ムギちゃんの幼なじみが軽音部に入部しました   作:孤独なバカ

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ボーカル!!

「さぁ顧問も決まったことだし後は本番に向けてがんばるだけだね。」

「といいながらあいかわらず、お茶ばかりしてるけどな。」

オレは苦笑してしまう。ムギもお茶の準備しているし、オレ以外は基本的に楽器を引く時間よりお茶を飲む時間の方が長いよな。

「本当よ。」

もはやあきらめたのか愚痴を言っている山中先生。でも

「……お菓子食べながら言っても説得力ありませんよ。」

唯達と一緒にお茶しててもなぁ…。

「そういえば学祭でやる曲は決まったの?」

この先生話そらしやがった。

「一応オリジナル曲三曲ですかね。一応オレがボーカルするやつは仕上がっているんですけど……」

「先生、私たちの演奏見てくれませんか?」

「……仕方ないわぇ」

しぶしぶとこっちを見ると急に目つきが変わり、

「なんならついでに演奏中のパーフォーマンスも教えてあげる。」

「それはいいです。」

律が断ってくれて本当によかった。

「んじゃとりあえず完成してる、Crow Songからでいいか?澪、サブよろしくな。ついでにオレのやつは全部澪がサブボーカルだから。」

「……えっ?」

澪の顔が引きつる。

「……ゴメン。サブボーカルできるの今のところ澪しかいないんだよ。今回の学園祭はせっかくだし練習している相手の方がいいし。」

「そうだね。みおちゃんとかいちゃんの歌う曲いいしみおちゃんがサブボーカルでいいんじゃないかな?」

唯のあとあしが入る。

「で、でも恥ずかしいし。」

「基本目立つのはオレだろう。この曲はボーカルなんだし。それに澪がサブボーカルやっていると一番楽しいからな。」

「えっ?」

すると顔が赤くなる澪。思いだしただけでそんなに恥ずかしいのだろうか?

「まぁ、無理矢理ってことじゃあないから。とりあえず今日はサブボーカルしてくれ。」

オレはギターを持ち律の方を見る。

律のペース配分は正直バラバラで唯はまだ弾けないところもある。

なのに、なんでこんなにいい曲になるんだろう。

ずっと弾いていて、疑問だった。一人一人はたぶんオレ以外はバンドを組んだことのない。初心者の集まりなんだろう。でもこのメンバーは他の人と組んだときよりいい曲になっていた。

そして演奏を三曲弾き終わる。

「……」

山中先生は少し考えてから

「もう全部あなたがボーカルすればいいんじゃないの?」

大盛況だった。

「あなたバンドやってたの?」

「中学まではのらで少しですね。適当に集まって元々ある曲を弾いていたので。」

「ふーん。なるほどね。だから慣れているのね。」

すると考えて

「そういえば最後の曲はボーカルやらないの?」

「やりませんよ。なんで女子ばっかりの部活なのにオレだけが歌わないといけないんですか?」

元々楽しんでもらおうと入った部活なのにオレだけが楽しんでいたら仕方ないしな。

「それに、その曲歌うにはオレには恥ずかしすぎるんで」

「かい歌っているじゃん。」

不思議そうに律が言うけど

「歌詞がちょっとオレには歌えないんだよ。」

「えっ!もしかして歌詞できたの?」

唯の言葉にオレは頷く。すると女子3人は澪の方を見る。まだ見せてなかったのか

「わー!見せて見せて!!」

「えっ…でも恥ずかしい…」

「先に謝るけどごめん。」

「……かいが謝るってどんな歌詞書いたんだよ。澪」

律が気になってきたのか澪に聞きだそうとするが澪は防いでいる。

「楽しそうね。」

「そだな。」

オレとムギはその光景をただ見ていた。この部活メンバーはいつもこうなんだけど…

「はよ見せんかい」

まぁ最近来た山中先生はイライラするよな。

「どれどれ」

笑顔で言うけれど笑顔が数秒で固まった。

それもそのはず澪が書いた歌詞はメルヘンチックでどうしてもオレが歌えるはずがなかった。

「……かいは歌詞見てたんだろ、なんで反対しなかったんだ?」

覗き見していた律が凄くかゆそうな顔をしている。

「……ちょっとな。色々あるんだよ。」

律から自然と目を逸らす。

「……わ 私としてはいい感じに書けたと思うんだけど…やっぱりダメかな~」

「うっ。」

山中先生が言いづらそうな顔をしている。

「……なるほど、そういうことか。」

「そういうことだよ。」

涙目の澪相手にダメだなんて言える訳なかった。

「ダメっていうかその…ねぇ?」

「ほら、唯からもなんか言ってよ!」

焦りながら律は唯の方を見るが

「すごくいい…」

だろうな。元々かわいらしい歌詞が好きな唯だ。昔オレの曲よりも澪が書いた歌詞の方がいいと思っていそうだな。

まぁ律も山中先生も驚いていだけど。

ムギはどうせこの2人を見て、うっとりしているだろうし。

こりゃボーカル探し大変になるかな。

俺は苦笑するしかなかった。

「それじゃあもうこの歌詞で行くか。」

結局山中先生も賛同してしまったので律も認めざるをえなかった。

「んじゃどうすんのボーカル。」

「作者の澪だろうな。」

「えっ!?」

すると顔を真っ赤にさせて

「わっ私は無理だよ。」

「なんで?」

「こんな恥ずかしい歌詞なんか歌えないよぉ!」

「「おい作者」」

さすがに俺も突っ込むしかなかった。

「澪がだめとなると…」

「唯やってみるか?」

「わっ私!?」

うれしそうにオレに言う。

「で…でも私そんなに歌うまくないし…私なんか」

「んじゃムギやるか?」

「ごめん!歌う!!歌いたいです!」

「かいも唯の扱いうまくなってきたよな。」

おかげさまでな。

「それじゃあちょっと歌ってみよう!」

「らじゃーっ!!」

するとギターを弾かずに歌い始める唯。

「唯ちょっとちょっと。ギター弾きながら歌わないと」

「あ忘れてたー」

もしかして唯

今度はギターを弾いていて歌っていない。

「今度は歌忘れてるぞ。」

「てか練習なしに普通ギター弾きながら歌えないぞ。」

「えっ?そうなの?」

ため息をつく。けっこう弾きながら歌うって言うのは難しい物であるのだ。

「うぅ、どうしよう…」

かなり絶望的だな。この状態。俺も教えられるけど流石に後10日では無理だし。

「仕方ないなぁ…」

山中先生が唯のにかけより

「先生が一週間つきっきりで特訓してあげるわ。」

「先生っ!!」

あっそうだった。一応山中先生もボーカルやったことあるんだった。

 

山中先生に預けて一週間後

「みんな!待たせたわね!!」

歌の練習しているときに急に現れた。

「さぁ唯ちゃん」

すると頷いてギターを弾き始める。

「おおーっ!!ギター上達している。」

山中先生の指導はうまかったらしく基礎も応用もきちんとできていた。

そしてAメロに入るけど

「……」

唯が部室に入って一言も話さない理由が分かった。

声が枯れていたのだった。

「いやー練習させすぎちゃった。」

「声枯れちゃった」

「だめじゃん」

「…しょうがないだろ、それよりもボーカルをどうするか決めないと」

「りっちゃんどうするの?」

「うーん、」

少し考えてから

「…やっぱり歌詞を作った澪が歌うしかないんじゃないか?」

「へ?」

「……それしかないか。」

すると

プシュー

「うおおおい!!」

「……前途多難だな。」

恥ずかしさで倒れた澪を見てため息をつくしかなかった。

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