勝男に証拠隠滅を図っているところを目撃された一同。銀時と平子はバケツの中、その他は逃走し、何とかヤクザから逃げ切る。
銀時以外は万事屋に戻ると、お登勢が電話で何やら話していた。本人は『銀時から』と言っている。
「次郎長との件は、お互い話し合いで手引いたらしいよ。それより、昨日からずっと飯食べてないだろ?どこに食べに行く?」
「いいアルか!」
「焼肉!焼肉デス!高イトコロ!」
「アホか!そんなんじゃダメアル!食べ放題!!」
「喧嘩はやめましょう。ここは折衷案でガソリンスタンドにしましょう」
「どこが折衷案!?」
「……」
皆がお登勢の外食の話に盛り上がる中、銀平は一人、疑問を抱いていた。
「銀平さん?」
「……」
「銀平!」
「……どうした」
「どうしたって……暗いですよ。表情」
疑問、それはお登勢の先ほどまでの電話について。お登勢は『銀時から』といっていたが、何か引っかかる。平子も無事と言っていたが、あの二人は生コンクリート入りのバケツに隠れた。ヤクザが手を引いたころにはもうそれは固まっていただろう。それからどうやって抜け出した?そして彼は公衆電話で通話できるほどの金を所持していたであろうか?あのヤクザ達が話し合いで本当に手を引いたのだろうか?
考えれば考えるほど、表情が暗く、険しくなる。
「銀平、どうしたアルか?腹でも痛いアルか?」
「……いや、違う。ありがとな」
自分を心配してくれた神楽に礼を言う。どうかこれらの予想は当たらないでくれ。こう願っていたが
当たってしまった。
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数日後、かぶき町では『四天王の一人、お登勢が同じく四天王の一人、次郎長に斬られた』という噂が広まった。この日銀平は本業の関係でこの街を離れていた。万事屋に帰ってくると誰もいない。下のスナックにも誰もいない。そして混乱する彼の周りにはこの噂に関しての話をする者たち。彼は病院へ急いだ。
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「……!!」
病院についた彼を待っていたのは、治療中のお登勢と目の下にくまができているにも関わらず眠ろうとしない万事屋とスナックお登勢の姿だった。
「神楽ちゃん、少し休んだら?」
「人ン家ですやすや眠れる程尻軽女じゃないネ。それに、寝て起きた時にもし…‥バーさんが……」
「大丈夫、きっと大丈夫だよ。一旦家に帰って休もう。みんなが倒れたら、誰が一番悲しむか……」
「帰る家なんてありゃしないよ」
一睡もしていない神楽に新八が声をかける。そこに花束を持った西郷がやってくる。
「あれほど逃げろと言ったのに…‥」
「……やはり……そうだったか」
西郷の言葉を聞いて銀平がボソッと言う。
「明後日、あんたらの店はあたしら四天王によって打ち壊される。それまでに荷物そろえてこの町から出ていきな。パー子、こいつらのこと頼んだよ」
「心配いらねぇ。もう店はたたむつもりだ。あとは好きにやってくれ」
こう言った銀時にキャサリンが彼の胸倉を掴み叫ぶ。こんなことされて、尻尾巻いて逃げる気か!と。
銀時はお登勢がなぜ一人で行ったか。それを話し始めた。そして
「俺は……もう何も護れる気がしねぇ……」
「……」
銀時は一人その場を離れた。
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銀時以外の万事屋とスナックのメンバーは荷物を持ち、この町を離れることにした。しかし、彼らの目からは自然と涙が流れる。かぶき町から離れたくない。こういった気持ちが表れているのだ。