Metal Gear Fate/ Grand Order   作:daaaper

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ウーム、執筆時間がまとめて確保できない。
そんな作者ですm(_ _)m

通学時間帯は鬼混みなので、一応帰宅時にちょくちょく書いているのですが、
それを毎日やるわけにも少々行かず、なかなか難航しております。

ただ、執筆をやめるというのは無いので気長〜にお待ち下さい




邪竜百年戦争 オルレアン:6

「……っ」

 

明朝、

 

鬱蒼とした森の中ではまだ暗い、だが木々の隙間からは確かに朝日が入り始めていた。

 

あと30分もすれば森の中も薄暗く、やがて明るくなるだろう、そんな時間帯だ。

 

そんな鬱蒼とした森の中に、その場には相応しくない女性が横たわっていた。

 

「……夜明け?」

 

しかし案ずることなかれ、彼女は生身の人ではない。

 

実体も、肉体も、感覚も、感性も、確かに存在する。

 

だがそれはあくまで仮初めの姿、エーテル……魔力で編み込まれた物質に過ぎないサーヴァントだ。

 

「…………なんで私、フツーに朝を迎えてるの……?」

 

・・・などと真面目に文字で表現すると深刻そうな気がしなくもないが、本人は至って冷静……というか呑気にそんな言葉をポツリと呟くことができる程度に平穏な森だ。

もっとも、幻想種であるワイバーンが空を飛んでいたりする事態は起きてたりするのだが。

そんな状況のフランスだが、そんな状況を招いた原因も彼女は知っている、そして覚えていた。

 

「・・・って、寝ている場合じゃ——!?」

 

先ほどまでの呑気な気分は吹き飛び、一気に眼が覚める。

 

同時に体を勢いに任せて飛び起こし、地面に二本足で立つ……が

 

「おー起きたか」

 

同時に敵であるはずの眼帯の傭兵が自分の目の前に立っていたではないか、

 

しかも陽気に片手を上げ彼女の方に会釈までしている。

 

「……なぜこちらに挨拶を」

 

「ん?……ああ、目覚めたばかりで感覚がそのままのつもりか」

 

「……どういう意味?」

 

「落ち着いてよーく俺を見てみろ、そうすればわかるはずだ」

 

「………………」

 

どうやら本当に挨拶をしただけの様だ

 

だが今の自分自身の状況はよくわかっている

 

目の前の敵に対してすぐに怒りや殺意といった感情が勝手に——

 

「……何も感じない……?」

 

「そんな事はないと思うが……むしろ狂化付与されていた時より思考しやすいはずなんだが……」

 

「……なるほど、どうやら何か私の体にしたようね?」

 

「・・・聖女っていうのは、頭が回るんだか気が回らんのか……」

 

「どういう意味よっ?」

 

「いいや、気にするな……まあ概ねお前が予想している通りではある。

もっとも俺は下地を準備しただけで、実際にやったのは別の奴だがな、それも含めて色々話さないか?」

 

そういうと、眼帯の男は親指を後ろに軽く差す。

彼の後ろに目をやると、キャンプの火の跡がある、その周りには木々や切り株も点在している、最近木が切り倒されたのかその周辺だけにはよく朝日が入り明るい。

その光景を見て、その女性は……マルタは昨夜、ここで戦ったのだという事をしっかりと思い出した。

 

「……どうした、こっちに来い」

 

「ん、悪いわね少し思いだしていた——」

 

 

その時!

 

マルタが顔を向けるとそこには不思議な光景が広がっていた!!

 

点在していた切り株はどうやら椅子の様に使っていた様だ。

 

そしてそこには皿が1つあり料理も置かれている、自分用に用意してくれたらしい。

 

少し距離があるがここからでも美味しそうに見える。

 

 

その切り株の横では、切り株と同じくらいの大きさの生物が料理をモグモグと食べていた

 

 

「…………ハ?」

 

「……おいトレニャー」

 

「・・・・・!」

 

 

その生き物は眼帯男に声をかけられた途端、これでもかという速さで首を回した

 

 

マルタは思った、なにコレかわいい

 

 

「・・・トレニャー」

 

 

 

「・・・コレはコレステロールダメージですニャ、いたしかたないのですニャ・・・!!」

 

 

 

「そうか、恐らく事実だろうがお前の体の状態を報告されてもな。

それと迷惑を被っているのは彼女だ、悪い事をしている自覚があるなら素直に謝れ」

 

「ニャー!!」

 

そして知ってるものからすれば珍しく、

 

本当に随分素直に謝る黄色いヘルメットを被ったネコ、その真名 トレニャーはペコっと頭を下げる

 

「……愉快な子ね」

 

「そうか?」

 

「少なくともタラスクよりは可愛げはあるわよ」

 

『姐さん!?』

 

……どうしてだろうか、どこからか悲痛な声が聞こえた気がする。

だがそんなものはないと誰も気にする事なく、とりあえずトレニャーはマルタにモフられる事で許された。

 

 

 

 

 

♦︎♢♦︎♢♦︎♢♦︎♢♦︎♢

 

 

 

 

 

「それで、結局わたしは今どういう状況なのかしら?」

 

そう言いながら切り株の上に座りながらトレニャーをモフるマルタ(決して丸太の上では無い)とその反対側で同じように腰掛けるスネーク。

用意されていた食事は

すでに手をつけられてしまったし、一応サーヴァントだから必要って訳でも無いから良いわよ?

と言うので、彼女自身がエサを与えながら弄んでいる。

 

その絵面は中々絵になる、というか冗談抜きに彼女は聖女なので教会のステンドグラスか宗教壁画にでもなりそうな物である、それほど様になっていた。

……もっとも膝の上に乗っかっているのは幻想種よりも幻想的と言うか何というか、野生的な世界の一族の

トレジャーハンターなのだが。

 

そのトレジャーハンターはニャー(=^ェ^=)とご満悦である……主にエサにだが

 

「手っ取り早く……というか、俺も専門的には説明できないが、俺たちの仲間の1人に魔術的な繋がりを一切断ち切る宝具があってな」

 

「あ〜もう大体把握したわ、その宝具で私とあの女との契約を無効化したわけね、おかげで狂化も外れてるわけね」

 

なお、現在その宝具を持ったアーチャーやそのマスター達は、無駄に人数がいても邪魔になるだけだからと、森の外れでいつでも出発できるように待機している。

もちろん、スネーク達に何かあればすぐに対処できるよう伏兵はいるが。

 

「いや、狂化スキル自体はお前自身が解除した」

 

「……どう言う意味よ」

 

「そのままの意味だ、そいつの宝具は……まぁ劣化版でな、あくまで契約を切るだけでな。

スキルそのものまでは切れないそうだ」

 

「けど、元に私はこうしてあなたと話せてるわよ、殴りたいけど」

 

「それは勘弁願いたい、もっとも機会があれば是非手合わせ願いたいがな」

 

「・・・はぁ〜、悪いわね、あいにくこの姿では拳は使わないことにしているの」

 

「……思いっきり俺たちの仲間を蹴り飛ばしていたはずなんだが」

 

「狂化スキルのせいよ、OK?」

 

もっとも、拳ではなく足ではある。

だがこれ以上の追求はよろしくない、そう直感的に判断したスネークはスキル解除の話に戻す。

 

「……そうだな、その狂化スキルだがさっきも言った通りお前自身が解除した。

そも、お前自身自分で意思を制御できる程度には対抗できてただろ、そのおかげでこっちもお前を仲間にできそうだと目処がたった訳だしな」

 

「よく分かったわね?まあ結構ギリギリだったのだけれど、ていうか最初からわかってたの?」

 

「知っているだろ、こっちにも聖女がいてな、それにわざわざ自分から突っ込んできていながら自分の名前を名乗って、しかも昼間での戦闘が不完全燃焼だったのか俺をわざわざ指名までしてただろう」

 

「……そう言えばそうだったわね」

 

「それに数的不利の状況に自ら突っ込んできた時点でな」

 

「…………なんか恥ずかしくなってきたわ」

 

「何をいまさら」

 

実際にはジャンヌが狂化スキルのが付与されていると説明した時、

エミヤが自分の宝具……ではないが手段の1つに破戒すべき全ての符(ルールブレイカー)の話をした。

ただ、あくまであのジャンヌ・オルタと向こうのサーヴァントの繋がりを断ち切る事しかできない事、

それに仮に狂化スキルを解除できても仲間になるかはわからないと、エミヤとクー・フーリンから説明があった。

 

ただそれを踏まえてジャンヌは、修道女の格好である彼女なら自力で解除出来るかもしれない、彼女の名前はわからないが彼女がこのような行為をする英霊ではないことはわかる、と言った。

その意見に乗っかったのがスネークで、あの女と俺が戦えば鬱憤が晴れてついでにスキルも勝手に、それこそ浄化するんじゃないか?と語った。

一行は最初、そんなまさか、と思ったのだがマスターである藤丸が

 

「けど、ムシャクシャしてる時って大体人か物にぶつかると大人しくなるよねぇ……正しいことかは微妙だけど」

 

と言ったところ、その場にいた全員が否定できなかった、ジャンヌすら苦笑いであった。

結果、その修道女は聖女マルタその人であり、あながち仲間にするのも的外れでないため物は試しとスネークが彼女の相手をする事で仲間にするための下地を作った次第であった。

 

一応、マシュは蹴られたあの時、散々スネークとやっていた事なので防御は間に合ったのだが、蹴られた方が彼女を助けられるのでは?と思ってしまっていたりする。

もちろん、あのタイミングで止められた驚きも大きかったようだが。

 

「まあ結果的に一応あのジャンヌ・ダルクからは解放できた、そのままだと座に帰るだけだったから俺たちのマスターと仮契約の状態にもしてあるんだが……この後はどうする?」

 

「それをわざわざ聞く?」

 

「俺もそうだが、俺たちのマスターは押し付けるのが嫌いでな?」

 

「……わかったわ、こっちも虐殺なんてゴメンよ、そちらが断っても着いて行くつもりだったわ」

 

「そいつは頼もしいな、ならマスターのところへ案内する、時間も惜しいしな」

 

「そうね、なら挨拶はその時ね」

 

「ああ、よし行くぞトレニャー」

 

そういうと、スネークは腰を上げ他のサーヴァントが待つ森の外れの方に体を向ける。

同様にマルタも腰を上げようとして、それより先にトレニャーが膝から飛び降りる。

同時にマルタの方に体をクルッと向ける。

 

「?どうしたの?」

 

「お姉さーん!もう話が終わったから出てきてもイイニャ〜!移動するニャー!!」

 

「・・・お姉さん?」

 

「ンニャ、おミャーさんはお姐さんニャ?」

 

「……どうしてかしら、何か決定的に違う気がするのだけれど」

 

「気にするな、それよりトレニャーの言う通りだ、出てきても良いんじゃないか?」

 

スネークは振り返りそう声をかける

 

それにつられてマルタも後ろを振り返ると・・・先ほどまで自分を使役していたそっくりの聖女がいた

 

「アハハ……別に隠れてた訳じゃないんですよ?」

 

「ンミャ?お姉さんはこのお姐さんが暴れた時にいたんじゃなかったかニャ?」

 

「っトレニャーさん!!」

 

「フフッ、良いのよ、それくらいわかってるわ」

 

「……あのなぁトレニャー、世の中言わなくても良いこともあるんだぞ?」

 

「ケド、オイラ知ってるニャ、何にも言わなかったせいで死んじゃった英雄さんのお話」

 

「まあコミュニケーションが重要なのは否定せんがなぁ。

……そうだな、ただここは俺たち2匹は邪魔になりそうだ、すまんが先にトレニャーを連れて坊主のところに行ってる」

 

そう言うとトレニャーはニャニャーンと走りながらカバンをユッサユッサ揺らしスネークのとなりに落ち着く

そのスネークは2人の聖女を置いてサッサと歩き始めている。

 

「・・・えっ?あのちょっと!?」

 

「せっかくの“先輩”だろ、30分くらいは待ってるよう伝えておくがあまり遅くなりすぎないようにな」

 

そう言って振り返りもせず、片手を上げ手を振ると本当にそのままトレニャーを連れて行ってしまった。

 

残ったのは聖女に位があるかは知らないが、金髪の“後輩”と拳の“先輩”である姐さんだった。

 

 

 

「……えっと、あの……そのっ」

 

「そんなオドオドしなく大丈夫よ、普通のあなたで良いわ、って言うより自分も聖女であらんとはしていたけれど」

 

「そうなんですか……?」

 

「あなたも似たようなものでしょう?」

 

「……そうですね、もっともマルタ様の様に信仰の人とは私は言えませんが」

 

「っマルタ様はやめてっ、恥ずかしいわ」

 

「そっそうですかっ?」

 

「……あなた、ジャンヌ様ってあの紫髪の子に言われたい?」

 

「そっそんなっ///」

 

 

 

 

……それから30分ほど、歴史に残る聖女の2人は話し合ったらしい。

 

 

もっともその内容は聖女としてではなく、出身の違う2人の田舎娘によるものだった・・・かもしれない

 

 

 

 

 

 

♦︎♢♦︎♢♦︎♢♦︎♢♦︎♢

 

 

 

 

 

 

 

「これから行くべき目的地はまっすぐリヨンよ」

 

時刻は日没まであと10時間くらい、といったところ。

カルデア一行は悪竜タラスクを鎮めた水辺の聖女:マルタを仲間として迎えた。

もちろんフランスにいる間だけの仮契約ではあるが、心強いサーヴァントであり味方である。

また、彼女は龍の魔女と化したジャンヌとの契約を切り、付与された狂化を(手助けはしたが)自力で解除したため、記憶も失っていなかった。

 

その彼女が言うに、現在黒いジャンヌは自身の魔力や体力を回復するためにオルレアンに籠っているという。

……と同時に最強の龍を召喚・使役する準備も進めていると言う。

 

「リヨン……ディジョンよりさらに南だな、そこにサーヴァントがいるのか?」

 

「間違いなくいるわね、人々の噂ではひとりその街で守護している剣士が居るってね」

 

「たかが人々の噂、と言うつもりは無いが……信用できると?」

 

「実際、リヨンに結構な数のワイバーンを送り込んだけど全滅したのよ。

それで、本当はあなた達と会った時、本来ならあのまま移動して夜に奇襲をかける予定だったのよ。

……まぁ、実際にはその聖剣で危うく全員座に帰るところだったけれど」

 

「ふっ、もっともそっちが宝具で防がなければとっくに終わっていただろうな?」

 

「しょうがないでしょ!彼女の令呪で強制されたんだから!

……まあそのおかげで、彼女も休むことを強いられて拘束力が薄らいだから、偵察するって体であなた達に追いついてやられるついでに情報をあげようと思ったら、契約が切れて仲間になれたわけなのだけど」

 

「アルトリアさんっ」

 

「事実だ、別に非難したわけではない、もっとも防がれるとも思わなかったが」

 

「令呪でタラスクの強度を上げたもの、……それでも流石に全員を対象に守るにはギリギリだったけれど」

 

そう言いながら騎士王に笑顔で語るマルタ。

その顔に他意はなく、アルトリアもふっと顔を背けるだけに終わった。

 

「……それで、行き先はリヨンに変更になったみたいだけど、ここからだとザッと250km近くはあるわけだけど、移動手段はどうするの?」

 

『・・・・・あっ』

 

じゃあ移動するかぁ〜となった矢先、目的らしい目的が出来たのは良いが、肝心の移動手段が無い。

その事を確認するのは音楽家のアマデウス、彼はクズではあるが無能では無い。

別に旅が嫌いなわけでもなく、むしろ好きな方である彼だが、流石にサーヴァントとは言え200km以上も徒歩で移動するのは勘弁だった。

しかも相手は空中を飛べるワイバーンを使役している、いつもでも悠長に歩いていたら街が滅ぼされ、目的のサーヴァントも倒されてしまう。

 

「えっと、マリーさんはライダーでしたよね?」

 

「そうなのだけど、ごめんなさい……私の宝具は1人乗り用だから……」

 

「じゃあマルタさんは——」

 

「タラスクは移動にはあまり向いてないわよ」

 

「ですよねぇ……」

 

移動手段に秀でていると言えばライダーなのだが、今いる主なライダーは全員を移動させられる手段を持ち合わせていない。

ジャンヌやクー・フーリンは走っても早いがそれではまず意味がない。

 

けどライダーはまだいる。

 

「ん、車で良いなら出すぞ、運転は俺だが」

 

「クルマ出せるの!?」

 

「当たり前だ、俺もライダーだぞ?」

 

《この時代に車を召喚しても良いものなのか……?》

 

《ウーム……まぁ宝具の一種なんだろうしOKなんじゃない?》

 

《(この天才思考放棄しやがった……!)》

 

一体いつから無線越しでも人の心情を表現できるようになったのだろうか。

そんなメタはさておいて、ロマンのツッコミは敢え無く天才の一言OKで済まされた。

……こんな調子の責任者でカルデアは大丈夫なのだろうか。

 

「……とりあえずお聞きしますが」

 

「どうした聖——いやジャンヌ・ダルク?別に気にすることでも無いはずだが」

 

「あのですね?この時代に車なんてオーパーツを出すのは問題があるのでは……と」

 

「問題ないだろ。

一応この世界、というより特異点と言った方が正しいのか、まぁとにかく一種のパラレルワールドだろ?

なら正史には残るまい、それに市街地を走らすわけでもないしな、誰にも迷惑はかからんしむしろ使わない方が迷惑をかけることになるだろう」

 

「それはそうなのですが……」

 

《えっとねぇ……まぁダ・ヴィンチが良いって言ったから一応問題ないと思うけど……カルデアから車は技術的にも物理的にも不可能なんだけど、本当に車が……?》

 

「本当ならヘリが一番なんだがな……あいにくパイロットまでは出せなくてな」

 

『ヘリ!?』

 

思ったよりこの傭兵、アクティブだ!

というより15世紀のフランスにあって良いものでは無いだろう、ワイバーン程ではないかもしれないが。

 

「……まあとにかくアシだ、もうすぐ到着するぞ」

 

「・・・えっ!?もうクルマくるの!?」

 

「ああ、とりあえずクー・フーリン」

 

「あん?なんだよ」

 

「霊体化でもしておけ、頭に落ちてくるぞ」

 

「……オイオイ、マジか」

 

頭上を確認すると、箱型の物体がパラシュートにぶら下がりながらも確かに……というかもうクー・フーリンの30m位先にあった。

実は車に乗るのを心の中で少し楽しみにしていたが、相変わらず運が無ぇ……と、また心で嘆きながら霊体化した、ついでに隣にいたエミヤも実は似たような心境で霊体化していたりする。

 

「……なんだか、クー・フーリンさんとエミヤさんが残念な表情を浮かべながら消えて言ったのですが……」

 

「そうだね……乗りたかったのかもねぇ……」

 

「……あのなぁマシュ、大の大人が、ましてや英雄になった奴が車に乗りたいと思う訳無いだろ。

子供じゃあるまいし」

 

((・・・・・・・・・))

 

「……フッ」

 

そのスネークの発言に何故か笑みを浮かべてアルトリア・オルタも霊体化した。

そんな騎士王の顔を見た王妃様は無邪気にニッコリと笑う。

その隣で密かに、心の中で、2人の男に向かい鎮魂の祈りをとりあえずあげる音楽家。

 

そんな心理的なやりとりが実は展開されていた中でも、車は地上へと降りていた。

やがて車は地面へと接地、サスペンションが車重で少し働くもすぐに元に戻り、吊していたパラシュートは車体が接地した瞬間に燃えて跡形もなく消えた。

 

車両は緑と黒を主とした迷彩が施された4WDで、外見からしてまさに軍用車と言える物。

すぐにスネークは車両を点検する。

……とは言っても外装に異常は無く、内装は5人乗りでビニール製の座席だが普通の仕様ではなく、リクライニングができる様になっていた。恐らく研究開発班が旅慣れしていない人物を想定して改造したことが伺えた。

 

もちろん、他にも改造&アタッチメントが追加されているが。

 

「車両自体に問題は無いな、あとは走らせるだけだが……坊主とマシュは乗らざるを得ないわけだが、他は全員霊体化出来るよな?」

 

「・・・すいません、私は少し……」

 

「ジャンヌさん、透明に成れないの?」

 

「すいません、一応藤丸さんとの仮契約で魔力量は補えているのですが、霊体化をしようとしてもうまく出来ないと言いますか……」

 

「ならジャンヌ・ダルクもか……一応あと1人は乗れるが、そっちの三人は大丈夫か?」

 

「せっかくだから乗ってみたかったのに……」

 

「こんな所で文句を言っても意味がないだろうマリア。

そういう訳だ、僕たちははぐれサーヴァントだけど霊体化出来るから問題ないよ」

 

そう言って手を振りながら消えるアマデウス、それに付いていくように仕方なく、仕方な〜く霊体化するマリアことマリー・アントワネット。

 

「ん、それじゃ私もしばらく静かにしているわ」

 

「そうしてくれ、もっとも周辺の警戒もしといてくれ」

 

「当然よ」

 

そう言うと、満足した顔で聖女:マルタもまた霊体化した。

現在残るは(正しくは実体化しているのは)生身である藤丸とマシュ、そしてスネークと霊体化出来ないというジャンヌの4人となった。

 

「あの、興味本位でお聞きするのですが……スネークさんは運転できるのですか?」

 

「心配するな、運転もできるし免許も持っていた、事故起こすヘマはしないから安心しろ」

 

「ハイッ、運転よろしくお願いします!」

 

「うん、お願いスネークさん」

 

「わ、私からもよろしくお願いします」

 

マシュ・藤丸・ジャンヌの順でスネークに安全運転を願う3人。

そのスネークは片手を軽く挙げることで答え、車に乗りこむ、もちろん運転席だ。

 

「…………聞くんだがマスター」

 

「?どうしたの?」

 

「…………お前、どこに座る」

 

「えっ・・・・・・あ・・・・・・助手席で」

 

「了解だ」

 

こうして(なにかから)未然に救われた藤丸はサッサとスネークの隣に乗り込み、

その後ろに女性2人が乗りこむ。

そしてその間には黄色いヘルメットとリュックサックを担ぐネコが座っている。

 

「オイラも忘れてないかニャ?」

 

「忘れてないぞトレニャー」

 

「……一体いつの間に座っていたんですか」

 

「?オイラふつうに乗り込んだニャ」

 

「そ、そうですか……」

 

「よし、出すぞ」

 

こうして15世紀フランスに四輪駆動の軍用車が、傭兵と聖女と少女と一般人を乗せてフランスの大地を約250km南下しはじめた。

 




本来なら、護衛対象は助手席ではなく後部座席、
しかも後部座席の両サイドを人なんかで固めるのが一般的。
……だけど、美人2人に挟まれるのは・・・ねぇ?

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