遅すぎた後悔、始まる戦い 作:ウラギ
輪廻転生、というものをご存じだろうか。生まれ変わりでもいい
死んであの世に還った魂が、この世に何度も生まれ変わってくることを言う。東洋系の宗教で、よく聞く与太話だが。西洋の「生まれて、死んで、審判を受けて、天国か地獄へ行く」という、ただ一回の生とは違った考え方。
まぁ、つまるところどっちかがウソを言っているわけだ
……いや、どちらもウソ、という可能性も無きにしも非ずだが
まぁそういう哲学的な話は唸る程暇を持て余した人間達に任せればいい事、どうせ向上意識も教養もない人間がうんうん唸ったところで、大した結論にならないのはそれこそ考えるまでもなく分かり切っているのだ
だが今敢えて答えるならばその輪廻とやらは間違いなくあると言い切れる、何故なら当の自分が
どういうことかというと、まず俺は家でいつものように仕事をしていたある日突然胸が苦しくなり、倒れてそのまま意識を失った、発作でも起きたのか、それは分からない
すると上も下も右も左もまるで分らない、自分さえまともに認識できない訳の分からない空間でいつの間にか輪郭のない
いや、対面したという表現は相応しく無いかも知れない、見ようとしてもまるで焦点が合わない、声を発する事も出来ないのだから
その時突如頭に響いたそれが声だったのか、あるいは念波という奴だったのかは分からない、ただ確かなのは、その人形が自分を望む世界に記憶をもったまま生まれ変わらせ望む力を一つだけ授けようと伝えてきた事だ、そして私が望んだのは『ワールドトリガー』という世界に『雨鳥千佳の百倍のトリオンをもって生まれる』事であった
今思うと何故あの時の私はそんな火種しか生まないような力を望んだのかと、甚だ不思議に思う
これは自意識過剰な中学生というより、小学二年生と同等の考えと言っていい
この世界でそれほどの、莫大と言うにも生ぬるい程のトリオンを持つという事が、どういう事が分かっていた筈なのにいくら夢と思っていたとはいえそんな物を願うなど愚の骨頂である
そして、トリオン器官は肉体の成長に伴い成長する、雨鳥千佳の百倍というのはあくまでも「この世に生を受けた」、つまり赤ん坊の時点での話、つまり成人する頃には―――その何倍にも膨れ上がっているという事だ
原作を読んだ事のある人はわかるだろうが、そもそもトリオン兵が
そして私は雨鳥千佳のような気配を消すサイドエフェクトは持っていなかった、つまりトリオン兵から身を隠す事が出来ないのだ
じゃあ三門市から逃げればいいのでは、といってもそうはいかない。近界民の存在がまともに認知されていない状態で小学生がどう喚いたところで漫画の読みすぎと思われるならまだ良いが、最悪精神病院に隔離される。
それに門は三門市だけに現れる訳ではない、ボーダー発足前は当然門の誘導装置が無い為に世界のどこかに現れそして人を連れ去っていく、その現象は俗に神隠しと呼ばれる事もある
つまり無駄だ、少なくとも第一次大規模侵攻が起きボーダーが発足する前は、その事に気付いた時には全てが遅かった
突如近界民が家を襲い壊れ、育ててくれた親は死に、気にかけてくれた友人はそれに巻き込まれた
捕獲用トリオン兵、バムスターの暗い腹の中でかつての自分の考えの浅さを呪い涙を流しながら私は思った
こんな力は、どうあっても望んではいけなかったのだと
そう思い、舌を噛み切ろうとした
―――その時だった
見えなくなった光が差し、聞こえなくなった筈の雨音が、強く耳に響いた。そして気付くと目の前には剣を持った黒髪の男が自分の肩を掴み、大声で自分を呼んでいた
「おい!大丈夫か君!!こちら忍田、バムスターに捕獲されていた少年を救助した!すぐそちらに合流する!」
主人公のトリオン値はBBF的にいうと軽く5桁行ってます、アイビスを撃てば三門市なんてイチコロです
イーグレットなんて月まで届きます
アフトクラトルのマザートリガーにぶち込んだら?そりゃあもう土地がありすぎて困っちゃうくらいですかね!
ちなみに架空の世界である筈のワールドトリガーの世界がある理由は元から実在していたのではなく主人公を生まれ変わらせたヒトガタが主人公の要望をかなえる為ワールドトリガーの世界を一から構築した、という設定です