦力を予想するだけ

 

そして後は示された情報を元に適切な“商品”をピックアップし出荷するだけ

 

適切な“商品”が無ければクライアントが別のPMCに相談するだけ

 

その全てが高度に、複雑に繋がりあった電子による情報網でやり取りされ、クライアントと受注内容を結びつけ誰が喜ぶかわからないビックデータとして管理される。

 

この仕事内容ならこれだけの戦力で充分、この地域は〇〇人だからアフリカ系の“商品”を出荷すれば受注内容に支障が出ない、ついでにこの地域ではどうやらテロリストがいるらしい、なら彼らに銃を売ろう。

そんな勝手に蓄積し勝手に判断してくれる統計データを元に企業は動く貨幣をやり取りする

 

今の時代、相応の金と電子による情報網に繋がりさえすればその人の思い通りに出来る。

ふと、あの物語が読みたい、あの本が欲しいと思えば欲しいものを検索し〈カートに投入する〉を押すだけ。

後はプレミアム会員なら即日配送でその日のうちに届く、物によってはタダで読むことも出来る。

 

ふと、あの国を蹂躙したい、あの人を殺したいと思えばPMCのサイトを開き〈戦力を投入する〉を押すだけ。

後は追加料金を払えば即日対応でその日のうちに結果が届く、物によっては人々が歓喜に沸く。

 

 

〈カートに投入する〉ことも

 

 

〈戦力を投入する〉 ことも

 

 

同じ指でたったワンクリックで簡単に済ませる事の出来る世界

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

戦争は変わった

 

 

 

 

 

 

企業はより効率的な組織運用を求める存在

 

“商品”成り立たせる人間にはアップデートされたナノマシーンが注入され、精神や肉体を常にモニタリング

 

人件費を抑えるために労働力の安い国から大量に人々を採用し“消耗品”に仕立て上げる

 

そしてとにかく“商品”が消耗する仕事先に一番安い“消耗品”を出荷する

 

ひと月経ち、“消耗品”が劣化してきたら棚卸しの要領で“商品”を交換し新しい“消耗品”を出荷する

 

この時、決して劣化した“消耗品”は捨てない

 

戻ってきた“消耗品”をちゃんとメンテナンスし休暇を与えてやれば、何と一番安い“消耗品”から一級品の“商品”が生産されるからだ

 

もっとも、“消耗品”が現地で全て消耗した所で惜しくも何とも思わないが。

 

なら最初からそれなりの“商品”を仕立てあげれば良い

 

無料のFPSゲームはそれなりの子供たちが喜んでプレーしてくれる

 

画面に写し出される人間は敵を華麗に倒し、格好良くキメてくれる

 

12歳以上になった子供たちにはVRでFPSゲームをプレー出来る、もちろん無料で。

 

すると今まで画面に写し出されていた人間が隣にいる、格好良くキメている

 

 

 

そして何より・・・自分が格好良く、華麗に敵を倒している世界が広がる!

 

 

 

ひと昔前は画質によってゲームのクオリティは評価されていたがそれはあくまで昔の話

 

今の時代、VRによって現実とも区別がつかない品質の画像が360度に展開する事くらい家で出来る世界

 

敵を銃でヘッドショットし、ナイフで華麗に薙ぎ倒す

 

そんな風に遊べる世界

 

新しいナノマシーンを体に初めて投入し、居心地の悪い飛行機に揺られ飛ぶこと数時間

 

いつも通りに眼の前に敵がいる

 

いつも通り銃を相手も自分も持っている、ナイフもある

 

なら狙いを付けて引き金を引くだけ

 

 

 

いつも通り

 

 

 

スイカの様に弾け

 

 

 

目玉が飛び出て

 

 

 

敵の体が重力に抗うことなく崩れ落ちる

 

 

 

 

 

それが最初の殺人だとしても誰も気にしない、本人も何とも思わない

 

 

 

 

強いて言うなら少し生臭い

 

 

そう思うのもつかの間、すぐに新しい的が出てきたから今度はフルバーストで撃ち抜く

 

 

すると真横から駆け抜けて来た敵がいるのに気が付く

 

 

ナイフを抜き、振り向きざまに刃を相手の額に押し込みグリグリして刃を抜く

 

 

ヌチャヌチャと音を立てたのも一瞬、すぐに相手の邪魔な体を押して空になったマガジンを交換する

 

 

綺麗に敵を倒し、華麗にナイフで相手を倒した自分

 

 

そんな姿に酔いしれ、ゲームと同じ様にヘッドショットをきめて、撃ち抜き、ナイフを突き刺す

 

 

 

 

 

そこにはもう現実とゲームとの差はない世界

 

 

 

PMCがFPSゲームを無料で配布している世界

 

 

 

……そんな世界、それが当たり前になった時代

 

 

 

 

 

それが表の世界では起きていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな世界を変えようと、動いた者たちもいた

 

その者たちを阻もうと動いた者たちもいた

 

そしていつの間にかこんな世界を作っていた者たちは最後の蹴りをつけた

 

 

あらゆる物を、者を、モノを管理するシステムは破壊されかけたものの、結果は兵器を管理するシステムだけが破壊され、裏で世界を操っていたと言っても過言ではない存在は消されついに世界は平和への道を…………………………歩むことは無かった。

 

あまりにも経済を回す歯車の一部としては肥大していた戦争は、たかが全ての兵器を完全に掌握し管理していたシステムが壊れた程度では消えることは無かった。

民間軍事会社もいつの間にか立て直し、若干の規模縮小は有ったものの、さも当然に存在し続けた。

 

 

 

 

 

 

それでも…………………………………………それでも

 

 

 

 

 

 

それでも、世界はとりあえず生きていくには不便ではないと誰もが言える世界へと歩み始めていた。

アフリカの新興国はあまりにも疲弊しすぎた国内の実情に目を向けた。

裏で操っていた存在……もはやその名を知る人間は両手で数えるほども居ないが、その存在が消えたことによって世間は無意識下での情報操作は受けなくなり、より軍縮の声を上げた。

 

全てが情報、人も情報、命は本と何ら変わらないモノ

 

過去の偉人たちの逸話が、物語の主人公が、そんなモノが簡単に誰もが体験し体現出来る時代

 

だが世界は50年以上ものとある支配からようやく解放され、全く新しい世界へと歩み始める

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

と、思われていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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何か……いる?

 

 

 

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いや……違う

 

 

 

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俺は死んだはずだ

 

 

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後悔か……無いな

 

 

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そんな事を言われてもなぁ……過ちは認めるが、覆した所で俺が清々して何になる

 

 

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自己犠牲、か……そんな綺麗なもんじゃ無い、

と言うかだな……一体ここは何処だ、天国だとしたらあんたは神様かお偉いさんか?

 

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……随分と回りくどいが、要するに……ぁあ何だ……神様じゃ無いのか?

 

 

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いやっもう神で良いだろうソレは……ああわかった、とりあえず置いておこう、どうやら害は無さそうだしな

でだ、何で俺がそんな大層な場所に居る?

 

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・・・本当か?

 

 

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……まぁ連中が俺を良いように使っていたからか。

適当な伝記で俺を祭り上げてたが……確かにあいつらがわざわざ俺の伝記についてまでは消さないな。

しかし、そのお陰でこんなへんぴな場所にご招待された訳だ……面倒だな。

 

 

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世界の守護、英霊か……随分と立派なシステムが有ったもんだ

 

 

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そいつはお門違いだ。

聞く限りその英霊様は地球の危機に現れるんだろが、俺が関わっていたのはあくまで個人の危機だ。

それで核が発射されようとも所詮国や人類の自業自得って所だろう、俺が言うのも何だがな。

 

 

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ああ、だから恨んじゃいない。

むしろその提案を受け入れよう……まぁどうせ暇だ、それに俺を従える……マスターだったか?

それも自分で選べるって言うなら文句は無い、どの道文句は言えそうに無いしな。

 

 

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良いだろう別に、それが俺に害ある物ならさっさと逃げるが少なくとも面倒そうなだけみたいだ。

それにさっきも言ったがここから逃げるのも疲れそうだしな、良い鍛錬にはなるだろうが。

 

 

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ああそうだが……考えてみればあんたにまず迷惑がかかるか、そいつは悪かった。

だがここでは何をやっても良いんだろ?なら勝手に鍛錬でもしていよう、他の英霊って言うのも気になる。

 

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ああ了承した、別にここでの記憶が消えるだけで生きてた時の記憶までは消えないんだろ?

それなら別に文句は無い……まあ記憶までは消されれば文句も言えないんだろうが。

 

 

 

 

 

 

♦︎♢♦︎♢♦︎♢♦︎♢♦︎♢

 

 

 

 

 

 

2014年、世界は呪いにも等しい管理下から解放された。

 

解放された対象は全ての兵士たち

 

戦場に関わる人間であり人々

 

あまりにも多い管理対象、情報管制においては全人類が無意識のうちに管理下に置かれていた

 

その管理下から世界はあまり人々が認知していない間に解放された

 

それを管理していた人間はもはや人間では無かったのだろう

 

実際、管理していたのはある人物に魅せられ、その人の意思を、理想を叶えようとした人物を模倣したAI

 

 

 

 

 

だがそのAIが破壊される前

 

 

 

 

 

 

 

その情報管制によってある逸話が陽の目を見る事となった。

 

 

 

 

 

 

 

 

それはナスターシャ・ロマネンコの著書『シャドーモセス島の真実』を塗り潰す勢いで世間に広く知られ、崇拝された

 

簡単に誰もが逸話を体験し体現出来る時代に

 

誰もが諦め絶望する状況下での任務を果たした男として

 

核戦争の危機から幾度も世界を救った男として

 

そこまではシャドーモセス島を生還した男と共通している

 

 

だが彼は

 

特殊部隊の存在を確立し

 

接近戦における技法を構築し

 

ある種の国の長となった男

 

 

 

そして何より、自らが撒いた種とはいえ悪しき1つの時代に蹴りを付けた男

 

 

 

彼の歴史は誰もが共感し感銘する様に湾曲され、隠された部分も多い

 

だが誰もがその存在を知った時、崇拝にも近い形で彼を、その英雄を讃えた

 

彼が活動していた時、彼は伝説の傭兵として名を馳せていた

 

そして尾びれがついていたはずの噂を上回る実力とカリスマをも備えていた

 

しかし、彼は決して自分が英雄だとは思わないだろう

 

何せ生前から彼は「英雄は大したものじゃない、周りが勝手に騒いでるだけだ」と言い切っている

 

 

だが彼の知るよしもない場所では

 

 

もはや人では認知することの出来ないその場所では

 

 

彼を“英霊”と

 

 

“英霊”の座に座す者と認めていた

 

 

彼の真名を知るものは極々僅か

 

 

情報化され情報解禁がなされても人々が彼の真名を知ることは無かった

 

 

だが人々はその男を

 

 

一人の英雄として、

 

 

伝説の人物として呼んだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『BIG BOSS』と

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

♦︎♢♦︎♢♦︎♢♦︎♢♦︎♢

 

 

 

 

 

「……はぃ?先輩?」

 

「はい」

 

「……俺が?」

 

「はい」

 

「……えっと、とりあえずそれは置いといて……君の名は?」

 

「フォウ!」

 

「違うそうじゃない」

 

場所は変わり、

 

ここは人理継続保証機関カルデア。

場所は秘匿……とはなっているが、標高7000mだか8000mだかの高所にあり常に吹雪いている様な場所にあると言うのだけは断言できる場所。

そして、魔術と言う世間からすれば夢かフィクションの様なものを大真面目に利用している機関でもある。

 

 

魔術

 

 

それはまさに魔法……とは厳密には違う。

いや、実際は全く違う別のものだと既に定義されている、ただ単に存在が秘匿されていて世間には知られていないだけで実在し実現できる物なのだ。

魔術を扱う者達、魔術師は全ては根源へ至るために魔術を扱い、鍛錬し、探求する。

 

そもそも根源とは何か?

……はっきり言ってよく分からない、ただあらゆる者や物の全ての源・理を成すなにか。

文字に起こせばそんな物だろうか。

 

 

さて、そんなよく分からない物が人の一生のうちに見つかるだろうか?

 

 

答えは単純、否である。

だがそんな事で彼らは探求を止めない、その熱心さは狂気に等しい。

 

まず魔術師は根源へ至るための方法やアプローチを探す。

一生をかけて実行する。

そして子孫に根源へ至るために一生をかけてその探求を実行出来るよう教え、伝承し、探求させる。

 

……これを魔術師というのはひたすら繰り返している。

100年200年などまだまだ魔術師としての歴史は浅く、1000年以上も探求を続けている(させられている)一族も多い。

 

 

「えっと……まあ倒れてた所を助けてくれてありがとう」

 

「いえ、私はただ単に倒れてた先輩を介抱しただけですし、何より倒れている人がいて放っておくのはどうかと思ったので」

 

「あははは……聞いていて自分が情けない」

 

「フォウ!」

 

「……何、慰めてくれてるの?」

 

「フォ〜」

 

「おーここが良いのかここが」

 

「フォウさんがあんなにもあっさり懐いている……!」

 

多いのだ……が、この2人の少年少女は例外だ。

特にこの少年、白い毛むくじゃらのリスのようで、兎に似た長い耳を持ちケープを羽織っている四足歩行動物フォウを愛でている藤丸 立香(ふじまる りつか)は「ここの施設の人になんか熱心に誘われた」という随分と心配になる理由でここに連れてこられた“一般人”だ。

 

世間一般の常識と赤点を取らない程度の知力と運動能力を持つ……と言えばなんかカッコよさそうだが単純にこれと言って特筆することがまるでない、強いて言うなら秘匿するべき物とされる魔術を扱う機関に採用される理由があるくらいだろうか。

 

「で、サーヴァントがなんかスゴい事をした人達って言うのはわかるんだけど……結局何をするの?」

 

「……待って下さい先輩、まさか何をするのか本当に知らないんですか?」

 

「そうだけど」

 

「先ほど先輩が言ったのはてっきり気の利いたジョークかと」

 

「……倒れてた俺が言うのも何だけど、まず最初に自分の居場所を聞くことは変かな?」

 

訂正する、別に藤丸 立香は世間一般の常識程度は持ち合わせているが若干ズレている。

彼は彼女にこう聞いたのだ

 

 

 

「ここは・・・どこ?」と

 

 

 

「…………そんなことありませんね」

 

そしてそんな彼を先輩と呼ぶ彼女、マシュ・キリエライトは余りにも世界を知らなすぎた。

 

「小説にもよく倒れた人を介抱して、目を覚めればまずは『ここはどこ?私はだれ?』と聞くものですしね」

 

「ちょっと待って、俺は別に記憶喪失とかじゃ無いからっ」

 

「違うんですか?」

 

「違う違う、俺はそもそも誘われてここに来ただけで詳しい話は聞いてないんだ」

 

「そうなんですか……では私が簡単に説明しますね」

 

曰く、カルデアは未来における人類社会の存続を任務としている。

そのための観測モジュール:地球環境モデル・カルデアスやシバといったもので人類の未来を占うどころか直接観察していた。

 

ところが、ある時カルデアスから光が消えた

 

光とは人類が生み出す文明の産物、つまり人類が消えた事を意味した。

その原因を探るうちに2016年に人類は絶滅するという結果が得られたという。

その人類滅亡の原因を探るとシバは何と、過去である2004年の「日本のある地方都市」に「特異点」と呼ばれる観測不能領域を観測したという。

 

「……ん?それってどういう……」

 

「わかりません、ただカルデアの皆さんはこれが人類史を狂わせ人類を滅亡に追い込んだ原因だと仮定してようです」

 

「じゃあどうするのさ?」

 

「レイシフトです」

 

「レイシフト?……ああ、何かの実験にさっきまで参加してた気が」

 

「霊子ダイブですね、それによって過去に人を派遣することが可能です」

 

「へぇ〜……いつの間にかタイムトラベルが出来るようになったんだなぁ」

 

「そうですね」

 

ここは普通、人類が滅亡するだって!?

などと驚く物だと思う、だが実際に人類が滅亡すると聞かされてもまず誰も驚かない。

大体はへぇーと適当に流すか、それで?と何となく聞き返したり等、あまり本気にしない。

 

「……でも、過去に遡って解決できる物なの?」

 

「……そういえば先輩は一般人でしたね。

2004年のその地方都市では聖杯戦争は開かれたと言われてます」

 

「そのさっきも出てた聖杯って何なの?」

 

「……先輩は無神論者ですか?」

 

「えっ宗教的な物なの?」

 

「えっと……先輩は聖杯伝説というものを聞いたことは?」

 

「ああ、何でも夢が叶うっていうやつのこと?」

 

「ええそれです」

 

「……待って、聖杯戦争の聖杯ってまさか」

 

「はい、万物の願いを叶えるという夢のような物、奇跡をまさに表した物です」

 

「……何かスゴいことになって来たなぁ」

 

 

 

♦︎♢♦︎♢♦︎♢♦︎♢♦︎♢

 

 

 

西暦2015年

 

ここカルデアでとある物語が始まる。

 

それは誰もが体験し体現できるような代物ではなく

 

いつの間にか英雄伝や戦争といったものに価値が無くなった時代

 

だがここでは価値あるものとして、過去の逸話を残した偉人たちに並ぶ

 

そして主人公となる物語

 

 

 

 

 

人理焼却に抗う余りにも未熟な少年と少女が時代を旅する物語

 

 

 

そして

 

 

 

「……そういえば葉巻は吸えるか?」

 

 

 

英雄の座に着いた一匹の蛇との物語

 

 

 




どうも、作者のdaaaperと言うものです。

……未だに大規模作戦が終わってないのに書いてしまった……

しかも《炎上都市冬木》まで書いてしまった……


……とりあえず、参考までにご報告を。

私は今年、受験を控えてしまった私は著しく執筆時間が削られてしまったため
4月からは全く執筆が出来なくなる可能性が極めてあります。

別作品でも報告させてもらったのですが、来年まで執筆活動を休むことにしました。
ただ、この作品は勢いとノリで一気に書き上げたものになっております。
また、FATE作品を私は網羅している訳ではありません。

ご意見・ご感想がありましたら感想欄にておしえていただけると作者自身の参考にも励みにもなりますので
書いていただけると嬉しいですm(_ _)m


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