ムギちゃんの幼なじみが軽音部に入部しました   作:孤独なバカ

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顧問!!

「あいたっ!!」

 ギターを弾いていた唯が呟く。

「どうした?」

「うー手の皮がむけちゃった。」

「うわぁ痛々しい。」

 律もちょっと同情している。

「まぁ、最初のうちはよくあるんだよ。だんだん指が固くなってむけないようになるけど。澪もそうだろ。」

 澪の方を向くと座りこんで、耳をふさいでいた。

「……みおちゃん?」

「見えない。聞こえない。」

「あー澪は痛い話はだめなんだよ。」

 なるほどな。だからぶるぶる震えているのか。

「……」

「とりあえず、唯は手を出せ。消毒とばんそうこうはるから。」

「うん、ありがとう。でもみおちゃん大丈夫かな?」

 ケガされたやつに心配されてる。被害はないけど律にいじられてるな。

「でも今は仕方ないぞまだ始めたばっかりだしな。自然とやっていくなかで、かたくなるさ。」

「そうなんだ。」

「律もそこまでにしとけ。」

「はーい。相変わらず澪にあまいよな。」

「そうか?気にしたことなかったけど。」

 あまり気にしなかったけどそうなのかな。

「てかいじられキャラだからだろ。かなりの不器用でもあるしな」

「でも最近部活が終わってから少し残ってるよね。なにしてるの?」

「新曲を作ってるんだよ。澪から見て欲しいって頼まれてるからな。今は唯がボーカルの曲。」

「えっ?」

「女子のほうが多いのに俺だ歌うのはおかしいだろ。それに俺が歌うには歌詞がちょっと……」

「へーどんな曲?」

 こそこそとムギが入ってくる。

「あムギじゃん」

「どうしたの?」

 すると顔を真っ赤にして「な、なんだか入りづらくて…Hな会話してるのかと。」

「ほぇ?」

「……こいつ少し百合成分入ってるから。」

 オレはため息をつく。こいつのことが好きになれないのはたぶんここからだろう。これさえなければいいのになぁ~。

「かいちゃん?なんか失礼なこと考えてない?」

「気のせいだろう。」

 そういえば澪話に入ってこないけど、どうしたんだ?

 そしてもう一度見ると

 ぶるぶる

 まだ怯えていた。

「……大丈夫か?」

「……」(ぶるぶる)

 耳をふさいでいるので聞こえないのだろう。しょうがない。澪の頭をを軽く叩く。すると澪はキョロキョロと見回し、こっちを見る。

「とりあえず落ち着け。今日は文化祭のミーティングするんだろ。早めに済ませて曲仕上げるぞ。」

「あっうん。」

「まったく、お前がいないと何もできねーからフリーズしてもらったら困るんだよ。」

 ため息をつく。

「……えっ?」

 すると顔を真っ赤に染めた澪。

「どうした?」

「えっと、どういうこと?」

「どういうことと言われてもな。正直澪がいなかったらこいつらの暴走止められないんだよ。」

 唯、律、ムギは自由すぎて一人相手ならなんとかなるけどああなったら俺でも止められない。だから澪みたいなやつがいてくれて本当に助かった。まぁ時々澪も暴走するけど。

「あぁ、なるほど。」

「ってことだよ。まぁ楽しいからっていうのが一番の理由だけどな。」

 俺は澪の肩をたたく。

「ほら、さっさと練習して終わらせるぞ。ムギそれで、学園祭のステージの使用許可とれたか?」

「ううん、軽音部はまだ正式な部じゃないからってことわられちゃった。」

「……は?」

 少しの間固まる。

「そうらしいんだよ。」

 律がうなづく。でも

「……じゃあこの音楽室にこんなに私物持ってきてよかったのか?」

「「「「………」」」」

 全員が目線をそらす。てかそういえばこの部活おかしなところが多すぎるな。

 顧問はいないし、やりたい放題な気がするんだが。まぁとりあえず

「生徒会室に行こうか。何か分かるかもしれないし。」

「まぁそれが妥当だろ。知り合いいるし聞いてみるか」

 唯一のクラスの男子もいるからな。だから少し話してみたいし。

「おや?もしかして彼女が生徒会にいるのかな?」

「ちげーよ。一星って知っているだろう。オレがよく話してる奴が生徒会に最近入ったんだよ。」

「へぇ。じゃあその人に聞けば大丈夫だね!!」

 唯が言う。まぁとりあえずそうするしかないか。

 「よかったな。澪。」

「ちょっと律」

 少し小さな声で二人が残っているけど

 

「おい、一星いるか?」

 生徒会室に入ると数人がこっちを見る。

「えっと、金沢君なら、今いないわよ。」

 メガネをかけた女の子が話しかけてくる。

「あれ和ちゃん?」

「唯?」

「知り合いなのか?」

「うん。幼なじみなの。」

「へぇー」

 唯にも生徒会の友達がいたのか?じゃあ任せたほうがいいのかな?

「和ちゃんって生徒会役員だったんだね。」

「今まで知らなかったのかよ。」

「本当に友達?」

 オレと律が突っ込む。まぁそれはともあれ

「なぁ、えっと真鍋だったよな。一星からメガネの女の子ってことは知ってる。それなら軽音部のこと知らないか?なんか部活動申請されてないらしいんだよ。できれば調べてもらえると嬉しいんだが。」

「ええ、いいけど。」

 するとすぐに書類を見ている。多分講堂の使用許可の手続きに必要だったのだろう。

「やっぱりリストにはないわね。部活動申請用紙を出していないんじゃないの。」

「……」

 すると空気が固まる。

「あ…忘れてた。」

 律が思い出したようだった。

「やっぱりお前のせいか!!」

 澪は律の頬を引っ張っている。

「なんというか……軽音部って唯にぴったりだと思うわ。」

「ほえ?」

 否定はできないな。

「そういえば律、顧問は誰なんだ?オレ知らないんだけど。」

「えっ、顧問?」

 おいこら

「忘れてたのか。」

「……ごめん。」

 軽音部の顧問探しをしないとまず部活動申請用紙書けないし。

「……探しに行こうか。」

「そうだな。じゃあ音楽の先生からあたろうか。」

 えっと確か

「山中さわ子先生だよな。正直オレ行きたくないなぁ。」

「えっどうして?」

「だってあの先生表向きは人気先生だけど、なんか裏がありそうなんだよな。なんかムギの臭いがするっていうか……」

「ほえ?」

 ムギがさっきの唯の真似をしていた。なぜか気にいったのだろう。

「んじゃ、他に案あるの?」

「……ねぇよ。」

「んじゃ決定!!」

「じゃあ唯、行こうぜ!和ありがとうな!!」

「あっうん。」

廊下に走って行く律と唯。

「……オレは戻っとくわ。」

「あっうん。」

オレは後は部室でギターを弾いとこう。

 

部室に戻ると

「……本出しっぱなしじゃねぇか。」

いつもお茶を飲むところに本が出しっぱなしになっていた。そして手をとると

「……アルバム?」

オレはページをめくると

「いつの時代のバンドだよ!!」

やけにワインドな女の人が歌っている写真があった。だけどこれ

「……山中先生じゃねぇか。」

オレはアルバムをじっくり見る。多分出してあると言うことは、律と唯も見たってことで

「……山中先生終わったな。」

ほぼ強請られることは確定だった。そしてしばらくすると、バタバタと廊下から誰かが走ってくる。

「……どこなのよ。」

その人は山中先生で焦ったようだった。

「あっやっぱりこれ山中先生だったのか。」

オレはアルバムをイスの下から出す。

「あっそれは」

「やっぱり裏があると思っていたけどこれはこれは」

ニヤニヤと山中先生の方を見る。

「うぅ。」

「まぁとりあえずこれはあいつらがくるまで持っておこう。先生お茶いりますか?」

「それよりもそれ返しなさい。」

「だが断る。」

オレは自分のカバンに入れる。これは大事にしとかないと脅す時に使えないしな。

「かいちゃん返してあげたら。」

いつの間にか軽音部のメンバーが戻ってきていた。

「それよりも律ほら。」

オレは律にアルバムを投げる。すると床に落ちると律が拾った。

「ほら、この人」

「……よく分かったな。唯。」

「てかかいも気づいていたんだな。」

「まぁな。」

すると山中先生はガクッとうなだれる。

「よく分かったわね。そうよ。私は昔軽音部にいたの。」

「い、意外でした。」

「んじゃ、ギターも弾けるんじゃねーの?」

写真にはギターを弾いている山中先生がいるしな。

「そうだ。弾いて、弾いて!!」

「いや、ちょっと。」

オレはスマホの携帯の動画撮影機能を使い録画の準備をする。そして山中先生に唯がギターを渡した瞬間

何か山中先生の目つきが変わり

「しゃーねーな。」

「「「「目つき変わった!!」

そして早弾き、タッピング、歯ギターの順に弾いている。さすが経験者、どれもすごくうまかった。

「あぁ、私のギター。」

唯は少し涙目になっていたが。

「おめーら音楽室を自由に使いすぎなんだよ!!」

「「「「ごめんなさい」」」」

見事な土下座を4人はやっていた。

「まぁ皆落ち着けって、お茶いれるから。」

「私も手伝うね。」

ムギも手際よく棚からティーカップを出す。

よかった。今日はクッキーを持ってきてたので先生の分も分けられる。

そして戻ってきたころには

ぐずぐず

山中先生は泣いていた。まぁおしとやかなキャラでとうそうとしたらしい。そしてオレは律の方を見る。するとオレと同じことを考えていたのか頷く。

「「先生」」

とニコニコオレたちは近すぎ。

「「他の皆にバラされたくなかったら顧問やってください。」」

その瞬間山中先生が軽音部の顧問になることが決まった。

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