ムギちゃんの幼なじみが軽音部に入部しました   作:孤独なバカ

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学園祭!!

学園祭当日

オレはやることもないので音楽室で寝ていた。この数日間ずっと澪にボーカルの指導を夜遅くまでやっていたのでまったく寝ていなかった。

まぁ、恥ずかしがらなかったら普通にできるんだけどな。

本番に近づくほど失敗する確率が高くなっていた。

けっこう厳しいよな。

客観的にみてため息をつく。正直なところ成功した時はかなりいい演奏で歌もうまい。

たけどな。

「おまたせ。」

「うん?」

起きると澪がいた。

「どうした?午前中は当番当たってるやつがいるから午後から練習って言ってたよな。」

「えっ練習は?」

「仕方ないだろ。全員揃わないと個人練習しかできないし。」

「じゃあかいは?」

「ここで寝てた。友達も係入ってるからな。」

男子の少ない学校だと男手が必要らしいからな。俺のクラスは演劇らしいので買い出しとかに付き合わされたくらいですんだ。

「お前は少しでも学園祭楽しんでこいよ。気分転換になるしな。」

「でも練習。」

「はぁ、澪は固すぎるんだよ。緊張してたらまたミスるぞ。」

「で、でも。」

「……はぁ。澪じゃあ唯やムギの様子見に行くか。他の人と変われるんだったら変わってもらおうぜ。」

「えっいいの?」

「練習は俺もしておきたいからな。」

さっきから山中先生の姿が見えないし様子を見ておきたいしな

「うん。じゃあ行こう!!」

「おい澪」

澪に手を引かれ外に出る。よほど練習しときたかったんだな。

ただ周囲の目線がものすごく痛いのがきつかった。

「はーい。いらっしゃい。いらっしゃい。安いよ。安いよ!」

「この声は?」

「ちょっと澪。」

相変わらず俺の話を聞いていなかった。

「ちょっと唯。」

「あれ?澪ちゃんとかいちゃん。ヤキソバ?」

「違う。唯たちが係変わってくれる人がいそうだったら変わってもらおうと思ってたんだよ。」

すると急にブツンと言う音が聞こえ電灯が消える。ブレーカーが落ちたか。

唯のクラスメイトがまたと言っている限り頻繁になってるんだろう。

「なんか大変そうだな。」

「悪い邪魔したな。ついでにヤキソバ二つ。」

「まいど。」

「ちょっとかい。」

「邪魔したからな利益に貢献しないと。」

「600円だよ。」

俺は財布から金を取り出し唯に渡す。

「後澪手を離してくれないと。」

「ねえ。秋山さんと松井くんって付き合ってるの?」

「えっ?」

遅かったな。

女子たちに俺たちは囲まれてしまう。

その後誤解を解くのに数分かかった。

 

「あっ、澪とかい。」

「ねぇ、律。本番前の練習やっておかない?」

「ごめん、今無理。ほらこんなに並んでるだからさ?」

「他の人と変われないか?」

「うーん。一応この企画の言い出しっぺだからね。最初くらいはやっとかないと。」

やっぱり無理か。

「じゃあムギはどこ?」

「ん」

律が指差した先はクラスがやっているお化け屋敷だった。

「うーうぅ」

「澪大丈夫か?」

「この中」

「うん。クラスの人ならはいってもいいよ。」

「付き人ってことで入っていいか。こいつ結構きてるから。」

「はい。50円。」

「……ほらよ。」

50円を払う。

「暗いから気をつけてね。」

「了解。」

中に入ると真っ暗闇で前は数メートルしか見えず見える範囲にはお化けの装飾がある。

「へぇー雰囲気あるじゃん。」

「かいはこういうとこ平気なの?」

「あぁ。別に平気だけど。」

ムギが怒った時に比べたら全然怖くない。

「ほら行くぞ。」

「……うん。」

すると手を掴んでくる澪。

「澪?」

「ごめん。かい。」

微かに震えているのが分かる。

「別にいいよ。怖いなら出るか?俺がもう一回入ってムギと話してくるけど。」

「ううん。大丈夫だから。」

「ならいいけど。」

早めにムギを誘わないとかなり厳しいな。

そして少し少し歩き出す。

俺が前で澪が後ろ。

絶対律はこうなること分かってたな。

澪は怖いのか体を密着させてきている。気が動転しているらしい。

不謹慎かもしれないけど凄くドキドキしてしまう。

涙目と上目遣いの組み合わせは最強だと一星が言っていたことが分かる。

「ムギいるの?」

「ここにはいないらしいな多分もうちょっと先だと思うぞ。」

「うーもうやだー」

「ほらもうちょっとで出口だと思うからもうちょっと我慢しろ。」

「キャー」

「キャー」

「おい。澪!!」

女の叫び声に驚く澪は俺に抱きつく形になっていた。

「あっ、か、かい。」

「大丈夫だよ。他の人が驚いただけだから。」

あーしょうがない。

「澪出るぞ。もう限界だろうし。」

「う、うん。」

「澪ちゃんとかいちゃん私よ。」

ムギの声が聞こえる?

「澪振り向くな。」

「かい?どうして?」

「お化け屋敷のスタッフだからお化け役なんだろ。ムギ。」

「うん。だからこっち向いてくれたら嬉しいな。」

「あの澪もうそろそろ離してくれないか。ムギの方むけない。」

「う、うん。」

すると離れる澪。

ムギの方を向くと白い衣装を着たムギがいた。

「ムギは他の人と変われないか聞きにきたんだけど無理そうだな。」

「うんお化け役だから抜けられないんだ。」

「ふーん。あとムギ、ワサビかカラシ持ってないか?」

「持ってないけど?ひつようなの?」

「ちょっと仕返ししようと思ったけど持ってないんだったらいいや。」

まぁあの時に仕返ししようか。

「んじゃ二人で練習するか。その前に」

さっきから震えている澪の方を向き、落ち着かせることが先だよなぁ。

苦笑しながら澪のに話しかけた。

 

あれから一時間後

「今の良かったな。」

「本当。」

「あぁ、今までの中で一番じゃないか?」

指摘が全くない完璧な演奏だったと思った。

「でも少し休もうぜずっと弾いてたら腹減ってきた。」

「うん。でもいいの。」

「弁当さえ残ってたらよくないか?さっき買ってきたヤキソバでも食おうぜ。」

「うーんでも。」

と何かためらっている。俺は気にせず自分の分を開ける。

冷たくなっていたがソースと青のりの風味がして美味しい。

「そういえば、かいはライブしたことあるの?」

「ないぞ。こう言う場所では。よくて駅前で弾く程度。」

「駅前ライブしてたの?」

「あぁ、最近は一人で歌ってたり。」

「ひとりで!?」

「まぁちゃんと許可とってからだけどな。」

最初の頃は全然聞いてくれなかったけど最近じゃあ固定客も増えてきている。

「でもなれたら楽しいぞ。ちゃんと他の人からの意見も聞けるしな。」

「……かいは恥ずかしくないの?人前で歌うこと。」

「恥ずかしいに決まってるだろ。」

「じゃあ。どうしてボーカルをやろうと思ったの。」

「親父がかっこよかったから。」

シンプルだよな。あいかわらずだけど。

「親父もバンドくんでいたことは言ったよな。だからギターや色々習っていたんだけど昔はあまり好きじゃなかったんだよ。他の人がスポーツやっていた中で俺は音楽。みんなはギターとか弾けることがかっこいいと言っていたけど俺は野球とかサッカーをやりたかったんだよ。」

習い事でギター弾いていたけどずっと孤独だった。

習い事は週に6日。友達は親同士がよ仲が良かったムギだけだった。

「でも、昔親父が学生だった時のバンドを見てな。それがものすごくかっこいいと思ったんだよ。」

親父がボーカルしていた曲がとてもよかった。母さんがベースを弾き、ギターとドラムが親父の知り合いが弾いていたらしい。

「だから、俺も親父みたいにかっこいいと思えるボーカルになりたいんだよ。だからそのためなら恥ずかしさでもなんでも我慢するさ。それに恥ずかしいってよりも楽しいからな。」

かなりくさかったな。少し顔が熱くなる。

「まぁ、俺は親父の影響で音楽が好きになったし、ボーカルを目指したいと思ったんだよ。」

「えっとかい照れてる。」

「照れるに決まってるだろうが!!」

まぁ少し苦笑してしまう。

「恥ずかしいから忘れてくれると嬉しいけどな。」

「なんで?かっこいいと思うけど?」

「……休憩終わり。ほら練習するぞ。」

空になったプラスチック容器をゴミ箱に投げる。

ゴミ箱に入ったのをみてからギターを持った瞬間

「またせたな!澪!!」

「かいちゃんもごめんね。」

「私も練習するよ。」

と係に当たっていたみんなが戻ってくる。

「んじゃ、合わせようぜ。澪ステージで歌う順番でいい?」

「うん。いいよ。」

「んじゃいくか。」

俺たちは全体練習を始めた。

 

「うーしまぁまぁなんじゃないか。」

「そうか?普通に良かったと思うけど。」

「うん。ばっちりだった。」

すると少し笑顔が漏れる。

「みんないるわねー。」

山中先生が部室にはいってくる。

「先生どうしたんですか?」

「うふふ。不本意ながら軽音部の顧問になったことだしなにかできることはないかと思って衣装作ってきました。」

「のりのりだ!!」

しかも数種類あるし。しかも

「あの、山中先生?なんでナース服とスク水があるんですか?」

「えーと……趣味?」

「変態だ!!」

なんで学園祭でスク水やナース服を着させる教師がいるんだよ。

「あーもう。ちょっと待って。少し合わせるから。」

とりあえず露出が多いやつやあまりにも排除していく。

すると最初に先生が見せてきたやつと数着が残る。

「これくらいかまだ文化祭で着れそうなものは。」

基本先生も分かってて持ってきたと思うけど、かなり黒主体で可愛い服だった。

「これくらいかな。着ていいのはあとは却下。」

「仕方ないわね。」

「かい。でもこれ着て歌うの?」

涙目の澪が言う。

「正直言って生地も確かだしこれくらいが普通だぞ。」

「そ、そうなのか?」

「あぁ。しかも服が黒だから曲にもあってる。結構いいセンスしてると思うぞ。」

俺のやつも黒主体の少しだけ目立つけどかっこいいやつだし

「せっかくだし着たらどうだ?せっかく作ってくれたわけだし。」

「かいがいうなら……」

澪も折れてくれたらしいので衣装を一つ持つ。

「んじゃ俺ビラ配りしてくるな。機材運ぶ時になったら呼んでくれ。」

「分かった。」

「んじゃあな。またあとでな。」

俺は昨日刷っておいた生徒会承認付きのチラシを持つ。

できることは最後までやっておこうと思った。

 

「なんで呼ばなかったんだよ。」

気がついたら2時半を回っていて急いで着替えて舞台裏に行く。

「私たちも練習していたらすっかり。」

「唯ほっぺにクリームついてるぞ。」

「えっ、うそ。今日はクッキーだったからクリームは。」

「おい唯。」

こいつら俺がチラシ配っていた時にお茶してたのかよ。

「お前ら当分の間お茶とお菓子禁止な。」

「そ、それだけは。」

「はぁ。全く本番前に合わせられないって。まぁいいけど。」

ため息をつく。

「次は軽音部によるバンド演奏です。」

アナウンスが流れる。

「よーしみんな行くぞ。」

「「「おー」」」

すると澪が小声だったので見ると震えていた。

「澪大丈夫か?」

「う、うん。」

といいながら声が震えているのが分かった。

大丈夫じゃないな。見ただけで分かった。

「澪、最初はCrow Song,Rising Hope,ふわふわ時間の順だからな。」

「うん。」

「……澪、大丈夫だよ。」

「えっ?」

「澪は努力してきたのはずっと俺が見てきたから絶対に大丈夫だ。」

「そうだよ澪ちゃん」

唯が俺の言葉に賛同する。

「そうだよ澪。」

「澪ちゃん。」

律、ムギも続く。

「大丈夫俺たちがいるから。」

すると澪が笑う。

「うん。」

「じゃあ。いくか。」

ステージが開き観客がこっちを見る。

そして最初の学園祭が始まった。

歌は俺がメインボーカルはほとんど俺になっていたので精一杯歌った。

いつもはあんなにお菓子を食べ、雑談に花咲かせてるみんなが演奏する。

そして澪がサブボーカルで盛り上げてくれる。

一曲目が終わり二曲目、そして澪がボーカルの三曲目に移る。

俺は澪の横顔が見える。

すると今まで見たことのないような笑顔で歌っていた。

そして演奏が終わる。

少しの静寂すると

パチパチ

どこからか始まった拍手は講堂中に広がる。

俺は澪の隣に向かう。

「澪。」

すると頷き声を合わせ

「「みんなありがとー」」

すると歓声が聞こえる。

少し落ち着いてから一礼する。

「んじゃあ次あるから撤収しようか。」

「そうだね。」

するとマイクのコードが澪の足元にあった。

「澪危ない。」

「えっ。キャー。」

俺は近くにいたので澪の手を引くと重心がこっちに傾き俺にのかかってくる。

なんとか倒れないですんだけど澪が俺に抱きつくような形になる。

「ッ悪い。」

「あ、ううん。私が周り見てないのが悪かったんだし。」

空気が少し気まずい。

「あの、お二人さんそこでいちゃつかれると。」

「「いちゃついてない!!」」

律に突っ込む。

「でもお似合いだよ。二人とも。」

「えっ」

「くそー羨ましいぞ。」

「ちょっと」

「いやー青春だね」

「「だから違う!!」

講堂中に俺と澪の声が響きわたった。

 

翌日

「よう、みんな、昨日はお疲れさん。」

俺は放課後少し経ってから俺が部室に入る。

「かいちゃん遅かったね?どうしたの?」

「あーうん。ちょっとな。」

少しため息をつく。

「もしかして男子から何か言われたの?」

「男子はまだマシ。あの女子に囲まれて誤解を解いた後。ちょっと色々あって。」

「告白されたとか」

するとため息をつく。

「律ビンゴ。同級生からならマシだけど上級生の告白を断るのは結構きつい。」

「かいちゃん今日何人に告白されたの?」

「7人。」

「……」

「とりあえず澪は。俺もひどかったけどあいつもかなり言われているだろう。」

「澪はあそこで再起不能になってる。」

律が指指す先にはかなり沈んでいる澪がいた。

これは再起がたいへんだなぁ。

最初の文化祭は楽しかったけど、トラウマに残る結果となった。

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