スランプになっていたこともありますが他に熱を上げていましたことも理由の一つです。
何に熱を上げていたかというと斧投げです。初代日本チャンピオンになりました。
甲冑着て酒盛りに興じてもいました。
詳しくはこちらの動画とサイトを。私の素顔が拝めます。
https://www.youtube.com/watch?v=wKlZ6aZ2TyU
https://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/2202/15/news052.html
角杯を持っているのが私。
人間の絵描き旅に備え魔法使いと会う事
福太郎が妖怪の山へ行くことになったものの、即日向かうのは無理があり、射命丸も準備がある、福太郎も山へ行くにあたって準備がいることになり1週間後に出発と相成った。
福太郎は山へ行くにあたり画材や絵描き道具の他にも様々に準備をする必要があった。いくら山の天狗の協力があるとは言え、最低限の準備が必要であり、それらは霧雨道具店や香霖堂でそろえることができたが、いくらか薬も必要という事になった。
しかしながらその際に一介の人間が妖怪の山に天狗の招きとはいえ、一人で行くことに難色が示された。うわさを聞いた博麗霊夢などは護衛に就こうかと申し出る程であったが
「霊夢ちゃんが一緒だと向こうさん警戒してまうやろ」
との一言もとやんわり拒否されてしまった。結果としてお守りとして数枚の護符を押し付けられることになったが、福太郎の装備を考えうるに『この者博麗の庇護下に有り』と示す以上の物にはなりそうになかったが。
それでも心配の声は初対面の者にすらあったのである。
稗田亭、客間にて。
「流石のアタシでもちょっと無理だと思うゼ。」
「セやろか?」
「そうだぜ?」
「う~ん」
そう言うのは霧雨魔法店の店主であり何でも屋の霧雨魔理沙だった。
何故、この魔女が稗田亭に居るかというと、幻想郷の友人、森近霖之助と博麗霊夢の推薦で各種薬の調達先の一つとして勧められたためである。
また、万一の時の緊急連絡要員の顔合わせを兼ねていた。基本自由人であり、人里以外の特定の勢力に属さない中立的立場であるため、稗田阿求の安全策の一つとして組み込まれていたのである。いざとなれば箒で福太郎を救出するという取り決めになったからである。
「まず、これが緊急連絡用の花火だ。魔術が仕込んであるから雨天でも使えるし、室内で使っても私に分かるようになってるし派手に光るから目くらましにもなる。室内の時は下に使え、出ないと花火が室内を飛び回って危ないからな。これは勿論だが何かあった時に使え、直ぐに助けに行く。あと虫下しの薬、水の浄剤。水は気を付けろよ、汚染は霊的呪術的なものもあるしくれぐれもな。あと毒消し、あとは稗田亭の常備薬で十二分だ。何といっても永遠亭の薬だからあれ以上の薬は流石の魔理沙様でもあれほどの薬は作れん。」
「そんなにすごいんか、永遠亭」
魔術アイテムと薬の説明を聞きながら、噂の永遠亭について聞く。聞けばこの世界の月には強大な軍事力と技術力を誇る勢力が隣接していると聞く。その未知の世界の一端がこの便槽教にあるというは驚きだし、福太郎の興味引くには充分だった。
「ああ、なんたって月の頭脳と言われる元月の都の賢者、八意永琳の肝いりだからな。」
「ほ~、いっぺんいてみたいもんや。なんでもスゴイ技術があるやろ。」
「ケガや病気になればいやでも行くことに成るだろうぜ、薬の実験台になったり変な機械をくっつけられても知らないけどな。」
「薬はともかく、機械はロマンあるな~サイコガンでもつけてもらうのも一興や・・・いえお世話にならんように気を付けます・・・・」
機械改造などとロマンに目を輝かせていると、一連のやり取りを見ていた家主の射殺しそうな目に睨まれて、福太郎は自粛した。
「にしても、お前聞いていたのと随分違うな。」
「どんなの想像してたん?」
「いかにも学者っぽい偏屈爺。」
「なんやそれwww」
段取りや注文品の確認が済み、稗田亭の茶と菓子に舌鼓を打ちながら、切り出した。
あの、博麗霊夢が気にかけ、あの、伊吹萃香が気に入り、あの偏屈な幼馴染がくれぐれもと頼み込む奴はどんな奴なのか。気にならない方がおかしかった。
「そうでもなきゃあの、香霖をやり込められないぜ。それに寺子屋の臨時講師で慧音とタメを張ってるだからさぞかし歳の入った感じかと思ってな。」
「?ああ、霖之助の幼名ヤッケ?霧雨の旦那もそう呼んではった。」
「今じゃそう呼ぶのは私と親父くらいさ。」
湯飲みの中身を眺めながら懐かしそうにいう魔理沙の顔は寂しそうに見えた。寂しいのは一人独立した幼馴染を想ってか、それとも絶縁された親の事を思ってか。そこまで踏み込むほど親しくない為にそこにはお互いに触れずに会話が進む。
幻想郷のこと、秀真国のこと、そこに暮らす人妖たちが織り成す混沌とした世界の事。
僅かな阿求を含んだわずかな間の鼎談であったが充実していた。
「なあ、お前。」
「なんや魔理沙ちゃん?」
「大変だったんだな・・・」
「・・・ああ。でも、あそこに帰る家がある、幸せな事や。」
「そうだな・・・」
それでも、魔理沙は今目の前にいる男が辛い人生を歩んできたのだと感じだ。帰る家がある、そうは言ったが、天涯孤独の身の上なのだと感じた。会話の中に肉親の話が少しもなかった。
自分は幻想郷という混沌世界においても肉親がいて、幼馴染が居て、変わらぬ見知った場所があった。
あの男には無い物をたくさんあった。
でも、自分よりたくさん笑う。だからだろうか、この男の事が放っておけない。もっと笑えと思う、笑ってくれと思う。
ああ、だからかと魔理沙は理解した。
きっとほとんどの者は理解できなくとも、どこかで気付くのだ理不尽に翻弄され続けた男の幸せを願ってしまうのだ。自分が眼前の男よりも恵まれているから。
「さて、長居しちまったな。アタシはそろそろ帰るぜ。」
「そうか、いろいろありがとさん。」
「・・・・なあ福太郎。死ぬなよ。」
「お節介ありがとさん、魔理沙ちゃん。」
福太郎は、命の心配をお節介と言った。死ぬも生きるも自分の自由だと言わんばかりに。
それが気高くも感じたし、命に執着しない刹那的な生き方が少し寂しく感じた。
「・・・どういたしまして。」
ただ、そう返す事しかできなかった。必要以上に福太郎に踏み込んでしまったことで少しだけ怒らせてしまったように感じた。
魔理沙は、思ったよりも長い時間を稗田亭で過ごした。流石にこれ以上は長居できないので、帰ることにすると福太郎が門のところまで見送ってくれた。流石に阿求まではついてこなかった。
「それじゃあな。」
「いろいろありがとな・・・一つだけお節介のお礼をしてもええか?」
「なんだ?」
「喧嘩できるんは、互いに生きてるうちだけやで。」
「!!・・・お節介ありがとよ。」
「どういたしまして。」
普通だったらマスパで吹き飛ばしてやるところだが、悪戯が成功した子供の様に笑う福太郎を見るとそんな気も失せてしまった。何より自分が勝手に踏み込んだ仕返しだと理解できたのだから。
自分が不愉快になる話題のはずなのに、どこか楽し気に足取りも軽く普通の魔法使いは家路に付く。
今宵は此処に栞を挟み、噺の続きはまたいつか。
ホントは、さっさと御山へ行ってもらう事でしたが。私の中で魔理沙が、早く会わせろとの事でしたし、事前準備を早むべきだと思いこのような展開になりました。
次回も準備か、妖怪の山編突入です